スティーブン・ピンカー

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スティーブン・ピンカー
ピンカー(2011年撮影)
人物情報
生誕 スティーブン・アーサー・ピンカー
1954年9月18日(61歳)
カナダ, モントリオール, ケベック州
国籍 カナダ人 / アメリカ人
出身校 ドーソン大学,
マギル大学,
ハーバード大学
配偶者 ナンシー・エトコフ (1980–1992; 離婚)
イラヴェニル・スビア (1995–2006; 離婚)
レベッカ・ゴルドスタイン (2007-現在)
学問
研究分野 進化心理学, 実験心理学, 認知科学, 言語学, 視覚認知
博士課程
指導教員
スティーブン・コスリン
主な業績 How the Mind Works, The Blank Slate, The Better Angels of Our Nature
影響を
受けた人物
ノーム・チョムスキー, トマス・ソウェル, レダ・コスミデス, ジョン・トゥービー, リチャード・ドーキンス, トマス・シェリング[1]
主な受賞歴 トロランド賞 (1993, 米国科学アカデミー),
ヘンリー・デール賞(2004, 王立研究所),
ウォルター・P・キストラー著作賞 (2005),
年間ヒューマニスト賞 (2006, アメリカヒューマニスト協会),
ジョージ・ミラー賞 (2010, 認知神経科学協会), リチャード・ドーキンス賞 (2013)
公式サイト
www.stevenpinker.com
プロジェクト:人物伝
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スティーブン・アーサー・ピンカー(Steven Arthur Pinker, 1954年9月18日 - )はカナダモントリオール生まれのアメリカ合衆国実験心理学者認知心理学者2009年現在ハーバード大学心理学教授をつとめており、大衆向け科学書を数多く執筆している。

業績[編集]

専門分野は視覚的認知能力と子供の言語能力の発達である。ノーム・チョムスキー生成文法の影響を受け、機能としての言語能力や、言語獲得の問題について研究し著作を発表している。言語が自然選択によって形作られた「本能」あるいは生物学的適応であるという概念を大衆化したことでよく知られている。この点では言語能力が他の適応の副産物であると考えるチョムスキーやその他の人々と対立する。

The Language Instinct (1994年、邦訳『言語を生み出す本能』)、How the Mind Works (1997年、邦訳『心の仕組み』)、Words and Rules (2000年)、The Blank Slate (2002年、邦訳『人間の本性を考える』)、The Stuff of Thought (2007)は数多くの賞を受賞し、いずれもベストセラーになった。特に『心の仕組み』と『人間の本性を考える』はピューリツァー賞の最終候補になった。また、2004年には米タイム誌の「最も影響力のある100人」に選ばれた。2005年にはプロスペクト誌、フォーリンポリシー誌で「知識人トップ100人」のうち一人に選ばれた。

経歴[編集]

カナダの中流のユダヤ人の家に生まれた。父親は法律家として教育を受けたが、訪問販売員として働いていた。母親は最初は主婦、その後は学生指導カウンセラー、高校の副校長となった。子供時代は、「文化的ユダヤ人 cultural Jewish」であったという。のちに無神論に転向した。また子供の頃は、1969年に市民暴動と警察の衝突を目撃するまで、無政府主義者だった。

1973年にモントリオールのドーソンカレッジを卒業した。1976年にマギル大学で実験心理学の学士を、1979年にハーバード大学で博士号を取得した。1年間マサチューセッツ工科大学で研究を行った後、ハーバードとスタンフォード大学で助教授となった。1982年から2003年までMITの脳・認知科学科で教え、その間に認知神経科学センターのセンター長になった。またこの時期の間に一年間カリフォルニア大学サンタバーバラ校(進化心理学研究の拠点の一つでもある)でサバティカルを送っている。

2005年1月に、数学と科学的能力の性差について発言をし多くの人々の怒りを買ったハーバードの学長ローレンス・サマーズを弁護した。2006年3月にはアメリカヒューマニスト協会から、人類の進化の理解の普及に対してヒューマニスト・オブザイヤー賞を受賞した。

弟妹がおり、弟はカナダ政府の政策アナリストである。妹スーザン・ピンカーは教育心理学者で作家である。1980年にナンシー・エトコフと結婚し1992年に離婚した。その後イラビニル・サビアと結婚し再び離婚した。現在の妻は哲学者、小説家レベッカ・ゴールドスタインである。

言語と心の理論[編集]

ピンカーは子どもがどのように言語を獲得するか、およびチョムスキーの生得的な心的能力としての言語の研究について大衆向けに書いた『言語を生み出す本能』でよく知られている。またピンカーは進化的に発達した言語モジュールを提案したが、この主張は目下議論が継続中である。さらに、彼は人間の多くの精神的構造が適応であると提案する。この点でチョムスキーとピンカーの立場は異なる。また進化に関する論争においてピンカーはダニエル・デネットリチャード・ドーキンスの主要な同盟者である。

彼はヒトの精神を、我々の祖先が更新世に直面した問題を乗り越えるために専門化されたひとそろいのツール(あるいはモジュール)を備えたアーミーナイフのようなものだと考える進化心理学の伝統に従っている。ピンカーと他の進化心理学者はこのツールが他の器官と同じように自然選択によって形作られたと考えている。ピンカーはこの視点を『心の仕組み』と『人間の本性を考える』で一般向けに論じた。『言語を生み出す本能』はジェフリー・サンプソンの『The 'Language Instinct' Debate』で批判された。マイケル・トマセロも有力な批判者の一人である。また彼の理論を支える生得主義の仮定はジェフリー・エルマンの『認知発達と生得性』で批判された。

著書[編集]

単著[編集]

  • Language Learnability and Language Development (1984)
  • Visual Cognition (1985)
  • Connections and Symbols (1988)
  • Learnability and Cognition: The Acquisition of Argument Structure (1989)
  • Lexical and Conceptual Semantics (1992)
  • The Language Instinct (1994)
    椋田直子訳『言語を生みだす本能[上][下]』日本放送出版協会、1995年
  • How the Mind Works (1997)
    椋田直子訳『心の仕組み――人間関係にどう関わるか[上][中]』日本放送出版協会、2003年/山下篤子訳『心の仕組み――人間関係にどう関わるか[下]』日本放送出版協会、2003年;[文庫版]椋田直子訳『心の仕組み[上]』筑摩書房、2013年/山下篤子訳『心の仕組み[下]』筑摩書房、2013年
  • Words and Rules: The Ingredients of Language (1999)
  • The Blank Slate: The Modern Denial of Human Nature (2002)
    山下篤子訳『人間の本性を考える――心は「空白の石版」か[上][中][下]』日本放送出版協会、2004年
  • The Best American Science and Nature Writing (editor and introduction author, 2004)
  • Hotheads (an extract from How the Mind Works, 2005) ISBN 978-0-14-102238-3
  • The Stuff of Thought: Language as a Window into Human Nature (2007)
    幾島幸子、桜内篤子訳『思考する言語 ――「ことばの意味」から人間性に迫る[上][中][下]』日本放送出版協会、2009年
  • The Better Angels of Our Nature: Why Violence Has Declined (2011)
    幾島幸子、塩原通緒訳『暴力の人類史[上][下]』青土社、2015年
  • Language, Cognition, and Human Nature: Selected Articles (2013)
  • The Sense of Style: The Thinking Person's Guide to Writing in the 21st Century (September 30, 2014)
  • The New Enlightenment (forthcoming)[2]

論文・エッセイ[編集]

脚注[編集]

関連項目[編集]

参考資料[編集]

外部リンク[編集]

インタビュー[編集]

講演映像[編集]

討論[編集]