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菊とギロチン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
菊とギロチン
監督 瀬々敬久
脚本 相澤虎之助
瀬々敬久
製作総指揮 坂口一直
石毛栄典
浅野博貴
藤川佳三
ナレーター 永瀬正敏
出演者 木竜麻生
東出昌大
寛一郎
韓英恵
音楽 安川午朗
撮影 鍋島淳裕
編集 早野亮
製作会社 スタンス・カンパニー国映
配給 トランスフォーマー
公開 日本の旗 2018年7月7日
上映時間 189分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
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菊とギロチン』(きくとギロチン)は、2018年7月7日に公開された瀬々敬久監督による日本映画

概要

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関東大震災後の大正時代末期を舞台に、当時実在した女相撲の力士たちとアナキスト集団「ギロチン社」がもし出会っていたらというフィクションを描く[1][2][3][4][5]。発表当初「女相撲とアナキスト」という副題がついていたが、それを抜いた『菊とギロチン』が正式名となった[6][7]

本作は一般人による1口50万円の出資金が製作に使用され[8]、配給と宣伝の費用はクラウドファンディングにより2018年4月23日から公開直前の同年7月6日まで集められた[9][10][11]

釜山国際映画祭の第19回アジアン・プロジェクト・マーケットに選出されている[12][13]

本作の脚本を原作とした栗原康による書籍『菊とギロチン やるならいましかねぇ、いつだっていましかねぇ』がタバブックスより2018年7月12日に発売され[14]7月15日には東京の下北沢B&Bで[15]7月25日には都内で刊行記念トークイベントが開かれた[16]

ストーリー

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人々が貧困にあえぎ社会に不穏な空気が漂っていた大正時代末期、女相撲の一座である「玉岩興行」が東京近郊にやって来る。女だからという理由で様々な困難を抱えた彼女たちの中には、夫からの暴力に逃げてきた新人力士の花菊もいた。ただ「自分の力で強くなりたい」という思いで相撲を始めた花菊は厳しい稽古を積んでいく。そんな彼女たちは、社会を格差のない平等な社会に変えたいと夢を掲げるアナキスト・グループ「ギロチン社」の若者たちと出会う。時代に翻弄されながらも彼らは次第に心を通わせていく。

キャスト

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スタッフ

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受賞

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  • 第73回毎日映画コンクール[17]
    • 日本映画優秀賞
    • スポニチグランプリ新人賞(木竜麻生)
  • 第33回高崎映画祭[18]
    • 最優秀監督賞(瀬々敬久)
    • 最優秀助演女優賞(韓英恵)
    • 最優秀助演男優賞(東出昌大)
    • 最優秀新進男優賞(寛一郎)
  • 第40回ヨコハマ映画祭[19]
    • 監督賞(瀬々敬久)※『友罪』『8年越しの花嫁 奇跡の実話』と合わせての受賞
    • 最優秀新人賞(木竜麻生)※『鈴木家の嘘』と合わせての受賞
  • 第92回キネマ旬報ベスト・テン[20]
    • 日本映画監督賞(瀬々敬久) ※『友罪』と合わせての受賞
    • 脚本賞(相澤虎之助、瀬々敬久)
    • 新人女優賞 (木竜麻生)※『鈴木家の嘘』と合わせての受賞
    • 新人男優賞(寛一郎)
    • 日本映画ベスト・テン第2位
    • 読者選出日本映画ベスト・テン 第6位
  • 第28回日本映画批評家大賞
    • 助演男優賞(寛一郎)

