超軽量動力機
超軽量動力機(ちょうけいりょうどうりょくき)は搭乗定員1名ないし2名の軽量な航空機の総称である。ウルトラライトプレーン(英: ultralight plane)もしくはマイクロライトプレーン(英: Microlight plane, MLP)と呼ばれることもある。
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[編集] 概要
超軽量動力機は、1970年代終わり頃から1980年代初頭にかけて手頃な動力飛行を多くの人々が求めた結果、多くの国の航空学当局によって最小限の法規の適用を受ける軽量で低速飛行の飛行機として定義された。重量と速度限界の規定は国によって異なるが、一般に"ultralight"あるいは"microlight"と呼ばれる。スカイスポーツ組織である国際航空連盟(FAI)による定義では、失速速度が65km/h(40mph)以下で、重量が450kg(992ポンド)以下とされている。この定義により、エンジンが故障した際でも対応できるような、遅い着陸速度と短い着陸滑走距離が能力として求められる。また、水上機と水陸両用機には最大離陸重量に10%の増量が認められ、ドイツやポーランド、フランスなど、パラシュートの設置にさらに5%の増量が認められる国もある。超軽量動力機の認証をする保安基準は国によって異なり、英国、イタリア、スウェーデンならびにドイツのものは最も厳しく、フランスや米国のものは無いに等しい。超軽量動力機についての法規を特に定めていない国では、通常の航空機としてみなされ、機体と操縦者には認可条件が課せられる。
現在、先進国の多くでは超軽量動力機が民間航空機の保有台数の大部分を占める。例えば2010年10月のカナダでは、超軽量動力機の保有台数は民間航空機の登録総数の19%に達した[1]。
英国やインド、ニュージーランドでは"microlight aircraft"と呼ばれ、フランスではULM(Ultra Leger Motorisé)と呼ばれる。体重移動によって操縦するものを"microlight"、3舵によって操縦するものを"ultralight"と呼び分ける国もある。
超軽量動力機は、「トライク」とも呼ばれるハンググライダーにエンジンとプロペラを載せただけのシンプルな物から、軽飛行機と見紛うくらい複雑な構造を持つ物まで様々な形態がある。
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PPGInFlight.jpg
動力付きパラグライダー
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K-10 Swift 01.jpg
K-10 Swift - MKI
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Bunyip368.JPG
3舵操縦のAustralian Ultralight Industries Bunyip
[編集] 各国における法規上の扱い
[編集] オーストラリア
オーストラリアでの娯楽用の航空機は多くのカテゴリに分類されるが[2]、最も一般的なカテゴリは次の規定を満たす必要がある。
- 最大離陸重量が544 kg (1,199 lb)以下(水上飛行機は614 kg (1,354 lb)以下)。
- 着陸体勢での失速速度は45ノット未満。
- 定員は2名以下。
軽量スポーツ航空機の新しい認証は2006年1月7日に施行された[3]。このカテゴリは前述のカテゴリの置き換えではなく、次の規定を満たす新しいカテゴリである。
- 最大離陸重量は600 kg (1,323 lb)(水上用のものは650 kg (1,433 lb)、軽航空機は560 kg (1,235 lb))。
- 離陸体勢(Vso)での失速速度は較正対気速度で45 kn (83 km/h)以下。
- 定員はパイロットを含めて2名以下。
- 固定式降着装置を備える。グライダーは引き込み式降着装置を備えてもよい(水上用のものについては固定式、または調整式)。
- 単発のプロペラ式で、非タービンエンジンを搭載する。
- 非与圧操縦席を備える。
- グライダーの場合は超過禁止速度(Vne)は較正大気速度で135 kn (250 km/h)。
これらのいずれのカテゴリも、メーカー製航空機と自家製航空機で区別される。
オーストラリアでは"microlight aircraft"は定員が1名または2名の体重移動で操縦する、最大離陸重量が450 kg (992 lb)以下のものとして"Civil Aviation Safety Authority"によって規定されている。オーストラリアでは"microlight aircraft"は"ultralight trikes"(ウルトラライトトライク)とも呼ばれ、3舵によって操縦する"ultralight aircraft"とは区別される。
