インターネットバンキング
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インターネットバンキングまたはオンラインバンキングはインターネットを介した銀行取引(その他銀行に類する金融機関も含む)のサービスである。インターネット閲覧端末(ウェブブラウザ)で利用する。似たようなものとして、携帯電話のインターネット閲覧機能を利用した銀行取引サービスであるモバイルバンキング (mobile banking) がある。
概要
インターネットは情報を瞬時に相互に伝達し、詳細に閲覧できる性質を持ち、金融取引との親和性は高い。このような特性から、インターネットを介した銀行取引の提供は、ネットショッピングなどの他のインターネットによる通信販売と比較して早い時期に利用が拡がり始めた。また、現金の取扱いに既存の金融機関のATM店舗網を提携利用できることに着目して、インターネットから利用する仮想店舗を設け、自社による実店舗(窓口やATM)の営業を前提としない新たな形態の銀行が営業を始めた。一部の地方銀行・第二地方銀行は、コンビニATMと組み合わせることで、地盤となる実店舗設置地域のみならず全国に向けたサービスを展開している。
一方、口座の入出金を顧客自身の使用する端末上で確認できることから、冊子式通帳を発行しない口座も各銀行で導入されている。通帳の省略は銀行における口座維持費用の低減につながり、普及推進のため様々な優遇措置が提供されている。
ブラウザチェックにより、Windows XP/Vista/Winsows 7以外のOSやInternet Explorer (IE) 6/7/8以外のブラウザからのアクセスを拒否している場合も見受けられる他、Windows以外のOSに対応かつIE以外のブラウザに対応していてもPDAやスマートフォン、携帯電話のフルブラウザからのアクセスを拒否するケースもある。
2003年ごろからは法人向けのインターネットバンキングを提供する銀行が現れた。通常の機能に加え、総合振込などのデータ転送、外国為替取引などの機能が加わっている。
個人向けは全都市銀行と全地方銀行、全第二地方銀行と多くの信用金庫で行われている(四国銀行はこれまで照会機能しか持たなかったが、2006年1月16日にようやくフルサービスを開始した。また最後まで未提供だった大正銀行も2006年6月に開始)。法人向けも導入が広まっており、最後まで「法人向けインターネットバンキング不毛地帯」であった香川県も、2007年5月から百十四銀行がサービスを開始したため、このような不名誉な称号を持つ都道府県は消滅した(香川県が最後までこのようになってしまった事情については百十四銀行、香川銀行を参照)。信託銀行では、三井住友信託銀行・みずほ信託銀行・三菱UFJ信託銀行で提供済。
近年の勘定系システム同様、ベンダ主導のパッケージを用いているところが多く、都市銀行でもりそな銀行が地方銀行・第二地方銀行で多く採用されているANSERを旧あさひ銀行時代より採用している(旧大和銀行は独自のシステムを採用しており、りそな銀行になった後も「りそなダイレクト type Blue」として利用されていたが、統合システムでは旧あさひ店の「りそなダイレクト type Red」(埼玉りそな銀行でも、埼玉内では単一システムにもかかわらずこの名称を利用していた)に片寄せされ、旧奈良銀行と合併後ややしばらく経ってからは、単に「りそなダイレクト」に改称している)。
また、法人向けのインターネットシステムは、個人向けとは別のパッケージとなっているところもあり、みずほコーポレート銀行などが法人向けのANSER Webを採用している(個人向けは独自システムでも、法人向けがパッケージシステム採用と云うところも少なくない)。
提供サービス
窓口やATMと比較して、在宅で利用できること、土日休日や夜間早朝でも利用できることなどのメリットがある。
反面、金融犯罪にあった場合、銀行によって補償がバラバラであり注意が必要である。預金者保護の観点から金融庁もこの問題に対して検討中といわれている。
主なサービス
インターネットバンキングでは、多くの金融機関において以下のサービスが中核的に提供されている。このうち振込みは、店頭やATMといった実店舗取引からの移行(混雑の緩和、処理集中の分散、業務の省力化)を促進するため、実店舗利用の場合(銀行によっては、ATM利用時を含む)に比べて手数料が割安に設定されている場合が多い。
- 残高照会
- 口座の入出金明細の表示
- 振込み・振替
付加サービス
利便性や収益力向上のために以下のサービスが行われている場合もある。
セキュリティ
インターネットバンキングを標的としたネット犯罪にはキーロガーやスパイウェアを仕込まれたり、フィッシング詐欺に遭ってパスワードなどを盗まれるケースが考えられるが、2006年施行の預金者保護法において、ネットバンキングは保護の対象外となっていた。一方で2005年度には49件だったネットバンキングにおける預金の不正払い戻しは2007年度には233件、被害総額は1億9千万円を超えるなど大幅な増加傾向を示したため、2008年2月、全国銀行協会はネットバンキングについても、預金者に過失がない場合は全額補償するという方針を打ち出した[1]。各銀行はさらに強固なセキュリティ対策と顧客への啓蒙を進め、2009年には58件に減少するなどこの数年は改善傾向が見られる[2]。以下に各銀行が講じている対策のうち主だったものをあげる。
- TLSによる通信の暗号化
- PIN
- ログインパスワード
- 乱数表
- ワンタイムパスワード
