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'''体当たり'''(たいあたり)は、自の体をぶつける事により相手を突き飛ばす行為、技術である。'''突進'''(とっしん)、'''ぶちかまし'''、'''タックル'''(''Tackle'')<ref>体当たりの意味は日本語独自の用法であり、英語では体当たりという意味の使用法は少ない([[テイクダウン]]を参照)。</ref>、'''チャージ'''(''Charge'')、'''プッシュ'''(''Push'')とも呼ばれる。
'''体当たり'''(たいあたり)は、自の体をぶつける事により相手を突き飛ばす行為、技術である。'''突進'''(とっしん)、'''ぶちかまし'''、'''タックル'''(''Tackle'')<ref>体当たりの意味は日本語独自の用法であり、英語では体当たりという意味の使用法は少ない([[テイクダウン]]を参照)。</ref>、'''チャージ'''(''Charge'')、'''プッシュ'''(''Push'')とも呼ばれる。


相手に対する攻撃や護身として使用される他に[[プロレス]]、[[相撲]]をはじめとする[[格闘技]]、その他に[[スポーツ]]の技術としても使用される。また、[[動物]]の[[習性]]においても見られる。
相手に対する攻撃や護身として使用される他に[[プロレス]]、[[相撲]]をはじめとする[[格闘技]]、その他に[[スポーツ]]の技術としても使用される。また、[[動物]]の[[習性]]においても見られる。
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== プロレス ==
== プロレス ==
=== 肩側面からぶつかるもの ===
=== 肩側面からぶつかるもの ===
[[File:WrestleMania XXV - Triple Threat match.jpg|thumb|250px|ショルダー・チャージで2人を同時に倒す[[ビッグ・ショー (プロレスラー)|ビッグ・ショー]]。]]
[[File:WrestleMania XXV - Triple Threat match.jpg|thumb|250px|ショルダー・チャージで2人を同時に倒す[[ビッグ・ショー (プロレスラー)|ビッグ・ショー]]。]]
; <span id="ショルダー・タックル">ショルダー・タックル</span>
; <span id="ショルダー・タックル">ショルダー・タックル</span>
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: トップロープから放つものは'''ダイビング・ショルダー・アタック'''と呼ばれ、[[蝶野正洋]]、[[スティーブ・ウィリアムス]]、[[ジム・スティール]]が得意技としていた。この技で蝶野は[[NWA世界ヘビー級王座]]を奪取し、ウィリアムスは[[ジャイアント馬場]]から[[ピンフォール]]を奪っている。
: トップロープから放つものは'''ダイビング・ショルダー・アタック'''と呼ばれ、[[蝶野正洋]]、[[スティーブ・ウィリアムス]]、[[ジム・スティール]]が得意技としていた。この技で蝶野は[[NWA世界ヘビー級王座]]を奪取し、ウィリアムスは[[ジャイアント馬場]]から[[ピンフォール]]を奪っている。


=== 頭部正面からぶつかるもの ===
=== 頭部正面からぶつかるもの ===
; [[ぶちかまし]]
; [[ぶちかまし]]
: 走って頭部からぶつかっていく体当たり<ref name="koredewakatta"/>。近年では[[力皇猛]]が使い手。相撲出身選手のショルダー・タックルや相撲タックルを指す場合もある。
: 走って頭部からぶつかっていく体当たり<ref name="koredewakatta"/>。近年では[[力皇猛]]が使い手。相撲出身選手のショルダー・タックルや相撲タックルを指す場合もある。
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: [[パトリオット (プロレスラー)|パトリオット]]のオリジナル必殺技。トップロープから相手に向かって飛び、正面から相手にぶつかっていく。コーナー上からのぶちかまし、あるいはトペ・スイシーダ<ref name="koredewakatta"/>。なお、ダイビング・ショルダー・アタックと混同される事もあるが、肩からぶつからないため、違う技である。
: [[パトリオット (プロレスラー)|パトリオット]]のオリジナル必殺技。トップロープから相手に向かって飛び、正面から相手にぶつかっていく。コーナー上からのぶちかまし、あるいはトペ・スイシーダ<ref name="koredewakatta"/>。なお、ダイビング・ショルダー・アタックと混同される事もあるが、肩からぶつからないため、違う技である。


