ジョー90

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ジョー90』(英語: Joe 90)は、1968年にイギリスで制作・放送されていたジェリー・アンダーソンによる特撮人形劇である。

ストーリー[編集]

イギリスの天才電子工学博士イアン・マックレインは3年間をかけて、脳波検出記録移送装置“ビッグラット(BIG RAT-Brain Impulse Galvanoscope Record And Transfer)”を開発した。それは人間の脳波パターンを記録し、別の人間に移し変えるという恐るべき装置である。これを使えば、スペシャリストの知識や経験を別の人間が保有することも可能になる。そこで、世界諜報機構ウイン(WIN-World Intelligence Network)の局長ウェストンは、新しいタイプの諜報員養成にこの装置を使用してはどうかと提案。更にマックレイン教授の養子である9才の少年ジョーを人材として推薦した。少年なら、大人では不可能な場所にも疑われることなく潜入することができるためである。こうしてジョーはスーパー諜報員・コードネーム《ジョー90》となった。彼は任務に就く前にビッグラットに入り、ある時はエースパイロット、またある時は天才外科医の知識を吸収する。そして電波で装置と直結されたメガネをかけると、一挙に天才的頭脳を持つ諜報員に変身するのである[1]

作品概要・解説[編集]

「キャプテンスカーレット」に続くスーパーマリオネーション(超人形劇)シリーズ。映画「007」シリーズや、TV「0011ナポレオン・ソロ」「スパイ大作戦」といったスパイもの全盛期の流れにのったスパイアクション作品であり、アンダーソンもこの後「ロンドン指令X」「プロテクター電光石火」とスパイものを連発する。[2]

前番組『キャプテン・スカーレット』に見られたシリアスその他の要素をすべて逆転し、主役を『子供』にした。9歳のかわいらしい少年を敵陣の真っ只中に送り込むという基本設定もよく考えるとヒドイ話なのだが、メガネがはずれると普通の少年に戻ってしまうというスリルや任務が失敗しそうになっても「こんなすごいことを子供ができるわけがない」とまんまと逃げおおせるカタルシスは、そのような疑問点を忘れさせる楽しさがある。[3]

また、場面転換演出が『スカーレット』に続いて採用されており、

  1. 映像の周りに色枠がつく
  2. 色枠が大きくなって映像が中央で小さくなる
  3. 映像が切り替わって大きくなって
  4. 色枠が消える

というもの。日本でのコミカライズを一峰大二が担当した点も『スカーレット』と同じである。

なお、時代設定は他のアンダーソン作品とほぼ同様の近未来で、過去のシリーズと違い、レギュラーメカはマックレイン教授の愛車で空を飛ぶこともできる万能ビークル、マックスカーのみとやや派手さにはかけるが、各話ゲストメカのリアルな描写や人形の精緻さは、ジェリー・アンダーソン以下スタッフが円熟の域に達したことを示しており、ひとつの頂点に位置する作品といえる。[4]劇中のスパイ戦は東西冷戦下で行われている。

キャスト[編集]

ジョー・マックレイン
日本語版吹き替え:太田淑子
マックレイン教授の養子。9歳。好奇心旺盛な年頃ゆえ、WINの仕事を快く引き受ける。両親は事故で亡くなっている。
イアン・マックレイン教授
日本語版吹き替え:小林恭治
電子工学の博士でビッグラットの発明者。ジョーと二人暮らしで、危険な任務に就くジョーを常に心配している。妻を事故で失っている。
サム・ルーバー
日本語版吹き替え:中村正
マックレインの旧友。WINの窓口役であり、ジョーにスパイの仕事を与えた張本人でもある。『キャプテン・スカーレット』に登場したゲストキャラクターの人形を流用。本作には、他にも『スカーレット』から流用されている人形が登場する。
シェーン・ウエストン
日本語版吹き替え:島宇志夫
WINの局長で、ロンドンにいるアメリカ人。
アダ・ハリス夫人
マクレーン家の家政婦。
オープニングのナレーター
日本語吹き替え:大平透
後述の第5話まで担当。

メカニックなど[編集]

『スカーレット』との違いはレギュラーキャラ・メカにも現れている[独自研究?]。『サンダーバード』並みに数が多かった『スカーレット』と逆に、本作ではレギュラーキャラ・メカがかなり少なく、基地も主人公たちが住む民家が使われている。その分ゲストメカは毎回力が入っている[独自研究?]

