ロバート・ザラテ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ロバート・ザラテ
Robert Zarate
阪神タイガース時代
(2011年6月8日、阪神甲子園球場にて)
基本情報
国籍 ベネズエラの旗 ベネズエラ
出身地 カラボボ州バレンシア
生年月日 (1987-02-01) 1987年2月1日(37歳)
身長
体重
6' 3" =約190.5 cm
200 lb =約90.7 kg
選手情報
投球・打席 左投左打
ポジション 投手
プロ入り 2005年 アマチュアFA
初出場 NPB / 2012年8月5日
最終出場 NPB / 2013年7月27日
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

ロバート・アレキサンダー・ザラテ・ラデラRobert Alexander Zarate Ladera, 1987年2月1日 - )は、ベネズエラカラボボ州バレンシア出身のプロ野球選手投手)。現在は、フリーエージェント(FA)。

経歴[編集]

プロ入り前[編集]

野球を始めたのは16歳の時で、それまではサーフィンをやっていた[1]

プロ入りとブルージェイズ傘下時代[編集]

2005年に、ウデ・セーザー・スメタ高校からトロント・ブルージェイズに入団。

2009年までは主にルーキーリーグで過ごした。

ダイヤモンドペガサス時代[編集]

2010年8月に来日し、ベースボール・チャレンジ・リーグ(BCリーグ)の群馬ダイヤモンドペガサスに入団。13試合に登板し、20回2/3を投げて1勝2敗、被安打12・19奪三振・5四死球・防御率0.87の成績を残した。

阪神タイガース時代[編集]

2010年オフ、リリーフ投手の強化を目指していた阪神が獲得に向け入団交渉を行い、10月29日に育成選手契約を結んだ[2]。この時の背番号は「116」であった。

2011年は、2月のキャンプ中に左上腕二頭筋の軽度挫傷を負ったため、実戦登板は5月にずれ込んだ[3]。7月頃には支配下選手登録内定という報道も出たが、結果的には見送られた[3]。同年は、二軍のウエスタン・リーグで11試合に登板し、0勝0敗、防御率3.00であった。11月1日に育成選手契約を延長した[4]

2012年シーズンは、7月24日までにウエスタン・リーグで中継ぎ投手として21試合に登板し、23回を投げて防御率0.00(失点1・自責点0)と好成績を残した[5]。この活躍もあって、7月24日、同じく育成選手の玉置隆と共に支配下選手登録された[5][6]。背番号は「95」に決定し[5]、阪神でこの背番号を着ける初めての現役選手となった。支配下登録から約2週間後の8月5日に安藤優也との入れ替わりで一軍登録され[7]、同日の対広島東洋カープ戦(MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島)で、7回裏より2番手でプロ初登板。速球は154 km/hを記録したものの、四球や自身の失策も絡んで3失点(自責点2)を喫した[8]

2013年は抑えであった藤川球児シカゴ・カブスへ移籍したため、新守護神候補として期待されていたが、前年10月に左肩肩峰下滑液包炎を発症。1月末の時点でキャッチボールを行うことができないなど、回復が予想以上に遅れた[9]。5月30日にようやく中日ドラゴンズとの二軍戦で復帰。7月26日にブレイン・ボイヤーと入れ替わりで一軍昇格すると、同日の対横浜DeNAベイスターズ戦で復帰後初の一軍登板を果たし、1回を無失点に抑えたが、翌日の試合では2/3回を1安打2四球で1失点と乱れ、わずか2日で二軍降格となった。その後、今後の出場予定がなくなったため、シーズン中の9月5日に帰国した[10]。12月2日に自由契約公示された。

ダイヤモンドペガサス復帰[編集]

2014年4月26日に群馬への復帰が発表された[11]

レイズ傘下時代[編集]

2015年1月21日にタンパベイ・レイズとマイナー契約を結んだ[12]。2月1日にAA級モンゴメリー・ビスケッツに配属されたが4月6日に故障者リストに入った。6月8日にA+級シャーロット・ストーンクラブズに配属され1試合1回登板し、6月11日にAAA級ダーラム・ブルズに昇格した[13]。11月6日にFAとなった[13]

パイレーツ傘下時代[編集]

2015年12月7日、ピッツバーグ・パイレーツとマイナー契約を結び、2016年のスプリングトレーニングに招待選手として参加することになった[14]。2016年6月13日に自由契約となった[15]

2017年は無所属。10月からは母国ベネズエラのウィンターリーグ(LVBP)でプレーした。

インディアンス傘下時代[編集]

2018年1月4日にクリーブランド・インディアンスとマイナー契約を結び、スプリングトレーニングに招待選手として参加することになった[13]。開幕後はAAA級コロンバス・クリッパーズに配属され、29試合登板、3勝1敗1セーブ、防御率3.30の成績を残していたが、7月20日に自由契約となった[15]

メキシカンリーグ時代[編集]

