エンバーミング (漫画)

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エンバーミング
ジャンル アクション
ゴシックミステリー
ホラー漫画
漫画:エンバーミング
-THE ANOTHER TALE OF FRANKENSTEIN-
作者 和月伸宏
出版社 集英社
掲載誌 ジャンプスクエア
レーベル ジャンプ・コミックス
(JUMP COMICS SQ.)
発表期間 2007年12月号 - 連載中
巻数 既刊7巻(2012年9月現在)
その他 るろうに剣心 -キネマ版-』連載に伴う長期休載あり
漫画:エンバーミング
-DEAD BODY and BRIDE-
作者 和月伸宏
出版社 集英社
掲載誌 ジャンプ the REVOLUTION!』2005
その他 武装錬金』10巻に収録
漫画:エンバーミングII
-DEAD BODY and LOVER-
作者 和月伸宏
出版社 集英社
掲載誌 『ジャンプ the REVOLUTION!』2006
その他 単行本未収録
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エンバーミング』は、和月伸宏による青年向け少年漫画

概要[編集]

19世紀欧州で、1.21ジゴワット[注 1]の雷と、異能の天才・ヴィクトル=フランケンシュタインが書き記した二冊の実験資料「禁書」を元に、人間の死体を基盤にして製作される、恐怖の人造人間(通称・フランケンシュタイン)の活躍を描く。なお、エンバーミングとは日本語に訳すと「遺体衛生保全」の意味である。

作中で繰り返される「人造人間に進んで関わるのは悪人か狂人のどちらかだけ」という言葉からも分かる通り、基本的に死者蘇生の生命観を否定する物語であり、各エピソードの結末は決して明るいものとはいえない。「少年漫画の基本は笑顔とハッピーエンド」を公言している和月伸宏の作品としては、掲載誌が変わったこともあって珍しい手法が取られている。

読み切りとして描かれた2編の短編『エンバーミング -DEAD BODY and BRIDE-』『エンバーミングII -DEAD BODY and LOVER-』(後述)を元に『ジャンプスクエア』誌上において『エンバーミング -THE ANOTHER TALE OF FRANKENSTEIN-』のタイトルで創刊号である2007年12月号から連載中。和月にとっては4作目となる連載作品であり、初めての『週刊少年ジャンプ』以外での連載となる。話数単位は「#○(○には数字が入る)」。

アニメ版『武装錬金』の世界では本作は劇中劇として、ジョン・ドゥがテレビの画面に登場する形でゲスト出演した。

2007年12月のジャンプフェスタのスクエアステージでは、ステージで声優陣が、スクリーンに写し出される原作に合わせて声を当て演じた。

読み切り版[編集]

『SQ』での連載以前に、2005年と2006年に発売された『ジャンプ the REVOLUTION!』にそれぞれ一話ずつ読み切り版が掲載されている。

エンバーミング -DEAD BODY and BRIDE-(エンバーミング -デッド ボディ アンド ブライド-)
2005年の『ジャンプ the REVOLUTION!』(『WJ』2005年11月1日増刊)に掲載され、「エンバーミング」のタイトルで最初に発表された読み切り作品。『武装錬金』10巻に併録されている。連載のパイロット版を意識して描かれた作品であり、『武装錬金』の設定を考えている中で原案が出来たスピンアウト的な作品[1]。登場人物の一人であるジョン・ドゥ、死体卿は連載版にも登場するが、世界設定は共有していない[2]
エンバーミングII -DEAD BODY and LOVER-(エンバーミングII -デッド ボディ アンド ラバー-)
2006年の『ジャンプ the REVOLUTION!』(『WJ』2006年11月1日増刊)に掲載された読み切り作品。単行本未収録。本作の登場人物であるエルムとアシュヒトが連載版に登場しており、世界設定を共有している。

登場人物[編集]

特に断りがない場合、連載版である『-THE ANOTHER TALE OF FRANKENSTEIN-』の登場人物。「 - ○○」はジャンプフェスタ版の声優。

主要人物[編集]

