ムーンスター

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株式会社 ムーンスター
MoonStar Company
Moonstar kurume hd.jpg
ムーンスター久留米本社
種類 株式会社
市場情報 非上場
本社所在地 日本の旗 日本
830-8622
福岡県久留米市白山町60番地
設立 1931年
(創業1873年10月20日)
業種 ゴム製品
法人番号 7290001049191
事業内容 スニーカー・紳士靴・婦人靴・スポーツ用品の製造・販売
代表者 猪山渡(代表取締役社長)
資本金 13億円
売上高 395億円(2017年6月期)
従業員数 865人(2017年6月期)
決算期 6月
主要子会社 株式会社テクノ月星
株式会社ツインスター
青島月星鞋業有限公司
関係する人物 倉田雲平(初代)
外部リンク http://www.moonstar.co.jp/
特記事項:2006年7月1日、月星化成株式会社から商号変更。
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株式会社ムーンスターは、福岡県久留米市に本社・工場を置く日本シューズ製造業者。

久留米市内では、アサヒシューズ(旧・アサヒコーポレーション)、ブリヂストンと並んで「ゴム三社」と称される[1]

日本で初めてミシンを足袋製造に導入した[2]他、1922年にゴム底地下足袋の商品化、1958年南極観測隊ブーツの製造など、創業当時から新しい試みに積極的に取り組む社風である。

歴史[編集]

倉田雲平は衣服の裁縫をする長物師(ながものし)を始めたが、同業者の多いことから長物師に見切りをつける。当時、足袋は各家庭で作ることが多く、出回り始めた製品も粗悪品が多かった。精品主義を身上として倉田は1873年に久留米市米屋町(現中央町)で「つちやたび店」を開く[3]

1894年には周辺の土地を購入し、店舗の拡張と本店裏に工場を新築すると、ドイツ製青貝印の素縫い手回し式ミシンを2台、甲縫い用足ぶみ式ミシン3台を導入した。足袋製造業界としては初のミシン導入の事例となる[2]。また、この年まで、馬具革靴の製造も行っていたが、資金回収が悪いことを理由に外部に事業を売却し、足袋製造販売を専業とするようになった[2]。足袋の工場生産には、久留米周辺の農村の余剰労働力が利用された(つちやたびより後発の「志まやたび(現アサヒシューズ」も同様)[4]

倉田の優れた技術もあって、つちやたび店の足袋は評判となり、1895年頃には各地に特約店もできるような九州随一の銘柄となった。しかし、当時の九州での足袋の年間需要量は100万足を超えていたと言われ、多くは九州以外で作られた足袋であった。このことから、倉田は販路拡大を計画し、長崎市に工場を建設する[3]。「にかぎり升」の文字が書かれた広告を電柱に貼り、長崎市民の間でこの奇抜な広告が話題となると、広告の上部に「つちやたび」と追記。当時の新聞紙上で、全国無類と賞賛されるほどの宣伝効果を挙げ、一足当たりの単価が安かったのと相まって、長崎市では年間1万足の売上を達成する[3]。続いて、社員が足袋と宣伝用の鉄製の看板を積んだ箱車を引いて九州各地に訪問販売を行い、販路を拡張していった[3]

1900年には、皇太子嘉仁(後の大正天皇)と九条節子との成婚奉祝として絹足袋を献上している[5]

つちやたびの販路は九州のみならず、沖縄、中国地方、四国地方にも広がって行き、1910年には大阪市東区本町に支店を開設する[6]

1911年1912年には日本産業博覧会で名誉大賞を受賞する[7]1914年には民間人飛行家の坂本寿一に宣伝飛行をさせたり、PR映画を製作し日本各地で公開することで、大きな宣伝効果を挙げた[8]1915年には閑院宮載仁親王の本社視察を受ける[8]

1917年に合名会社となる[9]

1920年頃よりアメリカ合衆国のスニーカーを参考に児童用布靴の研究を始める[10]1923年よりゴム底を貼り付けた地下足袋の製造、販売を開始する[11]1925年には運動靴ゴム長靴の製造、販売を開始する[11]

1928年、世界的に明瞭で親しみやすい「月」と「星」を運動靴のマークに採用。海外輸出強化が狙いであった。中近東・一部中国向けには「コウモリ印」を採用した[12][13][14]

1931年に株式会社となる[9]。社歌『雲の翼(つちやたび工場小唄)』(作詞:北原白秋、作曲:山田耕筰)も同年に定められた[15]

日華護謨工業株式会社」(1939年)、「日華ゴム株式会社」(1949年)、「月星ゴム株式会社」(1962年)、「月星化成株式会社」(1972年)と改称を行う[9]

