井波律子

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井波 律子(いなみ りつこ、1944年2月11日 - )は、日本の中国文学研究者。『三国志』の研究や『三国志演義』の翻訳などで知られる。国際日本文化研究センター名誉教授[1]紫式部文学賞選考委員[2]

来歴・人物[編集]

1944年富山県高岡市に生まれる。小学生の時京都府に転居。紫野高等学校卒業。1966年京都大学文学部卒業。1972年京都大学大学院文学研究科博士課程修了。1974年京都大学助手。1976年金沢大学助教授、1990年教授。1995年に国際日本文化研究センター教授。2009年定年退任[3][4]。夫井波陵一中国文学者

業績[編集]

1972年の「曹操論」(『中国文学報』京都大学文学部中国語学中国文学研究室)をはじめ、「『三国志演義』 - 語り物から物語文学へ」(『創造の世界』小学館1998年)や「『阮籍・嵆康の文学』大上正美―六朝文学に賭けたパトスの精華」(『東方』東方書店発行、2000年)など論文多数。2002年に完訳版『三国志演義』を刊行(ちくま文庫、改訂版・講談社学術文庫)。一般向けの著書も、古典中国文学、『三国志』関連、列伝などで数多く著している。

中国文学の研究から派生した妖怪伝奇研究もある。高島俊男幸田露伴の「運命」について、ネタ本を訓読しただけだと批判したのに対し、直接高島の論には触れず、露伴は取捨選択していると賞賛している(「幸田露伴の中国小説」『文学』2005年1・2月)。高島との論争には発展していない。2007年に『トリックスター群像』で桑原武夫学芸賞受賞。

2015年、京都市文化功労者顕彰。

著書[編集]

  • 『中国人の機智 「世説新語」を中心として』中公新書, 1983年/講談社学術文庫, 2009年
  • 『中国的レトリックの伝統』影書房 1987年/講談社学術文庫(抄版), 1996年
  • 『読切り三国志』筑摩書房, 1989年/ちくま文庫, 1992年
  • 『中国のグロテスク・リアリズム』平凡社, 1992年/中公文庫, 1999年
  • 『酒池肉林 中国の贅沢三昧』講談社現代新書, 1993年/講談社学術文庫, 2003年
  • 『中国のアウトサイダー』筑摩書房, 1993年
  • 『三国志演義』岩波新書, 1994年
  • 『三国志曼荼羅』筑摩書房, 1996年/岩波現代文庫(増補版), 2007年
  • 『破壊の女神 中国史の女たち』新書館, 1996年/光文社知恵の森文庫, 2007年
  • 『裏切り者の中国史』講談社選書メチエ, 1997年
  • 『中国文学 読書の快楽』角川書店, 1997年
  • 『中国的大快楽主義』作品社, 1998年
  • 『百花繚乱-女たちの中国史』日本放送出版協会, 1998年
  • 『中国文章家列伝』岩波新書, 2000年
  • 『中国幻想ものがたり』大修館書店〈あじあブックス〉, 2000年
  • 『中国の隠者』文春新書, 2001年
  • 『中国文学の愉しき世界』岩波書店, 2002年/岩波現代文庫, 2017年
  • 『中国ミステリー探訪 千年の事件簿から』日本放送出版協会, 2003年
  • 『「三国志」を読む』岩波書店〈岩波セミナーブックス〉, 2004年
  • 『故事成句でたどる楽しい中国史』岩波ジュニア新書, 2004年
  • 『奇人と異才の中国史』岩波新書, 2005年-掌編の列伝
  • 『三国志名言集』岩波書店, 2005年-格言集
  • 『トリックスター群像 中国古典小説の世界』筑摩書房, 2007年
  • 『中国名言集一日一言』岩波書店, 2008年-格言集
  • 『中国の五大小説 上 三国志演義・西遊記』岩波新書, 2008年
  • 『中国の五大小説 下 水滸伝金瓶梅紅楼夢』岩波新書, 2009年
  • 『中国名詩選』岩波書店, 2010年
  • 『キーワードで読む「三国志」』潮出版社, 2011年
  • 『中国侠客列伝』講談社, 2011年/講談社学術文庫, 2017年
  • 『論語入門』岩波新書, 2012年
  • 『一陽来復 中国古典に四季を味わう』岩波書店, 2013年
  • 『水滸縦横談』潮出版社, 2013年
  • 『中国人物伝』岩波書店(全4巻), 2014年9月〜12月
    • 『 I 乱世から大帝国へ 春秋戦国~秦・漢』。各・再編集成
    • 『 II 反逆と反骨の精神 三国時代~南北朝』
    • 『 III 大王朝の興亡 隋・唐~宋・元』
    • 『 IV 変革と激動の時代 明・清・近現代』。総索引を収録
  • 『史記・三国志英雄列伝 ―戦いでたどる勇者たち』潮出版社, 2015年

編著[編集]

翻訳[編集]

脚注[編集]

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