ヒューリー=フラットライナー
声 - うえだゆうじ
『THE ANOTHER TALE OF FRANKENSTEIN』の主人公の1人。人間→人造人間。イギリスハイランド出身。身長190cm。体重85kg。5月1日生まれ。年齢は18歳(没年齢)。A型。
ワイス卿の使用人であり職業は猟場番(ゲームキーパー)。ボサボサの長髪で大柄な男。よく顔が恐いと言われるが、「生まれつきだ」と答えている。行動は粗暴で言動も荒々しいが、他人を気遣い思いやる優しさを持ち合わせている。特技はナイフ捌きで、武器は大振りのナイフと小型のナイフの二刀流
5年前に両親が人造人間の一人に殺されたのをきっかけに復讐を決意する。仇であるティターンを相討ちで斃すも、自身も首に致命傷を負い死亡。その場に居合わせたピーベリーに回収され、知らないうちに人造人間として生まれ変わる。それからほどなくしてワイス卿の本性を知り、さらにレイスの豹変によりエーデルを失い、さらには自分が憎むべき対象である人造人間になったことを知ってしまう。人造人間に翻弄され命を奪われたエーデルを弔った後、「自身を含めた全ての人造人間を破壊」するためにピーベリーと共に旅立つ。
「人造人間を斃すための人造人間」を目指したピーベリーにより、「運動神経機能特化型」として改造されている。その能力は周囲の者が落雷と間違う程に強い生体電流を首の電極から体外へ放電する事で電流のマフラーを形成し、そのマフラーがなびく範囲ならば相手が視認不可能な速さでの移動と攻撃が可能。しかも膨大な電流をガルバーニ電流に変換して身体が物理的に切り落とされてもその部分を動かす事が出来る。
通常生前の人格や記憶が失われる人造人間の中で、ヒューリーの場合はその両方とも大枠は保たれている。ただし、人造人間に対する憤怒は常軌を逸しており、その部分での人間性が壊れている。なお、「人造人間を斃すための人造人間」というコンセプトと面倒見のいい性格とは必ずしも一致しておらず、人造人間のエルムとは仲がいい。
コンセプトは「復讐の聖者」。作者が、『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』の雪代縁とは違った復讐キャラは描けないかと思ったのが誕生のきっかけである。名前の「ヒューリー(Fury)」は「激昂」、「フラットライナー(FLATLINER)」は心電図で死亡を表す「FLATLINE」を意味する。
エルム=L=レネゲイド
『THE ANOTHER TALE OF FRANKENSTEIN』の主人公の1人、および読み切り版『DEAD BODY and LOVER』の主人公。人造人間。ドイツ・インゴルシュタット出身。身長145cm。体重38kg。8月5日生まれ。年齢は自称23歳(没年齢13歳で、人造人間になって10年)。B型。
自らの製造主を見つけて自分の身体を大人にしてもらう為、アシュヒトと共に旅をしている。かばんの中には大切な物が入っている。その中身はお菓子、ハンカチ等の歳相当の女の子らしい小物、そして約10年前、生前にアシュヒトと撮った写真が入っている。
人間であった頃はアシュヒトの幼なじみで、花と刺繍が好きなとても優しい女の子。起動暴走したジョンによって殺された。人間であった頃の記憶は失い、性格も正反対に明るくなった(他にも、嫌いだった雷が好きになったりしている)。その為、人造人間と化してから実の両親に「もう娘ではない」と言われてしまった[注 2]過去を持っている。
究極の8体の内の7体目「皮膚機能特化型」である。体力と戦闘力は子供並だが、皮膚を自在に調整(瞬間再生や真空密着)出来る能力を持っている。アシュヒトが義足で電撃放出する際には、皮膚再生能力を生かしてアースの役割を果たす。
コンセプトは「聖なる身代わり」。モデルは『武装錬金』で没になったまひろの影武者の武装錬金の案の一つ。名前の「エルム」は花言葉の「信頼」、「レネゲイド」は「背教者」を意味する。
Dr.ピーベリー(ヒルデガルド=ピーベリー)
声 - 柚木涼香
人間。ドイツインゴルシュタット出身。身長173cm。体重59kg。1月30日生まれ。年齢27歳前後。AB型。
人造人間の研究・開発を行う女医。人造人間の神経系統をいじるのを得意としている。死亡したヒューリーを人造人間に改造した張本人。かつてはポーラールートにいたが、現在は印付き(裏切り者)の身になっている。
普段は派手なランジェリーとガータベルトの上から白衣を羽織るという刺激的な出で立ちであるが、本人曰く「誰から見ても医師にしか見えないくつろぎスタイル」とのこと。ただし、たいていは「コールガール(娼婦)」と間違われる。なお、彼女のパンティーは自身のお手製である。
ポーラールートに所属していた10年前は、弱冠17歳でDr.リヒターの助手として機能特化型人造人間の開発を手伝っていた。その際にジョンと出会い、彼の面倒を見るうちに互いを意識するようになり、将来を誓い合う。しかし、惨劇によりジョンを失い、ポーラールートともに決別している。
ジョンを失うきっかけとなったDr.リヒターを激しく憎み、それゆえDr.リヒターの全てともいえる機能特化型人造人間8体の抹殺を目的としている。しかし、生前からの知り合いであるエルムが機能特化型の人造人間と化した後でも、「エルムちゃん」と呼んでいる。
るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-第零幕』に登場したエルダー=ピーベリーとは互いに面識のない遠縁。
コンセプトは「はぐれ女医やさぐれ派」。
アシュヒト=リヒター
人間。ドイツ・インゴルシュタット出身。身長185cm。体重76kg(義足の重量除く)。11月22日生まれ。年齢は22歳。AB型。
名門リヒター家の子息。人造人間の整備と解体を請負ながら博士になるためにエルムと旅をしている。
性格は常に冷静沈着で、何事にも無表情に事柄を処理するが、エルムのことになると動ずる時もある。
その真の目的は恋人のエルムを再人間化(=死者の蘇生)し、人間となったエルムをグレトナ・グリーンへ連れて行き結婚すること。目的の為には手段は選ばず、障害となるものには容赦しない点はピーベリーと共通しており、エルムが再人間化した際には現在の人造人間としてのエルムの人格が消滅しても構わないとまで言っている。
少年時代に起動暴走したジョンによって、エルムと同時に自らの右足を失っており、ゾンネウアー製の義足「装甲の足(パンツァー・ダス・バイン)」を装備している。義足には人間を超えた怪力が備わっており、電力を内蔵したトランクをコードで繋ぐ事によって周囲に電撃を放出させる機能が備わっている。
コンセプトは「科学のオルフェウス」。『るろうに剣心』の完全版にて再筆(描き下ろしリデザイン)された四乃森蒼紫がほぼ同じデザインであるが、これについて作者は、再筆版蒼紫を描いていた時期に『エンバーミング』の構想を練っており、そのデザインを流用した為であるとコメントしている。
ジョン=ドゥ
『DEAD BODY and BRIDE』の主人公であり、人造人間。本名(生前の名前)は本人も知らないそのために便宜的に「身元不明の死体」「名無しの権兵衛」という意味の英語の「ジョン=ドゥ」を名前としている。自らが何者で何の目的で造られたかなども全く覚えておらず、劇中でも大きな秘密とされている。右目に瞳がない。
相棒のリトル・ロゼと共に、人造人間専門の壊し屋として旅を続けている。その目的は、報酬として得た若く美しい女性のパーツで、自分の花嫁を造る事。
心臓を始めとする血液循環系の全機能が強化された循環機能特化型の人造人間であり、あらかじめ設けてある全身の傷口から超高圧の血液を瞬間噴射させ、対象物を破壊する能力の持ち主。この能力はDr.リヒターにより、究極体として得られたものでもある。
性格は乱暴かつ唯我独尊。
読み切り版『DEAD BODY and LOVER』及び、連載版『THE ANOTHER TALE OF FRANKENSTEIN』では宿敵の1人として描かれており、究極の8体の内の六体目である。本名不明は相変わらずだが、人造人間専門の壊し屋として旅をしているなど、読み切り版『DEAD BODY and BRIDE』の設定も継承している。
本編開始10年前、トートの手により冷凍状態でポーラールートに運び込まれ、そこで記憶を失った状態で眼を覚ます。この時は気が優しくて人懐っこく、誰からも好かれていた。
そこで便宜上の名前としてDr.リヒターから、「ジョン=ドゥ」を与えられ生活することになるが、人造人間の創造のためなら生きている人の命をも犠牲にするポーラールートの風習に馴染むことができずにいながらも、ピーベリーとの距離を縮めていく。ある夜の死体卿の襲撃により負傷し、その治療の際に心臓に刻まれたヴィクターからのメッセージが明らかになったことで「ザ・ワン」であることが発覚、グロースからの破壊指示と100年前と変わる事無い扱いにその人格と記憶が蘇り暴走する。
ピーベリーの説得により、怒りを鎮めジョンの人格が蘇ろうとするが、その時のDr.リヒターの行動により、それまでの人格と記憶がすべて消去された(現在は夢として残っているが)。
その後は循環機能特化型人造人間として再創造されるが、起動暴走時にエルムを殺害し、アシュヒトに右脚切断の重傷を負わせ、姿を消した。
同作者の漫画『るろうに剣心』の志々雄真実を一部リボーンしている。
アニメ版『武装錬金』では一瞬だけ(劇中のテレビ画面で)登場した。
ザ・ワン
フランケンシュタイン家始祖のヴィクター=フランケンシュタインが本編開始100年以上前に創造した人造人間にして、最初の人造人間。ジョン=ドゥの正体である。容姿は長髪に瞳のない目、涙を流しているかのようなラインの入った顔だが、元ネタとなったフランケンシュタインの怪物とは異なり、特別醜いわけではない。
自分を創造しながらも愛さなかったヴィクターを憎悪し、悲劇的な末路を迎えたとされている。しかし実際は、氷漬けになりながらも機能停止していない状態でとある村に祀られており、ポーラールートに運び込まれた際に、記憶を失った人間「ジョン=ドゥ」として復活することとなった。
人造人間としての機能は圧倒的であり、1世紀なんのメンテナンスも施さなくてもほぼ問題のない身体、筋力機能特化型人間のウンゲホイヤーと真っ向からぶつかって逆に腕を砕くほどの力など、「究極の8体」すら凌駕する。
ピーベリーの説得に、かなわなかった自分の夢『花嫁を持って孤独から逃れること』を感じ、ジョン=ドゥの人格を復活させようとするが、直後にポーラールートの全電力をDr.リヒターにぶつけられ、再びジョン=ドゥの人格の中でなりをひそめるようになった。

