IBMポータブルPC

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IBM Portable Personal Computer (IBM 5155)
製造元 IBM
種別 ポータブルコンピュータ
発売日 1984年2月
販売期間 (販売終了 1986年4月[1]
OS PC DOS 2.10
CPU Intel 8088 4.77 MHz
メモリ 256 KB (最大 512 KB)
ディスプレイ CGA (内蔵 9インチ モノクロ モニター)
重量 13.6 kg
前世代ハード IBM PC XT
次世代ハード

IBMポータブルPC: IBM Portable Personal Computer)は、IBM1984年に発表したパーソナルコンピュータCompaq Portableに対抗して開発されたIBMの最初のポータブルコンピュータで、後継はIBM PCコンバーティブル

名称[編集]

正式名称は「IBM Portable Personal Computer」、型番は「IBM 5155 モデル68」。略称は「IBM Portable」など。

概要[編集]

IBMポータブルPCは基本的に、IBM PC XTのマザーボードをコンパック風の可搬ケースに移植したポータブルコンピュータで、256 KBのメモリ(マザーボード上で最大 512KBまで拡張可)、内蔵のアンバー色のモノクロノーム・モニターに接続されたCGAカード、1つまたは2つの 360 KB 5.25インチ・ディスケット(フロッピーディスク)ドライブなどで構成された。

デュアルモード・モニターと専用のディスプレーカードを使用したCompaq Portableとは異なり、IBMは低解像度で在庫のCGAカードと9インチのモノクローム・モニターを使用したが、そのため外部のモニターまたはテレビに接続すればカラー表示が可能であった。マザーボードには8つの拡張スロットがあった。電源ユニットは120ボルトまたは240ボルトで、消費電力は114ワットであった[1]ハードディスクドライブは非常に一般的なサードパーティー製の追加機器で、IBMは搭載しての工場出荷はしなかった[1]。典型的には2つのフロッピーディスクドライブを搭載し、ドライブAはオペレーティングシステムを稼働し、ドライブBはアプリケーションやデータ用ディスケットに使用できた。

専門家は、IBMはIBMポータブルPCをCompaq Portableに対抗できるコンピュータとして開発したと述べた[2]。コンパックより洗練されていない場合には、IBMは低価格という利点を持っていた。「ポータブル」というセールスポイントのために、中くらいのスーツケースサイズの基本ユニットにモニターを組み込んでシンプルに平らな面に配置し、キーボードはケースの蓋のようになっており使用時はケースから取り外せたが、もしプリンターを同時に使用する事が必要な場合には「ポータブル」とは言い難かった。

脚注[編集]

  1. ^ a b c Scott Mueller, Upgrading and Repairing PCs, Second Edition, Que, 1992 ISBN 0-88022-856-3 pp. 76–81
  2. ^ Rosenberg, Ronald (1984年2月28日). “Doubts Raised About PCjr”. The Boston Globe 

参考文献[編集]

  • IBM (1984). Personal Computer Hardware Reference Library: Guide to Operations, Portable Personal Computer. IBM Part Numbers 6936571 and 1502332.

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

先代
IBM PC
IBMポータブルPC 次代
IBM PCコンバーティブル