国会開会式

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国会開会式に出席した今上天皇(左奥)と式辞を述べる衆議院議長伊吹文明(右手前)(2013年1月国会議事堂参議院本会議場にて)

国会開会式(こっかいかいかいしき)とは日本国会の召集ごとに行われる、開会を記念する式典。正式には開会式とのみ呼ばれる。

概要[編集]

国会は召集後の早い時期に参議院本会議場において、国事行為として国会召集を行う天皇もしくはその名代(一般には国事行為臨時代行)の臨席のもとで、衆議院議長が主宰して開会式を行う。なお、開会式の日時及び場所は、衆参両院の議長が協議して定めるものとされており、特に法律や規則で定められているわけではない(衆議院規則第19条及び参議院規則第21条)。そのため、開会式は必ずしも国会の初日に行われる必要はなく、2日目以降に行われる例も多いが、場所については慣例により参議院本会議場で開催され続けている。

帝国議会の時代には開院式を貴族院で行っており、貴族院本会議場にはそのための玉座が設けられた。貴族院廃止と入れ替わりに設置された参議院は貴族院の議場を引き継いだため、開会式は参議院本会議場で行われる慣わしとなっている。

開会式には衆議院議員と参議院議員が参議院本会議場に一様に集まるが、席が足りないため、入りきらない議員は2階席に集められたり立席の場合もある。傍聴席となっている2階席も使用することや、会議ではなく式典であることから、一般人が傍聴することはできない。

開会式前には、衆議院議員と参議院議員、および事務局と法制局の職員が正門前に整列し、天皇の出迎えをするのが恒例となっている。

通常時の参議院本会議場。開会式では演壇以外の壇上の机と席が取り払われ、御席のカーテンが開いている。

開会式の際には議長席や事務総長席、大臣席、事務局席が机ごと取り払われ、押しボタン投票機の表示装置は隠され、天皇の着座する御席の前が広く開いた形となっている。御席は議長席のあった場所の背面上方に位置し、普段は白いカーテンにより議場と仕切られている。

参列者は両院議員の他、議員でない国務大臣を含む内閣最高裁判所長官会計検査院長である。参列者が起立する中で、天皇は閣僚席のあった場所の後方から入場し、御席前方の階段を登って着座する。ここでまず衆議院議長が演壇より議場に向かって式辞を述べたあと、天皇が御席から議場に向かっておことばを述べる。おことばは天皇の公的行為とされ、国政に関する権能を有しない天皇の立場を踏まえ党派色を排したものとなっており、天災被害への言及など一部の例外を除き、毎回同じ文章となっている。

こののち衆議院議長が御席まで階段を登り、おことばの原稿を受け取った後に、進行方向に対して後ろ向きの姿勢で階段を降りる。この所作は身体が健常でない者にとっては困難なこともあり、福永健司議長は身体の衰えからリハーサルが行えず、議長職を辞している。また、1948年(昭和23年)の第2回国会の開会式で、松本治一郎参議院副議長日本社会党)が天皇に対する礼式を拒んだ「カニの横ばい拒否事件」が起きている。

開会式は、天皇が入場時と同じ扉から退場して終了となる。

なお、日本共産党は「帝国議会の儀式を引き継ぐもので、また天皇の「おことば」に政治的な内容が含まれており、憲法の国事行為から逸脱するもの」であるとして現行の開会式を批判し、「憲法と国民主権の原則を守る立場」から長年欠席してきた。しかし、「儀礼的、形式的な発言が慣例として定着した」として、天皇が高い席から「おことば」を述べる点を批判しつつ、2016年平成28年)の第190回国会常会)より一部議員が出席することとした[1]

関連項目[編集]

脚注[編集]

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参考文献[編集]

  • 名生顕洋 『先例にみる両院の議会運営 序論』 東京図書出版会(2008年)

外部リンク[編集]