イライラ棒

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イライラ棒(イライラぼう)は、テレビ朝日バラエティ番組ウッチャンナンチャンの炎のチャレンジャー これができたら100万円!!」内で放送されていたゲーム、およびそれを原作として発売された玩具ビデオゲームの名称である。考案者は番組ディレクター三木康一郎(現在 映画監督)。

概要[編集]

金属製コースフレームに電極棒を入れ、その電極棒をコースフレームや障害物に当たらないようにゴール地点まで持ち運ぶゲームである。電極棒がコースフレームや障害物に当たってしまったり、定められた制限時間内にゴールできなかった場合は電極棒の先に取り付けられた火薬が爆発しゲームオーバー、即失格となる。テレビなどではこの失格を爆死と表現していた。安全面を考慮し、チャレンジャーは必ずゴーグルと耳栓を着用する。

なお、鉄棒や針金でできたコースに棒ではなく輪っかを触れずに通していく類似のゲームはイギリスでは1950年代より存在しており、コースに輪っかが接触した際のブザー音からバズワイヤーと言う名前で広く知られている。

テレビ朝日バラエティ番組ウッチャンナンチャンの炎のチャレンジャー これができたら100万円!!』のメイン企画「電流イライラ棒」として登場し話題になった。クリアされるたびに新機能を搭載した新バージョンが登場していったが、それとともに難易度も増していき素人の手に負えるものではなくなってしまったため5代目の「電流イライラ棒リターンズ」がクリアされた時点で一旦終了した。しばらく経った後「電流イライラ棒USA」として復活したが、これも難易度が高すぎたためか打ち切りとなった。その後は1回きりの特別バージョン「ライトセイバーイライラ棒」として登場したのを最後に番組は終了した。

ゲームとしては単純ながらその完成度は高く、他番組でもこれをモデルにしたと思われる企画(例えば『筋肉番付』におけるおっとっと9、『TVチャンピオン』におけるプルプルラビリンス』、『炎の体育会TV』におけるミリオンスプーン、『天才てれびくん』における指プルタイムトライアルなど)がみられる。

なお、間違われやすいが、「電流イライラ棒」は番組内での名称、「電撃イライラ棒」はタカラがそれを玩具として発売した際の商品名である。

2009年2月18日放送の『シルシルミシル』では「イライラ棒」シリーズの歴史と内容を紹介した。しかし、成功者が出なかった「電流イライラ棒USA」と1回きりの特別版「ライトセイバーイライラ棒」は放送されなかった。

テレビ版各コースとトラップの概要[編集]

多くのコースは番組司会者であるウッチャンナンチャンの2人のイニシャルであるUとNをかたどっている。なお、基本的にウッチャンゾーンは曲線的、ナンチャンゾーンは直線的コースで構成されている。台湾・ファイナルは特番で、初代・スーパー・ウルトラ・リターンズは通常の放送で攻略された。

テレビ版における放映時の特徴[編集]

  • 同番組のチャレンジ項目に於いては冒頭にルール説明後に難易度を示す六角形ヒストグラムの表示がなされていたが他のチャレンジと違い、難易度、攻略アドバイスのナレーションはなされず、「人類を脅かす悪魔の機械、勝つのは人か?マッシーンか?」とナレーションされていた(同番組のナレーターでイライラ棒を全回担当した伊津野亮がマシンの部分をあえてアクセントを強める形でマッシーンとしゃべっていた。初期には「人か機械か?」と言っていた)。
  • 冒頭にて、ステージ○とサブタイトルをつけられ、放送回数を意味する。
  • 一度クリアされるとその時点で陥落となり以後の挑戦権は締め切られる。クリアした挑戦者には賞金100万円が贈られる。特番のゲストチャレンジでは賞金が300万円になったが獲得者はいなかった。
  • 視聴者プレイ枠の放映に於いては“珍プレイで爆死”→“女性お色気枠(通称ショータイム枠)”→“色物系、善戦プレイ”と続き、最後のチャレンジャーでレコード樹立のスーパープレイを映すスタイルがメインとなっていた。
  • 視聴者のチャレンジ終了後、その後スタジオでその回のゲスト達のチャレンジをするが、ウルトラ以降内村が「レディーGo」の後南原が何かしら一言放つのが定番となっていく。
  • チャレンジ放映2回目以降は視聴者プレイ枠の放映前に前回までのレコードホルダーのプレイがナレーターによるホルダーの名前読み上げと解説がなされていた。ファイナル、リターンズに於いては人類VSイライラ一族の戦いの演出を盛り上げる意味で爆死シーンに併せて“その墓碑を刻む”とナレーションされていた。
  • 視聴者プレイ枠において美人女性のプレイシーン(女性お色気枠)がありナレーションでは“今夜のショータイム”とよく言っていた。最初のウッチャンヘアピン系の障害チャレンジ中にカメラが絶妙なアングルで下半身を舐めまわす撮影がお約束となっていた。
  • イライラ棒を地球征服を狙う悪の一族(イライラ一族)と擬人化して人類との戦いとして繰り広げる設定がなされていた。特に、ファイナルとリターンズに於いてはより鮮明に表現されていた。

