タブレットPC

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タブレットPCの一例 (コンバーチブルタイプ)
ヒューレット・パッカード TC1100シリーズ

タブレットPC英語: tablet PC)は、平板状の外形を備えタッチパネル式などの表示/入力部を持った携帯可能なパーソナルコンピュータである。広義にはタブレットコンピュータ全般を指し、携帯情報端末や片手に収まる小型POS端末でもタッチパネルを備えたものであれば概ねこれに含まれる(一種のミニノートパソコンともいえる)が、狭義にはマイクロソフト社のOSと同社が2002年に発表したタブレットPC用拡張ソフトウェア「Microsoft Windows XP Tablet PC Edition」とその後継機能に対応したPC製品を指す。

2010年にアップルiPadを発売して新たな市場を広げたことや、GALAXY TabといったAndroidOSを備えたスマートフォンに分類されるタブレット端末が登場したこと、電子図書の本格的な流通がはじまるとリーダー機の需要が見込めること、将来のデジタル教科書への布石なども関係して、再びこのカテゴリの製品が活発になっている。

本稿では、まず全般的な分類などを説明してから、マイクロソフト社の「Tablet PC Edition」に対応した狭義のタブレットPCについて説明する。

分類[編集]

形状による分類[編集]

純粋型(ピュアタブレット)
本体にはキーボードを備えず[1]、表示部と一体になったペンタブレットタッチスクリーンによる入力のみのタブレットPC製品である。「スレートPC」と呼ばれることもある。
可変型(コンバーチブル)
本体平面積と同等の平板状の表示部がそれ以外の本体と回転式ヒンジで繋がれており、ノートPCと同様の形態にして本体側のキーボードで操作することも可能なら、表示面を外側に平板一体にすることで純粋型と同様の形態にして画面上で操作することも可能なタブレットPC製品である。
標準でキーボードを備えるため、デスクトップパソコンノートパソコン用のソフトウェアがそのまま使用可能な製品が多く、一般的なOSにタブレット機能を付加し、ドライバ制御している製品もある。
ノートパソコン型の中には、ティルト以外に180°~270°の回転(パンもしくはスイベル)が可能なディスプレーを持つものがあり、背面表示の状態から折りたたんで本体上面に重ねると、純粋型と同様の操作が可能となる(写真参照)。そのため、このタイプのみを「ピュアタブレット コンバーチブルタイプ」と呼び、特に区別する場合がある。
ヒューレット・パッカード社のみが継続して製品化していたが、現在では各社から発売されており、TOUGHBOOKGetac のような、屋外・車載用の Semi rugged PC [2]MIL規格MIL-STD-810F/G)に準拠した Fully rugged PC も存在する[3]

ペンの認識方法による分類[編集]

抵抗膜方式(感圧式)
ペンを画面に押しつけた時の圧力で認識する。ペンだけでなく指などでも操作ができる。
電磁誘導方式(静電式)
ペンを近づけたときに電磁誘導を起こして認識する。筆圧を感知するのも特徴。ペンを画面から少し浮かせて操作すれば、タップすることなくカーソルを移動させることもできる。専用ペン以外反応しないので、手を置いても誤作動しない(指にも対応するモデルも存在する)。本方式の場合、ワコム製のペンが大半のメーカーで採用されている。いずれも表面の感圧フィルムの影響で、コントラストの低下や再現の難しさといった問題を抱えている。

タッチパネルPC[編集]

同様のカテゴリのPCで以前からタッチパネルPCという製品が存在していた。タブレットPCと異なり、ペン入力の機能がOSで標準でサポートされていなかったため、各社各様にインターフェースドライバユーティリティ文字認識機能等の仕様がバラバラで統一されていなかった。一部に小売されている物も存在はしたが、専ら産業用途に使われていた。しかし2005年に富士通より「P8210」というタッチパネル型のタブレットPCも登場した。

