「シンセサイザー」の版間の差分

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== 歴史 ==
== 歴史 ==
シンセサイザーのルーツとされる最も初期の電子楽器は、1920年に[[ロシア]]([[ソビエト連邦|ソ連]])の[[レオン・テルミン]]が開発した[[テルミン]]と言われている。さらに1928年にはフランスの[[モーリス・マルトノ]]が製作した[[オンド・マルトノ]]という鍵盤楽器が発表された。この2者は一般的に「シンセサイザーの先祖」という概念で語られる事が多い<ref name=his>シンコーミュージック刊「スーパーロックマルチ・キーボードの全貌」(1976年発行/0073-61024-3129)より。</ref>。1938年頃ハモンドは、それまで実現が難しいと言われていたフィルタと真空管を使った全鍵発音の電子鍵盤楽器「ノバコード」を開発したが、戦争で製造中止となり、その存在は忘れ去られた<ref name=hammondwiki>HamondWiki - Hammond Novachord [http://www.dairiki.org/HammondWiki/HammondNovachord]</ref> 。1957年(1955年という説もある<ref name=his/>)、アメリカの[[コロンビア大学]]で、ハリー・オルソンとハーバード・ベラーによる「ザ・RCA・マークII・エレクトロニック・サウンド・シンセサイザー ([[w:en:RCA Mark II Sound Synthesizer|RCA Mark II Sound Synthesizer]]) 」という機器が開発された。歴史上、「シンセサイザー」という単語が用いられた初めての音響合成機器とされているが、同機は音(楽器音)の分析と研究を目的とした機器として開発されたものであり、楽器の確立という目的は持っていなかった<ref name=his/>。
シンセサイザーのルーツとされる最も初期の電子楽器は、1920年に[[ロシア]]([[ソビエト連邦|ソ連]])の[[レオン・テルミン]]が開発した[[テルミン]]と言われている。さらに1928年にはフランスの[[モーリス・マルトノ]]が製作した[[オンド・マルトノ]]という鍵盤楽器が発表された。この2者は一般的に「シンセサイザーの先祖」という概念で語られる事が多い<ref name=his>シンコーミュージック刊「スーパーロックマルチ・キーボードの全貌」(1976年発行/0073-61024-3129)より。</ref>。1938年頃ハモンドは、それまで実現が難しいと言われていたフィルタと真空管を使った全鍵発音の電子鍵盤楽器「ノバコード」を開発したが、戦争で製造中止となり、その存在は忘れ去られた<ref name=hammondwiki>HammondWiki - Hammond Novachord http://www.dairiki.org/HammondWiki/HammondNovachord</ref> 。1957年(1955年という説もある<ref name=his/>)、アメリカの[[コロンビア大学]]で、ハリー・オルソンとハーバード・ベラーによる「ザ・RCA・マークII・エレクトロニック・サウンド・シンセサイザー ([[w:en:RCA Mark II Sound Synthesizer|RCA Mark II Sound Synthesizer]]) 」という機器が開発された。歴史上、「シンセサイザー」という単語が用いられた初めての音響合成機器とされているが、同機は音(楽器音)の分析と研究を目的とした機器として開発されたものであり、楽器の確立という目的は持っていなかった<ref name=his/>。


1965年、アメリカ・コーネル大学の[[ロバート・モーグ]]博士は、テルミンのトランジスター化とRCA・マークIIの改良に関する研究を通じて、楽器としての使用に足るシンセサイザーの開発を行い「[[アナログシンセサイザー]]」の仕様を確立した<ref name=his/>。同博士による「[[モーグ・シンセサイザー]]」は、CM関係者のアルウィン・ニコラやレコード・エンジニアの[[ウェンディ・カルロス|ウォルター・カルロス]]に納入されている。
1965年、アメリカ・コーネル大学の[[ロバート・モーグ]]博士は、テルミンのトランジスター化とRCA・マークIIの改良に関する研究を通じて、楽器としての使用に足るシンセサイザーの開発を行い「[[アナログシンセサイザー]]」の仕様を確立した<ref name=his/>。同博士による「[[モーグ・シンセサイザー]]」は、CM関係者のアルウィン・ニコラやレコード・エンジニアの[[ウェンディ・カルロス|ウォルター・カルロス]]に納入されている。

2009年5月27日 (水) 05:41時点における版

シンセサイザー(Synthesizer)とは、一般的には主に電子的手法により楽音等を合成(synthesize:シンセサイズ)する楽器「ミュージック・シンセサイザー」の総称。

