「小田川 (高梁川水系)」の版間の差分
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* {{Cite book |和書 |author=笠岡市史編さん室 |date=2003-05 |title=笠岡市史 |volume=第四巻 |publisher=笠岡市役所 |ref=harv}} |
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* {{Cite book |和書 |author=[[岡山大学]]教育学部内地域研究会 |date=1972-03-01 |title=芳井町誌 |publisher=[[後月郡]][[芳井町]]教育委員会内芳井町誌刊行委員会 |ref=harv}} |
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== 外部リンク == |
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* {{Cite journal |和書 |author=内田和子 |title=岡山県小田川流域における水害予防組合の活動 |date=2011 |publisher=水利科学研究所 |journal=水利科学 |volume=55 |issue=3 |pp=40 - 55 |NAID=130005852071 |DOI=10.20820/suirikagaku.55.3_40 }} |
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2019年7月6日 (土) 08:48時点における版
小田川 | |
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観音橋(矢掛町・笠岡市)から西望 | |
水系 | 一級水系 高梁川 |
種別 | 一級河川 |
延長 | 72.9 km |
平均流量 | -- m³/s |
流域面積 | 492 km² |
水源 | 神石高原(広島県) |
水源の標高 | -- m |
河口・合流先 | 高梁川(岡山県) |
流域 | 広島県・岡山県 |
小田川(おだがわ)は、高梁川水系の支流で広島県東北部から岡山県西部を流れる一級河川である。
概要
広島県神石郡神石高原町上・光信地区周辺に源を発し、吉備高原(通称 : 神石高原)を南東方向に流れる。石灰岩質の地質の吉備高原を侵食しながら神石高原町・福山市山野町境付近まで見事な渓谷美の猿鳴峡(山野峡)を形成している。岡山県井原市の天神峡を経て井原市街地で東流に転じ、小田郡矢掛町を経て倉敷市真備町の総社市との境界付近で高梁川へ注ぐ。
河川データ
- 源流 : 広島県神石郡神石高原町
- 河口 : 岡山県倉敷市
- 河川延長 : 72.9 km (広島県 32.7 km 、岡山県 40.2 km )
- 別名 : 山野川 [注釈 1][注釈 2]、吉井川(芳井川)[注釈 3]、矢田川[注釈 4]
- 支川 : 鴫川・宇戸川・美山川・稲木川等[2]
歴史
古くは中下流域に沿って旧山陽道が通っており、川辺宿、矢掛宿などの宿場町が並び栄えたが、現在の国道2号やJR山陽本線が傾動地塊を避けて瀬戸内海沿いに通されたため衰微した。
江戸時代以前においては、源流からの水流は、現在の井原市の市街地から西に流れ、備後灘に注いでいたとされる。それを備後福山の初代藩主である水野勝成が備後福山城下を洪水から守るために、瀬変えを行なわせ、現在の流路ができあがったという説があるが、相当な土木工事であったはずなのに、そのことを記した文献が残っていないという難がある。その一方で、井原市の市街地の地形は扇状地となっており、源流からの東南方向への流れが井原市街で、西への流れのみとなるのは不自然な形となることから、元々は井原市街で東西に分かれていたところ、何かの理由で西への流れだけが遮られたという説や、河川争奪が生じたという説もあり、はっきりしたことは不明となっている。
1972年7月中旬、昭和47年7月豪雨で氾濫し、流域の岡山県部分のうち3.96平方キロメートルが浸水、床上625棟・床下322棟の建物被害があった[3]。1976年9月の昭和51年台風第17号で、同じく3.89平方キロメートル・床上873棟・床下1034棟が水に浸かった[3]。1979年(昭和54年)・1981年(昭和56年) ・1985年(昭和60年)・1998年(平成10年)にも洪水による浸水被害が生じた[3]。
2018年7月7日、平成30年7月豪雨で支川の高馬川・真谷川(またにがわ)・末政川を含め8か所で堤防が決壊し、倉敷市真備町の約12平方キロメートルが冠水[4][5][6]、4000棟以上の建物に浸水した。また、矢掛町では約600棟、井原市では約300棟に浸水被害があった[7]。さらに上流の広島県福山市山野町の山野峡でも氾濫し、キャンプ場が利用不能となる被害があった[8]。
地理
流域の自治体
並行する交通
鉄道
道路
河川施設
計画中止
天神ダム
