セシリア・ブレークフス

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セシリア・ブレークフス
基本情報
本名 Cecilia Carmen Linda Brækhus
通称 First Lady(ファーストレディー)
階級 ウェルター級
身長 171cm
リーチ 170cm
国籍  ノルウェー
誕生日 (1981-09-28) 1981年9月28日(42歳)
出身地  コロンビア
ボリーバル県カルタヘナ
スタイル オーソドックス
プロボクシング戦績
総試合数 38
勝ち 36
KO勝ち 9
敗け 2
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獲得メダル
 ノルウェー
女子 ボクシング
世界ボクシング選手権
2005 ポドルスク スーパーライト級
欧州ボクシング選手権
2004 リッチョーネ スーパーライト級
2005 トンスベルグ スーパーライト級

セシリア・ブレークフスCecilia Braekhus1981年9月28日 - )は、ノルウェーの女子プロボクサー、元女子キックボクサーコロンビアボリーバル県カルタヘナ出身。ノルウェー在住。元WBAWBCIBFWBO女子世界ウェルター級王者。2014年9月13日には小関桃スージー・ケンティキアンと14で並んでいた連続女子世界王座最多防衛数を15に塗り替えると共に女子ボクサーとして初めて主要4団体(WBA・WBC・IBF・WBO)の王座を統一した。2019年11月30日には自身の持つ連続世界王座最多防衛数を25(WBC)まで更新、男子ヘビー級王者ジョー・ルイスと並んで連続世界王座防衛数の世界記録を保持している。

来歴[編集]

キックボクサー・アマチュア時代[編集]

コロンビアで生まれるが、2歳の時にノルウェーに養子に出された。

14歳でキックボクシングを始め、WAKO世界選手権で優勝した。

後にアマチュアボクシングに転向。2005年には欧州選手権で優勝。世界選手権では銀メダルを獲得した。アマチュアでは80戦75勝を残す。

プロ時代、3団体統一[編集]

2007年1月20日、ドイツのプロモーターザウアーラント・イベントと契約をして、スイスでプロデビュー。

ドイツを主戦場としてKO勝利は2戦のみながら全勝を続ける。

2009年3月14日、ヴィニ・スコフガートWBAWBC女子世界ウェルター級王座決定戦を行い、3-0の判定勝ちを収めWBA・WBC王座獲得に成功した[1]

2009年5月30日、フィンランドエイミー・ユラトヴァックと対戦し、3-0の判定勝ちを収めWBA・WBC王座の初防衛に成功した。

2009年9月12日、デンマークルシア・モレッリと対戦し、3-0の判定勝ちを収めWBA・WBC王座2度目の防衛に成功した。

2010年5月15日、デンマークで自身の持つWBA女子世界ウェルター級王座並びにWBC女子世界ウェルター級王座と空位のWBO女子世界ウェルター級王座を懸けビクトリア・シスネロスと対戦し、3-0の判定勝ちを収めWBA・WBC王座は3度目の防衛、WBO王座獲得に成功した。

2010年10月30日、ドイツでミカエラ・ローレンと対戦し、7回40秒TKO勝ちを収めWBA・WBC王座は4度目、WBO王座は初防衛に成功した。

2010年11月20日、デンマークでエヴァ・ハラシと対戦し、3回27秒TKO勝ちを収めWBC王座は5度目、WBO王座は2度目の防衛に成功した。

2011年4月2日、デンマークでジル・エメリーと対戦し、3-0の判定勝ちを収めWBA王座は4度目、WBC王座は6度目、WBO王座は3度目の防衛に成功した[2]

2011年5月7日、デンマークでチーベル・ホールバックと対戦し、3-0の判定勝ちを収めWBA王座5度目、WBC王座7度目、WBO王座4度目の防衛に成功した。

2011年12月3日、フィンランドでクーレイ・クピヒーと対戦し、10回57秒TKO勝ちを収めWBA王座6度目、WBC王座8度目、WBO王座5度目の防衛に成功した。

2012年6月2日、デンマークでWIBAGBU女子ウェルター級王者のジェシカ・バログンと対戦し、3-0の判定勝ちを収めWBA王座の7度目、WBC王座の9度目、WBO王座の6度目の防衛に成功した。