爆裂電流イライラ棒[編集]

シリーズ第1章。チャレンジのキャッチフレーズは【世紀末に現れた、究極の集中力実験装置】。後代と比較してコースの幅は広いが、コースの全長が10mと長く、制限時間が30秒と短い。この代に限り、コースフレームの外枠に棒の通過を表す赤いランプが設置されている。CLEAR TIMEは26秒。陥落は1995年12月19日、全9回放送。クリアしたのは空手家の男性。

  • ウッチャンヘアピン (ウッチャンのUをかたどったヘアピンカーブ。陥落した放送第9週分で発表された失敗率は182人中49%)
  • ナンチャンカーブ (ナンチャンのNをかたどったコースの中央にクランクカーブが設けられている。入口の幅は4.5cm。失敗率は182人中5%)

この代ではプロデューサー澤つながりまゆげコーナーがない。しかしゴール手前はそれに近いギザギザカーブが存在する。

スーパー電流イライラ棒[編集]

シリーズ第2章。この代から前半のウッチャンゾーンと後半のナンチャンゾーンに分かれ、その中間に休憩ゾーンが設けられた。立体カーブが生まれたのもこの代から。全長は15mで制限時間は合計60秒。ただしウッチャンゾーンを30秒以内にクリアしないと失格。ウッチャンゾーンをクリアすると、その残り時間はナンチャンゾーンの持ち時間に加算される。また、休憩ゾーンからナンチャンゾーンへは自分の好きなタイミングで入ることができる。コース紹介時に流れるBGMは映画『STREET FIGHTER』の「Showdown In Shadaloo」の冒頭部であった。 1996年春の超豪華嵐の10連発SPではゲストチャレンジの賞金を300万円にした。CLEAR TIMEは56秒。陥落は1996年4月23日、全13+1回放送。クリアしたのはフリーターの男性。

  • ウッチャンゾーン
    • スーパーウッチャンヘアピン (先代より細くなった)
    • ウッチャンうずまき (渦巻きを右回りに入って左回りに抜ける)
    • ウッチャン奥の細道 (足元近くに設けられた幅5cmの細い一本道。低い位置にあるため、を安定させるのが難しい)
  • ナンチャンゾーン
    • ナンチャンいろは坂 (幅の広い5本の直線を左右へ2往復半しながら下っていく。2段目と4段目はややコース幅が狭くなっている。勢いをつけ過ぎて曲がり角で失敗する挑戦者も多かった)
    • ナンチャンカーブひねり (立体カーブになっており、棒の角度をうまく変えて通過する。ここで失敗する挑戦者が続出した)
    • ナンチャンフラッシュ (稲妻をかたどったシケイン状のトラップ。定岡正二がここで失敗)
    • プロデューサー澤つながりまゆげコーナー (テレビ朝日澤將晃プロデューサーのまゆげをモチーフとした最終コーナー。数名の挑戦者がここで涙をのんだ)

ウルトラ電流イライラ棒[編集]

シリーズ第3章。この代から電動トラップが登場。電動トラップが公開された際に、司会者の内村は「この装置を初めて見た時笑ってしまいました」とコメントしていた。第2トラップで分岐するようになったのもこの代から。制限時間・全長は先代と同じ。CLEAR TIMEは59秒。陥落は1996年9月17日。また、陥落後にテレビ朝日の長時間特番「熱血27時間 炎のチャレンジ宣言」の中でも行われ、伊東勤が100万円獲得し、攻略者は2名、全19+1回放送。一般人として初めてクリアしたのはパン職人の男性。