天神ダム(てんじんダム)は、井原市芳井町の天神峡渓谷に堰堤を構築し、笠岡湾干拓地の灌漑用水や工業用水の確保と発電、小田川の洪水調節を行う多目的ダムとして計画されていた[9][10]。
1957年(昭和32年)5月に防災ダムとして建設構想[9]があり、1959年(昭和34年)11月の案では、ダム堰の高さ約41メートル[9]、有効貯水量1138万4000立方メートル[9]とし、笠岡湾干拓地への導水は井原市芳井町梶江字飯名(当時は後月郡芳井町大字梶江字飯名)より取水し、延長約11.2キロメートル[9]の導水路をもって笠岡市東大戸で吉田川に放流し、城山下付近に予定されていた遊水池で再び取水して送るという計画であった[11]。
1960年(昭和35年)から概要調査[10]、1964年(昭和39年)から実施設計[10]を経て、1967年度(昭和42年度)から着工予定[10]だったが、建設によりダム下流自治体となる井原市(当時は芳井町未編入)や井原商工会議所が反対[12]。1966年(昭和41年)11月に笠岡湾干拓地への水源確保を高梁川水系成羽川の新成羽川ダムに変更[13]、これにより同年12月に中止となった[14]。
柳井原堰
柳井原堰(やないはらせき)は、倉敷市の柳井原貯水池を貫流するように小田川を付け替え、柳井原貯水池から高梁川への合流部に堰堤を構築し、小田川の治水と水島コンビナートを中心に渇水にあえぐ高梁川下流地域の水源開発を目的にダム(堰)として計画されていた[15]。
1968年(昭和43年)に建設省(当時)が構想を発表[16]したが、建設予定地の自治体の一つであった浅口郡船穂町(当時)が建設に反対[17]。しかし、船穂町は1995年(平成7年)2月に建設省および岡山県との間で柳井原堰建設の覚書を締結[17]し、1997年(平成9年)からの建設に合意[17]、2008年(平成20年)頃に竣工予定[17]だったが、2002年(平成14年)6月10日に石井正弘岡山県知事(当時)が突如建設中止を表明[17]し、同年秋に国土交通省中国地方整備局に申し入れて中止となった[18]。
同名河川
福山市と倉敷市には、同一河川名の二級河川が存在。他の同名河川は小田川を参照。
- 小田川 (芦田川水系) : 芦田川水系の河川。
- 小田川 (倉敷市児島) : 瀬戸内海の児島港に注ぐ河川。
脚注
注釈
出典
- ^ 「やまの」編集委員会 2009, p. 50.
- ^ 岡山県 2010, p. 1.
- ^ a b c 岡山県 2010, pp. 4–5.
- ^ “岡山県豪雨被害が拡大、3人死亡 9河川決壊、倉敷で家屋多数水没”. 山陽新聞 (山陽新聞社). (2018年7月8日) 2018年7月8日閲覧。
- ^ “倉敷・真備の堤防3カ所決壊確認 豪雨浸水被害で国交省調査団”. 山陽新聞 (山陽新聞社). (2018年7月8日) 2018年7月16日閲覧。
- ^ “西日本豪雨 6カ所決壊、真備支流 岡山県が20年放置”. 毎日新聞 (毎日新聞社). (2018年7月14日) 2018年7月16日閲覧。
- ^ “土砂崩れ続き井笠地域は被害甚大 決壊の小田川では重機で復旧作業”. 山陽新聞 (山陽新聞社). (2018年7月14日) 2018年7月16日閲覧。
- ^ “福山・山野峡のキャンプ場閉鎖 豪雨影響、龍頭滝の遊歩道も”. 山陽新聞 (山陽新聞社). (2018年7月26日) 2019年1月4日閲覧。
- ^ a b c d e 笠岡市史編さん室 2003, p. 674.
- ^ a b c d 岡山大学教育学部内地域研究会 1972, p. 530.
- ^ 笠岡市史編さん室 2003, pp. 674–675.
- ^ 笠岡市史編さん室 2003, p. 677.
- ^ 笠岡市史編さん室 2003, p. 678.
- ^ 岡山大学教育学部内地域研究会 1972, pp. 530–531.
- ^ 一井純 2018, pp. 1-2 (Web).
- ^ 一井純 2018, p. 1 (Web).
- ^ a b c d e 一井純 2018, p. 2 (Web).
- ^ 一井純 2018, p. 3 (Web).
参考文献
- 一井純「真備町浸水、50年間棚上げされた「改修計画」 政治に振り回されている間に、Xデーは訪れた」『週刊東洋経済』、東洋経済新報社、2018年7月13日、2019年1月2日閲覧。
- 岡山県「高梁川水系小田川ブロック河川整備計画」(PDF)、岡山県庁、2010年6月、2018年7月7日閲覧。
- 「やまの」編集委員会『補遺 やまの - 福山市山野町の民俗』山野まちづくり推進委員会 山野民俗資料保存会、2009年。
- 笠岡市史編さん室『笠岡市史』 第四巻、笠岡市役所、2003年5月。
- 岡山大学教育学部内地域研究会『芳井町誌』後月郡芳井町教育委員会内芳井町誌刊行委員会、1972年3月1日。
外部リンク
- 内田和子「岡山県小田川流域における水害予防組合の活動」『水利科学』第55巻第3号、水利科学研究所、2011年、doi:10.20820/suirikagaku.55.3_40、NAID 130005852071。