2012年9月22日、デンマークで元WBA・WBC女子世界スーパーライト級王者のアン=ソフィー・マシスと対戦し、3-0の判定勝ちを収めWBA王座の8度目、WBC王座の10度目、WBO王座の7度目の防衛に成功した[3]

2013年1月22日、WBCは女子世界3階級制覇王者ホリー・ホルムとWBA・WBC・WBO女子世界ウェルター級王者セシリア・ブレークフスの間で対戦するよう通達を出した。WBCダイヤモンド王座が懸けられるとのこと[4][5]

2013年4月13日、デンマークで元WBC女子世界スーパーウェルター級王者ミア・セント・ジョンと対戦し、3回1分18秒TKO勝ちを収めWBA王座は9度目、WBC王座は11度目、WBO王座は8度目の防衛に成功した[6]

2013年4月17日、前日の16日のホリー・ホルムの引退表明を受け、ブレークフスは凄くがっかりした[7]

2013年9月7日、デンマークでWBO女子世界スーパーウェルター級王者オクサンディア・カスティーヨと対戦し、9回1分51秒TKO勝ちを収めWBA王座は10度目、WBC王座は12度目、WBO王座は9度目の防衛に成功した[8]

2014年2月1日、デンマークでミリアム・ラマールと対戦し、3-0の判定勝ちを収めWBA王座11度目、WBC王座は13度目、WBO王座は10度目の防衛に成功した。

2014年6月7日、ドイツでジェシカ・バログンと対戦し、3-0の判定勝ちを収めWBA王座12度目、WBC王座14度目、WBO王座11度目の防衛に成功した。この試合でWBC王座の防衛数がスージー・ケンティキアンに並ぶ世界最多タイ記録となった。

2014年7月30日、WBAからスーパー王座に認定された。

4団体統一[編集]

2014年9月13日、デンマークでIBF女子世界ウェルター級王者のイヴァナ・ハバジンと対戦し、3-0の判定勝ちを収め女子ボクサー史上初めて、男子を含めると2004年9月18日にミドル級でバーナード・ホプキンス以来となる主要4団体(WBA・WBC・IBF・WBO)の王座統一に成功した[9]。この試合でWBC王座の防衛数が女子世界王座の世界最多記録になった。

2014年11月29日、デンマークで元IBF女子世界スーパーウェルター級王者ジェニファー・レッツケと対戦し、3-0(100-90が2者、98-92)の判定勝ちを収めWBA王座は14度目、WBC王座は16度目、IBF王座は初、WBO王座は13度目の防衛に成功した[10]

2016年2月27日、ドイツで4団体王座の防衛と空位のIBO女子世界ウェルター級王座決定戦としてクリス・ナムスと対戦し、3-0の判定勝ちを収めWBA王座は15度目、WBC王座は17度目、IBF王座は2度目、WBO王座は14度目の防衛に成功、IBO王座の獲得にも成功した[11][12]

2016年10月1日、オスロオスロ・スペクトラムアン=ソフィー・マシスと対戦し、2回TKO勝ちを収め4年1ヵ月ぶりとなる再戦を制し、WBA王座の16度目、WBC王座の18度目、IBF王座の3度目、WBO王座の15度目、IBO王座の初防衛に成功した[13][14][15]

2017年2月24日、オスロ・スペクトラムでWBC女子世界ウェルター級暫定王者クララ・スヴェンソンと王座統一戦を行い、10回3-0(99-91×2、100-90)の判定勝ちを収めWBA王座の17度目、WBC王座の19度目、IBF王座の4度目、WBO王座の16度目、IBO王座の2度目の防衛に成功した[16]

2017年6月9日、ベルゲンでWBC女子スーパーライト級王者のエリカ・ファリアスと対戦し、10回3-0(99-91×2、98-92)の判定勝ちを収めWBA王座の18度目、WBC王座の20度目、IBF王座の5度目、WBO王座の17度目、IBO王座の3度目の防衛に成功した[17][18][19]。この試合で自身の持つ連続女子世界王座最多防衛数を20に更新した。