  • ウッチャンゾーン
    • ウルトラウッチャンヘアピン (先代より急カーブになったもののコース幅が広がったため、難易度が下がった)
    • ウッチャン風車 (3基の風車が回転している。左と上が時計回り、右が反時計回り。上に行くと奥の細道、下に行くと中山道。上の風車への移動が難しいため、当初は時間のかかる中山道コースを選ぶ挑戦者もいた)
    • ウッチャン奥の細道 (風車から上に行ったチャレンジャーに襲い掛かる細い一本道。先代より高い位置となったため、難易度が下がった)
    • ウッチャン中山道 (放送時「中仙道」と表記、風車から下に行ったチャレンジャーに襲い掛かるグニャグニャカーブ。当初は風車から容易に入れるため好まれていたが、時間が掛かるため後期には選ばれる事は少なくなった)
  • ナンチャンゾーン
    • ナンチャンエレベーター (幅の広い5本の直線を上下に2往復半しながら右に進んでいく。ここで失格となったチャレンジャーは子供チャレンジ特別編での1人のみ)
    • ナンチャンプレス (4機のプレスによる上下運動。当初は1つ目と3つ目のプレスの速度が遅く、2つ目と4つ目のプレスの速度が速く、上下のプレスの動くタイミングが異なっていたが、途中から同じ速度・タイミングとなった。各プレスに退避場所が設けられているが、プレスの動き変更後は退避せずに一気に通過する挑戦者も多かった。ウルトラ電流イライラ棒初登場の回のゲストチャレンジでは、角盈男がここまで到達した)
    • ナンチャンカーブ2回ひねり (先代のひねりが2つに増えている。プレスを通過できてもここで失敗する挑戦者も多かった。スーパー電流イライラ棒の攻略者はここで失敗した。飯島愛がこのコーナーをクリアするも時間切れで失敗)
    • プロデューサー澤 剃って細くなったつながりまゆげコーナー (先代より幅が細くなり、さらに手前側に向かってひねりも加わった。コース幅は4.5cm。子供チャレンジ特別編の挑戦者(この時にナレーションは「まさにせこいぞ、プロデューサー澤!」と言った)、後のファイナル電流イライラ棒の攻略者はここで失敗した。柳沢慎吾が芸能人で唯一このコーナーまで到達した)

ファイナル電流イライラ棒[編集]

シリーズ第4章。“人類殲滅を狙う最大にして最強の悪魔は…”の絶望感に満ちたオープニング・ナレーションとともにコース紹介、ルール、最終目的が説明がなされ、冒頭部分には青い稲妻のアニメーションが入り、悲壮感漂うコーラス付きBGMと、まさに“人類VSイライラ一族”の最後の戦いらしい演出により同チャレンジを盛り上げていた。コース紹介時に流れるBGMは映画『ノートルダムの鐘』の「Sanctuary!」、DANGERボックス内・イライラロボのコース紹介時に流れるBGMは映画『HELLRAISER3』の「GOTHIC REBIRTH」であった。

スタートゲートは左右4本(後に3本)のバーがスタート音と同時が下がる仕組みであったが、下がったバーがイライラ棒のコードにひっかかり、数名タイムロスが生じたこともあり、中盤から、ウルトラ電流イライラ棒のようなゲートに切り替えられた。

ナンチャンゾーンの後にイライラロボが追加された。

  • イライラロボは、ナンチャンゾーンが攻略されるまで「DANGER」と書かれた箱の中に隠されていた。
  • イライラロボ初公開および公開後数回に於いてはオープニング以上の絶望感あふれるBGMとともにコース説明がなされた。その風格はまさにファイナルにおけるラスボスにふさわしいものだったが、冒頭に極悪プロデューサー 澤の文字と本人のドアップ顔写真が写り、絶望感を爆笑に変えてしまう演出がなされていた。
  • 歴代のイライラ棒でイライラロボのみ、挑戦中のタイマーはカウントダウン仕様になっている。

制限時間・全長はナンチャンゾーンまでは先代と同じ、イライラロボでは仕切り直しで30秒での挑戦。全長は3m。CLEAR TIMEはナンチャンゾーンまで59秒、イライラロボは25秒。

陥落は1997年3月25日放送の「超豪華花の10連発SP」(攻略者はホテルマンの男性であり、ウルトラにも挑戦した経験を持つが新つながりまゆげコーナーで失敗している)、全22+1回放送。

