伊良部大橋

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Camera-photo Upload.svg 画像提供依頼:開通後の橋梁写真の画像提供をお願いします。2015年2月
伊良部大橋
Miyako irabu ohashi 2014 1.jpg
工事中の伊良部大橋 - 宮古島 伊良部大橋見学ステーションから(2014年8月)
基本情報
日本の旗 日本
所在地 沖縄県宮古島市
交差物件 東シナ海
座標 北緯24度47分57秒 東経125度14分00秒 / 北緯24.79917度 東経125.23333度 / 24.79917; 125.23333座標: 北緯24度47分57秒 東経125度14分00秒 / 北緯24.79917度 東経125.23333度 / 24.79917; 125.23333
構造諸元
形式 一般部:PC連続箱桁橋
主航路部:鋼床版箱桁橋[1]
全長 3,540m(本橋部)[1]
8.5m
高さ 27m
最大支間長 180m
地図
伊良部大橋の位置(南西諸島内)
伊良部大橋
関連項目
橋の一覧 - 各国の橋 - 橋の形式
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Japanese Route Sign Number 2.svgJapanese Route Sign Number 5.svgJapanese Route Sign Number 2.svg
沖縄県道252号標識
工事中の伊良部大橋 - 伊良部島 牧山展望台から(2014年8月)
着工前には架橋を要請する看板が見られた - 下地島(2005年2月)

伊良部大橋(いらぶおおはし)は、沖縄県宮古島市宮古島伊良部島とを結ぶである。2006年(平成18年)3月18日に起工し、2015年(平成27年)1月31日16時に供用開始された[2]。全長3,540mで、新北九州空港連絡橋(全長2,100m)を上回り、通行料金を徴収しない橋としては日本最長である[3][4][5]。総事業費は380億円[6]

概要[編集]

宮古島の平良港トゥリバー地区と伊良部島東南部の長山の浜近辺を結ぶ橋で、沖縄県道252号平良下地島空港線の一部である[7][8]

橋梁の構造は一般部がPC連続箱桁橋、主航路部が鋼床版箱桁橋とされ、本橋部分の全長は3,540mに及ぶ。また、取付道路は2,960mで、伊良部島側取付道路の一部は2箇所で計600mの海中道路とされている[9]。本橋部分と取付道路を合計すると、全長は6,500mとなる。

橋梁の幅員は8.5mで[1]、幅3mの片側1車線道路の両側に幅1.25mの路肩が設けられる[10]。主航路部は船舶の通航のため、支間長180m[10]、クリアランス27m[7]とされる。

伊良部大橋の開通により、観光の促進や流通コストの削減が見込まれる[2]。また、宮古島の地下ダムから農業用水や生活用水が大橋に併設された導水管を通って供給されるため、水道のコストも削減される[2]

橋の中央部は一般車両駐停車禁止となっているが、観光客や住民が日常的に車を停めて写真を撮影している。2017年9月には橋の中央付近に駐車し、ふざけて欄干を越えた男性が誤って海に転落する、この橋で初めての死亡事故が発生しており、宮古島警察署などでは対策を協議している[11][12]

諸元[編集]

諸元は以下の通り[10]

  • 規格:第3種3級
  • 橋種:一般部:PC連続箱桁橋、主航路部:鋼床版箱桁橋
  • 橋長:3,540m
  • 設計速度:60km/h
  • クリアランス
    • 長山水路:W=115.0m、H=27.0m(貨物船2000DWT対象)
    • 久松水路:W=30.0m、H=7.6m(漁船10GT対象)

交通[編集]

橋の開通前に伊良部島内で路線バスを運行していた共和バスが、橋の開通に伴い路線を宮古島まで延長して、伊良部島佐良浜港 - 宮古島平良港間で路線バスを運行している[13]

一方、宮古フェリー及びはやてによって運航されていた平良港と佐良浜港を結ぶ一般旅客定期航路は、伊良部大橋開通に伴い廃止された[14]。伊良部大橋の開通後、はやてはクルーズ船「モンブラン」を購入し、伊良部大橋周辺等で遊覧船事業を行っている[15][16]