ビッグ・ラット (Big Rat)
磁気テープが高速で回転する機構のイメージは、当時イギリスのロックバンドの間でもてはやされていたテープエコー装置から想起されたものであるとされる[誰によって?]
マックス・カー (Mac's Car)
マックレインが製作した高速車。英語版での呼称は Joe's car である。(前述のビッグラットを別とすれば)本作の主役メカにあたる。最高速力365 km/h。飛行能力も有し、その際には主翼垂直尾翼を展開し、車輪を引き込む(前輪を縮めて機体に収納し、後輪を後ろに跳ね上げる)。外観から察して、デザインのモチーフはバッタと思われる[独自研究?]。乗員は最大3名。かつてディンキーからミニカーが、田宮模型(現・タミヤ)からもプラモデルが発売されていた。
サムズ・カー (Thum's Car)
サム・ルーバーの自家用車。登場回数が多いため、本項に挙げる。2ドアのファストバッククーペで、マックス・カーなどと比べれば放送当時でも現実味を帯びつつ、現代でも通じる洗練されたデザインである[独自研究?]。ただし、ステアリングは航空機の操縦桿のような形状(U字形)である。また、劇中に同型車が登場しないため、ワンオフあるいはカスタムカーの可能性が高い[独自研究?]。こちらも田宮模型からプラモデルが発売されていた。ちなみに、『サンダーバード6号』にも同車がクライマックスのみに一瞬、待機しているパトカーを横切る車として出ている。これもディンキーからミニカーが発売されていた。
MiG-242戦闘機英語版
第1話で登場。後年のムックなどで必ず取り上げられており[どれ?]本作ゲストメカの中では最も知名度が高いと思われる[独自研究?]ロシア(冷戦時にはソ連)が開発した最大速力マッハ4の可変翼式超音速戦闘機で、主兵装は機首下部に2門あるロケット砲。仰角を45°とした専用の電磁レール式カタパルトを用い、アフターバーナーを併用することで、無滑走で発進できる。これを奪取し西側に持ち去る[独自研究?]のがジョーの初仕事で、劇中では本機同士の空中戦も行われた。プロップは前作『スカーレット』のエンジェルインターセプターを改造したものだが、双発・双垂直尾翼とされるなど変更部分が多く、イメージはむしろ後年のMiG-25F-15辺りに近い[独自研究?]
U87 ストロンガー
「決死のスピードレース」のエピソードに登場する「U87高速装甲車」。これも「SF装甲車シリーズ」として田宮模型からプラモデルが発売されていた。ボックスアートにはキャラクターモデルであることを強調するかのようにレース場面が描写されており、マックス・カー、ジョー、マックレイン教授も一緒に描かれている。
ワイルドキャット
「恐怖の爆薬トラック」のエピソードに複数登場。そのうちの1台が「U59 ワイルドキャット」として田宮模型からプラモデルが発売されていた。

日本での放送[編集]

日本では、まず1968年10月2日から1969年3月26日までNET(現・テレビ朝日)系列局の一部で放送。毎日放送の製作番組という扱いで、毎週水曜 19:00 - 19:30 (日本標準時)に放送されていた。