=== 腹部前面からぶつかるもの ===
=== 腹部前面からぶつかるもの ===
; <span id="ジャンピング・ボディ・アタック">ジャンピング・ボディ・アタック</span>
; <span id="ジャンピング・ボディ・アタック">ジャンピング・ボディ・アタック</span>
: 立っている相手に対して助走を付けてジャンプして腹部を相手にぶつけて突き飛ばす技。コーナーにもたれかかる相手への攻撃でもみられる(串刺し式)。'''ボディ・スプラッシュ'''、'''ジャンピング・ボディ・スプラッシュ'''とも呼ばれる。フライング・ボディ・アタックが、相手の体と自分の体が十字に交差するのに対してジャンピング・ボディ・アタックは交差せず正面からぶつかる。また、フライング・ボディ・アタックが自分の体を浴びせた後そのまま相手を押し倒すのに対してジャンピング・ボディ・アタックは自分の体を浴びせた後に自分は、そのまま着地して相手の体のみを倒す。言い換えれば、正面(腹部)からの体当たり。
: 立っている相手に対して助走を付けてジャンプして腹部を相手にぶつけて突き飛ばす技。コーナーにもたれかかる相手への攻撃でもみられる(串刺し式)。'''ボディ・スプラッシュ'''、'''ジャンピング・ボディ・スプラッシュ'''とも呼ばれる。フライング・ボディ・アタックが、相手の体と自分の体が十字に交差するのに対してジャンピング・ボディ・アタックは交差せず正面からぶつかる。また、フライング・ボディ・アタックが自分の体を浴びせた後そのまま相手を押し倒すのに対してジャンピング・ボディ・アタックは自分の体を浴びせた後に自分は、そのまま着地して相手の体のみを倒す。言い換えれば、正面(腹部)からの体当たり。
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: 場内から場外への相手へ向けて、トップロープを飛び越えて繰り出すフライング・ボディ・アタック。元はルチャリブレの技である。
: 場内から場外への相手へ向けて、トップロープを飛び越えて繰り出すフライング・ボディ・アタック。元はルチャリブレの技である。


=== 臀部背面からぶつかるもの ===
=== 臀部背面からぶつかるもの ===
; <span id="ジャンピング・ヒップ・アタック">ジャンピング・ヒップ・アタック</span>
; <span id="ジャンピング・ヒップ・アタック">ジャンピング・ヒップ・アタック</span>
: 相手に向かってジャンプすると同時に空中で振り返り、臀部([[尻]])を相手に突き出して相手にぶつける技。トップロープから繰り出せば、'''ダイビング・ヒップ・アタック'''と呼ばれる。[[ジミー・スヌーカ]]、[[チャボ・ゲレロ・シニア|チャボ・ゲレロ]]、[[越中詩郎]]、[[森嶋猛]]、[[田口隆祐]]、女子レスラーでは[[ジャガー横田]]、[[工藤めぐみ]]、[[伊藤薫 (プロレスラー)|伊藤薫]]、[[華名]]が主な使い手。森嶋は座っている相手に対し、助走を付けて前転しながら繰り出す'''ローリング式'''も使う。キラー・ビーこと[[ブライアン・ブレアー]]は、[[ハナバチ|蜂]]をモチーフとした自身の[[ギミック (プロレス)|ギミック]]に合わせて'''ビー・スティンガー'''の名称で使用していた。工藤の場合[[デスマッチ]]の途中でも使うことが多く、相手にかわされ[[有刺鉄線]]や電流爆破に突っ込んで被爆するというのが定番であった。
: 相手に向かってジャンプすると同時に空中で振り返り、臀部([[尻]])を相手に突き出して相手にぶつける技。トップロープから繰り出せば、'''ダイビング・ヒップ・アタック'''と呼ばれる。[[ジミー・スヌーカ]]、[[チャボ・ゲレロ・シニア|チャボ・ゲレロ]]、[[越中詩郎]]、[[森嶋猛]]、[[田口隆祐]]、女子レスラーでは[[ジャガー横田]]、[[工藤めぐみ]]、[[伊藤薫 (プロレスラー)|伊藤薫]]、[[華名]]が主な使い手。森嶋は座っている相手に対し、助走を付けて前転しながら繰り出す'''ローリング式'''も使う。キラー・ビーこと[[ブライアン・ブレアー]]は、[[ハナバチ|蜂]]をモチーフとした自身の[[ギミック (プロレス)|ギミック]]に合わせて'''ビー・スティンガー'''の名称で使用していた。工藤の場合[[デスマッチ]]の途中でも使うことが多く、相手にかわされ[[有刺鉄線]]や電流爆破に突っ込んで被爆するというのが定番であった。
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== 関連項目 ==
* [[タックル (フットボール)]]


