恋愛バラエティ番組
恋愛バラエティ番組(れんあいバラエティばんぐみ)、または恋愛リアリティ番組(れんあいリアリティばんぐみ)とは、恋愛をテーマにしたバラエティ番組・リアリティ番組である。「恋愛リアリティショー」、略して「恋リア」とも呼ばれる。
変遷
[編集]日本の恋愛バラエティ番組は、1960年代頃、関西のテレビ局を中心に始まった[1]。1970〜1990年代にかけては主にローカル局やフジテレビ系列で放送されていたが、1990年代後期から2000年代に入ると、キー局でも放送されるようになった。その中でも『恋するハニカミ!』(TBS系列)と『恋愛観察バラエティー あいのり』(フジテレビ系列)の2番組は、安定した視聴率と高い人気を誇っていた[2]。1990年代前半には、他人の壮絶で悲惨な恋愛体験を見せる「人の不幸は蜜の味路線」の番組が多かったが[3]、1990年代後半になると、恋愛のプロセスをドキュメントタッチで描く「ドキュメント路線」や、良い恋愛をするためのノウハウを紹介する「ハウツー路線」の番組が増加した[3]。
長寿番組であった『あいのり』が2009年に、『恋のから騒ぎ』が2011年に終了するなど、2000年代後半以降はテレビでの放送が減少した。しかし2010年代後半になると、テレビ離れの進行を背景に、低予算で制作可能なウェブ番組において再び活性化し、「恋愛リアリティショー戦国時代」とも呼ばれるようになった[4]。なかでも、フジテレビでの放送後にNetflixとFODでの配信へと移行し、テレビからネットへの橋渡し的存在となった『テラスハウス』(フジテレビ・Netflix)と、アメリカの番組のリメイクである『バチェラー・ジャパン』(Amazon Prime Video)の2作品が高い人気を獲得した[5]。さらに、『オオカミくんには騙されない』(AbemaTV)、『今日、好きになりました。』(AbemaTV)は、中高生を中心とした若年層をターゲットとし、同世代の俳優やモデルの卵を起用したことで、芸能界への登竜門としての役割も担うようになった[6][7]。
2020年代に入ると、玉石混淆となった恋愛リアリティの差別化が進み、『あいの里』(Netflix)では中年層、『ボーイフレンド』(Netflix)ではゲイ、『ラヴ上等』(Netflix)ではヤンキーといったように、従来の恋愛リアリティでは注目されにくかった多様な出演者を起用する傾向が見られるようになった。さらに、Netflix作品は世界各地へ同時配信されることから、日本国内にとどまらず、海外における視聴者層の拡大にも寄与した。
お笑いブームとの関係
[編集]業界で「お笑いブームの後に、恋愛バラエティ番組が増える」という法則がある。緊張した素人から、エピソードを引き出し笑いに繋げるのには、話術が必要である。「ネタ見せ」を終えたお笑い芸人達のステップアップの場が恋愛バラエティであり、その司会であるからだ[2]。
第1次お笑いブームと言われる「演芸ブーム」時代(昭和40年代)で笑福亭仁鶴、桂三枝、横山やすし・西川きよしなどが筆頭に『パンチDEデート』(関西テレビ)、『ラブアタック!』(テレビ朝日系列)など人気恋愛バラエティが誕生した[2]。その後1979年から1982年頃まで続いた漫才ブームが起き、この年代には余り恋愛バラエティは存在していないが、『キスだけじゃイヤッ!』(読売テレビ)の島田紳助、『恋のから騒ぎ』(日本テレビ)の明石家さんまがブレークした[2]。
1990年代に入ると、いわゆる「お笑い第3世代」のダウンタウン、ウッチャンナンチャン、とんねるずが登場。ダウンタウンは東京進出のきっかけとなった『恋々!!ときめき倶楽部』(日本テレビ)、ウッチャンナンチャンは時期は遅れたが『ウンナンのホントコ!』(TBS系列)の司会を務めた。とんねるずは「彼氏、彼女いない歴○年」等の言葉を作り出した『ねるとん紅鯨団』(関西テレビ)の司会を担当し、同番組が社会現象にまで発展すると、「時代の寵児」とまで言われ、人気芸人の仲間入りを果した[2]。
1999年頃から始まったお笑いブームでは、久本雅美とオセロの中島知子が『恋するハニカミ!』(TBS)、雨上がり決死隊が『アイチテル!』(TBS)、青木さやかが『恋愛部活』(日本テレビ系列)の司会を担当した[2]。このように、テレビ業界には欠かせないタレント達が、恋愛バラエティを通じて生み出されている。ただし、恋愛バラエティの司会を務めたお笑い芸人すべてが、残っているわけではないため、最終的には本人の実力次第ではある。同年には『あいのり』が放送を開始し、視聴者は素人のテレビ慣れしない言動を楽しむだけでなく、「感動」を求めるようになった。お笑い芸人はその雰囲気を和ませる役割になり、ハードルはさらに上ったと言える[2]。