2018年7月27日にメキシカンリーグティフアナ・ブルズと契約した[13]。8月16日にユカタン・ライオンズにトレード移籍した[13]。シーズン終了後に退団した。

その後はベネズエラのウィンターリーグでプレーを続けている。

プレースタイル[編集]

191 cmの長身から最速154 km/h[8]の速球を繰り出すほか、スライダーフォークボールチェンジアップなども投げる[16]。その一方で、制球力に課題がある[8]。球の速い左腕という共通点から、BCリーグ時代はアロルディス・チャップマンと比較され「群馬のチャプマン」と呼ばれた[17]

詳細情報[編集]

年度別投手成績[編集]





















































W
H
I
P
2012 阪神 2 0 0 0 0 0 0 0 0 ---- 12 2.0 4 0 1 0 0 2 0 2 3 2 9.00 2.50
2013 2 0 0 0 0 0 0 0 0 ---- 9 1.2 2 0 2 0 0 1 0 1 1 1 5.40 2.40
通算:2年 4 0 0 0 0 0 0 0 0 ---- 21 3.2 6 0 3 0 0 3 0 3 4 3 7.36 2.45
  • 2013年度シーズン終了時

記録[編集]

NPB

独立リーグでの投手成績[編集]










































W
H
I
P
2010 群馬 10 0 1 2 0 .333 62 14.2 10 0 2 2 11 0 0 7 2 1.23 0.82
2014 17 0 4 4 1 .500 253 58.0 51 0 26 8 56 2 0 26 16 2.48 1.33
通算:2年 27 0 5 6 1 .455 315 72.2 61 0 28 10 67 2 0 33 18 2.24 1.23

背番号[編集]

  • 19 (2010年)
  • 116 (2011年 - 2012年7月23日)
  • 95 (2012年7月24日 - 2013年)
  • 43 (2014年)

登場曲[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 阪神と育成契約ザラテ、160キロ超え自信”. nikkansports.com (2010年10月31日). 2012年7月24日閲覧。
  2. ^ 外国人選手との育成選手契約完了について”. 阪神タイガース (2010年10月29日). 2012年7月24日閲覧。
  3. ^ a b “ザラテ 支配下登録内定”. デイリースポーツ. (2011年6月18日). オリジナルの2011年8月24日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20110824005757/http://www.daily.co.jp/tigers/2011/06/18/0004182922.shtml 2011年10月27日閲覧。 
  4. ^ ロバート・ザラテ選手との育成選手契約締結について”. 阪神タイガース (2011年11月1日). 2011年11月1日閲覧。
  5. ^ a b c “阪神、ザラテと玉置を支配下登録”. サンケイスポーツ. (2012年7月24日). オリジナルの2012年7月28日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20120728134049/http://www.sanspo.com/baseball/news/20120724/tig12072417180016-n1.html 2012年7月24日閲覧。 
  6. ^ ザラテ投手、玉置投手が支配下選手登録”. 阪神タイガース (2012年7月24日). 2012年7月24日閲覧。
  7. ^ “【セ・リーグ公示】8月5日”. サンケイスポーツ. (2012年8月5日). オリジナルの2014年12月4日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20141204163906/http://www.sanspo.com/baseball/news/20120805/npb12080517520001-n1.html 2012年8月5日閲覧。 
  8. ^ a b c “育成出身の虎・ザラテ、3失点デビュー”. サンケイスポーツ. (2012年8月5日). オリジナルの2015年9月24日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20150924121750/http://www.sanspo.com/baseball/news/20120805/tig12080522460011-n1.html 2012年8月5日閲覧。 
  9. ^ 阪神ザラテ、左肩重症開幕大ピンチ”. nikkansports.com (2013年1月29日). 2013年2月20日閲覧。
  10. ^ ロバート・ザラテ選手の帰国について”. 阪神タイガース公式サイト (2013年9月6日). 2013年9月6日閲覧。
  11. ^ 新入団選手のお知らせ”. 群馬ダイヤモンドペガサス (2013年4月26日). 2014年4月26日閲覧。
  12. ^ Bill Chastain (2015年2月3日). “Rays sign Belisario, Casilla to Minors deals” (英語). MLB.com. 2015年12月8日閲覧。
  13. ^ a b c d e MLB公式プロフィール参照。2021年10月2日閲覧。
  14. ^ “Bucs sign six players to Minor League deals” (英語). FantasySP. MLB.com. (2015年12月7日). https://www.fantasysp.com/player/mlb/Cole_Figueroa/4271257/bucs-sign-six-players-to-minor-league-deals 2015年12月8日閲覧。 
  15. ^ a b Robert Zarate Stats & Scouting Report”. Baseball America. 2021年10月2日閲覧。
  16. ^ 阪神・ザラテ、前日から“5者連続三振””. SANSPO.COM (2012年3月5日). 2012年4月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年7月24日閲覧。
  17. ^ 新助っ人ザラテ「虎のチャプマン」へ”. デイリースポーツ (2010年10月30日). 2010年12月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年7月24日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]