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2018年9月28日 (金) 04:46時点における版

体当たり(たいあたり)は、自身の体をぶつける事により相手を突き飛ばす行為、技術である。突進(とっしん)、ぶちかましタックルTackle[1]チャージCharge)、プッシュPush)とも呼ばれる。

相手に対する攻撃や護身として使用される他にプロレス相撲をはじめとする格闘技、その他にスポーツの技術としても使用される。また、動物習性においても見られる。

一般社会における使用は相手、自分ともに怪我死亡の危険性があり、暴力行為とされて犯罪行為となる。

プロレス

肩、側面からぶつかるもの

ショルダー・チャージで2人を同時に倒すビッグ・ショー
ショルダー・タックル
立っている相手に向かって助走を付けて肩から相手にぶつかっていくものである。技名称は日本固有のもので、英語では同様の体当たり攻撃はショルダー・ブロックShoulder Block)、ショルダー・プッシュShoulder Push)、ショルダー・チャージShoulder Charge)などとも呼ばれる。主にアメリカンフットボール出身の選手が得意技としており、特に大型選手による迫力ある打ち合いはプロレスの醍醐味の一つで、会場を盛り上がらせる手段の一つでもある[2]
フットボール・タックル
アメリカン・フットボールのスリーポイントスタンスの状態から走って決めるショルダー・タックル[2]。単にアメリカン・フットボール出身レスラーによるショルダー・タックルを指す場合もある。
相撲タックル
相撲の立合いの状態から走って決めるショルダー・タックル[2]。単に相撲出身レスラーによるショルダー・タックルを指す場合もある[2]石川敬士や若手時代の田上明が得意技としていた。
ショルダー・アタック
大きくジャンプして放つショルダー・タックル。フライング・ショルダー・アタックジャンピング・ショルダー・アタックとも呼ばれる。ジョン・シナ、若手時代の小橋建太ロード・ウォリアー・ホークバイソン・スミスが得意技としていた。
トップロープから放つものはダイビング・ショルダー・アタックと呼ばれ、蝶野正洋スティーブ・ウィリアムスジム・スティールが得意技としていた。この技で蝶野はNWA世界ヘビー級王座を奪取し、ウィリアムスはジャイアント馬場からピンフォールを奪っている。

頭部、正面からぶつかるもの

ぶちかまし
走って頭部からぶつかっていく体当たり[2]。近年では力皇猛が使い手。相撲出身選手のショルダー・タックルや相撲タックルを指す場合もある。
スピアー
低姿勢で肩口から相手の腰部または腹部に飛び込みながら体当たりして倒す技。接触と同時に相手の両太腿を手で刈り倒したり、抱え上げて別の技へ移行する等のバリエーションがある。
トペ・スイシーダ
メキシコにおけるルチャリブレには、場外の相手に対して場内から助走をつけて飛んでいき頭部など正面から相手に体当たりをするトペ・スイシーダと呼ばれる技がある[2]
パトリオット・ミサイル
パトリオットのオリジナル必殺技。トップロープから相手に向かって飛び、正面から相手にぶつかっていく。コーナー上からのぶちかまし、あるいはトペ・スイシーダ[2]。なお、ダイビング・ショルダー・アタックと混同される事もあるが、肩からぶつからないため、違う技である。

