デレク・トラックス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
デレク・トラックス
Derek Trucks
デレク・トラックス(2009年)
基本情報
生誕 (1979-06-08) 1979年6月8日(44歳)
出身地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国フロリダ州ジャクソンビル
ジャンル ブルースブルースロックサザン・ロックジャム・ロック
職業 ミュージシャンソングライター
担当楽器 ギター、サロード
活動期間 1988年 -
レーベル コロムビア・レコード
レガシー・レコーディングス
共同作業者 オールマン・ブラザーズ・バンド
デレク・トラックス・バンド
Soul Stew Revival
テデスキ・トラックス・バンド
公式サイト www.derektrucks.com

デレク・トラックスDerek Trucks, 1979年6月8日 - )は、アメリカ合衆国ギタリストスライドギターの名手として知られ、ジョン・メイヤージョン・フルシアンテと共に「新世代3大ギタリスト」と呼ばれる。「ローリング・ストーンの選ぶ歴史上最も偉大な100人のギタリスト」において2003年は第81位、2011年の改訂版では第16位。妻は同じくギタリストでブルース歌手のスーザン・テデスキ(Susan Tedeschi)。

人物[編集]

フロリダ州ジャクソンヴィル出身[1]オールマン・ブラザーズ・バンドのオリジナル・メンバーであるドラマー、ブッチ・トラックス(ButchTrucks)ので、9歳からギターを弾き始める[1]。弟のデュアン・トラックス(Duane Trucks)もドラマーとして音楽活を行なっている。

1994年にベーシストのトッド・スモーリィとともにバンドを組み始め、翌1995年にはドラマーのヨンリコ・スコットが参加してデレク・トラックス・バンドを結成。その後、キーボーディストのコフィ・バーブリッジ(オールマン・ブラザーズ・バンドのベーシストであるオテイル・バーブリッジの兄)、ボーカルのマイク・マティソン、パーカッションのカウント・ムブトゥも加わり、1997年から2010年までに6枚のスタジオ・アルバムと3枚のライブ・アルバムを発表した。

一方、10代前半からオールマン・ブラザーズ・バンドのライブにもゲストとして参加するようになり[1]1999年には正式メンバーとして迎えられた[2]。以降、同バンドの特徴であるツイン・リード・スタイルの一翼を担ってきたが、2014年にもう1名のギタリストであるウォーレン・ヘインズとともに脱退を表明した[2]

ブルースシンガーでギタリストの妻スーザン・テデスキも1997年から彼と一緒に活動している。2010年には妻のバンドと合併及び再編成を行い、デレク・トラックス・バンドは活動停止し、現在はテデスキ・トラックス・バンドとして活動している。

著名ミュージシャンの様々なセッションに参加し、2006年にはエリック・クラプトンのツアーにも同行した。ちなみに彼の名前のデレクはクラプトンとデュアン・オールマンが参加した伝説のバンド、デレク・アンド・ザ・ドミノスにちなむ。

2004年にデレク・トラックス・バンドを率いて初来日を果たし、その後もテデスキ・トラックス・バンドで定期的に来日公演を行なっている。

プレイスタイル[編集]

微細な音程を自在に操るスライド・ギターの名手として名高い。ロックブルースエルモア・ジェイムズデュアン・オールマンB.B.キングなど)を基本としつつ、マイルス・デイヴィスの「So What」やジョン・コルトレーンの「Mr P.C」といった曲をカバー、サン・ラなどにも影響を受けるなどジャズ、さらにインド・アラブ音楽など幅広い音楽性を備えている。

ライブにおいては直立不動で、多彩なフレーズを涼しい顔で演奏している。2006年には、デレク・トラックス・バンドの初ライブDVD『Songlines Live』をリリース、このDVDで、当時の彼らの代表曲は一通り見ることができる。

使用機材[編集]

メイン・ギターはギブソン社SGで、スライドバーにはデュアン・オールマンが使用していたことで有名なコリシディン(風邪薬)のボトルを愛用している。アンプフェンダー社のスーパーリバーブで、エフェクターはディレイのみ使用。シールドは、プラネットウェーブ社のカスタムシリーズを使用。最近では、ポール・リード・スミスが2009年に発表したアンプを導入している。ライブにおいて右手はフィンガー・ピッキング(指弾き)であり、左手がスライドでなく押弦の場合も右手は指弾きである。チューニングオープンEで、通常のコード弾きもオープンEのままプレイする。

デレク・トラックス・バンド・メンバー[編集]

  • トッド・スモーリィ (Todd Smallie) – ベース、ボーカル
  • マイク・マティソン (Mike Mattison) – リードボーカル
  • カウント・ムブトゥ (Count M'Butu) – パーカッション

テデスキ・トラックス・バンド・メンバー[編集]

  • スーザン・テデスキ(Susan Tedeschi):リード・ボーカル、リズムギター
  • デレク・トラックス(Derek Trucks):リードギター
  • タイラー・グリーンウェル(Tyler Greenwell):ドラム、パーカッション
  • ケビ・ウィリアムズ(Kebbi Williams):サックス
  • エフライム・オーウェンズ(Ephraim Owens):トランペット
  • エリザベス・レア(Elizabeth Lea):トロンボーン
  • マイク・マティソン(Mike Mattison):ハーモニー・ボーカル
  • マーク・リバーズ(Mark Rivers):ハーモニー・ボーカル
  • アリシア・シャコール(Alecia Chakour):ハーモニー・ボーカル
  • ブランドン・ボーン(Brandon Boone):ベース ※ティム・ルフェーブルの後任として2018年12月に加入
  • ゲイブ・ディクソン(Gabe Dixon):キーボード、ボーカル ※亡くなったコフィ・バーブリッジの後任として2019年のツアーから参加。シンガーソングライターとして自らのバンドを率いて活動も行なっている。
  • イザーク・イーディー(Isaac Eady):ドラム ※2021年7月30日レッド・ロックス公演から正式参加