2006年には、さらなる海外展開とムーンスターブランドの価値向上を目的に、現社名「株式会社ムーンスター」に変更した。創業140周年を契機に、「ムーンスター」ブランド構築に本格的に着手。業界初の「製品保証制度」への取組みや久留米工場を活かしたユースゾーンへの新商品開発など、すべての世代に愛されるブランドを目指している。

2014年、10年後の姿を見据えた成長戦略、中長期経営ビジョン「MSビジョン150」を発表。「消費者との接点の拡大」「海外市場の拡大」「大人・シニア市場の拡大」を戦略の柱としている。

2015年7月新ブランドスローガン「Time with pride.〜ひたむきに、歩み続ける。」が制定された。

社訓[編集]

  • 走る者はつまずきやすく、つま立つ者は倒れやすい。堅実なる一歩ずつを進めよ。進めたる足は堅く踏みしめよ。[16]

経営理念[編集]

  • すべての人々の「笑顔」と「しあわせ」のために[16]

行動規範[編集]

  • 常に、人々と共に在り、人々の生活に寄り添います。
  • 一足一足を大切にする伝統を引継ぎます。
  • 新しい品質(まごころ)と新しい技術(こだわり)を提供します。[16]

主な取扱商品[編集]

  • MOONSTARブランド
    • (ベビー/キッズ/ジュニア)キャロット、スーパースター
    • (メンズ)メイドインクルメ、ワールドマーチ
    • (ウィメンズ)スポルス、イブ
    • (その他)カジュアルシューズ、ビジネスシューズ、ウィンター商品、学校用品、介護用品、長靴など
  • ライセンスブランドまたは輸入販売商品

事業所[編集]

本社・工場
福岡県久留米市白山町60番地
物流センター
福岡県久留米市三潴町草場386番地
東京本社・東京支店
東京都中央区八丁堀二丁目12番7号 ユニデン八丁堀ビル4階
大阪支店
大阪府吹田市江坂町1丁目8番2号
札幌支店
北海道札幌市白石区中央1条3丁目1番23号
仙台支店
宮城県仙台市若林区卸町2丁目5−6
埼玉支店
埼玉県さいたま市北区本郷町960番地
名古屋支店
愛知県名古屋市西区南堀越2丁目4−58
広島支店
広島県広島市中区十日市町2丁目1−9

出典[編集]

  1. ^ 『久留米市史』第4巻、久留米市、62頁。
  2. ^ a b c 月星ゴム(株)『月星ゴム90年史 : 明治6年創業』(1967.10)”. 渋沢社史データベース. p. 3. 2018年3月27日閲覧。
  3. ^ a b c d 田中敬子. “倉田雲平と「つちやたび」”. 久留米観光コンベンション国際交流協会. 2018年3月27日閲覧。
  4. ^ 三浦典子 『企業の社会貢献とコミュニティ』 ミネルヴァ書房2004年、8頁。ISBN 978-4623040285
  5. ^ 月星ゴム(株)『月星ゴム90年史 : 明治6年創業』(1967.10)”. 渋沢社史データベース. p. 4. 2018年3月27日閲覧。
  6. ^ 月星ゴム(株)『月星ゴム90年史 : 明治6年創業』(1967.10)”. 渋沢社史データベース. p. 6. 2018年3月27日閲覧。
  7. ^ 月星ゴム(株)『月星ゴム90年史 : 明治6年創業』(1967.10)”. 渋沢社史データベース. p. 7. 2018年3月27日閲覧。
  8. ^ a b 月星ゴム(株)『月星ゴム90年史 : 明治6年創業』(1967.10)”. 渋沢社史データベース. p. 8. 2018年3月27日閲覧。
  9. ^ a b c 日本の企業がわかる事典2014-2015「ムーンスター」”. 講談社. 2018年3月27日閲覧。
  10. ^ 1日3000足、上履きの製造ピーク 福岡県久留米市「ムーンスター」”. 西日本新聞 (2018年3月22日). 2018年3月27日閲覧。
  11. ^ a b 月星ゴム(株)『月星ゴム90年史 : 明治6年創業』(1967.10)”. 渋沢社史データベース. p. 12. 2018年3月27日閲覧。
  12. ^ 昭和の路 I
  13. ^ 読売新聞 2015年7月21日 朝刊11面広告
  14. ^ 月星ゴム(株)『月星ゴム90年史 : 明治6年創業』(1967.10)”. 渋沢社史データベース. p. 14. 2018年3月27日閲覧。
  15. ^ 新着情報29:平成29年12月21日(木)”. 北原白秋映画制作準備委員会 (2017年12月21日). 2018年3月27日閲覧。
  16. ^ a b c 会社概要

外部リンク[編集]