腹部、前面からぶつかるもの

ジャンピング・ボディ・アタック
立っている相手に対して助走を付けてジャンプして腹部を相手にぶつけて突き飛ばす技。コーナーにもたれかかる相手への攻撃でもみられる(串刺し式)。ボディ・スプラッシュジャンピング・ボディ・スプラッシュとも呼ばれる。フライング・ボディ・アタックが、相手の体と自分の体が十字に交差するのに対してジャンピング・ボディ・アタックは交差せず正面からぶつかる。また、フライング・ボディ・アタックが自分の体を浴びせた後そのまま相手を押し倒すのに対してジャンピング・ボディ・アタックは自分の体を浴びせた後に自分は、そのまま着地して相手の体のみを倒す。言い換えれば、正面(腹部)からの体当たり。
ビッグバン・ベイダーベイダー・アタックスティングスティンガー・スプラッシュザ・ゴッドファーザーホートレインの名称で得意とした。ベイダーは、そのまま体を預けて浴びせ倒すタイプや、トップロープ上から繰り出すものも披露している。また、側転して勢いを付けて決める者もいる。
フライング・ボディ・アタック
助走を付け相手に向かって大きくジャンプ、同時に空中で体を横向きに倒して相手と交差するように腹部から相手にぶつかり、そのまま体を預けて浴びせ押し倒す技。海外ではフライング・クロス・ボディとも呼ばれる。
現在では基本的な飛び技の1つで、主に若手選手に使用者が多いが、かつてはマスカラス・ブラザーズ(ミル・マスカラスドス・カラス)が得意技としていたことによって一躍脚光を浴びた代表的な飛び技であった。
主な使用者は、マスカラス・ブラザーズの他に、力皇猛初代タイガーマスクなど。
また、この技を場内から場外の相手に繰り出せば、プランチャ・スイシーダと呼ばれる技となる。
ダイビング・ボディ・アタック
トップロープから立っている相手に対して飛んでいき、自らの体を浴びせて、そのまま押し倒す技。空中で自らの体を横向きにして、相手の体と自分の体が十字に交差するように浴びせるのが特徴。そのため海外ではダイビング・クロス・ボディとも呼ばれる。また、メキシコではプランチャとも呼ばれる(後述のプランチャ・スイシーダとは別の技)。元々はルチャリブレのポピュラーな技で、日本ではミル・マスカラスが使用し脚光を浴びた。基本的な飛び技の一つであるため、若手のジュニアヘビー級選手がよく使用するが、例外として、ジャイアント馬場が若手〜全盛期の隠し技として使用していたことがある。
主な使用者としてミル・マスカラスとドス・カラスの他、リッキー・スティムボートジェイ・ヤングブラッド、初代タイガーマスクなど多数。
旋回式ボディ・アタック
トップロープでリング内に背を向けて立った状態から後方へジャンプしつつ、空中で体を捻り、体を正面に向き直してボディ・アタックをする。主にコーナーへ飛び乗ってから繰り出す場合が多い。
主な使用者としては、ケビン・フォン・エリック、初代タイガーマスク、2代目タイガーマスクリチャード・スリンガーなど。
ムーンサルト・アタック
本来、トップロープから寝ている相手の上に後方宙返りして繰り出すムーンサルト・プレスを、立っている相手に対して繰り出すもの。後方宙返り式の体当たり。エプロンサイドから場外の相手へ、ロープリバウンドを利用して繰り出せば、ラ・ケブラーダという技となる。
プランチャ・スイシーダ
場内から場外への相手へ向けて、トップロープを飛び越えて繰り出すフライング・ボディ・アタック。元はルチャリブレの技である。

臀部、背面からぶつかるもの

ジャンピング・ヒップ・アタック
相手に向かってジャンプすると同時に空中で振り返り、臀部()を相手に突き出して相手にぶつける技。トップロープから繰り出せば、ダイビング・ヒップ・アタックと呼ばれる。ジミー・スヌーカチャボ・ゲレロ越中詩郎森嶋猛田口隆祐、女子レスラーではジャガー横田工藤めぐみ伊藤薫華名が主な使い手。森嶋は座っている相手に対し、助走を付けて前転しながら繰り出すローリング式も使う。キラー・ビーことブライアン・ブレアーは、をモチーフとした自身のギミックに合わせてビー・スティンガーの名称で使用していた。工藤の場合デスマッチの途中でも使うことが多く、相手にかわされ有刺鉄線や電流爆破に突っ込んで被爆するというのが定番であった。
背面式ボディ・アタック
前述のジャンピング・ボディ・アタックを、途中で振り返ることによって背面から相手にぶつかる技。主に串刺し式で使われる。スティーブ・ウィリアムスは側転してから決める形も使用した。
トペ・アトミコ
コーナーポスト上から飛んで空中で前転し、臀部や背面から相手に体当たりする技。場内から場外の相手に対して繰り出すものはトペ・コンヒーロと呼ばれる。また、ウルトラ・タイガー・ドロップとも呼ばれる。
トペ・レベルサ
ラヨ・デ・ハリスコが考案した技で、相手に背中を見せるようにジャンプして背面から相手に向かってぶつかっていくボディアタック。ザ・グレート・サスケウルティモ・ドラゴンTAJIRI、女子では井上京子が主な使い手。側転をしながら続けざまに同技を繰り出す型やセカンドロープに飛び乗ってから決める型などが存在する。

