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'''キクイタダキ'''(菊戴、学名''Regulus regulus'')は[[スズメ目]][[キクイタダキ科]]の鳥の一種。和名は、頭頂部に黄色い[[冠羽]]があるため、『'''[[キク|菊]]を戴く'''という意味から命名された。
'''キクイタダキ'''(菊戴、学名''Regulus regulus'')は[[スズメ目]][[キクイタダキ科]][[キクイタダキ属]]の[[類]]の一[[ (分類学)|種]]である[[和名]]は、頭頂部に黄色い[[冠羽]]があるため'''[[キク|菊]]を戴く'''という意味から命名された<ref name="ひと目でわかる野鳥 (2010)、196頁">[[#ひと目でわかる野鳥|ひと目でわかる野鳥 (2010)、196頁]]</ref><ref name="野山の鳥 (2000)、94-95頁">[[#野山の鳥|野山の鳥 (2000)、94-95頁]]</ref>


== 分布 ==
体長10センチぐらい、体重3~5[[グラム|g]]の小型の鳥で、日本国内では最小の鳥である(世界最小は[[ハチドリ]]の一種)。小さい為、[[カマキリ]]などに捕食されることもある。
[[ファイル:Regulus regulus map.png|thumb|220px|left|{{legend0|#FFFF00|繁殖地|border=solid 1px black}} {{legend0|#00FF00|周年生息地|border=solid 1px black}} {{legend0|#00FFFF|越冬地|border=solid 1px black}}]]
[[砂漠]]地帯を除く[[ユーラシア大陸]]の高[[緯度]]から中緯度の地域に広く分布する<ref name="ひと目でわかる野鳥 (2010)、196頁" /><ref>{{Cite web |url=http://maps.iucnredlist.org/map.html?id=160032427 |title=Species range of ''Regulus regulus'' |publisher=IUCN |accessdate=2012-12-15 |language=英語}}</ref><ref name="birdlife">{{Cite web |url=http://www.birdlife.org/datazone/speciesfactsheet.php?id=32427 |title=Goldcrest ''Regulus regulus'' |publisher=バードライフ・インターナショナル |language=英語 |accessdate=2012-12-15}}</ref>。総個体数はおよそ8,000万から2億羽、生息域は1,320万 [[平方キロメートル|km<sup>2</sup>]]と推定されている<ref name="birdlife" />。


[[日本]]では、[[北海道]]と[[本州]]中部以北([[留鳥]]または[[漂鳥]])で繁殖し、本州中部以南の[[西日本]]には一部が越冬のために飛来する<ref name="ひと目でわかる野鳥 (2010)、196頁" /><ref name="山溪ハンディ図鑑7 日本の野鳥 (2006)、504頁">[[#山溪ハンディ図鑑7日本の野鳥|山溪ハンディ図鑑7 日本の野鳥 (2006)、504頁]]</ref>。
鳴き声は「ツツツツティーツィツィ」。

