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2008年3月13日 (木) 14:23時点における版

情報・メディア・コミュニケーション研究(じょうほう・メディア・コミュニケーションけんきゅう)は、情報伝達などの領域を対象とする研究のことである。学際的な研究領域の1つともいわれている。

概要

「情報・メディア・コミュニケーション研究」は、現時点において明確に確立された1つの学問としては、認知されていない。メディア学コミュニケーション学といった名称は、教育研究組織学術雑誌学会学術会議などでしばしば用いられるが、日本においては、メディア学、コミュニケーション学については、研究者、対象領域、研究方法、基礎知識などの面において互いに重複する部分も多い。なお、情報学については、一般的な名称として徐々に認知されつつある。

情報学(英称: informatics)という名称は、ヨーロッパを除く地域において比較的最近になって認知され始めた学問である。一方、メディアコミュニケーションの研究は、報道研究、マスメディア/マスコミュニケーション研究、スピーチ研究などの名称の下に以前から存在してきた。

研究領域は、情報処理情報伝達コミュニケーション行為などの社会的側面や人間との関わり、といった形で大まかに括ることができる。

領域の源流として、次のような研究が挙げられる。

応用的側面ではこれらの諸学問は、以下にあげるように、職業技術の習得から芸術的制作活動まで広範囲の実践と結びついた分野である。

こうした事情から、学部教育課程、研究者に期待される基礎知識、実践と研究の関わり方、研究手法、基本概念の定義などの諸面において、かなりの重複が認められるものの、同時に多様性が見られ、どのような研究、教育のあり方が正統的・主流派であるかについて合意が形成されていないのがこの分野の特徴であるといえる。

また、近年の動向として、関連諸分野との密な相互作用が挙げられる。これは既存学問分野との相互作用、新興分野との相互作用、の2種類がある。すなわち:

多様性について

比較的体系化と専門分化が進んだ学問分野においては、専門分化ゆえの多様性が見られることが多い。社会学や経済学はその好例であろう。だが、どのような基礎教育カリキュラムが主流であるか、その学問分野の歴史に影響を与えた主要な研究者は誰か、主要な著作はどれか、などについての合意は、情報・メディア・コミュニケーション研究を行う諸学の場合ほど、困難ではないだろう。

また、宗教学、公共政策、環境問題研究、都市研究など、学際的な研究分野において学問体系が確立しないことや他の諸学との交流が活発に行われることは、それほど珍しいとは言えない。法律、経済分析技法、統計数理モデル、対象に関する詳細な知識、歴史的事例や海外の事例についての詳細な知識、社会学や政治学などにおけるキー概念や理論的論争についての知識、など、様々な専門性を持つ様々な研究者が互いの研究を参照しつつ分野が展開することは、理由のないことではないだろう。情報・メディア・コミュニケーション研究についても、学問として体系化は不可能か不必要で、学際的な交流の場のようなものとしてあるべきだと考える研究者も少なくない。

主な研究機関

日本国内:


日本国外:

主な学会

日本国内

日本国外

  • ACM - Association for Computing Machinery (米国コンピュータ学会)
  • AMIC - Asian Media Information and Communication Centre (メディア情報・コミュニケーションセンター)
  • AoIR - Association for Internet Researchers (インターネット研究者協会)
  • IACMR - International Association for Communication and Media Research (コミュニケーションとメディア調査のための国際協会)
  • ICA - International Communications Association (国際コミュニケーション学会)
  • ISCA - International Speech Communication Association (国際スピーチコミュニケーション協会)
  • INET - The Internet Society (インターネット学会)

主な学術誌

  • The Information Society (情報社会)
  • Journal of Communication (コミュニケーションのジャーナル)
  • Asian Journal of Communication
  • Media, Culture & Society (メディア・文化・社会)
  • Theory, Culture & Society (理論・文化・社会)
  • Critical Theory (批判理論)

