Crew Dragon Demo-1

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Crew Dragon Demo-1
ISSへの接近中に、地平線を背景にしてシルエットが浮かび上がったドラゴンC204
名称Crew Demo-1
SpaceX Demo-1
Demonstration Mission-1
任務種別ISS 技術デモンストレーション
運用者スペースX
COSPAR ID2019-011A
任務期間6日 5時間 56分
周回数62
特性
宇宙機C204
宇宙機種別クルードラゴン
製造者スペースX
打ち上げ時重量12,055 kg (26,577 lb)
燃料無重量6,350 kg (14,000 lb)
任務開始
打ち上げ日2019年3月2日 07:49:03 UTC
ロケットファルコン9ブロック5（B1051.1）
打上げ場所ケネディ宇宙センター、LC-39A
打ち上げ請負者スペースX
任務終了
回収担当GO Sercher（ミーガン）（英語版）
着陸日2019年3月8日 13:45:08 UTC [1]
着陸地点大西洋
軌道特性
参照座標地球周回軌道
体制低軌道
傾斜角51.66°
ISSのドッキング（捕捉）
ドッキング ハーモニー前方側[2]
ドッキング（捕捉）日 2019年3月3日 10:51 UTC
分離日 2019年3月8日 07:32 UTC
ドッキング時間 4日 20時間 41分
Crew Dragon Demo-1
COSPAR ID2019-011A

Crew Dragon Demo-1（公式にはCrew Demo-1、SpaceX Demo-1ないしDemonstration Mission-1）[注釈 1]は、ドラゴン2宇宙船の初めての軌道試験。2019年3月2日の07:49:03 UTCに打ち上げられ[3][4]、打ち上げ後24時間を少しだけ超えて2019年3月3日に国際宇宙ステーションに到着した。このミッションは、2019年3月8日 13:45:08 UTCの成功裡の着水を持って完了した[5][6]。

Crew Demo-1で使用されたカプセルは、2019年4月20日の分離試験中に、LZ-1でスーパードラコ・エンジンに点火した際に想定外に破壊された[7]。

ミッション[編集]

宇宙船は国際宇宙ステーションへの有人輸送に必要なデータを提供するために、ISSへの接近と自動ドッキング手順を試験し、その後、ISSからのドッキング解除、再突入の全行程、着水と回収段階の試験を行った。生命維持システムは試験飛行の期間を通じてモニターされていた[8]。このカプセルは飛行中脱出試験（英語版）で再利用される予定だったが、スーパードラコスラスターの地上燃焼試験中の事故で破壊された[7]。

このミッションは、NASAの商業乗員輸送計画（英語版）で契約されたスペースXのファルコン9ブロック5ロケットで打ち上げられた。当初の計画では、CCDev2のフライトは2015年前半が希望されていた[9]。Demo-1は最終的には2016年12月以降実施が予定されていたが、その後、2017年を通じて何度か延期された[10][11][12]。2019年1月17日にNASAから発表された最初の確定日時は2019年1月17日だったが[13]、2019年2月まで遅延した[14]。地上燃焼試験が2019年1月24日に行われ、打ち上げ日は2019年2月23日に設定された[15]。ドラゴン2カプセルのテレメトリー、追跡およびコマンドに関するFCCへのスペースXの申請書によれば2019年1月の終わりまでに打ち上げは2019年3月2日以降に延期された[3]。

Demo-1は2019年2月22日に飛行準備審査（FRR）を、2月27日に打上げ準備審査（LRR）を通過した[16]。

Demo-1を搭載したファルコン9は、2019年2月28日の15:00 UTCごろにLC-39Aに運び出され、数時間後に直立状態とされた[17]。宇宙船は2019年3月2日 07:49:03 UTCに打ち上げられ、2019年3月3日 10:51 UTCにISSに成功裡にドッキングした[18][19]。

ドラゴン2宇宙船は2019年3月8日 07:32 UTCに無事ISSからドッキング解除した。カプセルはトランク部分と分離し、軌道離脱噴射を行ない、地球の大気圏に再突入して同日遅くの13:45:08 UTCに、フロリダ東岸沖およそ320 kmの大西洋に着水した[6]。カプセルはスペースXの回収船GO Sercher（ミーガン）（英語版）によって回収され、試験と搭載されたセンサーが収集したデータの解析のために合衆国本土に運ばれた[20][21]。

積荷[編集]

ISSへ宇宙飛行士を運ぶ代わりに、この飛行ではスペースXの特製飛行服を着せられた人間型試験装置（ATD）が搭載された。このATDは、映画『エイリアン』シリーズでシガニー・ウィーバーが演じた登場人物にちなんでリプリーと名付けられた。カプセルは、実際に宇宙飛行士が搭乗し、およそ180 kgの補給品と「超ハイテク無重力インジケーター」（ぬいぐるみ）などの装備を搭載するときと同じ重量にされた[22][23][24][2]。無重力インジケーターはドッキング解除後もISSに残されたが、リプリーは2019年3月8日に安全に地球に帰還した。

ギャラリー[編集]

  • スペースXのLC39-A水平統合施設でのドラゴン2
    スペースXのLC39-A水平統合施設でのドラゴン2
  • ケネディLC-39AからのC204の打ち上げ
    ケネディLC-39AからのC204の打ち上げ
  • ドッキング中のDM1d
    国際宇宙ステーションにドッキング中のドラゴン2
  • クルードラゴンに入る
    第58次長期滞在のクルーの初めてのドラゴン2への移乗。打ち上げ時の振動で発生した微小物質を吸い込まないように保護具を装着している

関連項目[編集]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ このミッションに複数の公式名称がある。運用者のスペースXはこのミッションを "Crew Demo-1" と呼び、顧客であるNASAは "SpaceX Demo-1" と読んでいる。特に断りのない限り、本記事中ではこのミッションを "Demo-1" と表記する。

