コルグ・WAVESTATIONシリーズ

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WAVESTATION
WAVESTATION A/D

WAVESTATION(ウェーブステーション)はかつてコルグ製造販売したシンセサイザーの型番・商品名である。

基本波形を連結して新しい原音波形を作り出す音源方式ベクトル・シンセシス機能を持っており、コルグではav(Advanced Vector)シンセシス・システムと呼んでいる。シーケンシャル・サーキットのプロフェットVSを開発したスタッフの一部が開発スタッフに参加しており、またシーケンシャル・サーキットの創業者である(デイヴ・スミス英語版)は同機の開発にアドバイザーとして参加している。

多数の波形データのほとんどは極端に短く、それを最大32ステップつなぎ合わせることで新たな波形を創造できる。つなぎ合わせる波形の音程と発音長さ、ループさせる場所を調整できるので、波形だけで音程やリズムを表現することができた。これが本機の最大の特徴である「ウェーブシーケンス機能」で、ワンフィンガーでリズミックなシーケンスを表現できる機能は一世を風靡した。このように合成した波形はそれだけで音色変化を持っており、さらにデジタルフィルターによる音色変化とエンベロープによる音量変化を加えたものが「パッチ」である。最大で4つのパッチを組み合わせてエフェクターを設定したものが「パフォーマンス」であり、演奏中はパフォーマンス単位で音色を選択する。パフォーマンスではジョイスティックで4つのパッチのミックス比を手動変化させられるだけでなく、ミックス比をエンベロープジェネレーターやLFOで自動変化させることもできる。複雑な音作りが楽しめるモデルとして、マニアや専門誌から絶賛を受けた。一方、複雑な音作りは初心者にはハードルが高く、また生楽器代用品向きのシンセサイザーではなかった。

WAVESTATIONシリーズはすべて生産完了しているが、2008年まで生産販売していたOASYSやその後継機であるKRONOS、パーソナルコンピュータ向けのエミュレーションソフトウェア「KORG Legacy Collection」にこのavシンセシス・システムは移植されている。

ちなみに、現在のMacintoshシリーズの起動音は本機で作曲している。

WAVESTATIONのシリーズ[編集]

WAVESTATION
1990年発売。鍵盤数は61。32基のデジタル・オシレータ、32基のデジタル・フィルター、64基のエンベロープ・ジェネレータ、64基のLFO、47種のステレオ・マルチ・エフェクト2基搭載。
WAVESTATION EX
1992年発売。鍵盤数は61。上記WAVESTATIONに119波形、8エフェクトを追加したモデル。
WAVESTATION A/D
1991年発売。2Uフルラックサイズ音源モジュール。WAVESTATIONの音源部をベースに119波形、8エフェクト追加している、アナログ入力端子を装備している。外部入力した音声をVDF、VDAに通しての加工やヴォコーダーとしても利用可能である。
WAVESTATION SR
1992年発売。1Uフルラックサイズ音源モジュール。プリセット音色を豊富に用意され、エディットも可能だが、プリセット音色を使用することを前提に設計された機能縮小版。WAVESTATION A/Dと異なり、外部音声入力端子は装備していない。プリセット音色はパフォーマンス×550、パッチ×385。

関連項目[編集]

  • シーケンシャル・サーキット - ベクトル・シンセサイザープロフェットVSを開発した。1987年にヤマハに買収された後、その開発スタッフの一部はヤマハSY35、SY22、TG33、コルグWAVESTATIONの開発スタッフとなった。
  • ヤマハ・SYシリーズ - SY35、SY22がWAVESTATION同様プロフェットVSの流れを汲むベクトルシンセシスシンセサイザーである。
  • ヤマハ・TGシリーズ - TG33がWAVESTATION同様プロフェットVSの流れを汲むベクトルシンセシスシンセサイザーである。