スーパー同様、特番のゲストチャレンジでは賞金を300万円にアップさせ、陥落した日に加藤茶が残り3cmでクリアできる好記録を出した。

  • ウッチャンゾーン
    • ファイナルウッチャンヘアピン (手前に向かってひねりが加えられた立体カーブになった。番組は3次元のカーブと呼んでいる)
    • ウッチャンスリーセブン (スロットマシンを模した3つのドラムが回転している。1・3つ目リールが上方に回転し、2つ目リールが下方に回転。上に行くとギロチン、下に行くと動く歩道)
    • ウッチャンギロチン (ギロチンが奥と手前方向の往復移動している。ギロチン以外は奥の細道と一緒)
    • ウッチャン動く歩道 (下側のコースフレームが上下に往復移動している。初回で放送されたコース紹介映像では入口の幅がかなり大きかったが、初回のゲストチャレンジ時には3分の1程度に縮小された。スリーセブンの構造上、このコースには入りづらい設計だったため選んだ挑戦者は僅か4人だった。内2人は三浦理恵子紅夜叉
  • ナンチャンゾーン
    • ナンチャン迷路 (名の通りだが、経路が変わることはなく、2通りの行き方がある(第6週放送分から3通りに)。まれにコースを間違える挑戦者もいた。初代イライラ棒の攻略者は陥落した回にここで失敗した。実況曰く、ファイナルで最も簡単)
    • ナンチャンローラー (ローラーを模した6枚の円盤が進行方向とは逆にコンベアーで運ばれてくる。ローラーのタイミングを見計らって、3つ用意されている退避場所へうまく滑り込むが、2つ目と3つ目の間隔が少し広くなっている。ローラー同士の幅が不揃いの為、タイミングを逸すると残り時間が足りなくなってしまうのが曲者。休憩ゾーンに居る間もローラーが動いているため、ナンチャンゾーンへ入る際にタイミングをみて入る事で、退避による時間ロスを短縮できる)
    • ナンチャンムーンサルト(月面宙返り) (更に先代より立体カーブが増え、計3回ひねる)
  • イライラロボ (プロデューサーの澤をモデルにしたロボットで、ファイナルの最終ボス。また、全体的に見て、コースが「澤」のSの形になっていて、かつコース幅も狭い。「DANGER」の箱の蓋が上へスライドして登場)
    • イライラロボ右手 (右手が上下に往復移動する。初めてイライラロボに挑んだ挑戦者は、陥落した回にも出場するも、またしても右手で失敗している。芸能人チャレンジでは柳沢慎吾も芸能人初の挑戦者となったが、ここで失敗した。また、松尾伴内[注釈 1]も挑戦するものの、柳沢同様、ここで失敗)
    • イライラロボ左手 (左手が左右に往復移動する。陥落した回のゲストチャレンジでは野々村真がここまで到達した)
    • イライラロボまゆげ (まゆげを模したコースフレームが90度ほど往復回転する。なお、左のまゆげおよびゴール手前には僅かなひねりが入っている。加藤茶が芸能人で唯一突破したものの、残り3cmのところで時間切れで爆死)

電流イライラ棒リターンズ[編集]

シリーズ第5章かつ完結編。様々な仕掛けが追加された。ほとんどの難関は電動トラップ。ナンチャンゾーンの後はイライラロボの妻のイライラロボ夫人とイライラ棒シリーズの黒幕メカ・ウンナンA(エース)。制限時間・全長はナンチャンゾーンまでは先代と同じ、イライラロボ夫人とメカ・ウンナンAは各30秒、各2m。中ボスのイライラロボ夫人は、ナンチャンゾーンが攻略されるまで「危险 DANGER」と書かれた箱の中に隠されていた。さらに最終ボスのメカ・ウンナンAに至っては、イライラロボ夫人の下の階層にある「剡 FIRE」と書かれた場所に隠されており、直前のナンチャンゾーンでのエレベーターにより見えない設計になっている。そのため、ほとんどの人がイライラロボ夫人攻略の時点で陥落したと思っていた。コース紹介時に流れるBGMはショスタコーヴィチの交響曲第10番ホ短調 Op.93第2楽章、DANGERボックス内・イライラロボ夫人のコース紹介時に流れるBGMはファイナルのイライラロボと同じものであった。リターンズには独自のスタートシグナルとタイマーが存在。

CLEAR TIMEはナンチャンゾーンまで54秒、イライラロボ夫人は23秒、メカ・ウンナンAは28秒。陥落は『今年もやります! ぶち抜き27時間・熱血チャレンジ宣言97(27Hour Special Challenge 97)』が放送された翌々日の1997年11月11日、全20回放送、放送期間中に特別企画や番組構成の都合でリターンズは3時間スペシャルを含め、計4度放送休止され、スペシャルでの放送実績は無い。攻略者は職人の男性。

