IBM 4300
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IBM 4300は、IBMが1979年から1992年の間に販売した、ミッドレンジのメインフレームコンピュータのシリーズである。
概要
[編集]IBM 4300はSystem/370互換のコンピュータアーキテクチャを持っていた。小型で空冷の冷却装置を備えたため、データセンタ環境が必須ではなく、オフィスなどにも設置できた。
IBM 4300シリーズは、下位より4331、4341、4361、4381 に分かれ、更に「4341 モデル1」(4341-1)のように多数のサブモデルに分かれていた。
上位の4381では、モデル1、2、11、12、13、21、22、23、90、91はシングルCPUで、モデル3、14、24、92はデュアルCPU(SMP)モデルであった。また4381-13 から、1987年発表の 4381-24までは、370/XA アーキテクチャのエントリーレベルであった(MVS/XA、VM/XAなどが稼働できた)。
IBM 4300は、それぞれの発表時点で、性能面で上位のIBM 30x0(303x/308x/3090、水冷)、下位のIBM 9370(空冷、ラックマウント)との中間の位置を占めた。なお1988年以降は、それぞれ「ES/3090」「ES/4300」「ES/9370」とブランド名称変更された(ESはエンタープライズシステムの略)。
モデル
[編集]モデル | 発表 | 販売終了 | 最大メモリ | 性能比 |
---|---|---|---|---|
4331 | 1979 | 1981 | 8MB | 4 × 370/115 |
4341 | 1979 | 1986 | 16MB | 3.2 × 370/158 |
4361 | 1983 | 1987 | 12MB | 3 × 4331 |
4381 | 1983 | 1992 | 64MB | 9 × 4341 |
開発と製造
[編集]- IBMエンディコットで開発・製造された最初のIBM 4341はヒューズ・エアクラフト社へ納入された[1]。
- IBM 4331モデル2はドイツIBMのIBMボブリンゲンで開発、エンディコットで製造。
- IBM 4341モデル2はエンディコットの中型システム部署で開発。
- その後の開発・製造は、IBMエンディコット、英国IBMのIBMハヴァント、IBMボブリンゲン、スペインのIBMバレンシア(Valencia)、ブラジルのIBMスマレ(Sumaré)で行われた[2]。
関連項目
[編集]脚注
[編集]外部リンク
[編集]年 | シリーズ名 | アーキテクチャ | 主なモデル | 主なOS | 主な特徴 |
---|---|---|---|---|---|
1952 | 701シリーズ | - | 701, 704, 709, 7090, 7040, 7094 | - | 科学技術計算用、真空管/トランジスタ |
1953 | 702シリーズ | - | 702, 705, 7080 | - | 真空管/トランジスタ |
1953 | 650シリーズ | - | 650, 7070, 7074, 7072 | - | 科学技術計算用、真空管/トランジスタ |
1959 | 1401シリーズ | - | 1401, 1410, 1440, 7010, 1460 | - | 商用計算用、オールトランジスタ |
1961 | その他 | - | 305(RAMAC), 7030(Stretch) | - | ディスク装置(RAMAC)、マルチタスク(Stretch) |
1964 | System/360 | S/360 | 20 - 195 | OS/360, DOS/360, CP-67/CMS | 汎用機、アーキテクチャ、IC、24ビットアドレッシング、仮想機械 |
1970 | System/370 | S/370 | 115 - 195 | OS/VS(MVS), DOS/VS, VM/370 | 仮想記憶、マルチプロセッサ、PPAR |
1977 | 30x0, 4300, 9370 | S/370, S/370-XA | 303x/308x/3090, 43x1, 937x | MVS/XA, DOS/VSE, VM/XA | 31ビットアドレッシング・動的チャネルサブシステム(S/370-XA) |
1990 | ES/9000 | S/390, ESA/390 | 9021, 9121, 9221 | MVS/ESA, VSE/ESA, VM/ESA, AIX/ESA | 64ビットデータ空間、拡張ストレージ(ES)、LPAR、ESCON、FICON |
1994 | S/390 | ESA/390 | 9672/9674(G1 - G6), IBM Multiprise 2000/3000 | OS/390, VSE/ESA, VM/ESA, Linux | CMOS, 並列シスプレックス, UNIX互換環境(OS/390 USS)、Linuxサポート |
2000 | eServer zSeries | z/Architecture | z800/z900, z890/z990 | z/OS, z/VSE, z/VM, Linux | 64ビットアドレッシング、IFL、zAAP、zIIP、IPv6 |
2005 | System z | z/Architecture | z9, z10 | z/OS, z/VSE, z/VM, Linux | IRD |
2010 | zEnterprise | z/Architecture | z114/z196, z12 | z/OS, z/VSE, z/VM, Linux | ブレード拡張(POWER, x86) |
2015 | z System | z/Architecture | z13, LinuxOne | (z13)z/OS, z/VSE, z/VM, Linux (LinuxOne) Linux, z/VM |
|
2017 | IBM Z | z/Architecture | z14, LinuxOne II | (z14)z/OS, z/VSE, z/VM, Linux (LinuxOne) Linux, z/VM |
暗号化、zHyperLink |
2019 | IBM Z | z/Architecture | z15, LinuxOne III | (z15)z/OS, z/VSE, z/VM, Linux (LinuxOne) Linux, z/VM |
全方位型暗号化技術、Data Privacy Passports、OpenShift |
2022 | IBM Z | z/Architecture | z16 | (z16)z/OS, z/VSE, z/VM, Linux | IBM Telumプロセッサー、オンチップのAIアクセラレーター、耐量子暗号 |