== 形態 ==
全長が約10 [[センチメートル|cm]]<ref name="ひと目でわかる野鳥 (2010)、196頁" /><ref name="山溪ハンディ図鑑7 日本の野鳥 (2006)、504頁" />、[[翼幅|翼開長]]が約15 cm<ref name="ひと目でわかる野鳥 (2010)、196頁" />、体重3-5 [[グラム|g]]の小型の鳥で、日本国内では最小の鳥の一種である<ref name="ひと目でわかる野鳥 (2010)、196頁" />。世界最小は[[ハチドリ]]の一種で、小さい為[[カマキリ]]などに捕食されることもある。頭頂の縁が黒色で中央が黄色い部分があるのが特徴で、その中央部の内側に赤い斑がある<ref name="山溪ハンディ図鑑7 日本の野鳥 (2006)、504頁" />。雌雄ほぼ同色だが、メスにはこの赤い斑がない<ref name="ひと目でわかる野鳥 (2010)、196頁" />。頭部以外の上面は全体に[[オリーブ色]]で、目の回りは白っぽく、嘴と足は黒褐色。嘴は小さくて細い<ref name="野山の鳥 (2000)、94-95頁" />。翼の雨覆に黒と白の模様がある。
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ファイル:Regulus regulus japonensis head.JPG|頭部の頂きに黄色い小菊を載せたように見える
ファイル:Regulus regulus japonensis lower.JPG|下面
ファイル:Regulus regulus japonensis back.JPG|上面
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== 生態 ==
春と夏に[[亜高山帯針葉樹林|亜高山帯]]から[[山地]]にかけての[[針葉樹林]]に生息し、秋に低地や暖地に移動し<ref name="ひと目でわかる野鳥 (2010)、196頁" /><ref name="山溪ハンディ図鑑7 日本の野鳥 (2006)、504頁" />、冬に針葉樹の多い公園や[[里山]]などでも見られる<ref name="野山の鳥 (2000)、94-95頁" />。高山にも少数が生息する<ref name="野山の鳥 (2000)、94-95頁" />。非繁殖期には小群れで行動し、[[ヒガラ]]などの[[カラ類]]と混群することがある<ref name="ひと目でわかる野鳥 (2010)、196頁" /><ref name="山溪ハンディ図鑑7 日本の野鳥 (2006)、504頁" />。針葉樹で忙しく動き回り、[[ガ|蛾]]の[[幼虫]]、[[昆虫]]、[[クモ|クモ類]]などを捕食する<ref name="ひと目でわかる野鳥 (2010)、196頁" /><ref name="山溪ハンディ図鑑7 日本の野鳥 (2006)、504頁" />。[[空中浮揚|ホバリング]]して枝先の虫を捕食することもある<ref name="ひと目でわかる野鳥 (2010)、196頁" />。水浴びをする以外は樹の上で生活し<ref name="山溪ハンディ図鑑7 日本の野鳥 (2006)、504頁" />、小枝の間に[[ハンモック]]状の[[巣]]を作る<ref name="ひと目でわかる野鳥 (2010)、196頁" />。鳴き声を[[片仮名]]表記すると「ツツツツティーツィツィ」に近い。
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Regulus regulus japonensis in flight.JPG|[[空中浮揚|ホバリング]]して枝先の虫を捕食する
Regulus regulus regulus MHNT.ZOO.2010.11.207.jpg|卵
ファイル:Goldcrest eggs - Natural History Museum of London-2.jpg|卵の大きさ比較(左:[[ニワトリ]]、中:[[コキンメフクロウ]]、右:キクイタダキ)
A Natural History of the Nests and Eggs of British Birds -Goldcrest -plate 132-cropped.jpg|[[ハンモック]]状の[[巣]](スケッチ)
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== 人間との関係 ==
ヨーロッパの[[伝説]]や[[民間伝承]]において、本種はしばしば鳥の王とされる。学名の属名および種小名の ''Regulus'' も[[ラテン語]]で「小さな王」という意味である。その理由は頭頂部の黄色い[[冠羽]]があたかも[[王冠]]を冠っているようだから、とされたりもするが、{{要出典範囲|date=2013年1月|[[キリスト教]]布教以前の[[民間信仰]]により、古くから「鳥の王」とされてきたのは[[ミソサザイ]]であり、キリスト教布教によりいつしかその辺が曖昧になって混同されたのが実際の理由のようである。}}

[[ルクセンブルク]]では、[[国鳥]]に指定されている<ref>{{Cite web |url=http://www.suntory.co.jp/eco/birds/encyclopedia/24.html |title=キクイタダキ |publisher=[[サントリー]] |accessdate=2012-12-15}}</ref>。


