トリケラトプス

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トリケラトプス
生息年代: 中生代後期白亜紀、68–65 Ma
Triceratops Raymond National Museum of Nature and Science.jpg
Triceratops horridusの全身骨格(実物)。非常に状態の良い化石で、"レイモンド"(Raymond)という愛称で知られる。国立科学博物館(東京)蔵[1]
地質時代
白亜紀後期
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 爬虫綱 Reptilia
亜綱 : 双弓亜綱 Diapsida
下綱 : 主竜形下綱 Archosauromorpha
上目 : 恐竜上目 Dinosauria
: 鳥盤目 Ornithischia
亜目 : 周飾頭亜目 Marginocephalia
下目 : 角竜下目 Ceratopia
: ケラトプス科 Ceratopidae
亜科 : カスモサウルス亜科 Chasmosaurinae
: トリケラトプス族 Triceratopsini
: トリケラトプス属 Triceratops
学名
Triceratops
Marsh1889
シノニム

アガタウマス? Cope1872
ポリオナクス?Cope1874
ビソン・アルティコルニスMarsh1887
ステルロロフス Marsh1891
クラオリンクス? Cope1892
ウグロサウルス Cobabe & Fastovsky, 1987
ネドケラトプス? Ukrainsky, 2007
ディケラトゥス? Mateus2008
オホケラトプス? Sullivan & Lucas, 2010
タタンカケラトプス?Ott & LarsonMarsh, 2010

トリケラトプス (Triceratops) は、中生代後期白亜紀マーストリヒチアン期の、現在の北米大陸に生息した植物食恐竜の一。白亜紀最後期の恐竜の一つで、中生代の終わりとともに姿を消した。

概要[編集]

全長約9メートル、体重約5 - 8.5トン。四足歩行。現在の北米にあたる地域に生息した大型で、最も後期に登場した角竜である。トリケラトプスとは「tri(3)+cerat(角)+opus(顔)」から「3本の角を持つ顔」を意味しており、これは1本の鼻角と、目の上にある2本の上眼窩角に由来する。首の筋肉が発達していたと考えられており[要出典]、闘争の際にはこの角を用いたと推測される(角や四肢の構造上サイのような突進は出来なかったという説もある)[要出典]。頭骨の半分を占める、後頭部から首の上にまで伸びたフリルも特徴のひとつ。口先は鳥のくちばしのように尖っており、草や木の葉を掴み取って食べていたと考えられる。[要出典]

トリケラトプスは、同時期同地域に生息したティラノサウルスと同様に、高い人気と知名度を誇る恐竜である。トリケラトプスはティラノサウルスにとって捕食対象であったと考えられる(全ての化石生物と同じように、この二属の生態も推測の域を出ず、映画絵本、あるいはマンガの中で描かれるような闘争を行ったかどうかは不明である)。

完全な骨格はまだ見つかっていないが、1887年に記載されて以来、毎年のように発見された多数の部分的な標本から[2]、一般にも知られるようになった。ただし、この説は護身用の武器として使われた可能性を否定するものではない。

フリル[編集]

開口は見られないものの相同な領域は他に比べて薄くなっていることが多い。

しかし2010年、これまでトロサウルス(開口部を持つ)として知られてきた属がトリケラトプス属の成長段階を示す証拠が得られ(後述)、トリケラトプスでも成長段階によっては一部の個体が開口部を後天的に獲得する可能性が指摘されるようになった[3]

姿勢[編集]

最も多く発見されている標本は、巨大な頭骨である。成体の頭骨の長さは約2.5メートルで、その半分弱がフリルである。他のカスモサウルス亜科と同様に1本の鼻角と2本の上眼窩角を備える。上眼窩角の長さは1.8メートルと言われる。 強力な四肢で重い体を支持していた。トリケラトプスのようなケラトプス類の前肢の姿勢は、長い間物議をかもしていた。肢は直立していたという考えは後肢に関しては議論の余地なくあてはまる。 一方で、角竜の骨格に基づく研究では、ゾウのように手の甲を前にした直立状態で前肢の骨を組みたてると前肢の関節が脱臼してしまうため、前肢の肘を横に張り出して「這い歩き」するような姿勢であったという説があった。しかし、これはトリケラトプスの足跡化石には合致しないものであった。最近の研究では、トリケラトプスは前肢を鰭脚類のように、手の甲を外側に向けて(人間で言うと小さく前に倣えをした様な形で)直立して立っていたということになっている。[4]

ケラトプス類中のトリケラトプスの正確な位置付けは、この数年にわたって討議された。リチャード・スワン・ルルによる当初のケラトプス類の概観では、ケラトプス類を更に細かく区分する為に2つの亜科を提唱した。

