喜撰
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喜撰(きせん)
- 平安時代の歌人。六歌仙の一。喜撰法師とも呼ぶ。本項で説明する。
- 「わが庵は都の辰巳しかぞ住む世を宇治山と人はいふなり」という喜撰の歌から、茶(宇治茶)の銘柄名。また茶の隠語。
- 『六歌仙容彩』の第三幕。
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/d/d0/Hyakuninisshu_008.jpg/220px-Hyakuninisshu_008.jpg)
喜撰(生没年不詳、伝不詳)は平安時代初期の僧・歌人。六歌仙の一。宇治山に住んでいた僧であるという事以外は不明で、下に掲げる二首の歌以外はなんら今日に伝えるところがない。なお、紀貫之の変名という説もある。古今和歌集仮名序には、「ことばかすかにしてはじめをはりたしかならず。いはば秋の月を見るに、暁の雲にあへるがごとし。詠める歌、多くきこえねば、かれこれをかよはしてよく知らず」と評されている。
歌学書『倭歌作式』(一名『喜撰式』)の作者とも伝えられるが、今日では平安後期の偽書(仮託書)と見られている。
『無名抄』によれば、宇治市の御室戸の奥に喜撰の住みかの跡があり、歌人必見であるという。今も喜撰洞という小さな洞窟が山腹に残る。
現在に伝わる詠歌は以下の二首のみ。