歴史

シンセサイザーのルーツとされる最も初期の電子楽器は、1920年にロシアソ連)のレオン・テルミンが開発したテルミンと言われている。さらに1928年にはフランスのモーリス・マルトノが製作したオンド・マルトノという鍵盤楽器が発表された。この2者は一般的に「シンセサイザーの先祖」という概念で語られる事が多い[1]。1938年頃ハモンドは、それまで実現が難しいと言われていたフィルタと真空管を使った全鍵発音の電子鍵盤楽器「ノバコード」を開発したが、戦争で製造中止となり、その存在は忘れ去られた[2] 。1957年(1955年という説もある[1])、アメリカのコロンビア大学で、ハリー・オルソンとハーバード・ベラーによる「ザ・RCA・マークII・エレクトロニック・サウンド・シンセサイザー (RCA Mark II Sound Synthesizer) 」という機器が開発された。歴史上、「シンセサイザー」という単語が用いられた初めての音響合成機器とされているが、同機は音(楽器音)の分析と研究を目的とした機器として開発されたものであり、楽器の確立という目的は持っていなかった[1]

1965年、アメリカ・コーネル大学のロバート・モーグ博士は、テルミンのトランジスター化とRCA・マークIIの改良に関する研究を通じて、楽器としての使用に足るシンセサイザーの開発を行い「アナログシンセサイザー」の仕様を確立した[1]。同博士による「モーグ・シンセサイザー」は、CM関係者のアルウィン・ニコラやレコード・エンジニアのウォルター・カルロスに納入されている。

ウォルター・カルロスによる「スウィッチト・オン・バッハ (Switched-On Bach) 」は、アメリカ・コロムビア・レコードより1968年にリリースされ、全世界で累計100万枚を売り上げるヒット・アルバムとなった。さらにエマーソン・レイク・アンド・パーマーキース・エマーソンを初め、1970年代には多くのロック系ミュージシャンに使用され、さらに冨田勲の「月の光」「惑星」などの作品が世界的なヒットをすることによって、一般的にも認知される楽器となった。

1970年代前半には、モーグに続いて「アープ」や「ブックラ (Buchla)」、「EMS」、「イー・ミュー (E-mu Systems)」といったメーカーが参入、日本では1973年にローランドが一号機であるSH-1000(SH-1000)を、コルグが一号機であるミニコルグ700シンセサイザーを、翌1974年にはヤマハが一号機であるSY-1を発表した[3]。この時期はモノフォニックシンセサイザーが主体だったが、1970年代後半には、ヤマハオーバーハイムポリフォニックシンセサイザーで参入、さらにシーケンシャル・サーキットがProphet-5を発表し、制御部分にデジタル技術が導入され始めた。

1980年代にはフェアライトCMIやイミュレーター (E-mu Emulator) といった、音源自体にデジタル/サンプリング機能を用いる機種が出始め、さらにヤマハからはFM音源方式のDXシリーズがリリースされるなど、多様な音源方式が登場する様になる。

現在では実際の楽器の音色をサンプリングしたPCM音源が一般的となり、昔ながらの音を合成する楽器というニュアンスは薄れてきている。

なお、かつてはヤマハEOSシリーズなど小室哲哉といったアーティストを用いてCMが放送されていたことがあったが、現在ではシンセサイザーを紹介するCMは皆無である。

音源方式の種別

減算方式乗算方式加算方式符号化方式、またはそれらの複合型など多数の方式が存在している。アナログシンセサイザーの時代は減算方式が主流だったが、その後、ディジタル技術の発展により、サンプリングしたデータを元に音を構築する符号化方式が主流となった。

音源の名称 概要
アナログ音源 VCOで基本的な波形を合成し、VCFで波形の倍音をカットして音色を加工する方式。
PCM音源 サンプリングした波形を基本音色として利用する方式。その一種として波形メモリ音源が存在する。
FM音源 フリケンシー・モジュレーション音源。波形を波形そのもので変調する方式。
LA音源 Linear Arithmeticの略。線形演算式デジタル音源。
PSG
物理モデル音源 楽器の発音構造や共鳴構造の物理モデルをDSPでシミュレートする方式
バーチャルアナログ音源 物理モデル音源の一種。アナログシンセサイザーの音色をDSPでシミュレートする方式。

