吉福伸逸

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吉福 伸逸(よしふく しんいち、1943年9月 - 2013年4月29日)は、翻訳家、セラピスト

岡山県倉敷市生まれ。1966年早稲田大学文学部西洋史学科中退後、ジャズプレーヤーとして嘱望され渡米、バークレー音楽院で学び、ジャズベーシストとして活動。音楽家として挫折後、米国西海岸を中心に花開いていたカウンターカルチャーの渦に身を投じ、1972年からカリフォルニア大学バークレー校サンスクリット語、東洋思想を学ぶ。74年帰国後、翻訳者となり、C+FコミュニケーションズC+F研究所を創設。1979年に、世界中のヒッピーのバイブルだったラム・ダスの『ビー・ヒア・ナウ』の翻訳を先導し刊行。1980年には、別冊宝島『精神世界マップ』を世にだし日本に「精神世界」を出現させるきっかけをつくった。スピリチュアルホーリズムトランスパーソナル心理学などを紹介し人気を博す。その後も、トランスパーソナル心理学をはじめとするカウンターカルチャーを源流とする文化を日本にもたらし、セラピストとしても多くの影響を与えた。2013年4月に逝去。70年の生涯であった[1]

1989年からハワイ在住。2013年4月29日、肝臓がんのため69歳で死去[2][3]

インドの神秘家Oshoについて、次のような印象を残している。「もしラジニーシからグルイズムを外したら、最高のニューエイジの実験場になったはずです。惜しかったと思う。(中略)けれども、ラジニーシのグループは、トランスパーソナル心理学、ニューサイエンス、ヒューマン・ポテンシャル・ムーブメント、ホリステッィク・ヘルス・ムーブメントに関連した宗教のなかで、唯一、もっともニューエイジ的な感性に近いグループであったということはいえると思います。それ以外に、あれだけの実験を提供してくれたグループはどこにもない。初期のエサレンのような活気が、プーナのラジニーシ・アシュラムにはあったんです。」[4]

著書[編集]

  • 『トランスパーソナルとは何か』 春秋社、1987年7月
  • 『無意識の探険 トランスパーソナル心理学最前線』 TBSブリタニカ、1988年1月
  • 『トランスパーソナル・セラピー入門』 平河出版社、1989年10月
  • 『生老病死の心理学』 春秋社、1990年7月
  • 『処女航海 変性意識の海原を行く』 青土社、1993年3月
  • 『トランスパーソナルとは何か』増補改訂版 新泉社、2005年1月
  • 『世界の中にありながら世界に属さない』 サンガ 2015年7月
  • 『静かなあたまと開かれたこころ』 吉福伸逸アンソロジー サンガ 2019年7月

共編著[編集]

翻訳[編集]

  • ババ・ラム・ダス、ラマ・ファウンデーション『ビー・ヒア・ナウ 心の扉をひらく本』 上野圭一共訳、エイプリル・ミュージック、1979年2月
  • フリッチョフ・カプラ『タオ自然学 現代物理学の先端から「東洋の世紀」がはじまる』 工作舎、1980年3月 ISBN 978-4-87502-108-7
  • フリッチョフ・カプラ『ターニング・ポイント 科学と経済・社会、心と身体、フェミニズムの将来』 工作舎、1984年11月
  • アン・バンクロフト『20世紀の神秘思想家たち アイデンティティの探求』 平河出版社、1984年3月 (Mind books)
  • ケン・ウィルバー『意識のスペクトル 1-2』菅靖彦共訳、春秋社、1985年
  • ピーター・ラッセル『グローバル・ブレイン 情報ネットワーク社会と人間の課題』 工作舎、1985年6月
  • シャーリーン・スプレットナク、フリッチョフ・カプラ『グリーン・ポリティックス』 青土社、1986年5月
  • ケネス・ペレティエ『意識の科学 ホリスティックなヒーリングへの道』 スワミ・プレム・プラブッダ共訳、工作舎、1986年10月 ISBN 978-4-87502-125-4
  • ケン・ウィルバー『無境界 自己成長のセラピー論』 平河出版社、1986年6月
  • ケン・ウィルバー『アートマン・プロジェクト 精神発達のトランスパーソナル理論』 プラブッダ・菅靖彦共訳、春秋社、1986年6月
  • ロジャー・N.ウォルシュ、フランシス・ヴォーン編『トランスパーソナル宣言 自我を超えて』 春秋社、1986年10月
  • ケン・ウィルバー『眼には眼を 三つの眼による知の様式と対象域の地平』 青土社、1987年4月
  • ケン・ウィルバー『量子の公案 現代物理学のリーダーたちの神秘観』 田中三彦共訳、工作舎、1987年8月 ISBN 978-4-87502-137-7
  • スタニスラフ・グロフ編『個を超えるパラダイム 古代の叡智と現代科学』 平河出版社、1987年7月
  • ウィリアム・アーウィン・トンプソン『パシフィック・シフト 文化生態圏の転換』 春秋社、1987年12月
  • アーノルド・ミッチェル『パラダイム・シフト 価値とライフスタイルの変動期を捉えるVALS類型論』 ティビーエス・ブリタニカ、1987年10月
  • グレゴリー・ベイトソン、メアリー・キャサリン・ベイトソン『天使のおそれ 聖なるもののエピステモロジー』 星川淳共訳、青土社、1988年5月
  • スタニスラフ・グロフ『自己発見の冒険 1』 菅靖彦共訳、春秋社、1988年1月
  • フリッチョフ・カプラ『非常の知 カプラ対話篇』 工作舎、1988年11月 ISBN 978-4-87502-148-3
  • スタニスラフ・グロフ『脳を超えて』 春秋社、1988年7月
  • リッキー・リビングストン『聖なる愚か者 ゲシュタルトワークの新地平 内なる道化と人生の創造性』 アニマ2001、1989年6月
  • ベンジャミン・ホフ『タオのプーさん』 松下みさを共訳、平河出版社、1989年10月。 『クマのプーさんの「のんびり」タオ』 講談社+α文庫
  • 『オルタナティヴ・ヴィジョン 新たな価値体系の思潮』 阿含宗総本山出版局、1989年5月
  • フリッチョフ・カプラ『新ターニング・ポイント ポストバブルの指針』 工作舎、1995年4月 ISBN 978-4-87502-249-7

雑誌[編集]

関連文献[編集]

  • 『吉福伸逸の言葉』トランスパーソナル心理学を超えて追及した真のセラピーとは? 向後善之∔ ウォン・ウィンツァン+ 新倉佳久子+ 新海正彦・著 2015年5月 コスモスライブラリー
  • 『仏に逢うては仏を殺せ:吉福伸逸とニューエイジの魂の旅』稲葉小太郎著 2021年4月 工作舎 ISBN 978-4-87502-526-9

出典[編集]

  1. ^ 『静かなあたまと開かれたこころ』 吉福伸逸アンソロジー サンガ 2019年7月
  2. ^ 吉福伸逸氏の死を悼む”. 伝えたい!いのちの意味 - 岡野守也の公開授業+α. Gooブログ (2013年5月2日). 2018年4月17日閲覧。
  3. ^ 黄永賛 (2013年5月25日). “〈最後の禅問答 - 吉福伸逸氏との別れに〉”. Walking Shoes. exciteブログ. 2018年4月17日閲覧。
  4. ^ 『トランスパーソナルとは何か』 春秋社、1987年7月---p58