沿革[編集]

  • 1974年(昭和49年) - 旧伊良部村による架橋要請活動開始[17]
  • 1992年(平成4年) - 基礎調査開始。
  • 1997年(平成9年) - 架橋友の会結成[9]
  • 1999年(平成11年) - 国の予算に架橋調査費300万円が計上される[9]
  • 2001年(平成13年) - 平良下地島空港線が沖縄県道252号に認定。
  • 2006年(平成18年)3月 - 起工式。
  • 2010年(平成22年) 5月23日 - 上部工セグメント架設延長が1,000mに到達し、達成記念式を開催[18]
  • 2011年(平成23年)5月 - 伊良部大橋見学ステーションが開館[19]
  • 2012年(平成24年)4月 - 宮古島側及び伊良部島側の主航路部の箱桁架設[19]
  • 2013年(平成25年)4月 - 中央部の箱桁架設[19]
  • 2014年(平成26年)6月30日 - 上部工セグメント最終生コン打設式[20]
  • 2014年(平成26年)9月9日 - 連結式開催[21]
  • 2015年(平成27年)1月31日 - 開通[5]

工事[編集]

本橋梁は、2006年(平成18年)3月に工事に着工。当初計画では2013年(平成25年)3月の完成を予定していた[22]

当初、主航路部は鋼中路アーチ橋を計画していたが、2007年(平成19年)に行われた耐風検討委員会の風洞実験で耐久性に問題があることが判明した[7]。主航路部橋種検討委員会にて再検討した結果、2008年(平成20年)に鋼床版箱桁橋に変更した[7]。同部分の実施設計が1年遅れたため、完成は当初計画から1年遅れの2014年(平成26年)3月となった[22]

2010年(平成22年)7月13日、海中道路部で整地作業をしていたパワーショベルが操縦を誤り海中に転落する事故が発生し、操縦士が軽傷を負った[23]

2012年(平成24年)6月、主航路部の中央径間を架設するための大型起重機船(フローティング・クレーン)が台風の影響を避けるために兵庫県の母港へ帰港、気象条件から宮古島に再度呼び戻すのは2013年(平成25年)4月ごろになる見込みとなった[24]。このため、完成はさらに10か月ほど遅れ、2015年(平成27年)1月ごろ[2]となった。

2014年(平成26年)9月9日、伊良部島側と宮古島側がつながる「連結式」が行われた[21]

2015年(平成27年)1月31日、約9年の歳月をかけて建設された伊良部大橋が開通した[5]

脚注[編集]

