System z

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IBM Z
開発元 IBM
最新版 z15[1](発表2019年)
対応OS z/OSz/VMz/VSEz/TPFLinux
種別 メインフレーム (z/Architecture)
公式サイト IBM Z
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IBM LinuxOne
開発元 IBM
最新版 LinuxOne III(発表2019年)
対応OS Linux、z/VM
種別 メインフレーム (z/Architecture)
公式サイト IBM LinuxOne
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IBM Z15の1フレーム、最大4フレーム。扉にZ15は青色、LinuxONE IIIはオレンジ色のアクセント。
IBM z14。扉にZ14は青色、LinuxONE IIIはオレンジ色のアクセント。
左はIBM z13、右はLinuxONE (Rockhopper)。
IBM zEnterprise。左からEC12、BC12、Bladecenter Extension。
扉を開けた状態のIBM zEnterprise EC12。多数のパーツが見える。
IBM zSeries 800 2066

IBM zSeries(IBMぜっとしりーず)、IBM System z(IBMしすてむぜっと)、IBM zEnterprise(IBMぜっとえんたーぷらいず)、IBM z System(IBMぜっとしすてむ)、IBM Z(IBMぜっと)は、IBMが開発・販売するメインフレームコンピュータ2000年以降のブランド名。またIBM LinuxOne(IBMりなっくすわん)は2015年以降のLinux専用モデル[2][3]

1964年System/360からの上位互換性を持ち、64ビットアーキテクチャz/Architectureに基づいて設計されている。サポートされるオペレーティングシステムは、z/OSz/VMz/VSEz/TPFLinuxなど(ただしIBM LinuxOneはLinux, z/VMのみ)[4]2010年の zEnterprise よりオプションのzBX上で分散サーバーの同時稼働をサポート。[5][6][7]。最新版は2019年発表の z15 [1]およびLinuxOne III。

名称[編集]

IBMのメインフレームのブランド名で、「z」は「ダウンタイム ゼロ(Zero)」(高可用性)を表す。

  • IBM eServer zSeries - 2000年以降。IBMサーバ全体のブランド名「IBM eServer」を構成する。(他のサーバーはpSeriesiSeriesxSeries等。)
  • IBM System z - 2005年以降。IBMサーバ全体のブランド名「IBM Systems」を構成する。(他のサーバーはSystem pSystem iSystem x等。)
  • IBM zEnterprise System - 2010年以降。
  • IBM z System - 2015年以降。(他のサーバーはPower Systems等。)
  • IBM Z - 2017年以降。

概要[編集]

zSeries、System z、zEnterprise、z System、IBM Zは、IBM System/360System/370の直系の子孫であり、上位互換性を持つ。System/360用に書かれた24ビットのアプリケーション(バイナリーの実行モジュール)は、40年を隔てた最新のSystem zでも、一部の例外を除き修正なしで動作する。

1990年代より各種オープン標準TCP/IPWebサーバLinuxなど)、2000年には64ビットアドレッシングをサポートした。IBMは「IBMのメインフレームはレガシーでは無い」「世界的にはニューワークロード(Web、ERPなどの用途)が50%を超えている」と主張している。

高い信頼性・可用性が求められる業務、過去の資産(プログラム、運用管理など)を継続したい場合、多数のサーバを統合したい場合などに使われている。

筐体の色は、eServer以降はThinkPadと合わせてベースは黒、アクセントは赤に統一された。しかしz10からはグリーンコンピューティング(環境負荷が低い)を意識して、アクセントは緑に変更された。

System zの主な特徴は以下である。

  • z/Architectureに基づいている(64ビットの物理空間と仮想空間)。
  • 多数のプロセッサユニット(PU)を搭載し、広域クラスタを構成可能
  • オペレーティングシステムとして、Linux on System z, z/OS, z/VM, z/VSE, z/TPFを使用可能
  • システム/390 の 31ビットアプリケーションはz/Architecture上で完全互換

zEnterprise では、従来からのz/Architectureプロセッサーに加え、POWERおよびx86プロセッサーも搭載可能となり、全体を統合資源管理ソフトウェアでワークロード管理可能となった。

2015年1月 z13 発表時に、ブランド名称が IBM z System に変更された。

仕様[編集]