演奏方式の種別

当初はキーボード (楽器)の一種として分類されていたが、その後、ギター型や型、打楽器型のコントローラーを備えたシンセサイザーが登場した。さらに演奏用のインターフェイスを外部に依存するシンセサイザーモジュールと呼ばれる機材も登場している。

演奏情報入力方式 概要
鍵盤 1960年代にモーグ・シンセサイザーが登場した時点で採用された方式。
ギター 1977年、ローランドのGR-500が製品として初めてリリースされた。
ドラムス (Electronic drum) 1970年代前半よりモーグ等が開発していた。シモンズ(Simmons)の製品などが有名。
ウインドシンセサイザー 管楽器式のインターフェイス。

おもな機種、型番

日本国内のメーカー

メーカー 代表的な機種
アカイ AX80、AX60、AX73、VX90(アナログ/ポリフォニック)、VX600(アナログ/ウィンドシンセ接続可能)、MINIAK(ヴァーチャルアナログ/ヴォコーダ内蔵)[4]
AMDEK [5]
(ローランド)
Percussion Synthesizer PCK-100(シンセドラム、組立キット)、Hand Clapper HCK-100(ハンドクラップ、組立キット)
WAVE KIT [6] Micro Wave Synthesizer SA12 [7]、Micro Wave Synthesizer SA-13 [8](アナログ/モノフォニック、自作キット)
東洋楽器 ULT-SOUND DS-4(シンセドラム)
ACE TONE
(エース電子) [9]

日本ハモンド [10]

ACE TONE: Multistrings SY-5(アナログ/ポリフォニック、アンサンブル)、PS-1000 [11](アナログ/モノフォニック)、

HAMMOND: MODEL 102200 [12]

カシオ CZ-101CZ-1000CZ-230sCZ-3000CZ-2000SCZ-5000CZ-1PD音源)、

FZ-1、FZ-10M(サンプリング)、HZ-600(SD音源)、VZ-1、VZ-10M、VZ-8M(iPD音源)
PG-310、PG-380(MIDIギター)、DH-100/200/800/500/280(ウィンドシンセ)

テスコ
カワイ [13]
TEISCO: S 60P、S 100P(アナログ/プリセット)、S 60F、S 110F(アナログ/モノフォニック)、SX-400(アナログ/ポリフォニック)[14]

TEISCO/KAWAI: S 100F(アナログ/モノフォニック)、SX-210、SX-240(アナログ/ポリフォニック)
KAWAI: K3、K3m(アナログ/ポリフォニック)、K1、K1m、K1r、K1 II、K11(VM音源)、K4、K4r(PCM音源)、K5、K5m(ARTS音源)、K5000S、K5000W、K5000S、K5000R(ARTS音源+PCM)、XD-5(ドラムシンセ)

コルグ 試作一号機(プロトタイプ)[15]、700、770(アナログ/モノフォニック)、800DV(アナログ/デュオ)、MS-10、MS-20、MS-50(アナログ/パッチ)、900PS、M-500(SP)、∑(アナログ/プリセット)、

PS-3100、PS-3300、PS-3200、Δ、λ(アナログ/全音ポリフォニック)、MONO/POLY、PolySix、Poly-61、Poly-800、Trident(アナログ/ポリフォニック)、DW-6000、DW-8000(DWGS音源)、DSS-1、DSM-1(サンプリング)、DS-8、707(FM)、
M1T1、T2、T301/WX2、X3、X3R(ワークステーション)、X5、X5D、X5DRN5、N264、N364(AI2音源)、i2、i3、i4S、i5S、i4M、ih、KARMA(オートアレンジャ)、 TRINITYTRITON、TR(ワークステーション)、X-013(プロトタイプ)[16]、OASYS-PCI(DSPボード)、OASYS(ワークステーション)、
WAVESTATION(ベクトル)、ProphecyZ1(MOSS音源)、KORG Legacy Collection(PC/Mac用ソフト音源)、MS2000、MicroKORG(アナログ・モデリング)、MicroKorg XL、R3、RADIAS(マルチプル・モデリング)、microX、X50(HI音源)、M3(ワークステーション)、
VC-1(アナログ/ヴォコーダ)、VPP-1(ディジタル/ヴォイスプロセッサ)、SB-100(ベースシンセ)、X-911、Z3(ギターシンセ)、WAVEDRUM(ドラムシンセ)