脚注

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  1. ^ 瀬々敬久; 木竜麻生(インタビュー)「瀬々敬久監督×木竜麻生、“今”を揺さぶる30年間の夢想の結実「菊とギロチン」」『映画.com』、カカクコム、2018年7月8日https://eiga.com/news/20180708/3/2018年7月18日閲覧 
  2. ^ “瀬々敬久監督、作品の源は事象への「嫌な感じ」 寛一郎は芝居初挑戦の苦闘明かす”. 映画.com (カカクコム). (2018年6月30日). https://eiga.com/news/20180630/11/ 2018年7月18日閲覧。 
  3. ^ 井本早紀 (2016年10月22日). “東出昌大、夢見るアナキストに!女力士にスポット当てる『64』瀬々監督の最新作”. シネマトゥデイ. https://www.cinematoday.jp/news/N0086932 2018年7月18日閲覧。 
  4. ^ 山崎 伸子 (2018年6月27日). “東出昌大、瀬々敬久監督が構想30年を懸けた『菊とギロチン』に「大変熱い映画になっている」”. Movie Walker. https://moviewalker.jp/news/article/152235/ 2018年7月18日閲覧。 
  5. ^ 成田 おり枝 (2015年11月20日). “東出昌大、瀬々敬久監督のムチャぶりで四股踏み!劇場史上最多30人の舞台挨拶が大盛り上がり”. Movie Walker. https://moviewalker.jp/news/article/153556/ 2018年7月18日閲覧。 
  6. ^ 瀬々敬久 [@japansuke] (2018年3月8日). "因みに、この機会に映画『菊とギロチン』から「女相撲とアナキスト」という副題を抜きました。 映画『菊とギロチン』は、実在したアナキストたちと女相撲の力士たちとの交流を描いた事実に基づいたフィクションです。". X(旧Twitter)より2021年10月23日閲覧
  7. ^ “東出昌大がアナキスト役で出演、瀬々敬久「菊とギロチン」キャスト発表”. 映画ナタリー (ナターシャ). (2016年10月22日). https://natalie.mu/eiga/news/206419 2018年7月18日閲覧。 
  8. ^ “瀬々敬久が女相撲の力士を描く自主制作企画「菊とギロチン」出演者と出資者募集中”. 映画ナタリー (ナターシャ). (2016年3月22日). https://natalie.mu/eiga/news/179905 2018年7月18日閲覧。 
  9. ^ やるなら今しかない! 7月7日公開 瀬々敬久監督入魂の『菊とギロチン』上映支援プロジェクト”. MotionGallery. 2018年7月18日閲覧。
  10. ^ “木竜麻生&東出昌大“嘘なき芝居”を映した「菊とギロチン」支援者に感謝!”. 映画.com (カカクコム). (2018年6月19日). https://eiga.com/news/20180619/11/ 2018年7月18日閲覧。 
  11. ^ “瀬々敬久「菊とギロチン」公開に向け支援募る、リターンは劇中衣装など”. 映画ナタリー (ナターシャ). (2016年4月23日). https://natalie.mu/eiga/news/279151 2018年7月18日閲覧。 
  12. ^ “瀬々敬久監督最新作「菊とギロチン」、釜山映画祭のプロジェクトマーケットに選出”. 映画.com (カカクコム). (2016年8月28日). https://eiga.com/news/20160828/7/ 2018年7月18日閲覧。 
  13. ^ “瀬々敬久監督「菊とギロチン」主演に新人・木竜麻生が大抜てき! 東出昌大と共演”. 映画.com (カカクコム). (2016年10月22日). https://eiga.com/news/20161022/11/ 2018年3月8日閲覧。 
  14. ^ 栗原康『菊とギロチン ―やるならいましかねえ、いつだっていましかねえ』瀬々敬久・相澤虎之助(原作)、タバブックス、2018年7月12日。ASIN 4907053258ISBN 978-4-907053-25-3OCLC 1045481072全国書誌番号:23081359ASIN B07FMK6YFPKindle版)。 
  15. ^ “瀬々敬久監督の“叫び”に通じる若松孝二監督の“怒鳴り声” 小木戸利光が述懐”. 映画.com (カカクコム). (2018年7月17日). https://eiga.com/news/20180717/19/ 2018年7月18日閲覧。 
  16. ^ “「菊とギロチン」評伝小説著者、女力士と伊藤野枝の類似点挙げ「その強さを文章で描きたかった」”. 映画.com (カカクコム). (2018年7月26日). https://eiga.com/news/20180726/12/ 2018年9月27日閲覧。 
  17. ^ “毎日映画コンクールで「万引き家族」が大賞ほか3冠、柄本佑と安藤サクラが主演賞”. 映画ナタリー (ナターシャ). (2019年1月23日). https://natalie.mu/eiga/news/316955 2019年1月23日閲覧。 
  18. ^ “第33回高崎映画祭受賞者発表”. 高崎新聞. (2019年1月10日). http://www.takasakiweb.jp/news_cat/9835/ 2019年1月24日閲覧。 
  19. ^ “ヨコハマ映画祭で「寝ても覚めても」が6冠、新人賞に唐田えりか、吉沢亮、木竜麻生”. 映画ナタリー (ナターシャ). (2018年12月1日). https://natalie.mu/eiga/news/310407 2019年1月23日閲覧。 
  20. ^ 2018年 第92回キネマ旬報ベスト・テン”. KINENOTE. 2019年2月12日閲覧。

外部リンク

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