不祥事と社会問題
[編集]2000年代に入りリアリティ化が進んだことで、作られたシナリオでは感じることのできない共感性から視聴者の好奇心を煽る一方、視聴者の「のぞき見」に応えるという性質上、SNSの発展した2000年代以降は出演者に誹謗中傷が集まりやすい構造となった[8]。アメリカでは2004年からの12年間で少なからず21人が番組にまつわる問題で自死したといわれる[8]。
また日本でも、2012年10月から2020年5月まで放送された人気番組『テラスハウス』にて、放送中に出演者がSNSでの誹謗中傷を原因に自死し、番組制作が打ち切りとなった(テラスハウス#事件と番組の打ち切りを参照)[9]。韓国でも同様に、2011年3月から2014年2月まで放送された人気番組『チャク』にて、撮影中に出演者が自死したことで、放送中止となった。
多くの恋愛リアリティ番組を手がけるABEMAは、日刊スポーツの取材に応じ、出演者の相談窓口を開設した上「作品によって独自のルールを設け、その中で出演者の意向を最重視した等身大のリアルを届けるようにする」と対策と演出の抑制を発表した[8]。
トルコでは友人を紹介する形式の人気のデート番組が問題視され、2017年4月に出された大統領命令で放送が禁止された[10]。
主な番組
[編集]日本
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1950年代
[編集]1960年代
[編集]1970年代
[編集]- パンチDEデート(関西テレビ)
- 新婚さんいらっしゃい!(朝日放送・テレビ朝日系列)
- プロポーズ大作戦(朝日放送)
- 仁鶴・きよしのただいま恋愛中(朝日放送)
- ラブアタック!(朝日放送)
- ラブラブダッシュ!(中部日本放送)
- ヒット'76〜'79(日本テレビ)
- カップル誕生(東京12チャンネル)
1980年代
[編集]- あつあつカップルいじわる大作戦(TBS系列)
- クイズでボーイハント(東京12)
- ねるとん紅鯨団(関西テレビ・フジテレビ系列)
- 三枝の愛ラブ!爆笑クリニック(関西テレビ・フジテレビ系列)
- 三枝の爆笑夫婦(日本テレビ)
- THE恋ピューター→三枝の恋ピューター(読売テレビ)
- 恋々!!ときめき倶楽部(日本テレビ)
1990年代
[編集]- 美女プリン(テレビ東京系列)
- ケンカの花道(フジテレビ)
- 男女8人恋愛ツアー!TOKIOのな・り・ゆ・き!!(フジテレビ)
- 恋愛観察バラエティー あいのり(フジテレビ)
- キスだけじゃイヤッ!(読売テレビ・日本テレビ系列)
- 恋のから騒ぎ(日本テレビ)
- 愛する二人別れる二人(フジテレビ)
- 江角マキコの恋愛の科学(フジテレビ)
- 恋愛の家庭教師(フジテレビ)
- ぷらちなロンドンブーツ(テレビ朝日)
- KISS・KISS(テレビ朝日系列)
- ねる様の踏み絵(TBS系列)
- とんねるずのカバチ(TBS系列)
- ウンナンのホントコ!(TBS系列)
- ウェディングベル(TBS系列)
- 合コン!合宿!解放区!(朝日放送)
- 恋ボーイ恋ガール(フジテレビ)
2000年代
[編集]- バスで恋して(テレビ神奈川・テレビ埼玉)
- ワカチュキ(日本テレビ系列)
- 芸恋リアル(日本テレビ系列)
- 恋愛部活(日本テレビ系列)
- 今夜はシャンパリーノ(日本テレビ系列)
- サバコン(日本テレビ系列)
- メンタルヌード(日本テレビ系列)
- マルバレ!(日本テレビ系列)
- 恋するハニカミ!(TBS) 激あま〜い(TBS)
- アイチテル!(TBS)
- 恋愛百景(テレビ朝日)
- 夫婦交換バラエティー ラブちぇん(メ〜テレ・テレビ朝日系列)
- ロンドンハーツ(テレビ朝日)
- 美しき青木・ド・ナウ(テレビ朝日)
- いきなり結婚生活(テレビ東京系列)
- 恋愛情報バラエティー・ウソか!?誠か!?(関西テレビ)
- 幸せさがしバラエティ 花モ、嵐モ!!(関西テレビ)
- 恋愛バラエティ ピンどん(関西テレビ)
- チュートリアルのチューして!(関西テレビ)
- プチ・マリッジ(フジテレビ)
- イケない女〜大逆転ランキング〜(GyaO)