第5話までは『ジョー90』と原題そのままのタイトルで放送されていたが、第6話をもって『スーパー少年 ジョー90』と改題。オープニングもバリー・グレイ作曲のインストゥルメンタルから日本語版独自の主題歌(作詞:星一白 / 作曲:司一郎 / 歌:ハニー・ナイツ)に変更された。また、1970年に中部日本放送(現・CBCテレビ)で、1971年に読売テレビで再放送された際には、『ウルトラ少年ジョー90』と改題されていた。

NET系列局での放送期間中、前述の一峰大二によるコミカライズ版が講談社の『ぼくら』と『たのしい幼稚園』に連載されていた。

その後、2005年8月1日から同年8月23日までスーパーチャンネル(現・スーパー!ドラマTV)で全30話が放送され、その後も同局で繰り返し再放送されている(#外部リンク参照)。

日本国内では長い間映像ソフト化がされていなかったが、デアゴスティーニ・ジャパンから刊行された隔週刊『ジェリー・アンダーソンSF特撮DVDコレクション』の付録DVDで初めてソフト化が実現した。

サブタイトル[編集]

話数
(英語版)
サブタイトル
(原題)
話数(日本語版) サブタイトル
(日本語版)
本放送時 再放送時
1 THE MOST SPECIAL AGENT 1 1 小さな特別諜報員誕生[5]
2 HI-JACKED 2 2 地底基地を爆破せよ
10 BUSINESS HOLIDAY 4 3 世界征服計画を破壊しろ
4 INTERNATIONAL CONCERTO 8 4 消えた天才ピアニスト
11 MOST SPECIAL ASTRONAUT 3 5 宇宙ステーション応答せよ
15 THE FORTRESS 9 6 ジャングル死の脱出
13 DOUBLE AGENT 10 7 二重スパイは誰だ?
7 RELATIVE DANGER 11 8 地獄の生き埋め
19 THE RACE 12 9 決死のスピードレース
8 THE UNORTHODOX SHEPHERD 13 10 幽霊教会の対決
20 THE PROFESSIONAL 14 11 世界一の金庫破り
16 PROJECT 90 15 12 ビッグラットの秘密を盗め
5 OPERATION McCLAINE 16 13 大手術作戦
9 KING FOR A DAY 17 14 身がわり王子
14 ARCTIC ADVENTURE 5 15 北海のミサイル回収
3 SPLASH DOWN 6 16 連続ジェット機墜落のなぞ
6 THE BIG FISH 7 17 恐怖の海底脱出
21 TALK DOWN 18 18 死のテストパイロット
18 LONE-HANDED 90 19 19 早射ち保安官
22 BREAK OUT 20 20 戦慄の脱獄囚
24 TRIAL AT SEA 22 21 海上大爆発
26 ATTACK OF THE TIGER 23 22 タイガー作戦紛糾
17 COLONEL McCLAINE 24 23 恐怖の爆薬トラック
28 TEST FLIGHT 25 24 裏切りのテスト飛行
12 THREE'S A CROWD 26 25 危険な女スパイ
23 CHILD OF THE SUN-GOD 28 26 魔神ビラギラの呪い
25 VIVA CORDOVA 29 27 世界一のボディガード
30 THE BIRTHDAY 30 28 すばらしい誕生日
27 MISSION X-41 21 29 細菌爆弾X-41
29 SEE YOU DOWN THERE 27 30 愉快なまぼろし作戦

放送局[編集]

放送対象地域 放送局 系列 放送日時 備考
近畿広域圏 毎日放送 NET系列 水曜 19:00 - 19:30 日本での製作局
関東広域圏 NETテレビ
中京広域圏 名古屋放送
福岡県 九州朝日放送

参考文献[編集]

脚注[編集]

外部リンク[編集]

NET系列 水曜19:00枠
前番組 番組名 次番組
ゴールデン大爆笑
(1968年4月3日 - 1968年9月25日)
ジョー90

スーパー少年 ジョー90
(1968年10月2日 - 1969年3月26日)
佐武と市捕物控
(1969年4月2日 - 1969年9月24日)
【木曜21:00枠から移動】