  • ウッチャンゾーン
    • ウッチャンヘアピンリターンズ (上側のコースフレームが上下に往復移動している。当初はかなり早いスピードで動いていたが、放送を重ねる毎に速度が低下した)
    • ウッチャン太陽 (炎を模して円形に並べられた8機のプレスが反時計回りに回転しながら往復移動している。上に行くとウッチャントルネード、下に行くとウッチャン無鉄砲/意気地なし。なお、右下にストッパーが設けられており、下から一気に抜ける事はできない)
    • ウッチャントルネード (細道のコースに螺旋状のトラップが回転している。螺旋のスピードに合わせなければならない分時間が掛かる(約8秒)。一度進入すると引き返す事はできない。無敵のボーナスも無いため、中盤以降は選ばれなくなった)
    • ウッチャン無鉄砲 (速く長いプレス、退避場所無し。これをクリアするとナンチャンゾーン突入後、15秒間棒がコースに触れても爆発しない「無敵」状態になる。ナンチャンゾーンがエレベーター移動なので無敵の利点が少なく、挑む挑戦者は少なかったが、一般の男子中学生の挑戦者がクリアした)
    • ウッチャン意気地なし (「無鉄砲」の入口直後にある回避通路で、幅の広い1本道。もちろん無敵のボーナスは無い。一方通行用のピンク色のバーが設けられており、一度意気地なしを選ぶと無鉄砲へ戻ることはできない。大抵の挑戦者は無難にここを使用した)
  • ナンチャンゾーン (入ると同時に挑戦者を乗せたエレベーターが動き出す。10秒間上昇、10秒間下降、また10秒間上昇した後に止まるが、実際には1回に12秒ほど掛かる。エレベーターの動きに合わせながら通過する。芸能人チャレンジでは、柳沢慎吾のみがここまで到達)
    • ナンチャン細道縦式 (縦の細道。縦式というが、歴代のナンチャンゾーンで細道コーナーは無い)
    • ナンチャンコンベアー (左右交互に配置された黄色い横長のバー〔当初は単に銅板だったが、コースにある固定障害物と同色で見えづらく、銅板に黄色のテープを貼付〕が下から運ばれてくる。さらに途中に横棒の固定障害物が不規則に配置されている。固定障害物は当初7本存在したが、エレベーターの下降もあり難易度が高かったため、回を重ねるたび、6本、5本と徐々に減らされていった)
    • ナンチャンカーブ縦式 (代を重ねるごとにカーブが増えていったため、この代では遂にNの形は完全に崩れて無くなっている。コース図では4回ひねりになっているが、実際には2回だけで、コース幅が大きい。それでも難易度が高かったのか、途中から1.5倍程度に拡大された。柳沢は1997年10月22日放送分でここの下部まで到達し失敗したが、芸能人レコードホルダーとなっている)
  • イライラロボ夫人 (リターンズの中ボス。エレベーターが上昇しきったところで止まり、「危险 DANGER」の箱の蓋が上へスライドして登場。ファイナルに登場したイライラロボの妻であり、イライラ一族の母でもある。夫の敵を討つ為に舞い降りたという設定。コースはイライラロボと同じ「澤」のSの形である)
    • ロボ夫人右手 (右手が上下に往復移動する。女性のため手が細く、登場初回で突破される)
    • ロボ夫人左手 (左手が左右に往復移動する。右手と同様手は細く、先代イライラロボはクランクのように突破するが、ロボ夫人はこの後のトラップの関係で直線で突破できるコースだった)
    • ロボ夫人おっぱい (両胸が前後に左右交互で往復移動する。中央部分が退避場所になっている。初のイライラロボ夫人到達者は、突破後直ぐのカーブにて失敗した)
    • ロボ夫人まゆげ (回転軸の位置が中間から眉間寄りに変わり、まゆげ本体も曲線から直線に変わっている)
  • メカ・ウンナンA (リターンズ並びにイライラ棒シリーズの最終ボス。イライラ一族を陰で操っていたという設定。ロボ夫人攻略後にエレベーターが下降し、その下の「剡 FIRE」の箱の蓋が右へスライドして登場)
    • ウンナン歯車 (ウッチャン風車に似ている大小2つの歯車が噛み合って回転しているトラップ。左の小さな歯車が時計回り、右の大きな歯車が反時計回り。歯車が噛み合う部分が難所。初のメカ・ウンナンA到達者は、噛み合う部分で失敗した)
    • ウンナンプレス (ウッチャンスリーセブンとナンチャンプレスが合体したトラップ。回転ドラムの両側にプレスが配置されている。手前のプレスの下に設けられている退避場所から、ドラムのタイミングを見計らって通過する)

爆裂電流イライラ棒USA[編集]

アメリカ合衆国にちなんだコース。この代では前半後半の名前が「ウッチャンゾーン・ナンチャンゾーン」ではなく「ファーストステージ・セカンドステージ」となっている。制限時間は合計60秒。ただしファーストステージを30秒以内にクリアしないと失格。マンハッタントルネードでは制限時間のカウントは止まるが、ここで失敗してしまうとセカンドステージには進むことが出来ない。結局、放送されたのは3回だけで(そのうち2回はゲストチャレンジのみ)、誰も攻略できずに終了した。レコードホルダーはドロンズ石本で、記録はスターオブハリウッドの入口地点。 リターンズと同じ、USAにも独自のスタートシグナルとタイマーが存在で、USAのタイマーのテロップはのちに他の企画にて流用された。

