芋茎

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索

芋茎(ずいき)は、サトイモハスイモの葉柄。食用にされる。

名称[編集]

語源は詳らかでない。髄茎の略か。一説に、夢窓疎石の和歌「いもの葉に置く白露のたまらぬはこれや随喜の涙なるらん」によると言われている。

平安時代の『和名抄』には「芋」の説明に「和名'以毛之。俗用芋柄二字。芋茎也。」などとあり、いもじと呼ばれていたことが分かる。

20世紀に採集された日本の方言に下記がある[1]

なお、青森県石川県京都府丹後地方、兵庫県北部、鳥取県山口県などでは、地下の芋や植物全体をもずいき(いも)ずきなどと呼ぶ例がある[2]

利用[編集]

炭水化物ミネラルタンパク質脂肪などを含む、安価な栄養食品とされ、家庭の惣菜に利用される。また、微量のサポニンが含まれるので血中のコレステロールを分解する効果もあるという説もある。

調理法[編集]

生で用いる場合[編集]

  1. 鍋に入る大きさに切る。
  2. 鍋にたっぷり湯を煮立て、食塩を1つまみ入れ、ぐらぐら煮立ったところに芋茎を入れる。
  3. ざっと茹で上げ、冷水に入れて皮を剥く。
  4. 3センチメートル程度に切ったものを親芋と共に(または親芋のように)だし汁と食塩とと少量の醤油で薄味に煮る。
    またはほぼ同じ調味料で下味を付け、胡麻酢または胡麻酢味噌、胡桃酢または胡桃酢味噌で和える。
  • 鹿児島県では「刺身のつま」「キュウリ等を合わせて酢の物」「適当に刻み味噌,醤油汁」「煮染め」「鶏(かしわ)汁」「ソーメンと煮込み汁」などで食す。

乾燥したもの[編集]

  • 関東ではほしずいき、関西、千葉県茨城県ではわりな(割菜)、香川県ではずきかんぴょう(髄茎干瓢)と称する。茎を細く割いて乾燥したもので、徳島、高知、和歌山、奈良などで産する。
  • 水に浸けて軟らかくし、だし汁、酒、醤油、味醂または砂糖で、薄味に調味したなかで煮込むのもよく、刻んだ油揚げを加え、また生姜の千切りをもふり込む。下味を付けたのを味噌和え、芥子和えにしたのも好まれる。煮込みの五目飯に混ぜても野趣が喜ばれる。煮込んだものを、干瓢の代わりに海苔巻き寿司にするのも美味である。

貯蔵に耐えるので備荒食糧に適する。また加藤清正熊本城の築城(現在の城より改築前に当たる)に際して篭城を予見して、の芯になる畳床(本来は藁床を用いる)や珪藻土ベントナイト(両方とも口にしても無害な土類)を主成分にした土壁にスサ(土壁に補強のために梳きこむつなぎ。本来はを用いる)として芋茎を用いた逸話がある[3]。(ベントナイトについては水分を吸うと膨らむ性質があるので乾パンの原料にも太平洋戦争中より用いられてきた)

  • 里芋のも富山県や岐阜県では「いもじ」と称して、乾燥させて、同じように利用される例がある。
  • 中国広東省福建省などでは「芋茎干」、「芋梗干」などと称して、スープの素材やアヒルニワトリなどと煮込んで食べる例がある。
  • ネパールでは、水で戻して黒大豆の粉をまぶして炒めることで肉に近い食感の「モシュラ」という食材とし、煮物、炒め物などの素材として使う。

脚注[編集]

  1. ^ 尚学図書編、『日本方言大辞典』別巻p778、小学館、1989年。
  2. ^ 尚学図書編、『日本方言大辞典』pp1210-1211、小学館、1989年。
  3. ^ 「飲食事典」本山荻舟 平凡社 p41 昭和33年12月25日発行

関連項目[編集]