ロンドンマラソン

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ロンドンマラソン
London Marathon 2005 at Blackfriars.jpg
開催時期 4月
開催地 イギリスの旗 イギリスロンドン
コース ロードコース
距離 マラソン
創立 1981年
公式サイト www.virginlondonmarathon.com

ロンドンマラソンLondon Marathon)は1981年以来ロンドンで毎年4月に開催されるマラソン大会である。一般的な42.195kmを走るマラソン大会ではあるが、通常の大会とは異なり巨大なスポーツの祭典となっている点が特色である。

概要[編集]

ロンドンマラソンの企画・創設はオリンピック障害競走の元チャンピオンであり、スポーツジャーナリストのクリス・ブラッシャーにより、ニューヨークシティマラソンを参考にして始められた。彼はマラソンを従来とは異なる「市民のマラソン」を現実のものにしようとしてこの大会を創設した。大勢の一般参加者が参加し多くの市民が応援するこの大会はこの夢を現実のものとしたものだろう。参加応募は常に定員を相当数オーバーしており、出場許可が得られるものは4万人を超える。これは世界最大のマラソン大会である。同時にグリーニッジ・パークからカティー・サークタワーブリッジドックランズイースト・エンドロンドン塔バッキンガム宮殿ザ・マルへと抜けるコースのいたるところに応援する市民の姿が見られ、コースを進むにつれ増えていく。

第一回ロンドンマラソンは1981年3月29日に開催され、7,747人が参加し、完走者は6,255人であった。市民の心をつかんだこの大会への参加者は次年度には3倍を数え、25回大会では出走者は35,680人にのぼった。

1981年の創設以来、当初のウェストミンスターブリッジでのゴールが、ザ・マルでのゴールに変わったのと、参加者数の増加により男子エリート、女子エリート、車椅子、一般参加者とスタートが別になったのとを除けば、競技の形式はほぼそのまま変わらず同じである。ロンドンマラソンの全ての人を魅了する魅力はその参加者の多様性にも見てとれる。車椅子競技者、エリート競技者、さらには80歳を越える参加者もいるなどベテラン競技者まで多様である。しかし、ロンドンマラソンはより広範な使命を持つマラソンであり、スポンサー付きで走るランナーを積極的に呼び込んでいることによる。その一例は自身もパーキンソン病を患うテリー・キャバナであり、パーキンソン病協会への寄付金として£14,000を集めた。個人による寄付、マラソンの収益の残り、スポンサーからの収益などから多額の寄付金が集められ、ロンドンマラソンチャリティ基金を通じて非営利団体に寄付される。これこそがクリス・ブラッシャーが目指した「市民のマラソン」という目的にかなうマラソンのゆえんである。

多額の賞金でエリート選手を惹きつける真剣な競技大会であると同時に、競技を純粋に楽しむだけのファンランナーの存在もレースをもりたてている。仮装したり、チャリティの寄付金を集めたりするランナーも含め、3万人以上のランナーが大会をもりたて、沿道に50万人の観客を呼ぶ原動力となっている。

2003年4月19日には、元ボクサーのマイケル・ワトソン(クリス・ユーバンクとの対戦後、2度と歩けないのではないかと言われていた)が戦後6日後にマラソンを完走したことでイングラングの英雄となった。

歴代優勝者[編集]

市民マラソンとチャリティ的な性格が全面に出た大会であると同時に、ロンドンマラソンは多くの選手にとって真剣なレースの場でもある。大会記録は、男子がウィルソン・キプサング・キプロティチケニアの旗 ケニア)の2:04:29(2014年)、女子がポーラ・ラドクリフイギリスの旗 イギリス)の2:15:25(2003年)であり、世界トップクラスの高速なコースの特長を示している。  太字 は世界記録、 太字 は大会記録(いずれも当時)、-数字-は優勝回数。