  • ファーストステージ
    • ワシントンコーナー(Wをかたどったカーブ)
    • ラスベガススロット(4つのドラムが回転・停止を繰り返している。1つ目、3つ目のドラムは上方へ回転し2つ目、4つ目のドラムは下方へ回転する。絵柄一つ分ほど回転→1秒程停止という動きを繰り返し、途中で通路が一列になる。ドラム1つ当たりのサイズはウッチャンスリーセブンよりやや小さい)
    • ロッキーマウンテン(サイズが不揃いなギザギザカーブ)
  • マンハッタントルネード (縦に置かれた螺旋状のトラップが回転している。制限時間のカウントは止まるが、ここをクリアしないとセカンドステージへ進めない)
  • セカンドステージ
    • ザ・グランドキャニオン(グニャグニャカーブ)
    • スターオブハリウッド(丸いコースに回転の速度が異なる十の字の形をした左回りの羽根と右回りの羽根があるトラップ。中心には髑髏風の飾りがついている。多くの退避場所が設置されており回転の際生じる隙間を上手く通過し退避場所から退避場所へと移動する。レコードホルダーのドロンズ石本はこのトラップの入口地点まで到達した。クリアした挑戦者は居ない)
    • ナイアガラフォール(ひねりが加わっている縦の細かい波状カーブ。幅が狭く長い。到達者は無し)

ライトセイバーイライラ棒[編集]

映画『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』上映にちなんだ復活版。1回きりの限定バージョンのためかなり短く、ゲストチャレンジのみであった。また、イライラ棒がライトセイバー型になっており(男性は緑色、女性はピンク色)、爆発もCG加工でライトセイバーがスパークしてから爆発となる。制限時間は初代と同じ30秒。攻略者は現れなかった。記録はウォーズコーナーの入口地点。

  • スターカーブ(Sをかたどったカーブ)
  • 流星ゾーン(☆の形をしたコースに星を模した小さな障害物が大量に設置されており、いくつかの障害物が縦に往復移動している。田中直樹ココリコ)がこのコーナーに到達している途中、なぜか慌ててステップを踏んで失敗〈その際、内村は「何でだよ…」と言ってしまった〉)
  • ウォーズコーナー(Wをかたどったカーブ。イライラ棒USAのワシントンコーナーとほぼ同じ。遠藤章造(ココリコ)が18秒までこのコーナーに到達するも、12秒残して失敗)

台湾版イライラ棒[編集]

台湾の華視電視台(中華電視公司)で放送されていた炎チャレの模倣番組になっていた紅白勝利に登場したイライラ棒。スタッフが楽屋にいるウッチャンナンチャンの二人と柳沢慎吾に、台湾で人気を博しているという模倣番組「紅白勝利」のVTR(赤ちゃんハイハイやグラグラブロックの模倣企画の映像)を見せ、その中にあったイライラ棒の模倣企画が日本版初代のコースから演出まで完全にコピーした物であり、しかも許可を得てないということもあって「陥落させて懲らしめよう」という流れになった。そしてその日に新バージョンが出るという台湾版イライラ棒を、「ウルトラ」までの歴代の制覇者3人と柳沢慎吾が「イライラ四天王」として現地へ赴いて「撃滅作戦」と称し挑戦した。挑戦はしなかったが松尾伴内も同行した。クリア賞金は伍萬元で当時の日本円では約20万円に相当した。制限時間は60秒だが途中に休憩ゾーンは無い。初代イライラ棒の攻略者が台湾版も制覇した。ちなみに先代の台湾版は前記の通り日本の初代と全く同一だった(ただし、制限時間が45秒と難易度はやや緩かった)。このバージョンのイライラ棒も日本の歴代イライラ棒と似ている部分が多々あり、柳沢慎吾は対面した直後に「オイオイこれ見たことあるよー」「これコピーじゃねえかコピー」と発言した。全長は16mと歴代日本版と比べやや長い。

  • 前半は幅の広い直線コースが続き、四角いウッチャンヘアピンらしきコーナーとナンチャンカーブと似ているコーナーがある。初代イライラ棒の「後半」と良く似ている。
  • 中盤にはウッチャン風車と瓜二つのコーナーがある。現地の実況では「大車輪」と呼ばれていた。上に行くと細い一本道があり、進むとさらに縦に2つ並んだ風車のエリアがある。風車の回転速度は日本版に比べやや速く、全て時計回り。下に行くと距離も長く激しいグニャグニャカーブの台湾版ウッチャン中山道があり、ナレーション曰く「ウッチャン中仙道と狙いは一緒」。
  • 最後には角ばったつながりまゆげコーナー。しかし台湾のプロデューサーは眉毛が薄く、繋がりまゆげでは無い。

ちなみに、コース紹介時は日本の歴代イライラ棒シリーズと似ている場所をピックアップして比較する演出が行われた。ピックアップされた場所は「ウッチャンヘアピン?」「ナンチャンカーブ?」「ウッチャン風車?」「ウッチャン中仙道?」「繋がりまゆげ」であり、ナレーションは比較する度に「やりやがった…」「またやりやがった…」「またまたやりやがった…」といった反応を見せた。

