第173回国会

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所信表明演説を行う鳩山由紀夫内閣総理大臣

第173回国会(だい173かいこっかい)は、2009年10月26日に召集された臨時国会である。会期は12月4日までの40日間であった。

概要[編集]

民主党代表鳩山由紀夫内閣総理大臣の就任後初めてとなる所信表明演説が行われた。また、鳩山由紀夫内閣亀井静香郵政改革担当大臣の強い意向により郵政民営化凍結法案を提出し、審議が行われた。

対する野党は、自由民主党谷垣禎一総裁を新たに選出。自民党と連立与党を組んでいた公明党自公連立政権)は、与党時代に行っていた自民党との幹部協議を拒否し独自路線で臨む方針を示した[1]

当初の会期は11月30日までであったが、前述の郵政民営化凍結法案を今国会中に成立させることを目的として会期を延長した。

自民党は党首討論の開催を求めていたが、与党民主党は拒否したため党首討論が行われなかった。1999年11月10日に初めて党首討論が行われて以降において、党首討論が行われなかった国会の中で40日間という会期は最長日数である。

各党・会派の議席数[編集]

今国会で成立した法律[編集]

本国会中に成立した法律等は第173回国会制定法律の一覧を参照のこと。

今国会の動き[編集]

召集前[編集]

会期中[編集]

  • 10月26日 - 召集。鳩山内閣総理大臣の所信表明演説。
  • 10月28日〜30日 - 代表質問。民主、国民新両党は衆議院での代表質問は行わない。
  • 11月30日 - 肝炎対策基本法が参院本会議で自民党以外の賛成で可決成立した(自民党は欠席)。民主・社民・国民新の与党3党は臨時国会の会期を12月4日まで4日間延長することを衆院本会議で議決した。共産・公明は反対。自民は本会議を欠席。
  • 12月1日 - 衆議院本会議で、郵政株式売却凍結法案が採択され、民主党・社民党・国民新党の与党と共産党の賛成多数で可決した。公明党・みんなの党は反対、自民党は欠席した。また、原爆症基金法が、欠席した自民党以外の賛成で可決、成立した。
  • 12月4日 - 郵政民営化凍結法案が欠席した自民党以外の賛成で可決成立。郵政株式売却法案が参院本会議で採決され、民主党・社民党・国民新党の与党と共産党の賛成多数で可決・成立した。公明党は反対、自民党は欠席した。閉会。

おことばについての論議[編集]

鳩山内閣外務大臣だった岡田克也は、2009年10月23日に開かれた閣議後の閣僚懇談会で記者団の質問に対し、国会開会式での天皇のおことばについて、「陛下の思いが少しは入った言葉がいただけるような工夫を考えてほしい」と述べ、宮内庁に対し、おことばの見直しを検討するよう求めた[4]

しかし、天皇の政治利用だとして、民主党の西岡武夫参院議院運営委員長は「おことばを政治的にあれこれいうのは極めて不適切だ」、福島瑞穂消費者担当大臣は「慎重に考えるべきだ。現状でいい」、自民党の大島理森幹事長は、「行き過ぎた発言で、民主党のおごりを感じる」と与野党から批判の声があがった[5]

脚注[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]