軍事衛星
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軍事衛星(ぐんじえいせい、Military satellite)は軍事目的に使用される人工衛星。今のところ主に無人のものを指す。
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[編集] 概要
軍事衛星は軍事目的に開発、使用されている人工衛星をさすが、通信衛星や地球観測衛星なども軍事目的に使用することが可能で、軍事衛星と商業衛星を明確に線引きすることはできない。主要な用途は、偵察や監視などの軍事情報収集、通信や航法などの軍事行動の統制・支援、敵衛星や弾道ミサイルなどの要撃、および技術開発実験である。その最大の特徴は、国境の存在や地形・気象・昼夜に関係なく、衛星の寿命が尽きるまでの長期間かつ持続的に地球規模で任務を遂行できる点にあり、その保有の有無による国防力の格差はきわめて大きいとされる。
[編集] 歴史
軍事衛星の歴史は1957年、世界初の人工衛星スプートニク1号打上げ直後に始まり、1959年にはアメリカは写真偵察衛星ディスカバラーの打ち上げを開始した。ソ連も同時期からコスモス衛星と総称される多数の衛星をうちあげるようになったが、ソ連は軍事衛星の打ち上げを公表せず、軍事衛星と非軍事衛星の区別は判然としない。アメリカも1961年末以来、軍事衛星打ち上げの公式発表はおこなっていない。冷戦期間中はアメリカおよび旧ソ連が打ち上げた衛星総数の75%以上が軍事衛星と推定されている。アメリカおよびソ連は冷戦体制の中で戦略的・戦術的軍事力の中核としてその開発競争を展開し、特にアメリカは1983年から約8年間にわたって戦略防衛構想(SDI)を推進して、この分野でソ連を圧倒した。1991年の湾岸戦争は『ハイテク・ウォー』と呼ばれ、アメリカの軍事衛星が多国籍軍の勝利に貢献した。
1967年発効の宇宙天体条約は、核兵器等の地球周回軌道上への展開、天体および宇宙空間への配置を禁止したが、軍事衛星に対する制限条項は設けていない。むしろ軍事衛星は、各種の戦略兵器削減条約や核不拡散条約等の順守状況を相互に査察して国際的な信頼醸成を支援する有力な技術的検証手段としての地位を確立しており、領空主権の範囲は衛星の最低軌道までとすることが国際的な一般的了解事項となっている。冷戦終結後の現在では、局地紛争および偶発的な弾道ミサイル攻撃の脅威に対処するため、指揮統制・通信・情報に重点をおいた軍事衛星の運用が各国でますます盛んになっており、イギリス、フランス等のNATO諸国および中国も独自の軍事衛星を保有している。日本では2003年にはじめて情報収集衛星(偵察衛星)がうちあげられた。
[編集] 種類
- 軍事通信衛星 -- 特に秘匿する必要のある軍用通信を中継するための通信衛星。
- 軍事気象衛星 -- 軍事行動や射撃精度に影響を与える局地気象の詳細な観測を目的とする気象衛星。
- 軍事航法衛星 -- GPSなどを運用し、航行・移動する艦船・航空機・車両・人員、あるいは飛翔するミサイルや砲弾の精密な現在位置データを与える衛星(NavstarGPS衛星)。
- 軍事偵察衛星 -- 軍事施設や兵力の規模・種類・位置・活動状況などの軍事情報を得る目的の衛星。地表の衛星画像データを収集する画像偵察衛星と、通信内容やレーダー等の特性を探知する電子偵察衛星に大別される。
- 衛星攻撃衛星 -- 地上から打ち上げたロケットで誘導体を目標となる人工衛星とに接近させて自爆、目標を破壊する兵器(衛星攻撃兵器を参照)。
- 攻撃衛星 --ミサイルを搭載し宇宙空間から敵国を攻撃する衛星。ミサイル衛星。
[編集] 各国の軍事衛星
[編集] アメリカ合衆国
[編集] ロシア連邦
[編集] 日本
日本は宇宙利用を平和目的に限定し、軍事衛星は保有してこなかった。しかし、1998年8月の北朝鮮によるミサイル発射実験をうけ、情報収集を目的とした衛星の打ち上げ計画が閣議決定された。この計画にもとづき、2003年3月28日に国産のロケットH2Aの5号機が人工衛星2機をつんで、種子島宇宙センターからうちあげられた。現在4機体制。(情報収集衛星を参照)