2017年10月21日、サンネフヨルストッケで元WBC女子世界スーパーウェルター級王者のミカエラ・ローレンと対戦し、6回TKO勝ちを収めWBA王座の19度目、WBC王座の21度目、IBF王座の6度目、WBO王座の18度目、IBO王座の4度目の防衛に成功した[20][21][22][23]

2017年11月11日、WBOはブレークフスをWBOの2017年11月度の月間MVPに選出した[24]

2018年5月5日、カリフォルニア州カーソン スタブハブ・センター・テニスコートにて、HBOがボクシング放送開始以来45年間で初めて放送する女子の試合として[25][26]ゲンナジー・ゴロフキンvsバネス・マーティロスヤンの前座で元WBC女子世界ミドル級王者のカーリー・レイスと対戦し、7回にダウンを奪われるも10回3-0(97-92、96-93×2)の判定勝ちを収めWBA王座の20度目、WBC王座の22度目、IBF王座の7度目、WBO王座の19度目、IBO王座の5度目の防衛に成功した[27]。この試合でブレークフスは5万ドル(約550万円)、レイスは2万ドル(約220万円)のファイトマネーを稼いだ[28]

2018年7月21日、ロシアモスクワオリンピック・スタジアムにてオレクサンドル・ウシクvsムラト・ガシエフの前座でイナ・サグタコスキャと対戦し、10回3-0(98-92×2、97-93)の判定勝ちを収めてWBA王座の21度目、WBC王座の23度目、IBF王座の8度目、WBO王座の20度目、IBO王座の6度目の防衛に成功した。

2018年12月8日、カリフォルニア州カーソンのスタブハブ・センター・テニスコートにて、ボクシングを撤退するHBO最後の放送のメインイベントでアレクサンドラ・ロペスと対戦し、10回判定勝ちを収めてWBA王座の22度目、WBC王座の24度目、IBF王座の9度目、WBO王座の21度目、IBO王座の7度目の防衛に成功した。

2019年10月23日、エディー・ハーンのマッチルーム・ボクシングと契約した[29]

2019年11月30日、モナコビクトリア・ブストスと対戦し、10回判定勝ちを収めてWBA王座の23度目、WBC王座の25度目、IBF王座の10度目、WBO王座の22度目、IBO王座の8度目の防衛に成功した。

王座陥落[編集]

2020年8月15日、オクラホマ州タルサジェシカ・マッキャスキルと対戦。10回判定負けで王座の防衛に失敗し、プロデビューから13年、37戦目にして初敗北となった。世界王座の防衛回数25回は男子ヘビー級王者ジョー・ルイスと並んでいたが、世界記録更新はできなかった[30]

2020年9月14日、ブレークフスがジェシカ・マッキャスキルとの再戦条項を行使した[31]

2021年3月13日、テキサス州ダラスで世界女子ウエルター級4団体統一王者ジェシカ・マッキャスキルとダイレクトリマッチで再戦し、判定負けで、王座の獲得に失敗した[32]

獲得タイトル[編集]

キックボクシング
  • WAKO欧州選手権 セミコンタクト女子65kg級 優勝
  • WAKO世界選手権 セミコンタクト女子65kg級 優勝
アマチュアボクシング
プロボクシング
  • WBA女子世界ウェルター級王座(防衛12⇒スーパー王座に認定)
  • WBA女子世界ウェルター級スーパー王座(防衛10)
  • WBC女子世界ウェルター級王座(防衛25)
  • IBF女子世界ウェルター級王座(防衛10)
  • WBO女子世界ウェルター級王座(防衛22)
  • IBO女子世界ウェルター級王座(防衛8)

脚注[編集]