- カンニングの恋愛中毒(GyaO)
- モテル・カルフォルニア(GyaO)
- PLAY!AWA'S 〜美と笑いの大お見せ合いパーティ〜(GyaO)
- シアワセ結婚相談所(日本テレビ)
- 鈴井の巣 presents n×u×k×i(北海道テレビ放送)
2010年代
[編集]- あいのり : Asian Jouney(Netflix)
- オオカミくんには騙されない(AbemaTV)
- オタ恋(AbemaTV・BS朝日)
- 今日、好きになりました(AbemaTV)
- グータンヌーボ(フジテレビ) ※2011年より合コンなどの企画が増加
- 恋する♥週末ホームステイ(AbemaTV)
- 恋するTV すごキュン(フジテレビ)
- 恋んトス(TBS)
- 妻と罰(TBS)
- テラスハウス(フジテレビ・Netflix)
- ちょこっとイイコト 〜岡村ほんこん♥しあわせプロジェクト〜(テレビ東京)
- ナイナイのお見合い大作戦!(TBS系列)
- バチェラー・ジャパン(Amazon Prime Video)
- もてもてナインティナイン(TBS系列)
- ラストキス〜最後にキスするデート(TBS)
- 恋愛観察バラエティー あいのり2(フジテレビTWO)
- 恋愛ドラマな恋がしたい(AbemaTV)
2020年代
[編集]- あいの里(Netflix)
- オフライン ラブ(Netflix)
- ガールオアレディ(ABEMA)
- シャッフルアイランド(ABEMA)
- 中居大輔と本田翼と夜な夜なラブ子さん(TBS)
- バチェロレッテ・ジャパン(Amazon Prime Video)
- ヒロミ・指原の“恋のお世話始めました”(テレビ朝日)[11]
- ボーイフレンド(Netflix)
- ラブキャッチャージャパン(ABEMA)
- ラブ トランジット(Amazon Prime Video)
- ラブパワーキングダム(ABEMA)
- ラヴ上等(Netflix)
世界
[編集]この節の加筆が望まれています。 |
- アー・ユー・ザ・ワン?(アメリカ)
- ザ・ジレンマ(イギリス)
- ジャージー・ショア(アメリカ)
- 脱出おひとり島(韓国)
- 乗り換え恋愛(韓国)
- ハートシグナル(韓国)
- バチェラー(アメリカ)
- バチェロレッテ(アメリカ)
- マッチングの神様(オーストラリア)
- ラブ・アイランド(イギリス)
- ラブ・イズ・ブラインド(アメリカ)
- ラブキャッチャー(韓国)
脚注
[編集]- ^ 広川峯啓 (2006年3月14日). “あの『あいのり』のルーツをたどってみると”. All About. 2006年5月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2026年2月13日閲覧。
- ^ a b c d e f g 「テレビお笑いふ!vol.1」(学習研究社)
- ^ a b 2006年10月号『日経エンタテインメント!』55頁、「増加・進化する恋愛バラエティの分類学」
- ^ 西山里緒 (2018年4月17日). “アベマ、ネトフリ、アマゾンが激突する「恋愛リアリティショー戦国時代」”. Business Insider Japan. 2018年9月7日閲覧。
- ^ 霜田明寛 (2025年9月11日). “リアリティショー化する社会 第4回 恋愛リアリティショーの変遷(1)”. 集英社新書プラス. 2026年2月13日閲覧。
- ^ “「オオカミ」シリーズ、新たな次世代スター登竜門に 出身者が続々飛躍”. モデルプレス (2020年8月2日). 2026年2月13日閲覧。
- ^ 重信綾 (2022年7月10日). “過去に生見愛瑠や竹内涼真の弟も参戦! 若者“恋リア”はネクストブレイクの登竜門!?”. ananweb. 2026年2月13日閲覧。
- ^ a b c 日刊スポーツ新聞社『日刊スポーツ』2020年6月21日関東6版26面
- ^ “フジ「テラスハウス」打ち切り 配信も停止、木村花さん死亡で”. 共同通信 (2020年5月27日). 2020年5月27日閲覧。
- ^ “トルコ、ウィキペディアとデート番組を禁止 公務員も大量解雇”. AFP (2017年5月1日). 2017年5月1日閲覧。
- ^ “指原莉乃「生々しかったです」連絡先交換OKの“芸能人合コン”をモニタリング”. DOGATCH (2020年10月29日). 2020年11月1日閲覧。