国字では「鶎」(宗に鳥)と書く。
国字では「鶎」(宗に鳥)と書く。


== Sibley分類体系上の位置 ==
== Sibley分類体系上の位置 ==

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{{Sibley
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}}
== 人間との関係 ==
ヨーロッパの[[伝説]]や[[民間伝承]]において、本種はしばしば鳥の王とされる。学名の属名および種小名の ''Regulus'' も[[ラテン語]]で「小さな王」という意味である。その理由は頭頂部の黄色い[[冠羽]]があたかも[[王冠]]を冠っているようだから、とされたりもするが、[[キリスト教]]布教以前の[[民間信仰]]により、古くから「鳥の王」とされてきたのは[[ミソサザイ]]であり、キリスト教布教によりいつしかその辺が曖昧になって混同されたのが実際の理由のようである。


== 分類 ==
[[ルクセンブルク]]では、[[国鳥]]とされている。
[[ファイル:Regulus regulus japonensis.JPG|サムネイル|右|日本に生息する亜種キクイタダキ ''Regulus regulus japonensis'']]
最初本種は[[カール・フォン・リンネ]]により[[セキレイ科]][[セキレイ|セキレイ属]]の種(''Motacilla regulus'')とされていた。従来{{いつ|date=2013年01月}}<!-- See [[WP:DATED]] -->[[ウグイス科]]に分類されていたが<ref name="ひと目でわかる野鳥 (2010)、196頁" /><ref name="山溪ハンディ図鑑7 日本の野鳥 (2006)、504頁" />、現在{{いつ|date=2013年01月}}<!-- See [[WP:DATED]] -->はキクイタダキ科キクイタダキ属に分類されている<ref name="worldbirdnames">{{Cite web |url=http://www.worldbirdnames.org/n-sugarbirds.html |title=IOC World Bird List 3.2 (Sugarbirds, starlings, thrushes) |publisher=[[国際鳥類学会議|国際鳥類学会議(IOC)]] |language=英語 |accessdate=2012-12-15}}</ref>。以下の[[亜種]]に分類されている<ref name="worldbirdnames" /><ref name="avibase">{{Cite web |url=http://avibase.bsc-eoc.org/species.jsp?lang=EN&avibaseid=A7CC62D6BD333F25 |title=Goldcrest (''Regulus regulus'') (Linnaeus, 1758) |publisher=[[バードライフ・インターナショナル]] |language=英語 |accessdate=2012-12-15}}</ref><ref>{{cite journal |last=Vaurie |first=Charles |year=1954 |title=Systematic notes on Palearctic birds. No. 8, Sylviinae, the genus ''Regulus'' |journal=American Museum Novitates |volume=1684 |pages=1–9 |id ={{hdl|2246/4955}} |doi= |language=英語}}</ref>。日本に生息している種は、''R. regulus japonensis''である。
* ''R. r. azoricus'' {{AU|Seebohm}}, 1883 - [[アゾレス諸島]]の[[サンミゲル島]]のみに生息する。
* ''R. r. buturlini'' {{AU|Loudon}}, 1911 - 東ヨーロッパ、[[コーカサス]]、中央アジアで繁殖する。基亜種よりも淡い色で、オリーブ色が灰色がかった緑である。
* ''R. r. coatsi'' {{AU|Sushkin}}, 1904 - [[ロシア]]、[[中央アジア]]で繁殖する。基亜種よりも淡い色である。
* ''R. r. ellenthalerae'' {{AU|Päckert}}, Dietzen, Martens, J, Wink & Kvist, 2006 - [[カナリア諸島]]の[[ラ・パルマ島]]と[[エル・イエロ島]]に生息する。
* ''R. r. himalayensis'' [[:en:Charles Lucien Bonaparte|Bonaparte]], 1856 - [[ヒマラヤ山脈]]で繁殖する。基亜種に似ているが、上部がより淡く、下部がより白っぽい。
* ''R. r. hyrcanus'' {{AU|Zarudny}}, 1910 - [[イラン]]のみで繁殖する。亜種(''R. r. buturlini'')に似ているが、より暗い色合いである。
* ''R. r. inermis'' {{AU|Murphy}} & {{AU|Chapin}}, 1929 - アゾレス諸島の[[フローレス島 (ポルトガル)]]、[[ファイアル島]]、[[テルセイラ島]]、[[サンジョルジェ島]]、[[ピコ島]]に生息する。
* ''R. r. japonensis'' {{AU|Blakiston}}, 1862 - 亜種'''キクイタダキ'''、日本、[[韓国]]、[[中国]]、[[シベリア]] の[[東アジア]]で繁殖する。基亜種よりも緑色がかっている。次列風切と三列風切の先端は白い<ref name="山溪ハンディ図鑑7 日本の野鳥 (2006)、504頁" />。
* ''R. r. regulus'' (Linnaeus, 1758) - 基亜種、[[ヨーロッパ]]の多くの地域で繁殖する。
* ''R. r. sanctaemariae'' {{AU|Vaurie}}, 1954 - [[サンタマリア島]]のみに生息する。
* ''R. r. sikkimensis'' {{AU|Meinertzhagen R.}} & {{AU|Meinertzhagen A.}}, 1926 - [[インド]]と中国で繁殖する。基亜種よりも緑色がかっている。
* ''R. r. teneriffae'' Seebohm, 1883 -[[テネリフェ島]]とカナリア諸島とのみに生息する。
* ''R. r. tristis'' {{AU|Pleske}}, 1892 - 中国と中央アジアで繁殖し、[[アフガニスタン]]北部で越冬する。雄の頭部の黄色が他の亜種よりも濃い。
* ''R. r. yunnanensis'' {{AU|Rippon}}, 1906 - ヒマラヤ山脈東部、[[ブータン]]、中国で繁殖する。亜種(''R. r. sikkimensis'')に似ているが、全体により暗い色合いである。