主な研究領域、研究アプローチ

  • 言語、レトリック及びスピーチ・コミュニケーション
  • ノンバーバル・ランゲージ
  • テクスト論、ディスコース
  • ジェンダーセクシュアリティ、エスニシティ
  • 国民国家
  • 家族
  • メディア・エコロジー
  • 記号論
  • サイバネティクスおよびシステム理論
  • 情報処理過程とメディアの影響
  • 政治経済学、批判理論によるメディア産業批判
  • 言論の自由
  • 通信政策
  • 知的財産権
  • メディア、民主主義、言論、公共圏
  • 近代と脱近代
  • 消費と社会、資本主義と象徴/記号
  • 脱工業社会、情報産業
  • 情報都市
  • 都市情報化
  • 先端技術産業の地理学
  • 科学的知識の社会学
  • 技術の形成過程についてのアクター・ネットワーク・セオリー及び社会的構築理論
  • インターネット (インターネットコミュニティ)
  • 非生命体進化論
  • メディア・プラクティス
  • コミュニティ・デザイン

主な関連領域

上述のように、人文・社会科学の様々な領域で、情報、メディア、コミュニケーションに注目した研究が出現したが、その代表的なものとして、次のようなものが挙げられる。

  • 経済学
    • 市場メカニズムにおいて情報が果たす役割の研究
    • 産業構造の変動、とりわけ、情報、知識、サービス、先端技術産業へのシフトの研究
    • ポスト・フォーディズムやネオ・フォーディズムの理論との関係で経済や労働の変質と情報技術の関係を考えるもの。
    • ネットワーク産業における企業行動、競争、規制の研究
  • 政治学
    • メディアが世論、政治的意見、投票行動に与える影響に関する研究。
    • ポピュリズム研究。
    • メディアが政治や政策決定に与える影響に関する研究。
  • 社会学
    • ハーバーマスのコミュニケーション行為の理論の普及、公共圏の概念の普及
    • ポストモダニティの研究
    • ブルデューなどによる、社会的行為の象徴的次元の研究
    • ヴァーチャルコミュニティーなど、コンピュータネットワーク上での人々の振る舞いの研究
    • 科学的知識や技術の形成過程への社会学的アプローチ、とりわけアクター・ネットワーク・セオリーや技術の社会的構築理論に基づく研究
    • 都市社会学にけるロサンゼルス学派
    • メディアの文化社会学的研究
    • CMC(Computer Mediated Communication)の研究
  • 文学
    • 記号、テキスト、ディスコースに関する諸研究
  • 哲学
    • ポスト構造主義など、他者やコミュニケーションについての思想

主な理論、キー概念

主な関連著作

著名な研究者及び関連分野の主要研究者 (五十音順)

日本

相磯秀夫 - 浅田彰 - 池田謙一 - 伊藤俊治 - 伊藤守- 伊藤陽一- 稲増龍夫 - 梅棹忠夫 - 大石裕大澤真幸 - 鬼木甫

加藤晴明 - 川浦康至 - 柄谷行人 - 北田暁大 - 公文俊平 - 児島和人 - 粉川哲夫

菅谷実 - 須藤修

竹内郁郎 - 田村明 - 竹林紀雄

西垣通 - 西田ひろ子

橋元良明 - 林紘一郎

正村俊之 - 増田祐司 - 増田米二 - 松岡正剛 - 水越伸 - 水野博介 - 見田宗介 - 宮原哲

吉田民人 - 吉見俊哉

渡辺武達 - 渡辺真由子

日本以外

テオドール・アドルノ - ジョン・アーリ - アリストテレス - ハロルド・イニス - ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン - レイモンド・ウィリアムス - ポール・ヴィリリオ - ソースティン・ヴェブレン - ジョン・オースティン - ウォルター・オング

マニュエル・カステル - キケロ - アンソニー・ギデンズ - フリードリッヒ・キットラー - アーヴィング・ゴッフマン

ジョン・サール - マックス・シェーラー - クロード・シャノン - マーク・ジョンソン

シェリー・ターケル - ドナルド・デイヴィッドソン - ジャック・デリダ

エライ・ノーアム

ジグムント・バウマン - ピーター・バーガー - ケネス・バーク - ユルゲン・ハーバーマス - ロラン・バルト - クロード・フィッシャー - マイク・フェザーストーン - ミシェル・フーコー - エーリッヒ・フロム - グレゴリー・ベイトソン - ダニエル・ベル - ヴァルター・ベンヤミン - マーク・ポスター - ジャン・ボードリヤール - エドワード・ホール - スチュアート・ホール - マーク・ポラト

ジョン・マカラップ - マーシャル・マクルーハン - カール・マンハイム

ポール・ラザースフェルト - スコット・ラッシュ - フランソワ・リオタール - デイヴィッド・リースマン - ジョージ・レイコフローレンス・レッシグ - エヴェリット・ロジャース