  1. ^ Abraham retains IBF title! Fightnews.com 2009年3月14日
  2. ^ Braekhus defeats Emery Fightnews.com 2011年4月3日
  3. ^ Braekhus retains female belts Fightnews.com 2012年9月22日
  4. ^ WBC orders Braekus-Holm female super fight Fightnews.com 2013年1月22日
  5. ^ WBCが女子頂上対決を要請 ボクシングニュース「Box-on!」 2013年1月24日
  6. ^ Braekhus dominates St. John; Masternak stops Corbin Fightnews.com 2013年4月13日
  7. ^ Braekhus comments on Holly Holm retirement Fightnews.com 2013年4月17日
  8. ^ Nielsen defeats Majewski; Braekhus stops Castillo Fightnews.com 2013年9月7日
  9. ^ Braekhus unifies WBC/WBA/IBF/WBO titles Fightnews.com 2014年9月13日
  10. ^ Braekhus retains undisputed female welter title Fightnews.com 2014年11月29日
  11. ^ Braekhus Blanks Namus WBA公式サイト 2016年2月27日
  12. ^ Braekhus returns, dominates Namus Fightnews.com 2016年2月27日
  13. ^ Braekhus stops Mathis in historic homecoming Fightnews.com 2016年10月1日
  14. ^ Standing Ovation! Braekhus Mauls Mathis WBA公式サイト 2016年10月1日
  15. ^ クレバーリーが王者復帰、ブリーマーV7失敗 Boxing News(ボクシングニュース) 2016年10月2日
  16. ^ Unified champ Braekhus still unbeaten Fightnews.com 2017年2月25日
  17. ^ Braekhus beats Farias to stay undisputed Fightnews.com 2017年6月9日
  18. ^ Braekhus still WBA Welterweight Champion WBA公式サイト 2017年6月9日
  19. ^ ハスキンスあす防衛戦、カバジェロまた足首負傷 Boxing News(ボクシングニュース) 2017年6月10日
  20. ^ Braekhus still undisputed champion Fightnews.com 2017年10月21日
  21. ^ Braekhus stops Lauren to retain WBA title WBA公式サイト 2017年10月22日
  22. ^ THE FUNDAMENTAL THINGS APPLY... AS TIME GOES BY! BRAEKHUS KO`S LAUREN FOR THE SECOND TIME! WBC公式サイト 2017年10月22日
  23. ^ アンドラーデが王座返上、狙うは新王者の村田諒太 Boxing News(ボクシングニュース) 2017年10月23日
  24. ^ WBO RANKING NOVEMBER 2017 WBO公式サイト 2017年11月11日
  25. ^ ニカラグアが政情不安 5.5ロマゴンは出場せず Boxing News(ボクシングニュース) 2018年4月28日
  26. ^ Welterweight champion Cecilia Braekhus will be part of first women's bout televised by HBO”. ESPN.com (2018年4月27日). 2018年6月27日閲覧。
  27. ^ ゴロフキン盤石のV20 次戦問われ「誰でもいい」 Boxing News(ボクシングニュース) 2018年5月6日
  28. ^ Golovkin - Martirosyan. Purses”. Ringside24 (2018年5月5日). 2018年6月27日閲覧。
  29. ^ Welterweight champ Cecilia Braekhus signs with Matchroom Boxing”. ESPN.com (2019年10月23日). 2019年11月12日閲覧。
  30. ^ V26の世界新ならず 38歳女子王者が初黒星陥落”. 日刊スポーツ (2020年8月16日). 2020年8月29日閲覧。
  31. ^ Braekhus Exercises Rematch Clause For McCaskill, 2021 Fight in Play”. Boxing Scene.com (2020年9月14日). 2020年10月1日閲覧。
  32. ^ マッキャスキル初防衛、前王者と再戦に大差判定勝ち”. 日刊スポーツ (2021年3月14日). 2021年3月17日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

空位
前タイトル保持者
ホリー・ホルム
第2代WBA女子世界ウェルター級王者

正規:2009年3月14日 - 2014年7月30日
スーパー:2014年7月30日 - 2020年8月15日

次王者
ジェシカ・マッキャスキル
空位
前タイトル保持者
ホリー・ホルム
WBC女子世界ウェルター級王者

2009年3月14日 - 2020年8月15日

次王者
ジェシカ・マッキャスキル
空位
前タイトル保持者
ハンナ・ガブリエル
WBO女子世界ウェルター級王者

2010年5月15日 - 2020年8月15日

次王者
ジェシカ・マッキャスキル
前王者
イヴァナ・ハバジン
IBF女子世界ウェルター級王者

2014年9月13日 - 2020年8月15日

次王者
ジェシカ・マッキャスキル