開催日 男子選手 タイム 女子選手 タイム
1981/03/29  ディック・ベアズレー (USA)
 インゲ・シモンセン (NOR)
2:11:48  ジョイス・スミス (GBR) 2:29:57
1982/05/09  ヒュー・ジョーンズ (GBR) 2:09:24  ジョイス・スミス (GBR) -2- 2:29:43
1983/04/17  マイク・グラットン (GBR) 2:09:43  グレテ・ワイツ (NOR) 2:25:29
1984/05/13  チャーリー・スペディング (GBR) 2:09:57  イングリッド・クリスチャンセン (NOR) 2:24:26
1985/04/21  スティーブ・ジョーンズ (GBR) 2:08:16  イングリッド・クリスチャンセン (NOR) -2- 2:21:06
1986/04/20  瀬古利彦 (JPN) 2:10:02  グレテ・ワイツ (NOR) -2- 2:24:54
1987/04/10  谷口浩美 (JPN) 2:09:50  イングリッド・クリスチャンセン (NOR) -3- 2:22:48
1988/04/17  ヘンリク・ヨルゲンセン (DNK) 2:10:20  イングリッド・クリスチャンセン (NOR) -4- 2:25:41
1989/04/23  ダグラス・ワキウリ (KEN) 2:09:03  ベロニク・マロー (GBR) 2:25:56
1990/04/22  アリスター・ハットン (GBR) 2:10:10  ワンダ・パンフィル (POL) 2:26:31
1991/04/21  ヤコブ・トルスティコフ (SSR) 2:09:17  ロザ・モタ (PRT) 2:26:14
1992/04/12  アントニオ・ピント :en (PRT) 2:10:02  カトリン・ドーレ (GER) 2:29:39
1993/04/18  イーモン・マーティン (GBR) 2:10:50  カトリン・ドーレ (GER) -2- 2:27:09
1994/04/17  ディオニシオ・セロン (MEX) 2:08:53  カトリン・ドーレ (GER) -3- 2:32:34
1995/04/02  ディオニシオ・セロン (MEX) -2- 2:08:30  マルゴザタ・ソバンスカ (POL) 2:27:43
1996/04/21  ディオニシオ・セロン (MEX) -3- 2:10:00  リズ・マッコルガン (GBR) 2:27:54
1997/04/13  アントニオ・ピント (PRT) -2- 2:07:55  ジョイス・チェプチュンバ (KEN) 2:26:51
1998/04/26  アベル・アントン (ESP) 2:07:57  キャサリーナ・マッキナーン (IRL) 2:26:26
1999/04/18  アブデルハデル・エルムージス英語版 (MAR) 2:07:57  ジョイス・チェプチュンバ (KEN) -2- 2:23:22
2000/04/16  アントニオ・ピント (PRT) -3- 2:06:36  テグラ・ロルーペ (KEN) 2:24:33
2001/04/22  アブデルハデル・エルムージス (MAR) -2- 2:07:09  デラルツ・ツル (ETH) 2:23:57
2002/04/14  ハーリド・ハヌーシ (USA) 2:05:38  ポーラ・ラドクリフ (GBR) 2:18:56
2003/04/13  ゲザハン・アベラ (ETH) 2:07:56  ポーラ・ラドクリフ (GBR) -2- 2:15:25
2004/04/18  エバンス・ルット英語版 (KEN) 2:06:18  マーガレット・オカヨ (KEN) 2:22:35
2005/04/17  マーティン・レル (KEN) 2:07:35  ポーラ・ラドクリフ (GBR) -3- 2:17:42
2006/04/23  フェリックス・リモ (KEN) 2:06:39  ディーナ・カスター (USA) 2:19:36
2007/04/22  マーティン・レル (KEN) -2- 2:07:41  周春秀 (CHN) 2:20:38
2008/04/13  マーティン・レル (KEN) -3- 2:05:15  イリーナ・ミキテンコ (GER) 2:24:14
2009/04/26  サムエル・ワンジル (KEN) 2:05:10  イリーナ・ミキテンコ (GER) -2- 2:22:11
2010/04/25  ツェガエ・ケベデ (ETH) 2:05:19  リリア・ショブホワ (RUS) 2:22:00
2011/04/17  エマニュエル・ムタイ (KEN) 2:04:40  メアリー・ケイタニー英語版 (KEN) 2:19:19
2012/04/22  ウィルソン・キプサング・キプロティチ (KEN) 2:04:44  メアリー・ケイタニー (KEN) -2- 2:18:37
2013/04/21  ツェガエ・ケベデ (ETH) -2- 2:06:04  プリスカ・ジェプトゥー (KEN) 2:20:15
2014/04/13  ウィルソン・キプサング・キプロティチ (KEN) -2- 2:04:29  エドナ・キプラガト (KEN) 2:20:21
*印: 女子単独レースとして。

車いすの部[編集]

車いすの部 歴代優勝者

開催年 男子選手 タイム 女子選手 タイム
1997年      Tanni Grey-Thompson (GBR)  
1998年      Tanni Grey-Thompson (GBR)  
1999年      Tanni Grey-Thompson (GBR)  
2000年      Tanni Grey-Thompson (GBR)  
2001年      Tanni Grey-Thompson (GBR)  
2002年  デヴィッド・ウィアー (GBR) 1:39:44  Tanni Grey-Thompson (GBR) 2:22:51
2003年  Joel Jeannot (FRA) 1:32:02  Francesca Porcellato (ITA) 2:04:21
2004年  Saul Mendoza (MEX)    Francesca Porcellato (ITA) 2:05:00
2005年  Saul Mendoza (MEX) 1:35:51  Francesca Porcellato (ITA) 1:57:00
2006年  デヴィッド・ウィアー (GBR) 1:29:48  Francesca Porcellato (ITA) 1:59:57
2007年  デヴィッド・ウィアー (GBR) 1:30:49  Shelly Woods (GBR) 1:50:40
2008年  デヴィッド・ウィアー (GBR) 1:33:56  Sandra Graf (SUI) 1:48:04
2009年  カート・ファーンリー (AUS) 1:28:57  アマンダ・マクグローリー (USA) 1:50:39
2010年  Josh Cassidy (CAN) 1:35:21  土田和歌子 (JPN) 1:52:33
2011年  デヴィッド・ウィアー (GBR) 1:30:05  アマンダ・マクグローリー (USA) 1:46:31
2012年  デヴィッド・ウィアー (GBR) 1:32:26  シェリー・ウッズ (GBR) 1:49:10
2013年  カート・ファーンリー (AUS) 1:31:29  Tatyana McFadden (USA) 1:46:02
2014年  Marcel Hug (SUI) 1:32:41  Tatyana McFadden (USA) 1:45:12
2012ロンドンマラソン

放送[編集]

BBCスポーツが中継放送を行っている。

外部リンク[編集]