主要な敵[編集]

レイス=アレン
声 - 宮野真守
『THE ANOTHER TALE OF FRANKENSTEIN』の宿敵の1人。人間→人造人間。ヒューリーの相棒。イギリススコットランド出身。身長180cm。体重73kg。9月11日生まれ。年齢は18歳(没年齢)。B型。
ヒューリーの同僚であり友人。顔立ちの綺麗な美少年。謎めいた笑顔で真意を悟らせないところがあるが、信頼する相手なら自分を犠牲にしても助けようとする一面がある。ヒューリーと同じく、五年前のティターンによる惨殺事件の生き残り。実の親から虐待を受けていた過去があり、事件当初は今まで生きていた実感も無いと、そのまま自ら死を選ぼうとしたが、ヒューリーの影響を受け生きることを選んだ。
ヒューリーとともに仇の人造人間と対峙しあと一歩まで追い詰めるが、変貌した人造人間を見た一瞬の油断で身体を噛み千切られ死亡。その後ティターンの残骸共々ワイス卿に回収され、人造人間として蘇る。両断された腹部に2つの電極がある。
生前の記憶は全て残っている様子だが、唯一自分の期待に応えてくれるヒューリーを独占しようとする感情が強く出た結果、障害となる存在を平気で殺す残忍な性格に変貌した。禁書を手に入れた直後にワイス卿とエーデルを殺害、その後は激昂したヒューリーに「先に倫敦で待ってる」と言い放ち姿を消す。倫敦へ向かう道中で行き倒れていたハーピーに出会う。最初は彼のモノの言い方が気に入らず、聞く耳を持たなかったが自分の傷を修復できる事、ヒューリーの情報などを知る事ができると分かり、様々な利害の一致で共に倫敦へ向かい、ブリッツ・ブルーダーに合流する。
ブリッツ・ブルーダーの統率である死体卿に気に入られ、骨格機能特化型人造人間エクゾスケルトンを与えられる。その力を用いて、再会したヒューリーと互角以上の戦いを繰り広げるが、死体卿がヒューリーの廃棄を命じた時は、彼を守るため死体卿を裏切る。だがその直後に精神再構築の素材としてエクゾスケルトンに取り込まれてしまった。
決着がつく最後の瞬間に「エーデルが邪魔だったのではなく、エーデルがいたからこそ、自分たちの関係が成り立っていた」ことに気づき機能停止した。その後はヒューリーの願いでエーデルの墓の近くに葬られるよう手配された。
コンセプトは「愛憎の果て」。典型的なヤンデレでもあり、ヒューリーについての依存心や独占欲が異常に高く、ヒューリー以外のもの(ヒューリーに関わるもの)をすべて憎む傾向にある。モデルは『るろうに剣心』の登場キャラクター、瀬田宗次郎と、作者が子供の頃に読んだ某少女漫画に登場するキャラクターである。
死体卿(したいきょう)
「フランケンシュタインの怪物の魂と遺志を受け継ぐ夜会(ブリッツ=ブルーダー)」の統率にして、世界一の死体愛好家。漢字の「死」をシンボルにしており、彼の帽子にも刻まれている。本名は「トート=シャッテン」。正確な年齢、素性は不明であり、本編開始5年ほど前に人造人間となった際、人格が壊れたらしく、人間の感覚が理解できない。
「死」という字が刻まれた大きな帽子を被った長い黒髪の男性。誰よりも何よりも死体を愛している。特に動く死体である「人造人間」をこよなく愛しており、人造人間より価値がある存在はないと断言するほど。人造人間を研究し、その問題点を解決するために大量の死体を欲している。死体を手に入れるためであれば戦争を起こすこともいとわない狂人。死体への愛好を追求した結果、自らも人造人間へと作り変えている。
人造人間を「同胞」と呼んで大事にする一方で、人間に対しては冷酷な態度をとることが多い。ただし、自分たちと同じような考え方を持った人間であれば仲間として受け入れようとする。基本的に人造人間であれば全てを受け入れようとするが、人造人間の存在を否定し、全ての人造人間を破壊しようとするヒューリーだけは自分と相容れない存在として敵視しており、「一番狂っている」と罵っている。
詳細は不明であるが、少年の頃はポーラールートで暮らす孤児だった模様。その頃から既に禁書と卓越した創造技術を持っており、人造人間の再調整を容易に行っていた。その正体は、究極の8体の内の8体目(アハト)である。

究極の8体[編集]

順番は番号が判明しているものを昇順で記載する。8体とは別の存在に当たる、ピーベリー製のヒューリーも本項に記載する。

エクゾスケルトン
究極の8体の内の1体目(アイン)。骨格機能特化型人造人間。ブリッツ・ブルーダーのメンバー。人造人間化した時に骨格だけの姿となって創造される。肉体においては成功をおさめたが、精神の方は失敗し、心は失われる。そのため、自ら喋ることも考えることもできない。形状を変化させて他者と繋がることでのみ動くことができる人造人間。27歳没。
身体を構築する骨は鋼鉄以上の強度があり、アシュヒトの対人造人間用帯電弾でも表面を削ることしかできない。本能のままに自己を防衛する行動を取り、一瞬の思考も介さないので反応速度が驚異的に速い。行動する際は装着者の小脳だけを借りて外部の刺激に対して無意識に反応し、装着者の意志とは関係なしに超高速の自動的に回避・防御・攻撃行動を取ることができる。
ブリッツ・ブルーダー新入りのレイスの鎧として登場し、その機能を存分に発揮してヒューリーを追い詰めた。後にレイスの裏切りとそれに対する死体卿の報復により、レイスを取り込んで乳幼児程度の精神と巨躯を手に入れて暴れまわったが、ヒューリーとアシュヒトの連携の前に敗北。頭部のみ残っていたが、それもジョンにより即座に潰された。
キャラクター・キーワードは『レイスのパワーアップ』。巨大化状態はガシャドクロがモチーフ。
リッパー=ホッパー
究極の8体の内の2体目(ツヴァイ)、呼吸機能特化型人造人間。ブリッツ・ブルーダーのメンバーで切り裂きジャックの正体。精神面が壊れている上、死の際に感じた「誰の記憶にも残らず消える」ことを強く恐れるがゆえに殺人を繰り返している。
伸縮自在で特殊なを持ち、吸い込んだ空気を圧縮させて体の各部に設けられた排気口から噴出することで、対象物を切り裂くことやジェット噴射さながらに跳ぶことができる。
生前は倫敦のイーストエンド地区を中心に数々の悪事を働いた犯罪者。しかし、行為が度を過ぎたため私刑に遭い死亡。19歳没。元々の身体能力が高かったことに加え、下水道での生活により肺機能が強くなっていたため、呼吸機能特化型人造人間の素体として見出される。
連続殺人を起こしたことからブリッツ・ブルーダーに囚われていたが、ピーベリーの思惑により解放され、ヒューリーと交戦する。当初はヒューリーを圧倒していたが、ヒューリーが運動神経特化型人造人間として覚醒したため敗北。「切り裂きジャック」として永遠の存在になれたことに満足しつつ自爆した。
最初はバネ足ジャックとして考えられていたが没に。切り裂きジャックのモチーフとして再筆される。名前の『リッパー(切る男)=ホッパー(跳びはねる男)』はその設定の名残。
スカベンジャー=ベービ
究極の8体の内の3体目(ドライ)、消化機能特化型人造人間。ブリッツ・ブルーダーのメンバー。ことあるごとに空腹を訴えている。
寄生虫型人造人間の擬似卵を胃の内部に大量に蓄えており、それらを必要に応じて孵化させ、体外に排出することでありとあらゆるものを食らい尽くそうとする。
外見は貴族風の衣装をまとった優男だが、それはあくまで彼をコントロールするための「複体」であり、その正体は意外にも臆病な幼児。自らの消化器の内部に隠れ潜んでいるところを、その消化器に迷い込んだエルムにお菓子で手なずけられ懐柔される。
ムスケル=ウンゲホイヤー
究極の8体の内の4体目(フィーア)、筋肉機能特化型人造人間。筋肉質の強面の男性。死体卿から、ジョン=ドゥ捕獲の任務を言い渡された。十年前、ジョンとの間に小競り合いがあったと語り、彼との戦いを心待ちにしていた。
タイガーリリィ=コフィン
究極の8体の内の5体目(フュンフ)、感覚機能特化型人造人間。18歳没。ブリッツ・ブルーダーのメンバーである女性人造人間。ブリッツ・ブルーダーの総帥に心酔している。生前はポーラールートの一住民だったが、新たな人造人間の素体に選ばれ自らその身を捧げた。
身体から大量の眼球を生成でき、最大24個の目玉を遠隔操作して遠くの風景を見たり、その風景を記録・投影したり、光を用いた催眠をかける事が出来る。
名前であるタイガーリリ-は、花言葉で「賢者」を意味する。コフィンは「」を意味する。
ジョン=ドゥ
究極の8体の内の6体目(ゼクス)、循環機能特化型人造人間。10年前、起動時の暴走で研究者7名とエルムを殺害し、アシュヒトには右足切断の重傷を負わせている。
主要登場人物の項を参照。
エルム=L=レネゲイド
究極の8体の内の7体目(ズィーベン)、皮膚機能特化型人造人間。
主要登場人物の項を参照。
トート=シャッテン/死体卿
究極の8体の内の8体目(アハト)、機能特化型人造人間。
主要な敵の項を参照。
ヒューリー=フラットライナー
ピーベリー作の9体目(ノイン)の機能特化型であり、運動神経機能特化型人造人間。「人造人間を斃すための人造人間」。リッパー=ホッパーとの戦いで切り札(ジョーカー)である究極の9体目として覚醒。
主要登場人物の項を参照。

