家なき娘

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索

家なき娘』(いえなきこ、いえなきむすめ、: En famille) は、フランスの作家エクトル・マロ作の児童文学小説。「家なき子」と並ぶ代表作である。『家なき少女』という書名での日本語訳も多数有る。なお、英語翻訳版の書名には Nobody's Girl のほか Adventure of Perrine がある。

概要[編集]

ペリーヌと祖父ヴュルフラン。ラノーによる挿絵より。

En famille[1][2]1893年刊行。

日本[編集]

1918年(大正7年)に五来素川により『雛燕』[3][4]という題名で日本で翻訳紹介され、いろいろな翻案が書かれた。例えば片岡鉄兵などは『あゝ故郷(こきょう)』という邦題で、宇野浩二などは『なつかしの故郷(ふるさと)』という邦題で翻訳している。また芝居や映画も製作され、戦後は朝日放送でラジオドラマにもなった。

日本アニメーション制作の『ペリーヌ物語』の原作。

あらすじ[編集]

馬車で母と共にギリシャから旅をして来たペリーヌという13歳の少女が、病弱の母をパリの宿泊地で貧しさのために失う。母の最後の言葉に従いパリを出て、様々な苦難の末、父の生家のある村へようやくたどり着く。しかし、祖父は大邸宅を構える工場主で、インド人の母を嫌い、おいそれとは名乗れない。まずはオーレリィと偽名を使って、工場に勤めることから始める。工場の相続を巡る陰謀が渦巻く中、母の遺言を守り希望を失わず、様々な困難や苦難を工夫をこらし特技を生かして乗り越え、仕事を祖父にも認められ、やがて題名 En famille のごとく暖かい「家庭の中」に入る。

登場人物[編集]

  • ペリーヌ・パンダヴォワーヌ(Perrine): 主人公の少女。
  • マリ・パンダヴォワーヌ(Marie Paindavoine): ペリーヌの母。インド人。旧姓ドレサニ(Doressany)。
  • エドモン・パンダヴォワーヌ(Edmond Vulfran Paindavoine): ペリーヌの父。
  • ヴュルフラン・パンダヴォワーヌ(Vulfran Paindavoine): ペリーヌの父方の祖父で三人兄妹の次男。マロークールで工場を経営する。
  • テオドール・パンダヴォワーヌ(Théodore Paindavoine):ヴュルフランの兄方の甥。
  • スタニスラス・パンダヴォワーヌ(Stanislas Paindavoine): ヴュルフランの兄でテオドールの父。
  • スタニスラス・パンダヴォワーヌ夫人(Mme Stanislas Paindavoine): スタニスラスの妻。
  • カジミール・ブルトヌー(Casimir Bretoneux): ヴュルフランの妹方の甥。
  • ブルトヌー夫人(Mme Bretoneux): ヴュルフランの妹でカジミールの母。
  • ロザリー(Rosalie): マロークール出身の少女。マロークールに向かうペリーヌと出会い意気投合する。
  • ゼノビー叔母(Tante Zénobie
  • フランソワーズお祖母様(Mère Françoise): ロザリーの祖母。
  • オメール(Omer): フランソワーズの兄。
  • ファブリ氏(M. Fabry)
  • ベンディット氏(M. Bendit)
  • モンブルー氏(M. Mombleux)
  • タルエル氏(M. Talouel)
  • オヌー(Oneux)
  • ライード(Laïde
  • ラ・ノワイェル(La Noyelle)
  • ジャック(Jacques)
  • パスカル(Pascal)
  • ブノワ(Benoist)
  • アヴリーヌ兄弟(MM Aveline Frères
  • ギョーム(Guillaume)
  • フェリックス(Félix
  • バスティアン(Bastien)
  • ラシェーズ夫人(Mme Lachaise)
  • ヴィルジニー嬢(Mlle Virginie)
  • ベローム嬢(Mlle Belhomme)
  • ラ・ティビュルス(La Tiburce)
  • ガトワイ神父(Père Gathoye
  • 手塩(Grain de Sel)
  • 侯爵夫人(La Marquise)
  • 鯉(La Carpe)
  • 飴売り(Le marchand de sucre)
  • ラ・ルクリ(La Rouquerie)
  • モノー(Monneau)
  • サンドリエ先生(Docteur Cendrier)
  • リュション先生(Docteur Ruchon)
  • フィルデス神父(Père Fildes
  • ルクレール神父(Père Leclerc
  • ラセール氏(M. Lasserre)
  • マッカーネス神父(Père Mackerness

邦訳・再話[編集]

  • 『家なき少女』須藤鐘一訳 春秋社 1925
  • 『家なき娘』三井信衛訳 金の星社 1925
  • 『家なき娘』菊池寛訳 文藝春秋社 1928
  • 『家なき娘 アンファミーユ』津田穣訳 岩波文庫 1941
  • 『家なき娘』北条誠著 ポプラ社 1950
  • 『家なき少女』吉屋信子著 あかね書房 1951
  • 『家なき娘』徳永寿美子著 三十書房 1952
  • 『家なき娘』水島あやめ 大日本雄弁会講談社 1951
  • 『家なき娘』堀寿子著 黎明社 1952
  • 『家なき娘』壺井栄編著 鶴書房 1953
  • 『家なき娘』西条八十著 偕成社 1953

注釈[編集]

  1. ^ Hector Malot (2004年11月16日). “En famille”. Free eBook. 2011年1月4日閲覧。
  2. ^ Hector Malot (2004年10月19日). “En famille”. Project Gutenberg. 2011年1月4日閲覧。
  3. ^ エクトール・マロ、五来素川(訳)、1918(大正7年)、『雛燕』、婦人之友社国立国会図書館 近代デジタルライブラリー
  4. ^ ばろん (2005年6月4日). “「雛燕」のテキスト”. バロンのきもち. 2011年1月4日閲覧。

外部リンク[編集]