他にもテレビ朝日で放送されている番組対抗の特番専用に作られた特別バージョンが2種類存在した。 なお、「紅白勝利」はのちに炎チャレの模倣番組を脱却した。

玩具版イライラ棒[編集]

玩具版イライラ棒はタカラから販売された。初代「電撃イライラ棒」、電動トラップが搭載された「ファイナル電撃イライラ棒」、持ち運びに便利な「電撃イライラ棒MINI」「電撃イライラ棒パズルちぇーん」などが販売された。爆発のかわりにベルが鳴る仕組みとなっている。

他局の番組である「ピラメキーノ」の懐かしのおもちゃ対決のコーナーに登場したことがある[1]。「モヤモヤさまぁーず2」で3人がおもちゃ屋で見つけ喫茶店で三村・大竹・大江アナが挑戦した[2]

アーケード版イライラ棒[編集]

イライラ棒はアーケードゲーム化もされ、3タイプの異なった操作形態やコースで遊べる筐体が稼動していた。

体感ゲーム型[編集]

  • 「ウッチャンナンチャンの炎のチャレンジャー ウルトラ電流イライラ棒」 というタイトルで1996年に稼働。開発はSNK
  • TV同様、実際に棒を持ってプレイする。ゴールするまでの制限時間あり。
  • ウルトラ、ファイナル、リターンズの3種類が稼働。ファイナルとリターンズは、ウルトラに比べ筐体サイズが小型となっている。
  • 大きさの制限のため、コースはディフォルメされているものの、トラップの順番や可動トラップの動きなどはTV版に準拠している。
  • ウルトラは「ウッチャン風車」の並びが異なり、3つの内1つの風車のサイズが小さくなっている。「ナンチャンプレス」はプレスの数が2つになっている。また、「ウッチャンヘアピン」はコース上部でのカーブとなっており、「ナンチャンエレベーター」は一往復半のみ、「ナンチャンカーブ2回ひねり」はギザギザカーブに近いものになっている。
  • ファイナルは「ウッチャンスリーセブン」のドラムの回転が3つ全て下回転であり、「通路が常に少しズレた状態」で固定されたまま回転する。上に行くと「ウッチャンギロチン」、下に行くと「ウッチャン動く歩道」風トラップがある。更に進むと形の異なる黄色いパーツが不揃いに設置されているコーナーがある。「ナンチャンローラー」はローラー型の障害物の数が4つとなっている。「ナンチャンムーンサルト」は小さなカーブになっている。最後にはイライラロボを模したコーナーがあり、繋がり眉毛風のトラップが待ち構えている。
  • リターンズは「ウッチャン太陽」のプレスの数が4つとなり、全てのプレスが同時に広がるような動きをする。下からも抜ける事が可能にされていた。上に進むと「ウッチャントルネード」があり、下に進むと「ウッチャン無鉄砲」がある。「ナンチャンコンベアー」は黄色の障害物が右に2つ、左に1つ設置され、移動はしない。代わりに右側に複数本設置された赤色の障害物が下へと移動し、本来の黄色の障害物の役割をする。最後にはイライラロボ夫人を模したコーナーがあり、「イライラロボ夫人おっぱい」と「繋がりまゆげ」風のトラップが待ち構えている。
  • ミスをすると筐体から爆発音が鳴り、棒の持ち手部分に内蔵されているモーターが動き、振動によって手を痺れさせる仕組みとなっている。
  • スタートさせてから棒をコースから外すとトラップが停止して警告メッセージが筐体から鳴りゴール付近で入れ直しても無効とされるのでチートはできない。また、コインを投入せずにプレイしてミスすると警告メッセージが鳴る。
    • 筐体にもよるが、ウルトラをクリアすると、「イライラ覇王」という称号が入ったカードをもらうことができる。
    • ファイナルとリターンズは、筐体同士をつなげてさらに長いコースにすることもできた。

ビデオゲーム型[編集]

  • 「ウッチャンナンチャンの炎のチャレンジャー ウルトラ電流イライラ棒(海外名:The Irritating Maze)」というタイトルで1997年に稼動。開発はザウルス
  • Multi Video System基板を使用。
  • トラックボールを転がしてイライラ棒を示すカーソルを動かして、コースを進む。また、ミスをすると、筐体からエアーが吹き出す仕組みである。
  • TV版の同名コースを基本にしたゲームオリジナルのコースに挑戦する。
    • コースに存在するトラップには、TV版のトラップを模したものから(ウッチャンスリーセブンやイライラロボ等)、ゴンドラ・落下物等の実物では実現が困難あるいは不可能と思われるオリジナルのトラップも収録。

景品ゲーム型[編集]