== 種の保全状況評価 ==
個体数は減少傾向にあり[[国際自然保護連合]](IUCN)により、2008年から[[レッドリスト]]の[[軽度懸念]](LC)の指定を受けている<ref name="IUCN" />。

日本では以下の[[都道府県]]でレッドリストの指定を受けている<ref name="jpnrdb">{{Cite web |url=http://jpnrdb.com/search.php?mode=map&q=02180130374 |title=日本のレッドデータ検索システム「キクイタダキ」 |publisher=(エンビジョン環境保全事務局)|accessdate=2012-12-13}} - 「都道府県指定状況を一覧表で表示」をクリックすると、出典元の各都道府県のレッドデータブックのカテゴリー名が一覧表示される。</ref>。
* 絶滅危惧IB類 - [[三重県]](越冬する個体数が激減している。)<ref>{{Cite web |url=http://www.eco.pref.mie.lg.jp/rdb/pages/asp/detail.asp?detailid=1366 |title=三重県レッドデータブック2005・キクイタダキ |publisher=三重県 |date=2005 |accessdate=2012-12-15}}</ref>
* 絶滅危惧II類 - [[長崎県]]
** 絶滅危惧種 - [[奈良県]]([[環境省]]の絶滅危惧II類相当)
* 準絶滅危惧 - [[山形県]]、[[東京都]](北多摩、南多摩、西多摩)、[[鳥取県]](松林などの減少で越冬する個体数が減少している。)<ref>{{Cite web |url=http://www.pref.tottori.lg.jp/secure/311860/www_pref_tottori_lg_jp_secure_281886_a-08.pdf |title=レッドデータブックとっとり (動物) |publisher=鳥取県 |format=PDF |pages=73 |date=2002 |accessdate=2012-12-15}}</ref>
** 希少種 - [[滋賀県]](環境省の準絶滅危惧相当)
* 減少種(繁殖期) - [[神奈川県]]

== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
{{reflist}}

== 参考文献 ==
* {{Cite book|和書 |author=高木清和 |date=2000-08 |title=フィールドのための野鳥図鑑-野山の鳥 |publisher=[[山と渓谷|山と溪谷社]] |isbn=4635063313 |ref=野山の鳥}}
* {{Cite book|和書 |author=叶内拓哉、安部直哉 |date=2006-10-01 |title=山溪ハンディ図鑑7 日本の野鳥 |publisher=山と溪谷社 |isbn=4635070077 |edition=第2版 |ref=山溪ハンディ図鑑7日本の野鳥}}
* {{Cite book|和書 |editor=中川雄三(監修) |date=2010-01 |title=ひと目でわかる野鳥 |publisher=成美堂出版 |isbn=978-4415305325 |ref=ひと目でわかる野鳥}}

== 関連項目 ==
* [[日本の野鳥一覧]]

== 外部リンク ==
{{Commons&cat|Regulus regulus|Regulus regulus}}
{{Wikispecies|Regulus regulus}}
* [http://www.birdfan.net/pg/kind/ord17/fam1713/spe171325/ キクイタダキ] ([[日本野鳥の会]])


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2013年1月23日 (水) 11:22時点における版

キクイタダキ
キクイタダキ
キクイタダキ Regulus regulus
保全状況評価[1]
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 鳥綱 Aves
: スズメ目 Passeriformes
: キクイタダキ科 Regulidae
: キクイタダキ属 Regulus
: キクイタダキ R. regulus
学名
Regulus regulus (Linnaeus, 1758)
シノニム

Motacilla Regulus (Protonym)[2]

和名
キクイタダキ
英名
Goldcrest
亜種

キクイタダキ(菊戴、学名:Regulus regulus)は、スズメ目キクイタダキ科キクイタダキ属鳥類の一である。和名は、頭頂部に黄色い冠羽があるためを戴くという意味から命名された[3][4]

分布

     繁殖地      周年生息地      越冬地

砂漠地帯を除くユーラシア大陸の高緯度から中緯度の地域に広く分布する[3][5][6]。総個体数はおよそ8,000万から2億羽、生息域は1,320万 km2と推定されている[6]

日本では、北海道本州中部以北(留鳥または漂鳥)で繁殖し、本州中部以南の西日本には一部が越冬のために飛来する[3][7]

形態

全長が約10 cm[3][7]翼開長が約15 cm[3]、体重3-5 gの小型の鳥で、日本国内では最小の鳥の一種である[3]。世界最小はハチドリの一種で、小さい為カマキリなどに捕食されることもある。頭頂の縁が黒色で中央が黄色い部分があるのが特徴で、その中央部の内側に赤い斑がある[7]。雌雄ほぼ同色だが、メスにはこの赤い斑がない[3]。頭部以外の上面は全体にオリーブ色で、目の回りは白っぽく、嘴と足は黒褐色。嘴は小さくて細い[4]。翼の雨覆に黒と白の模様がある。

生態

春と夏に亜高山帯から山地にかけての針葉樹林に生息し、秋に低地や暖地に移動し[3][7]、冬に針葉樹の多い公園や里山などでも見られる[4]。高山にも少数が生息する[4]。非繁殖期には小群れで行動し、ヒガラなどのカラ類と混群することがある[3][7]。針葉樹で忙しく動き回り、幼虫昆虫クモ類などを捕食する[3][7]ホバリングして枝先の虫を捕食することもある[3]。水浴びをする以外は樹の上で生活し[7]、小枝の間にハンモック状のを作る[3]。鳴き声を片仮名表記すると「ツツツツティーツィツィ」に近い。

人間との関係

ヨーロッパの伝説民間伝承において、本種はしばしば鳥の王とされる。学名の属名および種小名の Regulusラテン語で「小さな王」という意味である。その理由は頭頂部の黄色い冠羽があたかも王冠を冠っているようだから、とされたりもするが、キリスト教布教以前の民間信仰により、古くから「鳥の王」とされてきたのはミソサザイであり、キリスト教布教によりいつしかその辺が曖昧になって混同されたのが実際の理由のようである。[要出典]

