コンテンツにスキップ

ディスカバリー (会社)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ディスカバリー
Discovery, Inc.
以前の社名
ディスカバリー・コミュニケーションズ (1994–2018)
元の種類
公開会社
市場情報
ISIN US25470F1049
業種 マスメディア
その後 ワーナーメディアと合併
前身
  • ディスカバリー・ホールディング・カンパニー
  • スクリプス・ネットワークス・インタラクティブ
後継 ワーナー・ブラザース・ディスカバリー
設立
創業者 ジョン・S・ヘンドリックス
解散 2022年4月8日 (2年前) (2022-04-08)
本社
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
ニューヨーク州 ニューヨーク 230パーク・アベニュー・サウス
事業地域
世界各地
主要人物
  • ロバート・マイロン(会長
  • デヴィッド・M・ザスラフ(社長CEO
製品 ファクチュアル番組
売上高 減少 US$10.671 billion (2020)
営業利益
増加 US$2.515 billion (2020)
利益
減少 US$1.355 billion (2020)
総資産 増加 US$34.087 billion (2020)
純資産 増加 US$12.000 billion (2020)
従業員数
9,800 (2020)
親会社 Discovery Holding Company
スクリップス・ネットワーク・インタラクティブ ウィキデータを編集
子会社
ウェブサイト corporate.discovery.com
脚注 / 出典
[1][2][3]

ディスカバリー: Discovery, Inc.)は、ニューヨークに本社を置くアメリカ合衆国の多国籍マスメディア・ファクチュアルテレビのコングロマリット1985年に設立され、名前の由来となったディスカバリーチャンネルアニマルプラネットサイエンスチャンネルTLCなどのファクチュアルおよびライフスタイル・テレビ・ブランド群を主に運営している。

2021年5月、AT&Tは、メディア子会社のワーナーメディアとディスカバリーの合併を提案したことを発表した[4]。この合併は、ワーナー・ブラザース・ディスカバリーとして知られる新たな上場企業にスピンオフする。この取引は、規制当局と株主の承認が必要である[5]。合併は2022年4月8日に完了した[6]

沿革

[編集]

現会長のジョン・ヘンドリックスにより1984年設立。1985年ディスカバリーチャンネルを開局。

1986年にはTCI1999年AT&Tと合併後、2001年メディア部門が「リバティメディア」として独立)をはじめとするケーブルテレビ統括会社(MSO)の出資を受け急成長する。

2005年、当時DCIの50%を保有していたリバティメディアから「ディスカバリー・ホールディング(Discovery Holding Company、DHC)」がスピンオフ。2007年にCox Communications, Inc.の保有分(25%)をトラベルチャンネルおよび現金12億7500万ドルと交換、DHCの保有分は2/3となった。

2008年9月、DHCとDCIの残り1/3を保有するAdvance/Newhouse Programming Partnership(Advance/Newhouse)は、両社が出資するDiscovery Communications, LLCとAnimal Planet, L.P.を統括する新会社・Discovery Communications, Inc.を設立。DHCに代わってNASDAQに上場(NASDAQ: DISCA)した。新会社の議決権のうち26%はAdvance/Newhouseが、23%はDHCのCEOだったジョン・マローンリバティメディアリバティ・グローバルディレクTVグループ会長)が保有している。

2017年7月、米メディア大手のスクリップス・ネットワークス・インタラクティブを約119億ドルで買収することを発表[7]。2018年3月に買収が完了し、フード・ネットワークをはじめ、スクリップス社が運営・共同出資していた専門チャンネルがディスカバリー系列となった。

2021年5月17日、同業会社のワーナーメディアと2022年頃を目処に経営統合することで同社並びにワーナー親会社のAT&Tとの間で合意したことを発表した[4]。合併は2022年4月8日に完了し、ワーナー・ブラザース・ディスカバリーとなった[6]

運営チャンネル

[編集]