元メンバー[編集]

  • オテイル・バーブリッジ(Oteil Burbridge):ベース
  • ティム・ルフェーブル(Tim Lefebvre):ベース ※2018年12月脱退
  • コフィ・バーブリッジ(Kofi Burbridge):キーボード、フルート ※2019年2月15日死去
  • J.J. ジョンソン(J. J. Johnson):ドラム、パーカッション ※2020年11月脱退
  • モーリス・ブラウン (Maurice Brown):トランペット 

来日公演[編集]

ディスコグラフィ[編集]

デレク・トラックス・バンド Derek Trucks Band[編集]

  • 『デレク・トラックス・バンド』 - The Derek Trucks Band(1997年)
  • 『アウト・オブ・ザ・マッドネス』 - Out of the Madness(1998年)
  • 『ジョイフル・ノイズ』 - Joyful Noise(2002年)
  • 『ソウル・セレナーデ』 - Soul Serenade(2003年)
  • 『ライヴ・アット・ジョージア・シアター』 - Live at Georgia Theatre(2004年)※ライブ
  • 『ソングラインズ』 - Songlines(2006年、Legacy Recordings
  • Songlines Live(2006年、Legacy Recordings) ※DVD
  • 『オールレディ・フリー』 - Already Free(2009年)
  • 『ロードソングス』 - Roadsongs(2010年)※ライブ

テデスキ・トラックス・バンド Tedeschi Trucks Band[編集]

  • 『レヴェレイター』 - Revelator(2011年)
  • 『エヴリバディズ・トーキン』 - Everybody's Talkin'(2012年) ※ライブ
  • 『メイド・アップ・マインド』 - Made Up Mind(2013年)
  • 『レット・ミー・ゲット・バイ』 - Let Me Get By(2016年)
  • 『ライヴ・フロム・ザ・フォックス・オークランド』 - Live from the Fox Oakland(2017年) ※ライブ
  • 『サインズ』-Sings(2019年)
  • 『レイラ・リヴィジテッド』-Layla Revisited(2021年)※ライブ
  • 『アイ・アム・ザ・ムーン:I. クレッセント』- I Am the Moon : I. Crescent(2022年)※全4章から成る連作の第1章。ほぼ4ヶ月連続リリース。
  • 『アイ・アム・ザ・ムーン:Ⅱ. アセンション』- I Am the Moon :Ⅱ. Ascension(2022年)※第2章
  • 『アイ・アム・ザ・ムーン:Ⅲ. ザ・フォール』- I AM the Moon : Ⅲ. The Fall(2022年)※第3章
  • 『アイ・アム・ザ・ムーン:Ⅳ.フェアウェル』- I AM the Moon : Ⅳ. Farewell(2022年)※第4章

オールマン・ブラザーズ・バンド Allman Brothers Band[編集]

参加アルバム[編集]

  • セデル・デイヴィス : The Best of Cedell Davis(1995年)
  • Various Artists : 『トゥ・クライ・ユー・ア・ソング…ア・コレクション・オブ・タル・テイル~ジェスロ・タル・トリビュート~』 - To Cry You a Song: A Collection of Tull Tales(1996年)
  • グレッグ・オールマン : 『サーチング・フォー・シンプリシティー』 - Searching For Simplicity(1997年)
  • Various Artists : Tangled Up In Blues(1999年) ※ボブ・ディラン・トリビュート盤
  • Various Artists : Blues Power : Songs Of Eric Clapton(1999年)
  • Various Artists : 『胸いっぱいのブルースを~ソングス・オブ・レッド・ツェッペリン』 - Whole Lotta Blues: Songs Of Led Zeppelin(1999年)
  • Various Artists : Wintertime Blues:The Benefit Concert(2000年)
  • Frogwings : Croakin' At Toads(2000年)
  • Various Artists : Hellhound On My Trail(2001年) ※ロバート・ジョンソン・トリビュート盤
  • スーザン・テデスキ : Wait For Me'(2003年)
  • ベラ・フレック&フレックトーンズ : Little Worlds'(2003年)
  • ジェイソン・クロスビー : Four Chords And Seven Notes Ago(2003年)
  • Various Artists : Coast to Coast(2004年)
  • スーザン・テデスキ : Hope and Desire(2005年)
  • ジェリー・ダグラス : The Best Kept Secret(2005年)
  • J・J・ケイル & エリック・クラプトン : The Road To Escondido(2008年)
  • デイヴィッド・サンボーン : Here & Gone(2008年)
  • エルヴィン・ビショップ : The Blues Rolls On(2008年)
  • マッコイ・タイナー : 『ギターズ』 - McCoy Tyner, Guitars(2008年)
  • スーザン・テデスキ : Back To The River(2008年)

脚注・出典[編集]

  1. ^ a b c Skelly, Richard. “Derek Trucks - Biography & History”. AllMusic. 2018年4月3日閲覧。
  2. ^ a b Giles, Jeff. “Allman Brothers Band Lineup Changes: A Complete Guide”. Ultimate Classic Rock. Loudwire Network. 2018年4月3日閲覧。

外部リンク[編集]