地下ダム

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地下ダム(ちかダム)は、透水性の地層から不透水性の地層に向けて連続的な地中壁(止水壁)を造成することによりできるダムである。

構造[編集]

地中壁は、地表面から不透水層に向けてグラウト注入(セメントミルクや合成樹脂)を、数m間隔で連続的に施工し、方形、馬蹄形の形に囲い込む。このことにより、囲まれた透水性の地層の地下水が逃げ場を失い、地下水位が上昇することでダムの機能を有するに至る。

種類[編集]

地下水の流れを遮水する地中ダムを堰上げ地下ダム、過剰な地下水のくみ上げに伴い海岸部からの塩水くさびが進入してくることを防ぐ塩水阻止型地下ダムなどがあるが、機能的には各ダム毎に重複している要素もあり、海岸付近では厳格な区分はしづらい。地下ダムは地下水を溜めるために作られるが、塩水の侵入を防ぐためにも作られる。地下水ダムが作られる場所は水源の少ない島や砂漠などである。具体的にはアフリカ北東部、ブラジルの乾燥地帯、アメリカ合衆国南西部、メキシコ、インド、ドイツ、イタリア、フランス、日本で作られている[1]

2種類の地下ダムがあり、一つは サブサーフェイスダム(sub-surface dam) といい、もう一つは サンドストレージダム(sand-storage dam)という。サブサーフェイスダムは帯水層に水不浸透層(煉瓦や石、コンクリート、鋼鉄 PVCなどがある)を地下直下に設置し、構築する。一旦ダムを設置すると水が貯まり井戸でくみ上げる事が可能となる。サンドストレージダムは水位を上げるダムで、砂漠の川やオアシスなどの水の流れに対して貯水を目的として構築される。ダム本体の強度が十分強固でないと決壊の可能性があるため、十分強固な構造とされる。貯水によって溜まった砂が蒸発を妨げるのが重要な点である。溜まった水は、ダム本体やパイプにより井戸を通して地上に出される[2]

施行地[編集]

日本では沖縄県鹿児島県に点在する石灰岩質の離島地域に、農林水産省の国庫補助事業などで10箇所以上造られている。世界では、中華人民共和国陝西省台湾屏東県澎湖諸島澎湖県白沙郷)、サハラ砂漠南縁部のブルキナファソ(日本の政府開発援助による)などで見られる。

脚注[編集]

  1. ^ Yilmaz, Metin (2003年11月). “Control of Groundwater by Underground Dams”. The Middle East Technical University. 2012年5月7日閲覧。
  2. ^ Onder, H; M. Yilmaz (2018年11月). “Underground Dams - A Tool of Sustainable Development and Management of Ground Resources”. European Water: 35-45. http://www.ewra.net/ew/pdf/EW_2005_11-12_05.pdf. 

関連項目[編集]

外部リンク[編集]