アメリカ国内

[編集]
ディスカバリー・コミュニケーションズ 系列
チャンネル名 内容
ディスカバリーチャンネル 総合ドキュメンタリーチャンネル
アニマルプラネット 動物関係の番組を扱う。BBCワールドワイド社との合弁で始まったが現在は解消。
TLC 当初は教育や学習関連の番組が多かったが、現在はリアリティ番組を多数放送。旧称・ザ・ラーニング・チャンネル
サイエンス (アメリカ合衆国のTVチャンネル)英語版 科学関連の番組を主に扱う。旧称・ディスカバリーサイエンスチャンネル → ザ・サイエンス・チャンネル
ディスカバリーファミリー 主に子供に向けた番組を扱う。米玩具メーカーハズブロ社との合弁。旧称・ディスカバリーキッズ → HUBネットワーク
Destination America英語版 アメリカの文化・歴史・旅行などに焦点を当てた番組を扱う。旧称・ディスカバリーホーム&レジャー → ディスカバリーホーム → プラネットグリーン
Investigation Discovery英語版
  • 1996年、CBSとの合弁「Eye One People」として発足
  • 1998年合弁解消、「Discovery People」にチャンネル名変更。
  • 1999年「Discovery Civilization」に変更。
  • 2002年、ニューヨーク・タイムズとの合弁会社発足で「Discovery Times」に変更
  • 2006年合弁解消。
  • 2008年現チャンネル名に変更
アメリカンヒーローズチャンネル英語版 軍事戦争などに関する番組を扱う。旧称・ディスカバリーウィングスチャンネル → ザ・ミリタリーチャンネル
Motor Trend英語版 自動車に関する番組を扱う。ターゲットは25歳~54歳までの成人男性。旧称・ディスカバリーHDシアター → HDシアター → Velocity
ディスカバリーライフ英語版 健康医療に関する番組を扱う。旧称・ディスカバリーヘルスチャンネル とFitTV(2001年、FOXケーブルネットワークから買収)を統合。旧称・FitTVのチャンネルを利用してリニューアル。
オプラ・ウィンフリー・ネットワーク英語版 米の著名な司会者であるオプラ・ウィンフリー総指揮によるチャンネル。旧称・ディスカバリーヘルスチャンネル のチャンネルを利用して開局。ディスカバリー社とオプラ氏が所有する会社の合弁。
ディスカバリー・エスパニョール英語版 ディスカバリーチャンネルのスペイン語版。
ディスカバリー・ファミリア英語版 家族子供向け番組のスペイン語版を扱う。
ディスカバリー・デジタル・ネットワーク英語版 インターネット上で展開するテレビネットワーク。独立した6つのチャンネルで構成される。
旧 スクリップス・ネットワークス・インタラクティブ 系列
チャンネル名 内容
フード・ネットワーク 料理番組などに関する番組を扱う。
HGTV英語版 住宅不動産に関する番組を扱う。
トラベルチャンネル英語版 旅番組レジャーに関する番組を扱う。日本の旅番組専門チャンネルの旅チャンネルとは無関係。
クッキングチャンネル英語版 料理番組などに関する番組を扱う。フード・ネットワークのスピンオフという位置付け。
DIYネットワーク英語版 DIYに焦点を当てた番組を扱う。HGTVのスピンオフという位置付け。
グレート・アメリカン・カントリー英語版 カントリー・ミュージックやそれが発祥した時代の文化に関する番組を扱う。

アメリカ国外

[編集]

上図の各言語・地域版の他、下図のオリジナルチャンネルを有する。

日本では衛星放送・ケーブルテレビにおいて「ディスカバリーチャンネル」「アニマルプラネット」を運営。

NTTドコモの映像サービス「dTVチャンネル」でも下記の「Discovery Turbo」を運営している。

ディスカバリー・コミュニケーションズ 系列
チャンネル名 内容
DMAX英語版 ドイツを中心にヨーロッパで展開する男性向けのドキュメンタリーチャンネル。
Discovery Turbo英語版 自動車・バイクに関する番組を専門とするドキュメンタリーチャンネル。
ユーロスポーツ ヨーロッパを中心とする総合スポーツチャンネル。
Discovery JEET英語版 インドで展開する総合エンターテイメントチャンネル。
ディスカバリーキッズ 子供向け番組を扱う。上述のように米国版は名称を変更しているが、国外では現在も運営している国がある。
Quest英語版 イギリスアイルランドで展開する総合エンターテイメントチャンネル。

終了

[編集]
  • ディスカバリーチャンネル・ラジオ
    • ディスカバリー・コミュニケーションズが運営する人気番組の音声バージョン。かつては衛星デジタルラジオシリウス・XM)で放送していたが、現在は終了。

また、1996年には英国放送協会(BBC)の関係会社・BBCワールドワイド社と提携、アニマルプラネットの制作やアメリカ国内で以下のチャンネルを運営していたが、現在はいずれも解消。

脚注

[編集]
  1. ^ US SEC: 2019 Form 10-K Discovery, Inc.”. U.S. Securities and Exchange Commission (February 26, 2020). January 30, 2021閲覧。
  2. ^ Discovery 10-K 2020”. Discovery. 26 February 2021閲覧。
  3. ^ Discovery Selects 230 Park Avenue South As New Global Headquarters”. Discovery. 15 September 2021閲覧。
  4. ^ a b 米メディア大手2社統合へ ワーナーとディスカバリー”. 共同通信 (2021年5月17日). 2021年5月17日閲覧。
  5. ^ AT&Tがメディア事業スピンオフ、ディスカバリーと資産統合へ”. Bloomberg.com (2021年5月17日). 2022年4月26日閲覧。
  6. ^ a b 米CNNテレビ、有料配信終了へ 開始後わずか1カ月”. 共同通信 (2022年4月22日). 2022年4月26日閲覧。
  7. ^ Rabil, Joe Flint and Sarah. “ディスカバリー、スクリップスを買収” (日本語). WSJ Japan. https://jp.wsj.com/articles/SB12393714597896363749804583301811181694652?mod=newspicks 2018年9月13日閲覧。 

外部リンク

[編集]