オーストラリアでは、"microlight aircraft"とその操縦者は"Hang Gliding Federation of Australia" (HGFA)[4]または or "Recreational Aviation Australia" (RA Aus)のいずれかに登録される[5]。自家製の単座"ultralight aeroplane"を除く[6]、 "microlight aircraft"やトライクのいずれの場合もCivil Aviation Regulationsによって規定されている。
[編集] 日本
| この記事は特に記述がない限り、日本国内の法令について解説しています。また最新の法令改正を反映していない場合があります。ご自身が現実に遭遇した事件については法律関連の専門家にご相談ください。免責事項もお読みください。 |
超軽量動力機とは、日本の航空法では、操縦者が着座姿勢で飛行を行いうる着陸(もしくは着水)装置と動力装置を装備した簡易構造の飛行機のうち、以下の条件を満たしている飛行機のことを言う[7]。
- 単座又は複座であること。
- 自重は、単座のものは180Kg以下、複座のものは225Kg以下
- 翼面積は10平方m以上であること。
- 失速速度65km/h以下、最大水平速度185km/h以下であること。
- 推進力はプロペラによって得るものであること。
- 車輪、そり、フロート等の着陸装置を装備したものであること。
- 燃料容量は、30リットル以下であること。
- 対気速度計及び高度計を装備したものであること。
超軽量動力機の運行は、国土交通省航空局に指定の許可を得ることで可能となる。超軽量動力機は、一般の飛行機よりも飛行させるための許可を得るのが簡単になっている。
一般の飛行機に必要な耐空証明や操縦者の技能証明は必要なく(自動車に例えれば、車検や運転免許が必要ないのと同様)、機体・操縦者・離着陸の場所について、事前に航空法上の許可を取得すれば飛ばすことが可能である。許可については、以下の3点が必要となる。
- 航空法規第11条第1項但し書き(航空機の許可)
- 航空法規第28条第3項(操縦者の許可)
- 航空法規第79条但し書き(飛行場の許可)
自動車などに比べれば手続きは煩雑だが、それでも免許が不要であるなど、航空機の中では最も申請が手軽な部類である。そのため、近年愛好者が増えていっている。
なお、これらの許可は1年間有効であり、毎年申請する必要がある。
[編集] 問題点
空を飛ぶ乗り物であるにも関わらず、いわゆる航空機を操縦するために必要な資格である操縦士技能証明書取得の必要がない。このため、本来ならば技能証明書を取得するために、長い時間をかけて習得する航空工学や、操縦などの高度な専門知識・技量が乏しいが故の初歩的な航空事故も実際に多数起こっている。[8]。
[編集] 制限
一度事故が起これば大惨事にも繋がるため、超軽量動力機には非常に強い制限がかけられている。 基本的に、家や道路のある区域では飛べず、また飛び立った場所から別の場所に降りることも許されていない。そのため、広い空間を飛ぶためには大きな河川や海辺などの地域に限定される。当然ながら、交通手段とはなり得ない。現在の所、完全にレジャー・スポーツ目的の機体である。
[編集] 脚注
- ^ Transport Canada (2010年10月). “Summary of the Canadian Civil Aircraft Register - Number of Aircraft by Category of Aircraft - October 2010”. 2010年11月12日閲覧。
- ^ http://www.raa.asn.au/operations/regulations.html Accessed 25 Nov 2010
- ^ http://www.raa.asn.au/operations/LSA_explained.html Accessed 25 Nov 2010
- ^ Hang Gliding Federation of Australia (undated). “The HGFA”. 2008年5月25日閲覧。
- ^ Recreational Aviation Australia Inc (2007年8月). “About the RA-Aus association and our mission”. 2008年5月25日閲覧。
- ^ Legal Services Group Civil Aviation Safety Authority (2007年7月). “PART 200 Aircraft to which CASR do not apply”. 2008年5月25日閲覧。
- ^ 超軽量動力機について(国土交通省航空局)
- ^ 国土交通省航空・鉄道事故調査委員会による航空機事故調査報告書によれば、離陸時の急激な機首(頭)上げに伴う失速で墜落(航空機特性の理解不足、操縦技量未熟)、急激な旋回による空中分解(機体制限事項に対する理解不足)、着陸時の操縦操作を誤り墜落(操縦技量未熟)、離陸滑走中の操作を誤る(操縦技量未熟)、自作機の自己流改造による機体部品破損墜落(航空機構造などの理解不足)、などの極めて初歩的なヒューマンエラー(人的ミス)での死亡事故も多数報告されている。このため報告書内では、教育、訓練の不足による問題も記述しており、技量や知識の低さを指摘し、これらの点を改善すべきであるとの記載もある。