出典[編集]

  1. ^ “Commercial Crew Program American Rockets American Spacecraft American Soil”. nasa.gov. NASA. 2019年2月28日閲覧。  この記述には、アメリカ合衆国内でパブリックドメインとなっている記述を含む。
  2. ^ a b “NASA, SpaceX Launch First Flight Test of Space System Designed for Crew”. nasa.gov. NASA (2019年3月2日). 2019年3月2日閲覧。  この記述には、アメリカ合衆国内でパブリックドメインとなっている記述を含む。
  3. ^ a b “Space Exploration Technologies Corp. WF9XGI 0068-EX-ST-2019 FCC Experimental License”. FCC. 2019年2月5日閲覧。  この記述には、アメリカ合衆国内でパブリックドメインとなっている記述を含む。
  4. ^ “February 6, 2019 – Commercial Crew Program”. NASA. 2019年2月6日閲覧。  この記述には、アメリカ合衆国内でパブリックドメインとなっている記述を含む。
  5. ^ SpaceX #CrewDragon Demonstration Flight Return to Earth. 2020年5月6日閲覧。
  6. ^ a b “Crew Dragon's inaugural flight to Station concludes with splashdown”. NASASpaceFlight.com (2019年3月8日). 2019年3月8日閲覧。
  7. ^ a b Berger, Eric (2019年4月22日). “Here's what we know, and what we don't, about the Crew Dragon accident”. Ars Technica. 2019年4月22日閲覧。
  8. ^ Foust, Jeff (2016年2月4日). “SpaceX seeks to accelerate Falcon 9 production and launch rates this year”. SpaceNews. http://spacenews.com/spacex-seeks-to-accelerate-falcon-9-production-and-launch-rates-this-year/ 2016年3月21日閲覧. "Shotwell said the company is planning an in-flight abort test of the Crew Dragon spacecraft before the end of this year, where the vehicle uses its thrusters to separate from a Falcon 9 launch vehicle during ascent. That will be followed in 2017 by two demonstration flights to the International Space Station, the first without a crew and the second with astronauts on board, and then the first operational mission." 
  9. ^ Richardson, Derek (2019年1月5日). “Falcon 9 with Crew Dragon vertical at Launch Complex 39A”. SpaceFlight Insider. 2019年3月3日閲覧。
  10. ^ “First SpaceX commercial crew test flight could slip to 2019”. SpaceNews (2018年10月3日). 2018年12月8日閲覧。
  11. ^ “SpaceX delays commercial crew test flights to latter half of 2018”. SpaceNews (2018年1月11日). 2018年12月8日閲覧。
  12. ^ “Report warns of additional commercial crew delays”. SpaceNews (2016年9月6日). 2018年12月8日閲覧。
  13. ^ "NASA Invites Media to SpaceX Demo-1 Launch" (Press release). NASA. 21 November 2018. 2019年3月3日閲覧。  この記述には、アメリカ合衆国内でパブリックドメインとなっている記述を含む。
  14. ^ “SpaceX Demo-1 Launch Update”. NASA Commercial Crew Program Blog. NASA (2019年1月10日). 2019年1月11日閲覧。  この記述には、アメリカ合衆国内でパブリックドメインとなっている記述を含む。
  15. ^ Clark, Stephen. “Falcon 9 rocket fires engines in key test ahead of Crew Dragon demo flight”. Spaceflight Now. 2019年1月25日閲覧。
  16. ^ Ralph, Eric (2019年2月28日). “SpaceX's Crew Dragon and Falcon 9 head to Pad 39A for historic launch debut”. Teslarati. 2019年2月28日閲覧。
  17. ^ Clark, Stephen. “SpaceX's Crew Dragon rolls out for test flight”. Spaceflight Now. 2019年2月28日閲覧。
  18. ^ “Crew Dragon successfully conducts debut docking with the ISS”. NASASpaceFlight.com (2019年3月3日). 2019年3月3日閲覧。
  19. ^ “Demo-1 Underway: Crew Dragon Launches on Debut Flight”. NASA (2019年3月2日). 2019年3月2日閲覧。  この記述には、アメリカ合衆国内でパブリックドメインとなっている記述を含む。
  20. ^ Mission SpX-DM1 accomplished: the SpaceX Crew Dragon spacecraft has come back to Earth Massimo Luciani, Tachyon Beam March 8, 2019
  21. ^ “Crew Dragon Lifted Onto Recovery Ship – Commercial Crew Program”. NASA. 2019年4月12日閲覧。  この記述には、アメリカ合衆国内でパブリックドメインとなっている記述を含む。
  22. ^ Grush, Loren (2019年2月22日). “NASA gives SpaceX the okay to launch new passenger spacecraft on uncrewed test flight”. The Verge. 2019年2月23日閲覧。
  23. ^ “NASA, SpaceX and a test dummy are ready for Dragon 2's first trip to space station”. GeekWire (2019年2月23日). 2019年2月28日閲覧。
  24. ^ “Meet Ripley, SpaceX's Dummy Astronaut Riding on Crew Dragon Test Flight”. Space.com (2019年3月). 2019年3月1日閲覧。

外部リンク[編集]

  • ウィキメディア・コモンズには、Crew Dragon Demo-1に関するカテゴリがあります。
総合リファレンス:
ポータル 宇宙開発
ポータル 宇宙開発

日本語

英語

1998–2004
  • 1998 (1A/R / ザーリャ)・2000 (2R / ズヴェズダ・1P・2P・3P)・2001 (4P・5P・SO1 / ピアース・6P)・2002 (7P・8P・9P)・2003 (10P・11P・12P)・2004 (13P・14P・15P・16P)
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    • †は打ち上げ失敗
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