二・八

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二・八(にっぱち)とは、日本の点数制のトランプゲーム

起源は不明だが、その名の通り、数字の2と8が関わってくる。一部に麻雀の用語を使用しているが、ゲームの性格は麻雀とは異なり、ウノドボンに近い。

ルール[編集]

3、4人を目安に一人4枚のカードを人数分配り、山札のうち1枚を表にして山札の横に置く。ゲームの初めはジャンケン、次からは前の勝者から始める。反時計回りに順番が回り、自分の番が回ってきたら出ているカードと同じ数字か同じマークのカードを1枚出すことができる。もし、出せるカードが無い場合、山札からカードを1枚引く。ただし、引いたカードをそのまま出すことはできないので、次の人に順番が回る。これを繰り返して、自分の手札を無くした人の勝ちになる(こうしてあがることを「ツモ」と言う)。

ポン・カン[編集]

「ポン」は自分以外の人が出したカードにのみ有効で、順番に関係なくできる。出たカードと同じ数字を2枚持っていたら「ポン」と言い、その2枚を出すことができる。ポンをしたら、その次の人に順番が回る。(「カン」は、出たカードと同じ数字を3枚持っていたら成立する)。

ドン(ロン)[編集]

「ドン」(ロン)も自分以外の人が出したカードにのみ有効で、順番に関係なくできる。出たカードの数(1 - 13)と、自分の手札のカードの数字の合計が一致した時、「ドン」と言い自分のカードをすべてを無くすことができる(勝ち)。

2人以上が同時にドン(ロン)と言うこともあり、それを「ダブルドン」(ダブロン)と言う。

(例) 相手が11を出す→その時の自分の手札が「1・4・6」だった→ドン(ロン)

足し算のミスや見逃してしまったドン(ロン)は無効、もしくは誤ドンとする。

ツモ返し(逆ロン)[編集]

ツモ返しはドンに似ているが、相手がツモをしたとき、自分のカードの数字の合計が一致していれば「ツモ返し」と言って自分のカードすべてを無くすことができる(勝ち)。

これもまた、2人以上が同時にツモ返しをすることがある。

(例) 相手が11でツモをする→その時の自分の手札が「1・4・6」だった→ツモ返し

ドン返し[編集]

また、相手からドンされたときの自分の手札がその数字なら、「ドン返し」と言って自分のカードすべてを無くすことができる(勝ち)。ダブルドンされたときのドン返しは、ドン返しした人の1人勝ちとなる。

(例) 自分が11を出す→相手がドンをする→そのときの自分の手札が「1・4・6」だった→ドン返し

ドン範囲の拡張[編集]

上記で説明した「ポン」は、その数字の1 - 3倍(カンは4倍)まで範囲が広がり、ポンまたはカンした以外の人はその範囲でドンができる。これも2人以上が同時にドンをすることがある(ダブルドン)。

(例) 自分が11を出す→相手がポンをする→そのときの自分の手札が「8・5・4・3・2」だった→22でドン

また、ダブルドンの数字が異なる時もある。その際のドン返しは、どちらか1つにしかできない。

(例) 11と22でドンされる→そのときの自分の手札が「8・5・4・3・2」だった→22でドン返しと11でドンされる。

2・8[編集]

数字の2が出たら、「ポン」、「カン」や「ドン」が無い限り、出した以外の人は山札のカードを2枚ずつ順番に引く。そして、また出した人の順番が回ってくる(同じように、数字の8が出たら1枚ずつ引く)。

特殊なドン[編集]

  1. ポンまたはカンで手札が無くなったときのドン返しは、上記の通り倍数でもできる。
  2. カードを配った後、最初に出たカードにドンしたときを「配牌ドン」(はいぱいどん)と言う。

点数[編集]

二・八のカードにはそれぞれ点数がついており、それぞれ10以上が1点、8が2点、2が3点になる。

ツモの場合、ツモをした以外の人はそれぞれ持っている点数カード分を支払う。ツモ返しはドンと似ているので、その数字分された人は支払う。また、直前のマークチェンジによりツモとなってしまったときは、マークチェンジをした人が全点数を支払う(責任払い)。

ドンの場合、以下の2種類の方法があり、このどちらかを使用する(ダブルドンも同様)。

  1. ドンした以外の人のカードの点数すべてをドンした数に足し、された人はそれを支払う。ドン返しも同様に、ドン返しした以外の人のカードの点数すべてをドン返しした数に足し、された人はそれを支払う。
  2. ドンされた人のカードの点数をドンした数に足し、された人はそれを支払う。ドン返しも同様に、ドン返しされた人のカードの点数をドン返しした数に足し、された人はそれを支払う。

また、ポン・カンによるダブルドンは上記のドン範囲の拡張より、点数計算を個別に行う(ドン返しも同様)。数字が異なるときのドン返しは片方では払い、もう一方ではもらうということになる。

配牌ドンはその数字にそれぞれが手札の点数カードを足し、その2倍の点数をした人に支払う。2人以上のときは、他が2人以上に支払う。

誤ドンした人はその数字分をされた人に支払う。

地方ルール[編集]

  1. 最初のカードが1だったゲームは、点数を2倍で計算する(倍場)。
  2. 配牌ドンの2倍を4倍で計算する。

関連項目[編集]