ピアノソナタ第7番 (ベートーヴェン)

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ピアノソナタ第7番ニ長調Op.10-3は、ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンが作曲し、1798年にOp.10としてまとめられた3曲のピアノソナタのうちの第3曲。前2作のハ短調ヘ長調が3楽章制を採り、小規模であるのに対して、これは4楽章制を採り、大規模である。特に緩徐楽章は作曲者晩年の作品に通じる、瞑想的な曲想をたたえており、注目できる。

曲の構成[編集]

第1楽章 Presto
ソナタ形式。第1主題はユニゾンで駆け上がり、堂々と提示される。推移はロ短調の流れる旋律に始まり、第2主題も軽快なもの。その後に続く4度の上昇と下降を特徴としたレガートな部分は第3主題とみることもできる。この4度下降のモティーフは結尾と展開部の橋渡しにも使われる。展開部は変ロ長調に転調し、第1主題が扱われる。再現部は定型どおりであるがコーダは充実している。
第2楽章 Largo e mesto
ニ短調三部形式。ベートーヴェン自身が「心の憂鬱を表し、そのあらゆる陰影や相を描く」と言ったといわれており、「mesto(悲しげに)」と指示されたように厚ぼったい和音の上に悲壮な旋律が荘重に歌われる。声部書法的な部分も表れ、トリルを含む音型が高音と低音で掛け合いされることでより悲壮感は強められる。中間部には印象的な32分音符の音型による部分が続く。再現部は公式的であるが、コーダでは主題が低音部に現れ、それをアルペッジョで伴奏し、中間部に登場した32分音符によるパッセージも使用される。そして曲はゆっくりと歩むように終わる。
第3楽章 Menuetto,Allegro
主部は四声体的に書かれ、対位法的な線の絡みも現れる。トリオはト長調になり、3連符の伴奏で高音部と低音部が掛け合う。
第4楽章 Rondo,Allegro
大ロンド形式。何かを問うような、印象的な主題に始まる。その主題は何度も現れるたびに変奏され、より問いの要素を増す。