Seekers [17] SMS1000 [18](開発停止)
セイコー DS-310(ディジタル加算型/ポリフォニック)
Technics
松下
SY-1010(アナログ/モノフォニック)[19]
パール ポリセンサー(DWS-II/ポリフォニック)
I.G.S. BIAS
(石橋楽器)
BS-1、BS-2(シンセドラム)、CLAPPY(ハンドクラップ)
ヒルウッド
ファーストマン
MULTIVOX  [20]
Hillwood: Blue Comets 73、SY-1800(アナログ/モノフォニック)、SY-2100(アナログ/デュオ)、SY-2500(アナログ/アンサンブル)、Basky、BaskyII(ベースシンセ)

Firstman: SQ-01(音源付きシーケンサ)、SQ-10(シーケンサ)、FS-10C(プログラマブル音源/モノフォニック)、FS-4V、PS-86(アナログ/ポリフォニック)、BS-999 (ベースシンセ)、Synpuls SD-1(シンセドラム)
MULTIVOX: MX-75(アナログ/デュオ、プリセット)、MX-3000(アナログ/ポリフォニック、マルチ)、MX-450(ベースシンセ)

ヤマハ SY-1、CS01、CS-5、CS-10、CS-15、CS-20、CS-20M、CS-30、CS-30L(アナログ/モノフォニック)、CS-40M(アナログ/デュオ)

GX-1CS-80CS-70M、CS-60、CS-50(アナログ/ポリフォニック)、AN1x(アナログ・フィジカル・モデリング)
GS-1[21]DX7TX816V50FM音源)、SY99RCM音源/ワークステーション)、CS1x、CS2xXG系音源)、CS-6x(PCM + プラグイン)、VL1、VL7、VP1(物理モデル)、EOSEX5(PCM+FDSP+AN+VA/ワークステーション)、ヤマハ・MOTIFシリーズ (PCM + プラグイン/ワークステーション)、
WT11、VL70m(ウィンドシンセ音源)

Lo-D日立 HMS-30(アナログ/モノフォニック、シーケンサ内蔵)
ローランド SH-1000、SH-2000、SH-3(A)、SH-5、SH-1、SH-09、SH-2、Promars(アナログ/モノフォニック)、SH-7(アナログ/デュオ)、System 100、System 100M、System 700(アナログ/モジュラー)、

Jupiter-4/8/6、JUNO-6/60/106(S)、JX-3P/8P/10、αJUNO、αJUNO2(アナログ/ポリフォニック)、
D-50/5/10/20/70(LA音源)、JX-1、JD-800(ディジタル)、S-50/10、U-20(サンプリング)、W-30(ワークステーション)、MODEL 760/660(RS-PCM)、JV-1000XP-50、XP-80、JX-305、XV-5080(PCM)、
JP-8000、SH-32、SH-201(アナログ・モデリング)、JUNO-D、JUNO-G、JUNO-STAGE(ディジタル)、VariOS(専用プロセッサ上のソフト音源)、VariPhrase、V-Synth (Articulative Phrase)、Fantom(ワークステーション)、
VP-330、SVC-350(アナログ/ヴォコーダ)、VP-550、VP-770(ディジタル/ヴォコーダ)、TB-303(ベースシンセ)、MC-202(音源付きシーケンサ)、SH-101、AX-Synth(ショルダーシンセ)、GR500、SPV-355、GR300GR100、GR700、GR-1、GR-30、GR-33、GR09、GR20(ギターシンセ)、GR33B、GR77B(ベースギターシンセ)

海外のメーカー

メーカー 代表的な機種
アクセス Virus A、Virus B /Classic/Indigo、Virus C /Indigo II、Virus TI /Polar
Alesis Quadra Synth、QS6/QS6.1、QS7/QS8、QS6.2/QS8.2、A6 Andromeda、ion、micron
アープ Arp2500、Arp2600、ArpOdyssey
クラビア Nord Lead
DOEPFER A-100BS/2、MS-404
DSI Prophet'08、Evolver、Poly Evolver
EDP Wasp、Gnat、Spider
EMS VCS3、Synthi A、AKS
Kurzweil 250(K250)、K1000、K1200、K2000、K2000VP、K2VX、K2500/K2500X/K2500AES、K2600/K2600X、K2661
モーグ MiniMoog、Polymoog、Moog IIIc
オーバーハイム OB-X、OB-8
シーケンシャル・サーキット プロフェット5、プロフェット10
Waldorf Pulse、The Wave、Microwave、Microwave II、Microwave XT / XTk、Q、Q+、Micro Q、Rack Attack、Blofeld、

