ベンチャーキャピタル

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ベンチャーキャピタル(venture capital、略称:VC)とは、ハイリターンを狙ったアグレッシブな投資を行う投資会社(投資ファンド)のこと。主に高い成長率を有する未上場企業に対して投資を行い、資金を投下する。経営コンサルティングなどを提供し、投資先企業の価値向上を図る企業も存在する。担当者が取締役会等にも参加し、経営陣に対して監視・コントロール・指導を行うこともある。事業会社が保有するコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)にはベンチャーとの買収や業務連携を目指したものも多く、必ずしも投資に対するハイリターンを求めているとは限らない側面もある。

ジャフコ大和SMBCキャピタル等の業界大手は、企業買収(バイアウト投資)等も行っており、買収ファンドの一面も持つ。   

概要[編集]

ベンチャーキャピタルは、未上場企業に投資し、ファンドの運用報酬も収益源とする事業である。投資した企業を上場株式公開)させたり、他のファンド等に転売して利益を得ることもある。投資が失敗し、廃業したり上場できないベンチャーも多いため、各投資案件に対しては投資金額の3倍、5倍、10倍といったリターンを目標としている。つまり、打率は低いが、長打を狙うタイプの投資方針となっている。一般には株式等のエクイティの引受けが基本的な投資手法となっているが、その他に、いわゆるCBの引受けや様々な設計の種類株等の引受けも行う。

自己資金を未上場企業に投資するケースと、投資事業組合ファンド)を設立し、投資家から資金を集めて、ベンチャーキャピタルがそのファンドマネージャーとして未上場企業に投資するケースとがある。このようなベンチャーキャピタルファンドは、金融商品としては直接金融の中のオルタナティブ投資の一つであるプライベートエクイティの一形態として位置づけられる。

未上場企業に対して「出資」という形態で資金を投じるため、産業育成という役割が非常に大きい。ベンチャーキャピタルが出資先ベンチャー企業の経営に深く関与する場合もある。このような投資スタイルは「ハンズオン」と呼ばれている。時には投資担当者が投資先企業の社外取締役に就任して経営の一端を担うこともある。

日本のベンチャーキャピタル[編集]

1963年に政府の特殊法である中小企業投資育成会社法によって設立された、東京中小企業投資育成大阪中小企業投資育成名古屋中小企業投資育成の3社がベンチャーキャピタルの草分け的存在であると言われている。民間のベンチャーキャピタルで最古のものは1972年の京都エンタープライズデブロップメント(KED、1979年解散)で、現存する中ではジャフコ(当時は日本合同ファイナンス)が最初である。

ジャフコが野村グループの一員として設立されたように、日本におけるベンチャーキャピタルはその多くが銀行証券会社保険会社など金融機関の関連会社である。そのほかに、事業会社系、商社系、通信系などのベンチャーキャピタルが存在する。これらのベンチャーキャピタルが運営するファンドは、専ら親会社が出資しているため、コーポレートベンチャーキャピタル(CVC)と呼ばれる。親会社にとって、CVCは投資リターン以外の戦略的な狙いを持つことが多く、事業シナジーや情報収拾が目的として挙げられる。

大学系のベンチャーキャピタルも存在するが、私立大学であればCVCと同様、親会社が出資しており、公立大学であれば税金が原資である。これらの大学系ベンチャーキャピタルは特定の大学の技術や学生を支援する目的で運営されている。

東京中小企業投資育成大阪中小企業投資育成名古屋中小企業投資育成以外にも政府系のベンチャーキャピタルは多く設立されている。

CVCや大学系、政府系ではなく、関連企業を持たないベンチャーキャピタルは独立系とも呼ばれ、ファンドの資金調達を独自に行うとともに、業種に特化するなど投資方針の独立性を持つことが多い。

2002年11月に日本における業界団体としては初めての日本ベンチャーキャピタル協会が設立された。なお、業界最大手のベンチャーキャピタルであるジャフコも2016年6月15日に加入が発表された。

日本の主なコーポレートベンチャーキャピタル[編集]

証券系

都市銀行系

保険系

その他金融

事業会社系(CVC)

事業創造型

日本の主な政府系ベンチャーキャピタル[編集]

日本の主な大学系ベンチャーキャピタル[編集]

独立系ベンチャーキャピタル[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]