その他

ランニング・エルボー・バットジャンピング・ニー・バットラリアット、エルボー・スイシーダなど、助走を付けたり、飛んで繰り出したりする打撃技も、広義では体当たりの一種と言える[2]

その他の格闘技

相撲
相撲での体当たりは、「ぶちかまし」と呼ばれて激しいぶつかり合いを展開する事がある。詳細は「ぶちかまし」の頁を参照。
レスリング
レスリングにおけるテイクダウン技は、「タックル」と呼ぶこともあるが、体当たりではない。詳細は「テイクダウン」の頁を参照。
中国武術
中国拳法では、体当たりに類する技が多く取り入れられている。
一つは肩を使うことで、発想として拳・肘・肩を同一のものとして捉え、一つの技であっても相手との距離によって使い分ける、とする。つまりごく接近していた場合、肩を使った当て身技が使われる。
もう一つは靠(こう)といわれる一連の技で、肩からの体当たりや腕を組み合わせてぶつかる技などがある。特に八極拳では鉄山靠といわれる背中を使っての体当たりがよく知られる。
剣道
剣道では、打突の際の勢いで相手に体ごとぶつかることを体当たりという。鍔迫り合いも参照。

格闘技以外のスポーツ

殴る蹴るなどは格闘技であるから、相手との接触があり、格闘技でないスポーツにおいてはそのような形での接触は禁止されていることが多い。しかし体がぶつかり合うことはままあり、それを避けていては競技が成立しない。そのような場合、体当たりはある程度の範囲で認められる例がある。ルールとして成立している例も、禁止されてはいるが、ある範囲までは暗黙に認める場合もある。

フットボール
ラグビーアメリカンフットボールなどのフットボール競技では、「タックル」は体当たりの意味ではなく、相手選手の攻撃を阻止するため飛びつく技術である。しかし、激しいタックルは、まさに体当たりと同様となる場合も多い。詳細は「タックル」頁を参照。
サッカー
サッカーでは、ボールを保持する相手選手の動きを牽制する目的で、自分の肩を相手にぶつけるショルダーチャージまたは単にチャージと呼ばれる技術がある。ボールを持たない選手に対して行った場合や、肘より下の部分を使った場合、過度に激しく危険な場合は反則(ファウル)となる。 なお、「タックル」と呼ぶ場合はスライディングタックルを指す。
野球
野球においては、ボールを保持した守備側の野手が、アウトにするために触球しようとして攻撃側の走者に接触し、体当たりとなることがある。特に本塁は得点にかかわるため、得点を防ごうとする捕手と得点しようとする走者が激しく接触するプレイが行われることがある。ボールを保持していない野手が走者の進路をふさぐことは走塁妨害となる(クロスプレイ#本塁上の捕手へのタックルやブロックについて参照)。

一般社会において

殴る蹴るは明らかに暴力であり、それが確認された場合、例えば暴行罪と認定しやすい。それを避けながら相手に威圧を与える目的で体からぶつかる、という場合がある。突進してゆくとこれも明らかに暴力的なので、ゆっくり接近して押しつけてゆく、という形になる。デモ行進で警官隊と押し合う際には、腕が腰より上に上がると公務執行妨害が成立するので、腕はおろして全身で押し合うことがある。

比喩用法

「体当たり」という言葉は、比喩的な用法として、仕事・作業や問題に「全力で取り組む」あるいは「難しく考えずに開き直って正面から取り組む」などの意味合いでも使用される。

映画などで「体当たりの演技」とは女優がヌードになることを示すことがある。

動物

動物の世界においても攻撃・防御において体当たりに類する行動をとる動物がいる。陸上脊椎動物では、前足を手として用いられないものが多いから、攻撃する場合、噛み付く、蹴る・体当たり位しか方法がない。いわば体当たりは最も汎用性のある方法である。イノシシカバなどはその代表的な例である。を持つものは角で突っかかるが、これも体当たり(むしろ頭突きであるが)のために発達した武器と見なせる。

魚類も、水中での争いで体当たり的な行動を取る例がある。アユ友釣りは、こうして体当たりしてきたものを引っかける方法である。

参考文献

脚注

  1. ^ 体当たりの意味は日本語独自の用法であり、英語では体当たりという意味の使用法は少ない(テイクダウンを参照)。
  2. ^ a b c d e f g h 流智美『これでわかったプロレス技』(上巻、下巻)ベースボールマガジン社