2009年に発売された Windows 7 が「Windows タッチ」と呼ばれるタッチ操作系統を標準搭載したため、タッチパネル液晶ディスプレイを備えたノートPCやディスプレイ一体型PCが多く登場するようになった。マルチタッチ対応のためペンではなく指で操作するのが主流である。これらはタッチパネルの他にキーボードとマウス/タッチパッドも備える場合が多い。このカテゴリに対して特定の名称があるわけではない。

マイクロソフト社製オペレーティングシステムの対応[編集]

狭義のタブレットPCは、マイクロソフト社が同社オペレーティングシステムのタブレットPC用拡張ソフトウェアとして開発した、Microsoft Windows XP Tablet PC Edition とその後継環境に対応したスタイラスペン入力によるPCである。携帯情報端末などと同様にペン型のポインティングデバイス液晶ディスプレイの表面に設置されたタッチパネルをなぞることで、マウスと同様の操作と、手書きの文字や絵などの入力ができる。マウス操作に比べてコンピュータに不慣れな人でも操作しやすい事や、立ち仕事などでも使用できる事を目指している。

Windows Vista 以降では、標準でタブレットでの使用を考慮した設計となっており、ソフトウェア・キーボードの搭載やタブレットを用いた入力スタイルなどが自由に選択可能となっている。

普及状況[編集]

2002年に登場したが、ノートパソコンに比べて割高なため、一般個人ユーザーへの普及はあまり進んでいるとはいえない。POSをセットにしたセット販売が多く、ポータブルデータターミナルとして活用されており、コンビニエンスストアスーパーマーケットといった流通産業の在庫管理や検品作業の現場である程度普及している。

オペレーティングシステムの対応[編集]

以下にマイクロソフト社のオペレーティングシステムでの拡張機能を示す。

Windows XP Tablet PC Edition[編集]

マイクロソフト社のWindows XP Tablet PC Editionは、Windows XP Professional の全機能に加えて次の機能を持つ。

全てのタブレットPCユーザーは、Windows XP SP2 をインストールすることで Tablet PC Edition 2005 へアップグレードすることができる。 また、Microsoft 拡張パックPowerToysをダウンロードすることで、より多くのタブレットPC用プログラムを利用できるようになる。

Windows Vista[編集]

2007年1月末にリリースされた Windows Vista では、Home Premium 以上のエディションで Windows XP Tablet PC Edition の機能が標準機能として統合された。これにより Windows XP Tablet PC Edition という特殊オペレーティングシステムで稼働するマシンという概念が無くなるため、Windows Vista 発売後のノートPCでは「タブレットPC」という認識ではなく「ノートPC」の位置づけとして、ハード的にタブレット機能が標準で装備される機種も見本市などで確認されている。また、デスクトップPCでも液晶タブレットを接続することで同等の機能を実現できる。

タブレットに関する機能[編集]
Windows XP Tablet PC Edition と同様の機能
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手書き認識個人用設定
誤認識されやすい手書き文字を学習させて、より正しく認識されるようにできる。
アイコン脇のチェックボックス
チェックをつけることで、Ctrlキーなどを使用せずに複数のアイコンを選択できる。
Snipping Tool
ペンで囲った部分をコピーするソフト。Windows XP では Microsoft 拡張パックに含まれていた。

以下の機能は、タブレットPCまたはペンタブレットを取り付けたパソコンでのみ使うことができる。

ペン フリック
ペンの動きで、ページの移動やコピー・貼り付けなどの操作を行うことができる。
ペン カーソル
マウスとは別に用意されたカーソル。画面をタップすると波紋が出る。ペンを画面から離すとカーソルは消える。
Microsoft Office のインク機能
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脚注[編集]

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  1. ^ キーボードは持たないが、タッチパッドによるポインティングデバイスカーソルキー、テンキーなどを持つ製品は存在する。
  2. ^ rugged:頑丈
  3. ^ Getac ではこのタイプを「コンバーチブル ノートブック」と称しており、製品名に「タブレット」の表記は無い。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]