サブキャラクター[編集]

DEAD BODY and REVENGER[編集]

エーデル=ワイス
声 - 平野綾
人間。人造人間による馬車の襲撃事件があった5年前に、ヒューリー、レイスと居合わせた少女。年齢は15歳。ワイス卿の令嬢。
馬車の襲撃事件があった際は病気で熱を出しており、その影響かそれまでの全ての記憶を失っている。その際ヒューリーによって助けられ一命をとりとめ、その後はワイス卿の養女として暮らしていた。ヒューリーとレイスに「お嬢様」と呼ばれることを嫌い、名前で呼ばれることを好む。
ワイス卿に人造人間にされかかるが、ヒューリーに助け出される。その後、レイスに狙われたところをヒューリーごと撃ち抜かれて死亡。
シェイド=ジェイソン
人造人間。ワイス邸で働く男性。年齢は32歳。吹雪の中、エーデルを抱えるヒューリーの姿を見つけた人物。
元猟場番でヒューリーとレイスの上司。現在はエーデルのボディーガードをしている。流行り病に苦しんでいる子供がいたが、ワイス卿の発言から既に死亡しているようである。
実は、猟場番を辞めた際にワイス卿により人造人間に改造されており、胸に2つの電極がある。
ヒューリーと対峙中に人造人間を作る装置に叩きつけられ、その衝撃で頭部や腕が大破し動く屍同然となる。最後は弟子でもあるヒューリーから感謝の言葉を伝えられ、一瞬だけ笑みを浮かべて破壊された。
ロバート=ワイス
人間。子爵の称号を持つ元大学教授。
5年前ヒューリーらの家族を殺したティターンを造った張本人であり、その際ヒューリー、レイス、エーデルを保護、ヒューリーとレイスには猟場番の職を、エーデルには名前を与え、養女として迎え入れる。素材の調達用に救貧院をいくつも建設している。
離婚歴があり、元妻との間に本物のエーデル=ワイス(後のヴァイオレット)という娘がいる。離婚の際連れ去られる形で引き離され、その消息をたどっているうちに禁書を見つけ、「本物のエーデルの代わりに新しいエーデルを造る」という歪んだ考えに行き着く。しかしその企みはヒューリーによって阻止され、挙げ句の果てに禁書をレイスに奪われ、射殺された。
コンセプトは「矮小な黒幕」。
ティターン
人造人間。5年前にヒューリー、レイス、エーデルの親を皆殺しにした人造人間。大人だけを殺し死体を何処かへと運んでいったが、子供を殺さなかった理由は不明。3メートルを越すであろう巨体と、鎖骨に対称に刺さっている二本の電極が特徴。なお、ヒューリーらと再び見えたときは5年前よりさらに巨大になっていた。
ヒューリーとレイスに追い詰められると、閉じられていた口を開き、異形の牙を剥き出した。その姿を見て油断したレイスを殺し、ヒューリーにも重傷を負わせるが相討ちとなる。その頭部はDr.ピーベリーによって回収された。
創造主はワイス卿その人であり、複数の死体を合わせて造られた人造人間で失敗作扱いながらパワー研究と冬場の素材収集用として使われた。

