ペンタブレット

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ペンタブレット
ワコム Intuos 3 (A5)

ペンタブレットは、コンピュータ用のポインティングデバイスユーザーインターフェイス)のひとつ、タブレットの一種。 グラフィックスタブレットGraphics tablet)とも呼ばれる。

概要[編集]

ペンタブレットは、専用の電子ペンないしその他のペン状の物体の位置を、本体である板状のタブレットに内蔵したセンサにより読み取って、コンピュータ本体にその位置ないし動きの情報を送る装置である。

ユーザインタフェース機器としては通常、ポインティングデバイスに分類され、コンピューターのディスプレイ上のポインタを操作するのに使用する。

ペンタブレットの先祖は、デジタイザ(現在 : Graphics tablet と呼ばれている)と呼ばれた、主としてCAD用に使われた絶対座標入力のための機器と、ペンタッチキーボードである(なお、ペンタブレットも Graphics tablet に含まれる)。

前者と比べると、ペンは位置検出が難しく、文字が書かれた升目のサイズで認識できれば良い後者と比べると、必要とされる位置精度が一桁以上違うこと、がそれぞれペンタブレットを実現するための課題であった。ペンタッチキーボードではたいてい周辺機器側でキーボードをエミュレーションする、といった点も異なる。

ペン以外に、CAD用のそれと同様の高精度な座標入力のための機器や、マウス状の機器や消しゴムなど(後述)が使える製品もある。

マウスとの比較[編集]

筆圧感知機能を利用した描画例

一般的なポインティングデバイスであるマウスに比べ、より繊細で正確にポインタ操作ができるため、コンピュータ上でのイラスト絵画製作に用いられる。また、製品によってはペン型入力装置に筆圧やペンの傾きを感知できる機構が内蔵されており、実際の筆記用具と同様に絵画制作で微妙なタッチを表現することができる。ただし、そのためにはPainter等、ソフトウェア側で感知情報を処理できる必要があるため、使用するソフトウェアによっては筆圧や傾きが表現されない場合もある。

現在、パソコンに標準的に装備されているマウスの分解能は、一般的な製品で0.006mmほどであるが、実際には角度などによって精度が落ちることが多く、また指先ではなく腕と手のひらで移動させているため、非常に細かい動作が困難であり、感覚的な分解能は0.1mmにも満たない。その点、ペンタブレットであればペン先0.1~0.005mmほど(分解能は製品によりまちまちだが、近年では大衆向けの安価な製品でも0.01mm前後である)の動作にも敏感に反応して動作させることができるのである。

専用ペン[編集]

ペンタブレット用ペン型入力装置には、いくつかの種類がある。変わったものでは消しゴムなどもあり、ソフト側で対応していれば自動的に消去の処理に切り替わる。デザインや写真修正で使用するスプレー用ハンドピース型のものや、複数のボタンを装備して、それぞれに異なる機能呼び出しを設定できるもの、またゴムグリップなど専門職ユーザー用途に特化した製品も用意されている。

専用マウス[編集]

タブレットを通常のマウスのマウスパッドのような感覚で使うことができる、マウス状の機器が使えるものもある。位置だけでなく、マウスの角度を感知する機能や、より多くのボタンホイールが搭載された製品もあり、用途に応じてさまざまな大きさ・形状の製品が販売されている。製図などの紙を大型のタブレット上に置き、ポイントの絶対座標を入力する、というのがもともとの目的であるため、十文字の刻まれた透明パネルが付いているものもある。

発展[編集]

液晶ペンタブレット(ワコムCintiq21UX)

ペンタブレットと液晶ディスプレイを統合した液晶ペンタブレットもある。これはディスプレイに直接描画する感覚で操作できるため、より直感的な入力が可能となる。液晶タブレットは110番の受理台用端末や電子カルテ、会議などの発表者用端末、テレビ会議システム用端末、クイズ番組などの回答者用端末など幅広い用途で利用されている。

付加機能として単体で発売されているものもあり、スタンドから簡単に取り外せたり、また任意の角度で固定できるものもある。

近年では、さらにコンピュータ本体も一体化したものが「タブレット」と呼ばれている(タブレット (コンピュータ) を参照)

関連項目[編集]