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  1. ^ a b c 伊良部大橋の概要”. 沖縄県 (2013年4月10日). 2014年7月9日閲覧。
  2. ^ a b c d “宮古島ともうすぐ一つに/伊良部大橋 来年1月開通まで1年切る”. 宮古毎日新聞 (宮古毎日新聞社). (2014年2月28日). http://www.miyakomainichi.com/2014/02/60315/ 2014年7月10日閲覧。 
  3. ^ “伊良部大橋 来年1月開通 県内最長3540メートル”. 沖縄タイムス (沖縄タイムス社). (2010年7月4日). オリジナル2010年7月14日時点によるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20140714225515/http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=75320 2014年7月10日閲覧。 
  4. ^ “住民、開通楽しみに 伊良部大橋で架設作業”. 琉球新報 (琉球新報社). (2013年4月17日). http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-205425-storytopic-1.html 2014年7月10日閲覧。 
  5. ^ a b c “無料通行で日本一長~い!伊良部大橋開通…沖縄”. YOMIURI ONLINE (読売新聞社). (2015年1月31日). オリジナル2015年1月31日時点によるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20150131141203/http://www.yomiuri.co.jp/national/20150131-OYT1T50116.html 2015年1月31日閲覧。 
  6. ^ “伊良部大橋、2年後に開通 4月に中央部架設/総事業費380億円、執行率89・6%(340億円)”. 宮古毎日新聞 (宮古毎日新聞社). (2013年1月1日). http://www.miyakomainichi.com/2013/01/44309/ 2014年7月10日閲覧。 
  7. ^ a b c d 宜保勝、渡久山直樹「伊良部大橋の概要と技術的特徴 (PDF) 」 、『建設情報誌しまたてぃ』第51号、一般社団法人 沖縄しまたて協会、2009年10月、 18-22頁、2014年7月10日閲覧。
  8. ^ “新しい時代の幕開け/伊良部大橋が開通 親子三世代先頭に渡り初め”. 宮古毎日新聞 (宮古毎日新聞社). (2015年2月1日). http://www.miyakomainichi.com/2015/02/72206/ 2015年2月1日閲覧。 
  9. ^ a b c 247億円投じる/伊良部大橋、着工から5年 宮古毎日新聞、2011年1月1日
  10. ^ a b c 事業経緯 宮古島&伊良部島航空写真 事業経緯”. 沖縄県 (2012年8月20日). 2014年7月10日閲覧。
  11. ^ 日頃から撮影スポット 伊良部大橋の転落死、再発防止を検討 沖縄タイムス、2017年9月5日、2017年9月6日閲覧
  12. ^ プロポーズ直後だった… 伊良部大橋から転落死 沖縄タイムス、2017年9月5日、2017年9月6日閲覧
  13. ^ “バス路線2月から新路線開始 大橋開通あわせ延長等”. 宮古新報 (宮古新報). (2015年1月23日). http://miyakoshinpo.com/news.cgi?no=11873&continue=on 2016年6月26日閲覧。 
  14. ^ “宮古フェリーとはやて、伊良部航路廃止へ 大橋開通、市が見舞金”. 琉球新報 (琉球新報社). (2013年12月13日). http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-216602-storytopic-4.html 2013年12月13日閲覧。 
  15. ^ はやてクルーズ船運航へ/船底に海中展望ラウンジ/八重干瀬周遊海婚など計画/4月スタート目指す 宮古毎日新聞、2015年2月4日
  16. ^ 海中展望型客船「モンブラン」回航 宮古毎日新聞、2015年3月24日
  17. ^ 40年悲願、伊良部大橋開通 発展誓い渡り初め 琉球新報、2015年2月1日
  18. ^ 伊良部大橋/上部工1000メートルを達成 宮古毎日新聞、2010年5月24日
  19. ^ a b c “伊良部大橋 31日開通へ 「夢」が実現 伊良部島の離島苦解消へ/宮古島市の振興、発展に期待”. 宮古毎日新聞 (宮古毎日新聞社). (2015年1月1日). http://www.miyakomainichi.com/2015/01/71080/ 2015年1月1日閲覧。 
  20. ^ “伊良部大橋 最終生コンを打設 セグメント977個目/残り150メートル、9月に連結式”. 宮古毎日新聞 (宮古毎日新聞社). (2014年7月1日). http://www.miyakomainichi.com/2014/07/64189/ 2014年7月1日閲覧。 
  21. ^ a b “伊良部大橋 9月9日に連結式/県土建部 宮古本島と陸続きに/供用開始向け最終工程”. 宮古毎日新聞 (宮古毎日新聞社). (2014年7月31日). http://www.miyakomainichi.com/2014/07/65333/ 2014年7月31日閲覧。 
  22. ^ a b “大橋完成は14年3月に/伊良部 当初予定より1年遅れ/主航路部設計ずれ込む”. 宮古毎日新聞 (宮古毎日新聞社). (2011年5月18日). http://www.miyakomainichi.com/2011/05/19025/ 2011年5月18日閲覧。 
  23. ^ “伊良部大橋建設現場で重機転落、着工以来初の事故”. 宮古新報ニュースコム (宮古新報社). (2010年7月15日). http://miyakoshinpo.com/news.cgi?no=1530&continue=on 2014年7月10日閲覧。 
  24. ^ “伊良部大橋中央部架設で大型クレーン船が入港”. 宮古新報ニュースコム (宮古新報社). (2013年3月31日). http://miyakoshinpo.com/news.cgi?no=7774&continue=on 2014年7月10日閲覧。 

関連項目[編集]

外部リンク[編集]