- ソフトウェアキーボード - キーロガーに対処
- フィッシング対策ソフトの提供
- 一定時間経過による自動ログアウト
- 取引上限額の設定
- 接続端末の制限 - IPアドレスによる接続制限
金融機関別システムベンダ
独自システム
メガバンクやネット銀行を中心に、一部の地方銀行・第二地方銀行や信託銀行やゆうちょ銀行で採用されている。
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ANSER WEB
NTTデータが開発したANSERのカーネル上で運用するシステム。初回登録でID(英数字が混在したもの)・ログインパスワード・確認パスワードを設定し、次の利用時からそれらを利用するのが特徴。利用者への会員証を発行するケースはほとんどないが、利用行の中には、りそな銀行のように、振込時に利用する乱数表カードを提供するなど、オプションに汎用性が高いのが特徴。Microsoft Moneyへの明細ダウンロード機能を提供している銀行が大多数。日立製作所を除く各ベンダの勘定系システム採用行で広く取り入れられている(仙台銀行のような例外はある)。特に、NTTデータ地銀共同センター採用行・予定行のほとんどが採用(採用予定行のうち、西日本シティ銀行等に例外あり。なお、西日シ銀は、2009年7月6日より、セキュリティシステムの強化に伴い、表示アドレスがncbank.co.jpドメインとなっているが、この時点ではFINEMAXベースのままとなっている)。
テレホンバンキングはインターネットバンキングとは別システムとなっており、独立した別契約か提供なされていないというケースが多く見られる(りそな銀行の場合は、りそなコミュニケーションダイヤルはキャッシュカード発行によりテレホンバンキングとして利用できる仕組みになっており、りそなダイレクト契約の有無は関与しない。岩手銀行の場合は、インターネットバンキングの有料サービスのオプションとしてテレホンバンキングが提供されるが、テレホンバンキングの契約者カードをインターネットバンキングで利用することはない。秋田銀行や北都銀行、きらやか銀行では完全に別契約での申込となる)。
個人向けの場合、アドレスに、paweb.anser.or.jpが含まれていることで、当システムが採用されているのが判別可能(法人向けは、caweb.anser.or.jp)。なお、りそな銀行は2008年10月のりそなダイレクトの一部リニューアルにより、表示アドレスがresonabank.co.jpに変更されているが、ANSERベースであること自体は変更ない。
採用行・りそな銀行、北海道銀行、青森銀行、秋田銀行、北都銀行(個人向けは2009年11月16日以降。法人向けはサービス開始当初から)、荘内銀行、岩手銀行、東北銀行、きらやか銀行、仙台銀行など
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eMuSC
日本アイ・ビー・エムが運営している、インターネットバンキングサービスとテレフォンバンキングサービスを提供する、チャネル共同センターの総称。
eMuSC : e-Multi channel Service Center
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FINEMAX
日立製作所開発のインターネットバンキングシステム。ログインIDが必ず10桁であるのが特徴(代表口座の支店コード3桁・口座番号7桁という銀行が多くみられるが、利用者会員証を発行している銀行では、別の10桁を設定している場合や乱数表を提供しているところもある)。こちらも、ログインパスワード・確認パスワードの2つを別途設定する。テレホンバンキングと共通化している銀行もみられる。七十七銀行のようにテレホンバンキングベースの銀行(インターネットバンキング・モバイルバンキングはテレバンのオプション扱いで、テレバンの会員証をインターネットバンキングで利用する形式)や、北日本銀行のようにインターネットバンキングをベースにしている銀行(テレホンバンキングも同じ会員証で黙っていても使うことが可能)もある。
一部採用行では、モバイルEdyチャージを提供しているところが見られるが、Microsoft Moneyへの明細ダウンロード機能は提供していない。福岡銀行、広島銀行などのように、銀行の独自色を出したコンテンツを提供している採用行がある。なお、日立製作所が構築した勘定系システムを採用している銀行のほとんどが採用しているが、七十七銀行・東邦銀行のような富士通の勘定系採用行の一部等でも取り入れられている。
アドレスに、finemax.netないしはib-center.or.jpのいずれかが含まれていることで、当システムの採用を見分けることが出来る。
採用行・イオン銀行、みちのく銀行、七十七銀行、東邦銀行、新銀行東京、北日本銀行、千葉銀行など
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その他
- しんきんインターネットバンキングシステム - 一部を除く信用金庫
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脚注
- ^ 「預金等の不正な払戻しへの対応」について 全銀協ニュース
- ^ インターネット・バンキングによる預金等不正払戻し(被害発生状況・補償状況) (PDF, 金融庁)
関連項目
- フィッシング詐欺
- アカウントアグリゲーション(口座管理ソフトウェア)
- PayPal
- テレホンバンキング
- モバイルバンキング