INTERMISSION[編集]

ヴィクター=フランケンシュタイン
人間。最初の人造人間(ザ・ワン)を生み出した博士。彼の研究ノートの写本が「禁書」として人造人間製造者たちの羨望の的になっている。ヴィクトル=フランケンシュタインと呼ばれることもある。

DEAD BODY and LOVER[編集]

読み切り版のみに登場する人物については『DEAD BODY and LOVER』を参照。

フィリップ=ウィルキンソン
人間。迷子のエルムを見つけたカップルの片割れで、リバプールの海運商の嫡子。富裕層の人間だが、それを鼻にかけることはなく、誰にでも丁寧に接する穏やかな人柄の持ち主だが、少し天然でのん気なところがある。グレトナ・グリーンへ向かう最中、カタヴェリックに襲われ瀕死の重傷を負うが、ウィルキンソン家のSP達が見つけ一命を取り留める。どんな困難にぶつかろうとも想いを貫き通す覚悟が自分たちには足りなかったことに気付き、アザレアを同伴させないのなら自分も戻らないとSPを恫喝。エルムに別れを告げ、アザレアとともにリバプールに戻った。
アザレア=ミレー
人間。迷子のエルムを見つけたカップルの片割れで、リバプールの大衆酒場で女給(バーメイド)の経験を持つ。お金持ちを利用している節があるが、極度にストレスがたまると過呼吸に陥りやすい。身分の違いなどを気にせず、自然体で接してくれるフィリップに好意を寄せつつも、彼の家族の反対により職を奪われたこともあり、グレトナ・グリーンへの旅にフィリップを誘い、途中で彼の所持金を持って逃げ出す腹積もりをしていた。自分は当面の生活費を得、彼は性質の悪い女に騙されて社会経験を得る、とのこと。だがカタヴェリックの襲撃で重傷をおったフィリップを見て自分の想いに気付く。アシュヒトやエルムの事情を知り、自分たちに足りなかったのは覚悟だということに気付き、フィリップをリバプールに連れ戻す際、フィリップを人質にし、自分も一緒にリバプールに連れて行くようSPを脅迫、エルムに別れを告げ、リバプールに戻った。
カタヴェリック=スパスム
人造人間。皮膚強化型で皮膚の角質を圧縮して超硬化出来る。その硬さは対人造人間ロケットピストルさえびくともせず、さらに、硬化した角質をとばす事も出来る。人間の頭を握りつぶすほどの怪力を併せ持っている。生前は罪が重い賞金首で、短絡に「面倒が無い」と言う理由で窃盗→強盗→殺人へと罪を重ねた真性バカ。人造人間化した際に創造主が死んだため、野良の人造人間である。自身の能力でフィリップに重傷を負わせ、エルムを圧倒するが、アザレアが連れてきたアシュヒトの逆鱗に触れてしまった挙げ句、再起したエルムに皮膚を引き千切られ、エルムを傷つけたことへの制裁としてアシュヒトに粉々にされた。
コンセプトは『見た目実力中の上』。
ハーピー
キメラ型人造人間。人間の脳と声帯ミミズクに移植している為、言葉が話せる。カタヴェリックと組んでいたが、彼が破壊されたことを創造主に伝えようと逃亡を図ろうとしてアシュヒトに捕えられる。その後どうにか逃げ延び、負傷したレイスと出会う。
ゾンネウアー
人間。アシュヒトの武器を作る本部御用達の武器職人(マイスター)。アシュヒトに対人造人間用50口径拳銃「鋼鉄の腕(アイゼン・デア・アルム)」を作った。

DEAD BODIES in LONDON&DEAD BODY and NEAR-DEATH MIND[編集]

マイク=ロフト
人間。イギリス政府の高官だが、本職は会計監査。
逃亡したメアリを見つけるため、アシュヒト達を呼び出し、探偵である「弟」にピーベリー達を見つけさせた。「マイク=ロフト」という名前は偽名であり、実はあの有名な名探偵の兄であることが様々な描写から暗示されている。
フレデリック=アバーライン
人間。元スコットランド警察(ヤード)の警部。史実としての切り裂きジャックの事件においても、スコットランドヤードのフレデリック・アバーラインという人物が捜査にあたっており、風貌も非常に酷似している。
やや直情径行ながら、正義感と愛国心に富む熱血オヤジであり、人間離れした頑健さと怪力と精神力で事件解決に奔走(ギャグコメディ的な描写込みではあるが)、ポーラールート行きの際には、一行のなかで唯一の常識「人」として隊長役を務める。
エーデル=ヴァイオレット=ケリー
人間。ワイス卿の本当の娘。母メアリーのワイス卿との離婚の際、彼女から「ヴァイオレット」の名を与えられる。
離婚後、娼婦となった母親から虐待に近い扱いを受けながら倫敦で暮らしていた。母親の死後、借金のかたとして娼館の下働きとして働き、13歳の時に客を取ることを命じられたが母親と同じ道を歩むことに反発して脱走。以降、イースト・エンドの泥ひばりとして仲間達と助け合いながら生きていた。
ブリッツ・ブルーダーの人造人間達に仲間を皆殺しにされ、生きる意味を失うが、ヒューリーの言葉によって立ち直る。その後、イギリス政府の援助を受け学校に通うことになった。
メアリ=ジェーン=ケリー
人造人間。ワイス卿の元妻でヴァイオレットの母。
切り裂きジャックの5人目の犠牲になり、証言を得るために人造人間化されたが、創造主を殺害し逃亡する。人造人間になる前の彼女は浪費家で身勝手な性格であり、ワイス卿に離婚を言い渡された際にはその腹いせにヴァイオレット(当時の娘にこの名を与えた)を連れ倫敦へ。以後は堕落して娼婦として身を立てていた。
ヴァイオレットに再会し、彼女を求めるが生前の自堕落な行為を責められ拒否される。
しかし瀕死の切り裂きジャック(リッパー=ホッパー)によって狙われたヴァイオレットの身代わりになり、首と電極を切断され、彼女から憐れみと憎しみの混じった言葉をかけられながら機能停止した。