S/390以降の主な製品の型番(TYPE-MODEL)と仕様は以下の通り。

  • S/390 G5,G6
    • プロセッサー数:1~12 (CMOS G5,G6)
  • S/390 Multiprise 3000
    • プロセッサー数:1~2 (CMOS G5)
  • zSeries 900 (2064-xxx)
    • プロセッサー数:1~16
  • zSeries 800 (2066-xxx)
    • プロセッサー数:1~4
  • zSeries 990 (2084-xxx)
    • プロセッサー数:1~32
  • zSeries 890 (2086-xxx)
    • プロセッサー数:1~4
  • System z9 EC (2094-S08~S54)
    • 総PU: 1.4GHz x 12~64
    • メモリー: 16~512GB
    • 最大チャネル数: 960~1024
  • System z9 BC (2096-R07/S07)
    • 総PU: 1.4GHz x 8
    • メモリー: 8~64GB
    • 最大チャネル数(ESCONの場合): 240~420
  • System z10 EC (2097-E12/E26/E40/E56/E64)
    • 総PU: 4.4GHz x 17~77
    • メモリー: 16~512GB
    • 最大チャネル数:1024
  • System z10 BC (2098-E10)
    • 総PU:3.5GHz x 12
    • メモリー:4~128GB
    • 最大チャネル数:480
  • z System z13 [8]
    • 最大コア数:141 (111,556MIPS)
    • 最大メモリー:10テラバイト
    • 最大稼動仮想サーバー:8,000
  • z14[9]
  • z15[1]

System z9 EC (2094-S54)の場合、最大64個のPU(プロセッサ)を搭載し、1秒間に約186億6千万回の命令を実行できるとされている。1台の S54 は1日に10億以上のトランザクションを処理できる。64個のPUのうち2個はスペアPUとして使用され、ブック当り2個のPUがI/O、暗号化、メモリ制御などのプロセッサとして使用される。結果的に54個のPUをユーザーが決定した役割に設定でき、汎用プロセッサ(CP)としても、それ以外(zAAP、IFL(Integrated Facility for Linux)、ICF)の用途にも使うことができる。System z10 EC(E64)の場合77個のPUを搭載し64個のPUをユーザーが決定した役割に設定できる。

冗長性と信頼性[編集]

System z9 EC (2094-S54)の場合、PU内部の命令実行回路は二重されており、全ての命令はふたつの回路で並行して実行される。このふたつの回路の命令実行結果が異なってしまった場合、再度命令を試行してそれでも結果が異なる場合は、そのPUで実行していたタスクを自動的に別のPUに移動させる。そのときスペアのPUが空いていればそれを使うこともできる。システムは自動的にIBMのサービスに連絡(RSF)をして、サービスエンジニアが代わりのプロセッサ・ブックを持ってきて交換を行う。このとき、システムを停止させることなく、動作したままでかまわない。このように、PUのハードウェア的な冗長性をベースとした高信頼システムが構築されている。

同じことは、メモリにもI/Oにも電源にも冷却機構にも言える。ほとんど考えられる全ての部品が冗長化されている。そして、この機能はハードウェアとマイクロコードで実現されているため、アプリケーションが特別なコードを使う必要はない。同じコンセプトはクラスタ構成にも適用される。

System zは確かに高価であるが、信頼性の高さがTCO削減となって効果を発揮する。このため政府、金融機関、商業、工業などあらゆる場面で使われている。

歴史[編集]

zSeries以前[編集]

IBM System z は、IBM System/360の直系の子孫である。このため過去の歴史を記載する。詳細は各リンク先を参照。

1964年 System/360シリーズを発表、大ヒットとなる。24ビットアドレッシングであった。

1970年 System/370シリーズを発表。仮想記憶を実現。後継は、大型の30x0(303x、308x、3090)、中型の4300、小型9370となった。

1990年 ES/9000シリーズと、ESA/390アーキテクチャを発表。同時に従来の3090、4300、9370は「ES/3090、ES/4300、ES/9370」に改称され、後にES/9000(ES/9021、ES/9121、ES/9221)に移行した。

1994年 S/390 並列エンタープライズサーバーを発表。CMOSプロセッサへの移行、クラスタリングである並列シスプレックスが採用された。また小型のIBM Multiprise 2000、3000も発売された。

zSeries[編集]

2000年10月 ブランド名称を「IBM eServer zSeries」に変更。同時に64ビットアドレッシングのアーキテクチャであるz/Architectureと、最上位のzSeries 900(z900、型番は2064)を発表。

  • 2002年2月 z900の中型版であるzSeries 800(z800、型番は2066)を発表。
  • 2003年3月 最上位(z900後継)のzSeries 990(z990、型番は2084)を発表。
  • 2004年5月 中型(z800後継)のzSeries 890(z890、型番は2086)を発表。

2005年7月 ブランド名を「IBM System z」に変更。同時に最上位のSystem z9 109(型番は2094)を発表。

  • 2006年4月 z9 109をz9 Enterprise Class (z9 EC)と名称変更し、中型のz9 Business Class (z9 BC、型番は2096)を発表。
  • 2008年2月 最上位(z9 EC後継)のSystem z10 Enterprise Class (z10 EC、型番は2097)を発表。
  • 2008年10月 中型(z9 BC後継)のz10 Business Class (z10 BC、型番は2098)を発表。

最上位機種(EC)が出た1,2年度後にそのモデルアップ反映した中型機種(BC)が発表されている

zEnterprise[編集]

