MiG-35 (航空機)

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Flag of Russia.svg MiG-35 / МиГ-35

MiG-35D

MiG-35D

MiG-35 (ミグ35;ロシア語:МиГ-35ミーク・トリーッツァチ・ピャーチ) は、ロシアRSK「MiG」によって開発された、マルチロール機である。北大西洋条約機構 (NATO)の使用するNATOコードネームファルクラムF (Fulcrum-F) 。非公式名称であるがスーパーファルクラム (Super Fulcrum) の愛称が用いられることもある。ロシアでは当機を第4++世代ジェット戦闘機に定義している。

特徴[編集]

ジュークAの試作型。試作されたMiG-35に搭載された
飛行中のMiG-35。OLS-Kが確認できる

MiG-29M2アビオニクスをさらに発展させた機体。単座型のほか、複座型のMiG-35Dも開発されている。試作機はMiG-29M2より改造された。

機体は基本的にMiG-29M2と同様。ただし、空中給油用プローブを備えている点が異なる。さらに、小型・高推力といった特色を持つRD-33MKを2基搭載する事により、(最小飛行重量に近い状態かつ高々度1万5000mという限定された状況ならば)アフターバーナーを使用しなくても(僅かながらマッハ1.0を超える速度での)超音速飛行が可能なスーパークルーズ性能を備える[8]

レーダーとしては機械式のジュークMに代えて、アクティブフェーズドアレイレーダージュークAを搭載しており、140km先の30目標を探知し内6目標を追尾する能力を持つ[9][10]

IRSTについてはMiG-29M2と同様にOLS-UEMを搭載するが、2016年からはOLS-35M(Su-35に搭載するものの発展型)と呼ばれる改良型を開発して、2017年より実装させる予定である[11]

対地/対艦攻撃用に右エンジン下にOLS-KIRSTポッドを装備している。OLS-Kは、機首のOLS-UEMと同じ技術に基づいており、探知距離は戦車に対し20km、ボートに対し40kmで、20kmの距離で目標との距離評定及びレーザー誘導兵器の照準を行える[12]。交換式でT220/Eの装備もできる[13]

自己防衛装置はMiG-29Mのものを踏襲しつつ改良が加えられている。コックピットの後方と左エンジン下に"SOAR"と呼ばれるミサイル警報装置が装備されている。この装置はスティンガーイグラといった携帯式防空ミサイルシステムを10Km、空対空ミサイルを30Km、地対空ミサイルを50Kmから探知、飛来方向などをコックピットの多機能ディスプレイに表示、音声で警告を発するシステムである[12]。このSOARはもOLS-Kと同様に交換式でポッド(詳細不明)の装備が可能である[13]

また、電子妨害装置としてイタリアのELTが開発したELT/568(V)2を搭載しており[14]、G-Jバンド、E-Hバンドで妨害を行える[12]

将来的には(2021年以降から量産体制が整う予定の)推力増強・改良型のRD-33MKMエンジン(出力:9,500kgf)への換装が計画されている[15]

MiG-35はロシア空軍に初期量産型24機を納入予定[16]


型式[編集]

MiG-35
単座型
MiG-35D
複座型
MiG-35S
ロシア空軍向け

これらのほかに本機をベースとした第5世代戦闘機の開発を検討しているとされる[17][18]

運用[編集]

運用・採用決定国[編集]

 エジプト

保有するロシアと中国の旧型機(MiG-21とJ-7)を置き換えるため、2015年5月に46機を20億ドルで購入する契約に合意した[19]。また、合わせて装備するT220照準ポッドを40基発注した。これは2016年より輸出が開始される見込みである[20]

ロシアの旗 ロシア

2015年にロシア空軍司令官のヴィクトル・ボンダレフは、2017年にMiG-35の国家試験が完了して制式採用され、2018年に30機以上を購入する第1次契約が締結されると述べた[21]。この第1バッチ分については従来のレーダー(機械式のジュークM)が搭載される[22]。今後は100機近い機数が調達される見込みである[23]。この調達はMiGへの救済策という面が強いとされている[24]
なお調達に関して2012年当初は2014年から37機が採用・調達されるとされていたが[25]、財政上の問題から2016年まで調達は行なわれず[26]、代わりに2016年までに16機のMiG-29SMTが納入されることとなった経緯がある[27]

インドの旗 インド

空母艦載機として同系機のMiG-29K «9.41»を採用しており、多数の老朽化したMiG-21の代替機を要求しているインドに対して、代替機として提案が行われていた(MMRCA)。しかしラファールが選定された。
2019年2月、MiG-29M2系列のMiG-35戦闘機21機の購入を表明。高額な「ラファール」戦闘機の購入を取りやめる決定をした[28][29]

提案のみ[編集]

セルビアの旗 セルビア

6機の販売交渉が行われていたが、2014年5月7日に購入を取りやめる決定をした[30]

スペック[編集]

Mikoyan MiG-29M2 basic dimensions,[31] Rian.ru,[32] airforce-technology,[33] deagel.com,[34][35]

機体[編集]