DEAD BODY and MEMORIES[編集]

グロース=フランケンシュタイン
ポーラールートの領主。ヴィクター=フランケンシュタインの遠縁あたる人物。手で「G」の文字を作って「グロース!!」叫び、挨拶をするのが特徴。人造人間の創造の為なら、人間が死ぬことも厭わない。しかし、ポーラールートの一番上に立つ存在として、人々から敬愛されている。
ジョン=ドゥの正体が「ザ・ワン」であることを知るとリヒターに廃棄を命じる。しかし、その直後「ザ・ワン」として覚醒したジョンに瀕死の重傷を負わされる。
その時の死への恐怖と生への執着から、人造人間に不老不死と永遠の命の法を求める愚挙暴挙に出た。
そして市政を放り出し、人造人間に必要な死体をポーラールート市民に求め、彼らを生贄として人造人間に強制的に変えるようになった。
自分に取り入ってきた死体卿にポーラールートのすべてを任せ、ポーラールート市民襲撃も彼らに一任するようになった。
現在は寝たきり状態になりながらも、死体卿に永遠の命の法ができるかどうかを確認し続けている。
Dr.リヒター(ゲバルト=リヒター)
ポーラールートにおける人造人間研究の第一人者でアシュヒトの父親。究極の8体を作り出し、大創造主と呼ばれている。どんなに深刻な事態に直面しても、「〜くらいで私の創造は何一つ揺るぎはしない」が口癖。実質ポーラールートのNo.2に位置する人物。そのためかなりの権限を持っているらしく、グロース=フランケンシュタインの厳命で裁かれようとしていたジョン=ドゥとピーベリーを無罪にした。死体から蘇生したジョン=ドゥの生命力に興味を持ち、彼の動向を見ている。
ジョン=ドゥの正体が「ザ・ワン」であることを知ると創造の根源を秘めていることから研究しようと考え、グロースの命令に抗う。しかし、その直後「ザ・ワン」として覚醒したジョンに重傷を負わされ、顔の半分を失う。

読み切り版のみの登場人物[編集]

『DEAD BODY and BRIDE』[編集]

ジョン=ドゥ
主要登場人物の項を参照。
リトル・ロゼ
人間。ジョン・ドゥの相棒で援護と整備を担当。一人称は「ボク」[注 3]
普段は自称「博士の卵」として、気の弱い娘を装っている。だが、その正体はジョン・ドゥの失われた記憶と目的を呼び起こさせない為の監視役であり、詳細は不明。人造人間用の縫合糸と針を武器に使う。
容姿が幼少時のアシュヒトと似ているが、両者の関係は不明。
マリゴールド
人間。『エンバーミング -DEAD BODY and BRIDE-』における実質的なヒロイン
死体卿により家族を殺された上に両脚を切断されて奪われたことで、人生を滅茶苦茶にされ病に臥す薄幸の少女。ジョン・ドゥに死体卿の破壊を依頼し、達成された時は危篤状態に陥っていたが、ジョン・ドゥの見せた情により、安らかに息を引き取った(両脚を切断されたことによるショックからか、元々病弱だったかは不明)。死体卿に奪われた彼女の両脚は、報酬としてジョン・ドゥの花嫁のパーツとなった。
死体卿(したいきょう)
人間。死体愛好家で博士。本名不明。
1年前、マリゴールドらの住む地に現れ、彼女の父が保有していた工場を奪いそこを根城とする。墓を掘り起こすだけでは飽き足らず、生身の人間から人造人間用のパーツを奪うという残虐さを持つ。約50体の人造人間を創り、自らを「神」と呼ばせている。「禁書」を所持していた。最期は激昂したジョン・ドゥによって殺される。
連載版では、別の形(ブリッツ・ブルーダーの総帥として)で登場。
裁断者(ザッパー)
人造人間。死体卿により創造された。
選りすぐりの100人分の筋繊維を基盤の死体に移植された、機能強化型。大剣を振るう怪力の持ち主。知能はほとんど無いようでジョン・ドゥに持ち上げられたときの「化…物…」以外の台詞を一切発していない。
執事(バトラー)
人間。元々マリゴールドの家に務める執事だったが、死体卿と裏で繋がっていた。
人造人間の魅力に惹かれたらしいが、劇中ではその理由については触れられていない。最期はリトル・ロゼに始末されたと思しき描写が描かれる。

『DEAD BODY and LOVER』[編集]