主なアーティスト

ここではシンセサイザーそのものに関する任意の業績があると評される者のみを、その業績も含めて列記している。

邦楽

名前 シンセサイザーに関する主な業績(詳細は各アーティストの項目を参照)
冨田勲 1974年、RCAレコードより「月の光」をリリース。同作が米ビルボード(クラシカル・チャート)で2位を獲得し、グラミー賞にもノミネートされる。続く「展覧会の絵」はビルボードで1位を獲得。それ以降もクラシックの名曲を次々とシンセサイザー音楽化した。
深町純 「プロユース・シリーズ・深町純」等、1970年代からシンセサイザーを多用したアルバムを発表している。洗足学園大学音楽学部にシンセサイザー専攻科を設立。FM放送でシンセサイザーの解説も手がけていた。
ミッキー吉野 ゴダイゴで、モンキーマジック等シンセサイザーを多用したヒット曲を発表している。ローランドのアドバイサーとしてシンセサイザーの開発にも参加している。
喜多郎 1980年、NHK特集のシルクロードの音楽を担当。ヒーリング音楽を数多く手がける。
姫神 1981年、「姫神せんせいしょん」としてアルバム「奥の細道」をリリース。日本の民謡を取り入れたシンセサイザー音楽を発表。1984年に星吉昭のソロユニットとなる。
YMO坂本龍一松武秀樹 1978年にアルバムデビュー。日本における商業的な成功を遂げた初のテクノ・ポップ・バンドとされている。坂本龍一はキーボード/作曲/アレンジを担当、松武秀樹はシンセサイザー/シーケンサーのプログラミングを担当。
向谷実 1979年よりCASIOPEAのメンバーとしてレコードデビュー。日本シンセサイザープログラマー協会の名誉会員であるほか、日本のフュージョンシーンを牽引したグループの一員として、音楽と鉄道の融合を図るなど新たな試みを行っている。
TM NETWORK/小室哲哉 Get Wild等、シンセサイザーを多用した曲がヒットした。小室哲哉は同グループでシンセサイザーを担当。1990年代には「小室ファミリー」と称される一連のミュージシャン達が、シンセサイザーを多用した数々のヒット曲を発表した。
浅倉大介 高校在学時よりヤマハに出入りし、同社のシンセサイザーDX7IIFDEOS B500の音色作成、マニュアル執筆等で開発に携わる。ミュージシャンとしては、自身の参加するユニットaccessIcemanでの楽曲はオケのほとんどが浅倉の演奏(打ち込み)による多重録音で作られており、その時代時代での先鋭的な音楽を表現している。また、プロデューサーとしてもT.M.Revolutionなどのアーティストを手がけている。
電気グルーヴ/石野卓球 1990年アルバムデビュー。主にサンプリング技法を使用して数々の作品を発表した。

洋楽

名前 シンセサイザーに関する主な業績(詳細は各アーティストの項目を参照)
キース・エマーソン ELPでシンセサイザーを多用した作品を発表。ミニ・モーグの開発に参加。
ヴァンゲリス オリジナル作品及び「ブレードランナー」や「南極物語」等の映画音楽でシンセサイザーを多用した作品を発表。2002年にはFIFAワールドカップ公式アンセムを担当。
ジャン・ミッシェル・ジャール 1976年(世界発売は翌年)に発表されたアルバム「幻想惑星」を初め数多くのシンセサイザー音楽を発表。実験性を排除した聞きやすいシンセサイザー音楽の確立に寄与したとされている。
クラフトワーク アルバム「ヨーロッパ特急」や「人間解体」などで「テクノ・ポップ」の先駆的存在と評されている。
タンジェリン・ドリーム アルバム「フェードラ」や「ルビコン」などでシーケンサーの反復演奏機能を活用した「ミニマル・ミュージック」をヒットさせた。
リック・ウェイクマン イエスを初め数多くの活動を手がける。「マルチ・キーボード」の使い手の代表的な存在。
ジョー・ザヴィヌル ジャズ・フュージョングループウェザー・リポート(1971-1986)においてその初期からシンセサイザーによるオーケストレイションを多用した作品を発表。また解散後はMIDIシステムを用いソロツアーも敢行。即興性が重視されるジャンルとしては珍しいシーケンサー多用派。ヤマハのGX-1ユーザ。
スティーヴィー・ワンダー 「迷信」など、モータウン系でシンセサイザーを多用した作品を発表。