  • 全長:17.37 m
  • 全幅:11.4 m
  • 全高:4.73 m
  • 翼面積:38 m2
  • 乗員:1または2名
  • 空虚重量:13,380 kg
  • 通常離陸重量:17,500 kg、17,780 kg(複座)
  • 最大離陸重量:29,700 kg
  • 発動機:RD-33MK ターボファンエンジン×2基
    • ドライ推力:52 kN (5,400 kgf)×2
    • アフターバーナー使用時: 88 kN (9,000 kgf) ×2

性能[編集]

  • 最大速度
    • 高高度:M2.25(2,400km/h)
    • 低空:1,450km/h
  • 航続距離
    • 通常航続距離:2,000 km、3,000km(複座)
    • 戦闘行動半径:1,000 km
    • フェリー航続距離:3,100 km
  • 上昇率:330 m/s
  • 翼面荷重:442 kg/m2
  • 実用上昇限度:17,500 m
  • 推力重量比:1.02
  • 最大荷重:9G

兵装[編集]

ロケット

空対空ミサイル

  • R-27:4× R-27R, R-27T, R-27ER, R-27ET
  • R-60:4× R-60M
  • R-73:8× R-73E, R-73M, R-74M
  • R-77:8× R-77

空対地ミサイル

誘導爆弾

無誘導爆弾

  • FAB-250
  • FAB-500
  • ZAB-500

照準ポッド


脚注[編集]

  1. ^ Russia's MiG-35 Is Almost Done with Flight Testing (But There Is a Problem) The National Interest nationalinterest.org | 2017年11月14日閲覧
  2. ^ Russian company unveils MiG-35 at Aero India India News - Times of India timesofindia.indiatimes.com | 2007年2月7日閲覧
  3. ^ MiG-35, Russia's New 4th-Gen Light Fighter, Readies for Combat Military.com military.com | 2017年6月23日閲覧
  4. ^ Russia's MiG-35S multirole fighter aircraft could enter service in 2018 airrecognition.com | 2015年9月30日閲覧
  5. ^ tass Military & Defense - Contract for 14 MiG-35 4++ generation jet fighters to be signed in 2020 — source tass.com | 2019年1月18日閲覧
  6. ^ Su-57 and MiG-35 Land Russian Orders During Army 2018 Defense News Aviation International News ainonline.com | 2018年8月27日閲覧
  7. ^ Mig-35S deagel.com
  8. ^ MiG-35, Russia's New 4th-Gen Light Fighter, Readies for Combat Military.com military.com |2017年6月23日閲覧
  9. ^ ПОЛЕТ "ЖУКА": МИГ-35 НЕ ОТСТАЕТ ОТ Т-50
  10. ^ tass Military & Defense - Russia’s advanced MiG-35 fighter jet may get active phased array radar tass.com | 2018年11月28日閲覧
  11. ^ Сумерин: партию новых ОЛС для МиГ-35 и Су-35 выпустят в 2017 году
  12. ^ a b c Nowa Technika Wojskowa 2007年3月号 Piotr Butowski New sensors of MiG-35
  13. ^ a b livejounal pics
  14. ^ ELT/568(V)2
  15. ^ Take-off Magazine RD-33 output on the rise 2014年11月13日閲覧
  16. ^ tass Military & Defense - Russian Aerospace Forces to get four MiG-35 4++ generation jet fighters this year tass.com | 2019年1月18日閲覧
  17. ^ tass Military & Defense - Russia’s MiG aircraft corporation working on fifth-generation fighter jet tass.com | 2018年8月17日閲覧
  18. ^ RAC MiG boss eyes fifth-generation fighter
  19. ^ Согласован контракт на поставку 46 истребителей МиГ-29 в Египет
  20. ^ Системы наведения на цель ракет с МиГ-35 поставят в Египет в 2016 году
  21. ^ Россия заключит контракт на поставку МиГ-35С не ранее 2018 года
  22. ^ МиГ-35 для ВВС России в перспективе получат радар с АФАР
  23. ^ Russian Air Force to Receive 16 New MiG Fighters
  24. ^ 軍事研究2015年11月号 P.80
  25. ^ Армия начнет получать МиГ-35 в 2014 году, подтвердил производитель(ロシア語)
  26. ^ Подписание контракта на поставку МиГ-35 отложено до 2016 года, пишет Ъ(ロシア語)
  27. ^ Минобороны РФ подпишет контракт на поставку 16 истребителей МиГ-29СМТ (ロシア語)
  28. ^ Russia to the rescue of IAF, offers 21 MiG-29s to boost strength theprint.in | 2019年2月12日閲覧
  29. ^ Индия запросила у России новые истребители МиГ-29 Политика Мир Lenta.ru lenta.ru | 2019年2月13日閲覧
  30. ^ No New MiG 35 For Serbia
  31. ^ MiG-29M2 product page
  32. ^ MiG-35
  33. ^ MiG-35 Fulcrum-F Multirole Fighter, Russia
  34. ^ MiG-35
  35. ^ Russia to Unveil Latest MiG-35 at Bangalore During Aero India 2007.
  36. ^ Подвесной контейнер целеуказания Т220/Э

関連項目[編集]

外部リンク[編集]