エキゾチカ (音楽)

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エキゾチカ(Exotica)は、1950年代と60年代に流行した音楽ジャンルの名称である。

概要[編集]

エキゾチカという名前はマーティン・デニーの同名アルバムに由来する。非西洋、特にオセアニアの島々や ハワイなどを「南国の楽園」として理想的にイメージした音楽である。広義では非西洋的な音楽要素を取り入れたオーケストラ音楽、またはジャズである。基本的にはインストゥルメンタル(演奏曲)である。

エキゾチカの場合、演奏者または作曲者が主に欧米人で、その音楽は西洋音楽の楽器編成(オーケストラ)、音楽理論などに概ね基づいている事に留意したい。(欧米人にとって)エキゾチックな要素としてオセアニア、東南アジア、アフリカ、あるいは日本を含めた東洋などの民族・民俗音楽の旋法やリズム、楽器(特に打楽器)が採用される。鳥などの動物の鳴き声や自然音が音楽に挿入される場合もある。しかしそれらはあくまでも彩りまたは装飾としてのものである。エキゾチカは欧米人が誤解と偏見を含めて思い描いた熱帯地域の島々(非西洋)を反映しているため、同地をイメージしたとされる音楽を現地の人が聞くと違和感を覚えることがある(オリエンタリズム)。 エキゾチカは基本的にはイージーリスニングとして聞かれる音楽であり、後者の1ジャンルとして捉える事が可能である。エキゾチカには通常分類されないものの、非西洋を題材にしているイージーリスニングは数多く存在する。映画のサウンドトラックのアルバムの中にもエキゾチカに近いアルバムおよび曲が多く存在している。また、1970年前後に日本で大量に制作されたムード音楽の中にもエキゾチカの傾向を持ったものがある。

エキゾチカのLPは、未知の楽園を家庭で手軽に疑似体験および夢想できるものとしてアメリカでは需要があった。ステレオ録音の進歩が音楽に反映されやすかったため、エキゾチカはオーディオマニア的見地から関心を向けられる事もあった。ロックがポピュラーミュージックの主流になるに従いエキゾチカの人気は衰退していった。しかし、1990年代前半にクラブミュージックまたはラウンジ・ミュージックの文脈でエスキヴェルが再評価され、それはエキゾチカそのものの再評価につながった。

日本では細野晴臣が1970年代にエキゾチカに注目していた事が知られている。細野のエキゾチカへの興味は「トロピカル・ダンディー」、「泰安洋行」、「はらいそ」に反映されている。細野が坂本龍一高橋幸宏と共に結成したYMOのファーストアルバムではマーティン・デニーの「ファイアークラッカー」がカヴァーされている。同曲のオリジナル版はデニーのアルバム「クワイエット・ヴィレッジ(Quiet Village)」や編集盤に収録されている。細野以外には久保田真琴ヤン富田小西康陽などがエキゾチカを愛好するミュージシャンとして知られている。

主要アーティスト[編集]

関連項目[編集]