進化史[編集]

角竜類の進化のシナリオを考察するのに不可欠だったこれらの新発見は、一般に角竜の系統発生を例証した。

発見の経緯[編集]

標本はオスニエル・チャールズ・マーシュのもとへ送られた。彼は、この角は鮮新世のものと考え、異常に巨大なバイソンのものであるとした。そのため、標本にはBison alticornisという学名が与えられた。マーシュは、その翌年までに角竜という分類群の存在を知った。 1888年にワイオミング州ランス累層ジョン・ベル・ハッチャーによって採集された、全体の3分の1以上が保存されている頭骨が、彼の考えを変えた。頑丈な性質をもつ頭骨は、化石として保存されやすく、種と個体の間の変化を研究するのに役立っている。

分岐学での使用[編集]

分岐学において、恐竜を定義づける際、(トリケラトプスおよび新鳥類(現代の鳥)の最近の共通先祖と全ての子孫)として使用されている。ただしこの場合はあくまで、代表的で誰もが知っている動物であるという理由で使用されているのであって、鳥盤類のクラウングループならば、他の種を挙げたところで分岐学的意味合いは変化しない。

トロサウルスとの関係[編集]

トロサウルス属 (Torosauru) がトリケラトプス属 (Triceratops) のシノニムである可能性は、両者の発見当初から長年議論されてきた。両者とも同じ地層から発掘される上、フリルなどを除いて形態的な差異がほとんど見られないためである[5]。 またトロサウルスは完全に成長しきったと見られる不完全な標本が数個体分しか発掘されないにも係わらず、トリケラトプスは成長段階などをも含んだ50以上もの化石が次々と発掘されてきた。

こうした中、2010年にトリケラトプスの頭蓋骨の形態を、成長段階に従い数十個体に渡って観察しなおし、トロサウルスと比較した論文が発表された[6]。 それによると、トリケラトプスのフリルの一部(後頭骨-鱗状骨の境界部分)は成長に従って薄くなり、開口に向かうこと。そしてそうした形態がトロサウルスに非常によく似ることが示された。

騒動[編集]

トリケラトプスの知名度の高さも手伝ってか、この研究は2010年8月当時、比較的大きな話題となった。しかし中には「トリケラトプスが消えてトロサウルスに纏められるのでは」という、本来の論文の趣旨とは全く相反する報道もなされ[7]、これがツイッターなどを通じて拡散され混乱を招く事態が起こった。だがそもそも論文の題名にもある通り、トロサウルスが消えてトリケラトプスに纏められることになるのが元々の情報であって、上記のような報道は全くの曲解と言える。そもそも国際動物命名規約では、基本的には時系列上先に記載された方を有効名とする規定になっており、この場合、最初に記載された方であるトリケラトプスが有効名として認められる。またこの件に関しては論文の著者であるジャック・ホーナーらはその後も公式に「トリケラトプスが残る」ことを強調している[8]。 もっとも、トロサウルス=トリケラトプスである事に関しては2011年現在までにもいくつか反論は出ており、そのまま一般論として定着しているわけではない。

出典・脚注[編集]

  1. ^ トリケラトプス・ホリッドス 国立科学博物館
  2. ^ 特に頭骨は完全なものも含めて非常に多い。
  3. ^ Scannella, J. and Horner, J.R. (2010). "Torosaurus Marsh, 1891, is Triceratops Marsh, 1889 (Ceratopsidae: Chasmosaurinae): synonymy through ontogeny ." Journal of Vertebrate Paleontology, 30(4): 1157 - 1168
  4. ^ 『恐竜博2011』
  5. ^ Farke, A. A. (2007) Cranial osteology and phylogenetic relationships of the chasmosaurine ceratopsid Torosaurus latus; pp. 235–257 in K. Carpenter (ed.), Horns and Beaks: Ceratopsian and Ornithopod Dinosaurs. Indiana University Press, Bloomington and Indianapolis, Indiana.
  6. ^ Scannella, J. and Horner, J.R. (2010). "Torosaurus Marsh, 1891, is Triceratops Marsh, 1889 (Ceratopsidae: Chasmosaurinae): synonymy through ontogeny ." Journal of Vertebrate Paleontology, 30(4): 1157 - 1168
  7. ^ トリケラトプスが教科書から消える? : ギズモード・ジャパン
  8. ^ KBZK | Bozeman, Montana - News, Weather, Sports | Dinosaur expert Jack Horner: 'Triceratops' name will stay

参考文献[編集]

関連項目[編集]