  • 2010年7月 ブランド名称を「IBM zEnterprise」に変更。主なハードウェアは本体である zEnterprise 196(z196) と、zEnterprise BladeCenter Extension(zBX)。z196は、5.2GHzのz/Architectureプロセッサを96個搭載できる。zBXはPOWER7などのプロセッサを搭載したブレードサーバを搭載できる。このハイブリッド環境をソフトウェアの zEnterprise Unified Resource Manager(URM)で一元管理できる。
  • 2012年8月 「IBM zEnterprise EC12」(zEC12)を発表)[10]「12」は「12世代」を意味する[11]。z196の後継で、32ナノ・プロセス、5.5GHz のプロセッサ・コアを1筐体当たり最大120搭載可能。

z Systems, LinuxOne[編集]

  • 2015年1月 ブランド名称を「IBM z System」に変更。z13およびLinuxOne(Rockhopper)を発表[8]

IBM Z, LinuxOne II/III[編集]

  • 2017年7月 ブランド名称を「IBM Z」に変更。z14およびLinuxOne IIを発表を発表[9]
  • 2019年9月 z15およびLinuxOne IIIを発表[1]。全方位型暗号化技術、Data Privacy Passports技術など。

参照[編集]

  1. ^ a b c d 業界初のデータ・プライバシー機能を備えた最新メインフレーム「IBM z15」発表
  2. ^ Linux専用のメインフレーム・サーバー「IBM LinuxONE」を発表 - IBMニュースルーム
  3. ^ Linux専用メインフレーム「LinuxONE」、IBM自らOSSを移植 - ZDNet
  4. ^ IBM System z オペレーティングシステム
  5. ^ 革新的アーキテクチャーによる新サーバー「IBM zEnterprise」
  6. ^ IBM zEnterprise System の発表
  7. ^ IBM zEnterprise BladeCenter Extensionの発表
  8. ^ a b z13メインフレームを発表 - IBM
  9. ^ a b IBM Z (z14) プレスリリース
  10. ^ 処理能力を50%向上した業界最速のメインフレーム - IBM
  11. ^ 日本IBM、「業界最速」のメインフレームを発売 - ITMedia

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

IBMメインフレーム
シリーズ名 アーキテクチャ 主なモデル 主なOS 主な特徴
1952 701シリーズ - 701, 704, 709, 7090, 7040, 7094 - 科学技術計算用、真空管/トランジスタ
1953 702シリーズ - 702, 705, 7080 - 真空管/トランジスタ
1953 650シリーズ - 650, 7070, 7074, 7072 - 科学技術計算用、真空管/トランジスタ
1959 1401シリーズ - 1401, 1410, 1440, 7010, 1460 - 商用計算用、オールトランジスタ
1961 その他 - 305(RAMAC), 7030(Stretch) - ディスク装置(RAMAC)、マルチタスク(Stretch)
1964 System/360 S/360 20 - 195 OS/360, DOS/360, CP-67/CMS 汎用機アーキテクチャIC24ビットアドレッシング、仮想機械
1970 System/370 S/370 115 - 195 OS/VS(MVS), DOS/VS, VM/370 仮想記憶マルチプロセッサPPAR
1977 30x0, 4300, 9370 S/370, S/370-XA 303x/308x/3090, 43x1, 937x MVS/XA, DOS/VSE, VM/XA 31ビットアドレッシング・動的チャネルサブシステム(S/370-XA)
1990 ES/9000 S/390, ESA/390 9021, 9121, 9221 MVS/ESA, VSE/ESA, VM/ESA, AIX/ESA 64ビットデータ空間、拡張ストレージ(ES)、LPARESCONFICON
1994 S/390 ESA/390 9672/9674(G1 - G6), IBM Multiprise 2000/3000 OS/390, VSE/ESA, VM/ESA, Linux CMOS, 並列シスプレックス, UNIX互換環境(OS/390 USS)、Linuxサポート
2000 eServer zSeries z/Architecture z800/z900, z890/z990 z/OS, z/VSE, z/VM, Linux 64ビットアドレッシング、IFL、zAAP、zIIP、IPv6
2005 System z z/Architecture z9, z10 z/OS, z/VSE, z/VM, Linux IRD
2010 zEnterprise z/Architecture z114/z196, z12 z/OS, z/VSE, z/VM, Linux ブレード拡張(POWER, x86)
2015 z System z/Architecture z13, LinuxOne (z13)z/OS, z/VSE, z/VM, Linux
(LinuxOne) Linux, z/VM
2017 IBM Z z/Architecture z14, LinuxOne II (z14)z/OS, z/VSE, z/VM, Linux
(LinuxOne) Linux, z/VM
暗号化zHyperLink
2019 IBM Z z/Architecture z15, LinuxOne III (z15)z/OS, z/VSE, z/VM, Linux
(LinuxOne) Linux, z/VM
全方位型暗号化技術、Data Privacy Passports、OpenShift