大台ヶ原山
大台ヶ原山 | |
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桧塚奥峰山頂から撮影 | |
標高 | 1,694.9 m |
所在地 |
奈良県吉野郡上北山村、川上村、 三重県多気郡大台町 |
位置 | 北緯34度11分07秒 東経136度06分33秒 / 北緯34.18528度 東経136.10917度 |
山系 | 台高山脈 |
種類 | 隆起準平原 |
プロジェクト 山 |
大台ヶ原山(おおだいがはらやま)は奈良県吉野郡上北山村、同郡川上村および三重県多気郡大台町旧宮川村に跨って座す山。深田久弥によって「日本百名山」の一つとされている。日本百景、日本の秘境100選にも選ばれている。最高点の日出ヶ岳は標高1694.9 mで三重県の最高峰である。
概要
頂上が平坦な複数の山からなる東西5 kmほどの台地状の山塊が存在し、これを大台ヶ原(おおだいがはら)と言うこともある。このような頂上が平坦で周囲を傾斜が急な崖で囲まれている地形を隆起準平原というが、大台ヶ原は日本では珍しい隆起準平原の例である。
また大台ヶ原は世界的に見ても多雨地帯であり、これが植物や動物など生物の生育と分布に大きな影響を与えている。そのため吉野熊野国立公園のなかでも特に規制の厳しい特別保護地区に指定されている。日出ヶ岳の直下、正木嶺や正木ヶ原ではトウヒの立ち枯れと笹原が見られる。これは、1959年(昭和34年)に近畿地方を襲った伊勢湾台風がそれまで地表を覆っていた森林を破壊し、その木々が流出したことによりそれまで地面に自生していたコケ類が衰退、代わって、ササ類が繁茂し始めたためである。
その笹を主食とするニホンジカの数が増え、針葉樹の実生や樹皮までも採食するといった複合的な要因によって現在の環境に至っている。環境省ではシカが環境に与える影響が大きいとして個体数の調整(捕獲)を実施してきている[1]が、自然保護団体からは、シカと環境変化の因果関係は不明であり駆除を行うべきでないという意見も出ている[2]。
また、オオルリやコマドリ、コノハズクなどの野生生物の生息地として重要であるため、面積にして18,054 haが国指定大台山系鳥獣保護区(大規模生息地)に指定されている。うち1,403 haは特別保護地区である。
入山規制
上述のように森林の衰退が進んでいるため、環境省により2007年(平成19年)9月1日から西大台地区において入山規制が実施されている[3]。
入山するには、あらかじめ申し込んで有料の認定証を取得し、入山当日は大台ヶ原ビジターセンターで講義を受ける必要がある。なお、東大台地区は入山規制の対象外となっている。
1日あたり入山出来る人数
()内はゴールデンウィーク、お盆、紅葉シーズンにおける人数。
- 平日…30人(50人)
- 土日祝日…50人(100人)
生物
- オオダイガハラサンショウウオ
- アカゲラ
- ニホンジカ
- モリアオガエル
- アマゴ
アクセス
奈良県道40号大台ケ原公園川上線(大台ヶ原ドライブウェイ)
脚注
- ^ 大台ヶ原ニホンジカ保護管理計画 環境省近畿地方環境事務所、2011年2月20日閲覧。
- ^ 鹿と原生林との共生のために 大台ケ原・大峰の自然を守る会、2011年2月20日閲覧。
- ^ 吉野熊野国立公園大台ヶ原|西大台利用調整地区|利用調整地区とは 環境省近畿地方環境事務所、2011年2月20日閲覧。