  • 「電撃イライラ棒チャンス」というタイトルで1997年に稼動。開発はNMK
  • 同じタイトルながら、コース幅が狭く難易度が高い物や分岐点があるものなどコース内容が違うバージョンが複数存在した。
  • 欲しい景品を指定し、下から自動的に上に向かって動く電極棒を、コースフレームに当たらないようにハンドルを使って左右に動かしてゴールまで導く。
  • 無事クリアすると景品が貰える仕組み。

コンシューマゲーム版イライラ棒[編集]

評価
レビュー結果
媒体結果
ファミ通29/40(PS)[3]
電撃PlayStation140/200[4]

イライラ棒はNINTENDO64PlayStationコンシューマーゲーム機のソフトにもなった。

NINTENDO64版[編集]

ウッチャンナンチャンの炎のチャレンジャー 電流イライラ棒ハドソンから1997年12月19日に発売されたNINTENDO64用ソフト。開発はユークス[5]

  • テレビ版の初代からリターンズまでのコースと、練習用オリジナルコース1本を収録(「電流イライラ棒プラクティス」という名称。この名称での登場ではないが、芸能人のみ挑戦できた特番で放映された。このときの賞金は100万円。一度きりの登場にもかかわらず、陥落している)。
  • 実況アナウンサーは辻義就が担当。
  • 操作は3Dスティックで行う。ミスすると振動パックが振動する。
  • タイムアタックや対戦モード等の導入といったコンシューマ版オリジナルの要素もある。
  • 総額100万円分おもちゃ券のプレゼントのキャンペーンが行われた。
  • なお、コースの1つ「リターンズ」の「ウッチャン無鉄砲」は性質上、初期状態で選べる棒では突破不可能だが、ある条件で選べるようになる「非常にスピードが速い棒」であれば突破可能。無敵ボーナスは無いが後半の制限時間が「ウッチャントルネード」「ウッチャン意気地なし」よりも延長される。

プレイステーション版[編集]

ウッチャンナンチャンの炎のチャレンジャー 電流イライラ棒リターンズ」はザウルスから1998年3月19日に発売されたPlayStation用ソフト。海外では「Irritating Stick」として発売されている。

  • TVから初代・ファイナル・リターンズ、アーケード版ビデオゲーム型の移植版から難易度別に4種類のコース(初級・中級・上級・超弩級)、出来によって難易度が上下する自動生成コース、更にエディットモードで作成したコースがプレイ出来る(エディットのサンプルには、TV版のスーパー電流イライラ棒に似せたコースを収録)。
  • 大熊英司テレビ朝日アナウンサー)が実況を担当。
  • 本作品オリジナルとして、ダンベルを持つロボット「イライラロボ2号」が登場。なお、ファイナルのイライラロボは「イライラロボ1号」と表記されている。
  • 基本的にはNINTENDO64版と同じ(操作はアナログスティック、ミスするとデュアルショックが振動)だが、対戦モードにアイテムが追加されたり、勝ち残り・負け残り式のトーナメントが出来るモードが追加されている。
  • リターンズのナンチャンゾーンのエレベーターは再現されていない。
  • マウスでの操作に対応している。
  • 電撃PlayStationDPSソフトレビューでは70、70の140点[4]。レビュアーは実況がテレビ番組を再現していて雰囲気がある、コントローラーの振動でミスをしても腹が立つより笑える、コースのエディット機能の存在、画面分割をして2P対戦ができてパーティーゲーム向けで完成度があると賞賛、通常コントローラ―での操作は十字キーによる斜め操作が動かしにくくアナログコントローラー+デュアルショックによる操作が前提であるとした[4]

パソコン版イライラ棒[編集]

上記のコンシューマゲーム版が発売される以前に、スパイスクリエイティブ社からハイブリッドCD-ROMを媒体として『マウスゲームコレクション 電流イライラ棒』が発売されている。マウスで棒を表す水色の円をドラッグし、フレームに触れずにゴールまで棒を導くことが出来ればコースクリアとなる。テレビ版の初代、スーパー、ウルトラ、ファイナルの4種類のコースに加え、迷路、顔面、風車、月面、鋼鉄、四天王といった6種類のオリジナルコースが収録されている。WindowsMacintoshに対応。コースのすすみ具合により実況も流れる。なお、これ以外にも個人製作のフリーソフトやブラウザ上でプレイ可能なイライラ棒が公開されている。炎のチャレンジャー公式サイトでも、イライラ棒放送当時「電脳イライラ棒」というゲームを公開していた。

他ゲームに登場するイライラ棒[編集]

上述のように多数ゲーム作品化されているほか、イライラ棒をメインとしない他のゲーム作品でもイライラ棒を題材にしたと思われるミニゲームが設けられていたものがある。以下はその作品である。

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 挑戦時、なぜか素人のように扱われ、「謎の男、新田くん(新田まこと)」と紹介された。

出典[編集]

関連項目[編集]