ルクセンブルクでは、国鳥に指定されている[8]

国字では「鶎」(宗に鳥)と書く。

Sibley分類体系上の位置

シブリー・アールキスト鳥類分類
ウグイス上科 Sylvioidea

分類

日本に生息する亜種キクイタダキ Regulus regulus japonensis

最初本種はカール・フォン・リンネによりセキレイ科セキレイ属の種(Motacilla regulus)とされていた。従来[いつ?]エラー: 「2013年01月」は認識しません。「yyyy年m月」形式で記入してください。間違えて「date=」を「data=」等と記入していないかも確認してください。ウグイス科に分類されていたが[3][7]、現在[いつ?]エラー: 「2013年01月」は認識しません。「yyyy年m月」形式で記入してください。間違えて「date=」を「data=」等と記入していないかも確認してください。はキクイタダキ科キクイタダキ属に分類されている[9]。以下の亜種に分類されている[9][2][10]。日本に生息している種は、R. regulus japonensisである。

種の保全状況評価

個体数は減少傾向にあり国際自然保護連合(IUCN)により、2008年からレッドリスト軽度懸念(LC)の指定を受けている[1]

日本では以下の都道府県でレッドリストの指定を受けている[11]

脚注

  1. ^ a b IUCN 2012.2 IUCN Red List of Threatened Species. Version 2012.2. (Regulus regulus)” (英語). IUCN. 2012年12月15日閲覧。
  2. ^ a b Goldcrest (Regulus regulus) (Linnaeus, 1758)” (英語). バードライフ・インターナショナル. 2012年12月15日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g h i j k l m ひと目でわかる野鳥 (2010)、196頁
  4. ^ a b c d 野山の鳥 (2000)、94-95頁
  5. ^ Species range of Regulus regulus” (英語). IUCN. 2012年12月15日閲覧。
  6. ^ a b Goldcrest Regulus regulus” (英語). バードライフ・インターナショナル. 2012年12月15日閲覧。
  7. ^ a b c d e f g h i 山溪ハンディ図鑑7 日本の野鳥 (2006)、504頁
  8. ^ キクイタダキ”. サントリー. 2012年12月15日閲覧。
  9. ^ a b IOC World Bird List 3.2 (Sugarbirds, starlings, thrushes)” (英語). 国際鳥類学会議(IOC). 2012年12月15日閲覧。
  10. ^ Vaurie, Charles (1954). “Systematic notes on Palearctic birds. No. 8, Sylviinae, the genus Regulus” (英語). American Museum Novitates 1684: 1–9. hdl:2246/4955. 
  11. ^ 日本のレッドデータ検索システム「キクイタダキ」”. (エンビジョン環境保全事務局). 2012年12月13日閲覧。 - 「都道府県指定状況を一覧表で表示」をクリックすると、出典元の各都道府県のレッドデータブックのカテゴリー名が一覧表示される。
  12. ^ 三重県レッドデータブック2005・キクイタダキ”. 三重県 (2005年). 2012年12月15日閲覧。
  13. ^ レッドデータブックとっとり (動物)” (PDF). 鳥取県. pp. 73 (2002年). 2012年12月15日閲覧。

参考文献

  • 高木清和『フィールドのための野鳥図鑑-野山の鳥』山と溪谷社、2000年8月。ISBN 4635063313 
  • 叶内拓哉、安部直哉『山溪ハンディ図鑑7 日本の野鳥』(第2版)山と溪谷社、2006年10月1日。ISBN 4635070077 
  • 中川雄三(監修) 編『ひと目でわかる野鳥』成美堂出版、2010年1月。ISBN 978-4415305325 

関連項目

外部リンク

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