その他

  • NHKの「みんなのうた」で1980年10月 - 11月に放映された曲の中に『ミスター・シンセサイザー』という作品がある。歌詞は地球にやってきた「ミスター・シンセサイザー」という宇宙人について歌っている。放映時はタモリが歌唱を担当していた。ただし現在リリースされているCDは、水木一郎(初出はルディ・マスヤーニのシングル『ふたごのオオカミ大冒険』B面)その他による歌唱版が収録されている。

関連項目

機能・仕様


その他


脚注

  1. ^ a b c d シンコーミュージック刊「スーパーロックマルチ・キーボードの全貌」(1976年発行/0073-61024-3129)より。
  2. ^ HammondWiki - Hammond Novachord http://www.dairiki.org/HammondWiki/HammondNovachord
  3. ^ 誠文堂新光社刊「シンセサイザーと電子楽器のすべて(1980年)より
  4. ^ AKAI professional MINIAK
  5. ^ AMDEK はローランドの関連会社で、設立当初は 電子楽器組立キット や コンピュータ音楽用周辺機器 CMU-800 を扱っていた。1983年ローランド ディー. ジー.に社名変更し、現在はコンピュータ周辺機器(大型カラープリンタ、カッティングマシン、3Dスキャナ/3Dプロッタ等)を扱っている。
  6. ^ WAVE KITは、1975年頃秋葉原にあったシンセサイザー自作キットの専門店 [1]。基板には型番とともに名称が記載されているが、この名称は当時も今もほとんど使われておらず、むしろ当時通販広告等で使われた"Micro Wave Synthesizer"という呼称の方が有名なので、ここではそちらを採用した。この呼称は、後に海外で登場したPPG WAVEや Waldorf MicroWaveを連想させるが、残念ながらWavetableは搭載していない。
  7. ^ Studio ZoneX, "synth 01 (アナログシンセやテルミンなど自作電子楽器)"
  8. ^ "WAVEKIT アナログシンセのレストア"
  9. ^ エース電子工業は、1961年に梯郁太郎氏が阪田商会(海外事業部)の出資で設立した電子楽器メーカ[2]。最初の電子オルガンは販路がなかったため、阪田商会の紹介でパナソニックにOEM提供しテクニトーン SX-601として発売された。その後 ACE TONEブランドの TOPオルガンがヒットして輸出まで行うようになり[3]、1968年にはアメリカのハモンド・オルガン・カンパニーとの合弁会社「日本ハモンド」を(阪田商会と共に)設立した。ハモンド・オルガン・カンパニーはエース電子工業に対し、伝統と定評のあるトーンホイール方式ドローバー・オルガンHammond B3とその派生機種の製造・供給を任せる提案を行ったが、梯氏は同方式の衰退傾向とコスト上昇を理由に提案を断ったという。[4] そして、電子方式でハモンド伝統スタイルに応えるべく、1971年ドローバー・タイプのコンボオルガン ACE TONE GT-7を発売した。しかし翌1972年には、設立以来の重要なパートナーだった阪田商会が経営悪化により住友化学系列となり、良き理解者を失った梯氏は 自ら創業したエース電子工業を去ってローランドを設立した。一方 ハモンド・オルガン・カンパニーは、1974年Hammond B3製造終了を以ってトーンホイール方式を全て終了し[5]、かねてより採用を進めてきたLSI技術やディジタル技術でB3を再現したB3000(1976年)や、Acetone GT-7の技術を引き継ぐコンボオルガン Hammond X5(1975年), X2, B200 等を発売した。後者(X5, X2)の開発と製造は、エース電子工業を事実上吸収合併した日本ハモンドが担ったと推測される([6])が、1985,6年頃のハモンド・オルガン・カンパニー倒産と1991年の鈴木楽器による買収の中、日本ハモンドは阪田商会から鈴木楽器に事業譲渡され、ACE TONEブランドは消滅した。
  10. ^ 日本ハモンドは、1970年にアメリカのハモンド・オルガン・カンパニー阪田商会(海外事業部門)の提携により設立された合弁会社で、ヨーロッパと極東地域へのアメリカ製Hammond製品の供給、および エース電子工業製日本ハモンド製品の販売を行った。[7][8][9] 阪田商会はエース電子工業の出資者でもあり、両社製品の輸出入業務を担当し、後期製品の一部(Jugg Box DPM-48等)は海外ではSAKATAブランドでも販売していた。[10]
