ピアノソナタ第15番 (ベートーヴェン)

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ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンピアノソナタ第15番ニ長調作品28は、かの有名な《月光》の次に作曲されたピアノソナタである。《田園》の通称で親しまれているが、これはベートーヴェン自身がつけたものではなく、ハンブルクの出版社クランツ社が作曲者の死後1838年に出版した際に勝手に命名してから定着してしまったものである。しかし、8分の6拍子を基調とした牧歌的な響きが全楽章を支配しているため、パストラーレ(牧歌 風)と称するのもさほど見当はずれではない。

曲の構成[編集]

第1楽章 Allegro
ニ長調。ソナタ形式。華やかな主題の下を、絶え間なく打ち鳴らされる持続低音が支えており、これが生み出す牧歌的な雰囲気が全曲を支配している。
最後は第1主題と高音を打ち鳴らしながら静かに終わる。
第2楽章 Andante
ニ短調三部形式。第1楽章と同じ趣の持続低音を持つ。中間部では3拍子の長調となって新鮮な主題を提示する。
長調が終わると再び第1主題が呈示されその変奏が奏でられる。最後は静かに終わる。
第3楽章 Scherzo. Allegro vivace
ニ長調。三部形式スケルツォと明記されている。トリオは滑稽で農民的な響きを持つ。
第4楽章 Rondo. Allegro, ma non troppo
ニ長調。ロンド形式。ベートーヴェンのロンドではよく見られる対位法的な書式が用いられているが、第1楽章で提示された持続低音による牧歌的情緒はここでも失われていない。コーダはテンポを高めて終結に導く。全楽章中最も難易度が高い。