DEAD BODY and LOVERも参照。

キーファー
人間。流行り病によって壊滅した廃村の生き残り。三つ編みおさげの女性。
死んだ兄を人造人間として蘇らすために先生(ドクトア)と協力し、彼の研究材料とするため廃村に旅行者を誘き寄せる。だが、その病んだ心をエルムに救われ、傷心を癒される。
先生(ドクトア)
人間。人造人間創造に執着する狂気の博士。前作の敵である死体卿と同じく、本名不明。額に大きなつぎはぎ跡がある。
技術力は乏しく、大量の死体を繋げた“墓場の住人”のようなレベルの低い人造人間しか創ることが出来ない。最期はアシュヒトの電撃により黒焦げになって死亡。
“墓場の住人”(フリートヘーフェ)
人造人間。先生(ドクトア)により創造された。
大量の死体(流行り病により壊滅した村人達やキーファーによって騙された観光客や旅人)を複数並列で繋げられた巨体を誇るが、人造人間としてのレベルは低い。中枢はキーファーの死亡した兄。
アシュヒトの電撃で行動不能にされた後、キーファーの望みで中枢である彼女の兄の活動を停止させられた。

用語&道具[編集]

人造人間(フランケンシュタイン)
物語から150年ほど前、ヴィクター・フランケンシュタインが死体を基盤に生み出した人間に在らざる人間。単一死体形成(ワンショットビルド)や複合死体形成(ミキシングビルド)、複数の動物の死体から造られるキメラ型人造人間など、さまざまなタイプが存在する。
機能特化型人造人間(きのうとっかがたフランケンシュタイン)
特定の身体機能を強化した特別製の人造人間。リヒター家門外不出の技能が使われている。現在確認されている機能特化型はヒューリーと究極の8体の計9体である。
究極の8体
ポーラールート製の機能特化型人造人間の通称。ドクトア・リヒターが創った人造人間であり、ピーベリーの標的でもある。4体目から6体目はピーベリーと顔見知りで、1体目から3体目はピーベリーが研究記録で知ったが、7体目以降はピーベリーがすでに印付きのため詳細不明である。和月曰く、何体かのフェイクが含まれているとの事。リッパー=ホッパーとの戦いで、ピーベリーが生み出したヒューリーが究極の9体目として覚醒する。
ポーラールート
ヴィクター=フランケンシュタインの魂と遺志を受け継ぐ夜会。特殊な結界によって外界から隔絶しており、人造人間を労働力として使用している。一見平和な町だが、全ては「人造人間の創造」が優先される狂った場所である。
10年前のザ・ワン(ジョン=ドゥ)の暴走により重症を負わされた領主グロースは生への執着から政治を放り出し、誤った理念の人造人間の想像の研究に傾倒。町はすたれ人心は荒み、人造人間の制御が徐々に失われていった。
そして5年前のDr.リヒターの究極体の反乱を期に、ポーラールートの生活機能はすべて崩壊。人間たちは市民から難民となり、新たなる人造人間の材料として人造人間に狙われるようになった。
稲光の兄弟(ブリッツ・ブルーダー)
フランケンシュタインの怪物の魂と意志を継ぐ夜会で、ポーラールートと対となる組織。
禁書
ヴィクター・フランケンシュタインが残した人造人間製造の記された書物、またはその写本。書き写された時期や書き写した人物の理解度によって良し悪しがあり、手に入れた人間の能力も加わって人造人間創造の不安定さの原因となっている。
鋼鉄の腕(アイゼン・デア・アルム)
対人造人間用の50口径拳銃。発射時に微量の電流を発生し、人造人間の体内のガルバーニ電流を狂わせ肉体や機能に誤作動を生じさせる対人造人間用帯電弾を装填している。帯電弾を食らって「痛い」で済むのはヒューリーやエルムのような「(Dr.リヒターの)機能特化型くらい」とのこと。グリップが大きく大量の弾丸が装填されており、連射も可能。義足「装甲の足(パンツァー・ダス・バイン)」内には更に大量の弾丸がベルト状に収納されており、接続する事で破壊力を増す。ただし非常に重く、反動も大きいため、アシュヒトでないと使いこなせないらしい。なお、「鋼鉄の腕」、「装甲の足」共に武器職人(マイスター)・ゾンネウアー作製。

書誌情報[編集]

全て著者は和月伸宏、発行は集英社の〈ジャンプ・コミックス〉より。

脚注[編集]

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注釈[編集]

  1. ^ これは映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のオマージュで、同作で時間旅行に必要とされる電力。「ジゴワット」表記も同作からとられたもので、本来は「ギガワット」が正しい。詳しくは該当項目を参照。
  2. ^ 「家にカエルを持ってくる」「食べ方が上品ではなくなる」「描く絵が幼稚になる」「泥団子を作って持ってくる」「当時の女性としてははしたない格好であるノースリーブミニスカート姿(これが現在のエルムの服装となる)になった」のが直接の原因。
  3. ^ 一人称等から『DEAD BODY and BRIDE』のエピローグまでリトル・ロゼが女性と気付かなかった読者も多く、作者も言及している。

出典[編集]

  1. ^ 『武装錬金』10巻 P.179 - 180 和月伸宏「ライナーノート」
  2. ^ 『エンバーミング -THE ANOTHER TALE OF FRANKENSTEIN- 4巻』P.144 EMBALMING「ライナーノート」

集英社BOOK NAVI[編集]

以下の出典は『集英社BOOK NAVI』(集英社)内のページ。書誌情報の発売日の出典としている。

関連項目[編集]

  • るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚- - 和月の漫画作品。アシュヒトのデザインは四乃森蒼紫のリデザインを流用したもの。また、完全版7巻初版付属の『るろうに短信』では、蒼紫と巻町操が『エンバーミングII -DEAD BODY and LOVER-』の宣伝をしていた。『特筆版』にて、本作と同一世界である事が示唆された。
  • 武装錬金 - 和月の漫画作品。同10巻にて本作は「武装錬金」のスピンオフ的な作品であると語られている。

外部リンク[編集]