  11. ^ Ace Tone PS-1000 [11]は、発売が梯氏退社後の1974年前後であるにも関わらず、同時期のローランド製品のデザインや仕様と深いつながりを感じさせる不思議な製品である。1980年のRoland TR-808発売当時、店頭にTR-808と同期可能なシーケンサCSQ-600/CSQ-100と共にPS-1000を並べる楽器店もあり、当時から関連性の高い製品と受け止められていた。なお Sound On Sound 2004年11月の記事"The History of Roland Part1: 1930-1978"には、「Roland SH-3と類似したACE TONE SH-3」への短い言及があるが、今のところ他にACE TONE SH-3の存在を示す証拠は見当たらず、この記事はデザインや仕様の若干異なるACE TONE PS-1000を取り違えている可能性[12]もある。
  12. ^ HAMMOND MODEL 102200は、そのデザインや音色に同時期のACE TONE製品の特徴が見られず、むしろハモンド伝統のSoloboxやChord Organの影響を感じさせる不思議な製品である。製品底面のプレートには国内販売元「NIHON HAMMOND」または、輸出入代理店「SAKATA SHOKAI」の名が記されている。MATRIXSYNTH: "Hammond Synthesizer 10220"
  13. ^ テスコは1948年に独立企業として出発したが、カワイの電子楽器開発・製造にその初期から深く関わり、1966年カワイが経営権を取得した。TEISCOブランドはその後も継続したが、80年代初頭に輸出製品が、ついで国内向け製品が、KAWAIブランドに統一された。過渡期には同一型番の製品が両ブランドで販売された。
  14. ^ TEISCO/KAWAIのシンセは、海外有名サイト vintagesynth.comsynthesizer.de等で大半の機種を確認できる。当時カタログに掲載されていた残りの機種"S 100P"はTeisco synthesizers websiteで、"S 60P"はハンガリーのvintagesynthサイト(セキュリティ注意)でそれぞれ画像を確認できる。
  15. ^ 株式会社コルグ, "コルグ・ミュージアム「試作一号機」"
  16. ^ "珍品、名品?"
  17. ^ Seekersとは、1990年代後半に突如登場した日本の電子楽器メーカー。 MIDIコントローラ UMC1688、アナログ12バンド・ヴォコーダ VoiceSpectraといった特徴ある製品を発売し、またReBirth用コントローラの試作や、新しいアナログシンセサイザー SMS-1000の企画・開発等を行っていたが、後に倒産した。元開発者Kirikax氏のSeekers製品情報ページも参照。この他、海外では2006年頃から Seekers SMS2000の写真やビデオと称するものが話題となっているが[13]、元開発者Kirikax氏はその存在を知らないと証言しており、真偽の判定がついていないのでリスト掲載は避けた。
  18. ^ Seekers SMS-1000は、当初予告された製品仕様によれば、パッチ可能なメモリー付きアナログシンセで MIDIや外部信号入力に対応し、波形表示可能なスコープを備えた製品となる予定だった。またSeekersの元開発者Kirikax氏によると、正式名称は"ELEBUS-1" [14]で、その構造には 本体EB-1のバス上にボイスカードVB-1を追加する形[15]を予定していたらしい。しかし諸般の事情で開発は停止しSeekersは倒産し、現在なお開発再開の目処は立っていないという。
  19. ^ synthemaster.de, "Technics SY-1010"
  20. ^ ヒルウッドとファーストマンは、創業者 森岡一夫氏が自身の名前にちなんで命名した会社で、初期の日本製モズライトギターや、グループサウンズ ブルーコメッツの使用楽器、そして80年代初頭の中学生テクノポップバンド コズミック・インベンション の使用機材が有名である。また海外ではMULTIVOX製品(ローランドの元米国総代理店Sorkin Music)のOEM元として知られている。森岡一夫氏はその後、アカイの音楽製作機器進出に協力しアカイ最初のシンセ AX-80 や12トラックMTR MG-1212 を開発、ホーナーのポータブルキーボードPK250やソナーのディジタルドラムの開発にも携わった。
  21. ^ 当時ヤマハの浜松本社にGS-1パッチ作成用の専用コンピュータがあり、来日したTOTOのメンバーは浜松本社に赴き、グラフィカルな音色エディタ上で追加パッチを作成した。

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