ピアノソナタ第16番 (ベートーヴェン)

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ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンの作曲したピアノソナタト長調Op.31-11802年の作品。有名な「テンペスト」、や変ホ長調(狩)の作品と共にOp.31として出版されたが、その中では相対的に存在感が薄い。しかし作曲年代はハイリゲンシュタットの遺書が書かれた時期にあたり、作曲者の中期様式へと変化していく入り口となる作品である。

曲の構成[編集]

第1楽章 Allegro vivace
右手と左手で16分音符ずらされた、ユニークな第1主題を持つ。この主題が一全音低く繰り返される点や、第2主題が主調と長3度の関係にある点(この場合ロ長調)、さらに再現部における扱われ方において、ヴァルトシュタインと共通するものがある。この楽章のコーダについては、当時の出版社が勝手に2小節を挿入し、ベートーヴェンが激怒したというエピソードが伝えられている。
第2楽章 Adagio grazioso
3部形式。ベートーヴェンらしい息の長い穏やかな主題が、登場する度に華麗に変奏されていく。
第3楽章 Rondo,Allegretto
ロンド。主題は緻密に労作されていくが、喜ばしさに溢れている。コーダはPrestoとなり、諧謔的に終わる。