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さるびあ丸 (3代)

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東海汽船さるびあ丸(とうかいきせんさるびあまる)は、東海汽船が運航する貨客船。本項目では、2020年就航の3代目を取り扱う。

概要

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本船は、1992年に就航したさるびあ丸(2代)の代船として、三菱重工業下関造船所江浦工場で建造され、2019年11月27日に進水[1]2020年6月5日に竣工、同年6月25日から主に東京竹芝) - 伊豆大島 - 神津島航路、東京湾納涼船航路に就航している[2][3]。総トン数は、さるびあ丸 (2代)の約2倍で、6,099トン。

客室の種類は6種類で、特等船室、特1等船室、1等船室、特2等船室、2等和室、2等椅子席があり、総客室数は1,100室。この船舶からは、すべての2段ベッドに階段が採用された。

船体デザインは、2020年東京オリンピック・パラリンピックのエンブレムを手掛けた野老朝雄が担当した[2][3]。本船のコンセプトである「本土と島を結ぶ」ことをイメージした幾何学的な波模様を、伊豆諸島沖を流れる黒潮のような藍色で船体に表現されている[2]。また、東京湾納涼船に使用することも考慮されたため、デッキが大きくなったのが特徴的。

本船さるびあ丸は、3階特2等船室、4階特2等船室で多少の違いが出ている。4階特2等船室では、ドア、窓があり、4人向かい合いでコンパートメントになっているが、3階特2等船室は区切りが少ない。

本船は設計段階より小笠原航路への代船として使用することを考慮していたため、小笠原村から建造費の一部補助を受け、[4]近海仕様で建造された。その結果、東京港から1,000kmほど離れた小笠原諸島への航海が可能となった。おがさわら丸ドック期間中の代船として東京(竹芝) - 父島航路に2021年から使用されている[2]。この準備の一環として父島への試験航海を実施し、父島・二見港に2020年10月13日初めて入港している[5]2021年5月18日から3代目おがさわら丸のドック中の代船として使用されている[6]

さるびあ丸では、有料だが、2等和室などで使える毛布の貸し出しを行なっている。料金は500円前後。

航路

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  • 東京(竹芝) - 伊豆大島 - 神津島航路
    • 東京(竹芝) - 横浜大さん橋) - 伊豆大島 - 利島 - 新島 - 式根島 - 神津島
      • 横浜港寄港は上り便(各島発東京行きの便)の東京湾納涼船運航期間を除く土・日曜日に実施。横浜 - 東京間のみの利用も可能であり「東京湾夜景航路」として遊覧船のような案内でプロモーションがなされている[7]。かつては下り便(東京発各島行きの便)の金・土曜日も実施していたが、運航ダイヤの維持のため2025年3月から休止となった[8]
  • 東京(竹芝) - 三宅島 - 御蔵島 - 八丈島航路
    • 東京(竹芝) - 三宅島 - 御蔵島 - 八丈島
    • 橘丸の定期点検・ドック期間中に運航
  • 東京(竹芝) - 父島(二見港)

動力

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ハイブリット方式を採用しており、ディーゼル機関1機1軸+電動駆動プロペラ(アジマス推進器)で、プロペラは、可変ピッチ翼と360度回転するアジマス推進器を組み合わせ、操船力を向上させている。

通信設備

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2025年2月、スペースX社のスターリンク本格運用開始。船内でのアクセスポイントは限られるものの、航海中でも無料WiFiが利用できるようになった。これまでは陸上から離れると、大手キャリアでもスマートフォンなどは圏外になり通信が困難だった。[9]なお、3階の特2等室は、4階の特2等室に比べ、携帯電話の電波が入りにくくなっている。[10]

脚注

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出典

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  1. ^ “三菱重工業、貨客船「さるびあ丸」進水 東海汽船向け”. 日本経済新聞. (2019年11月27日). オリジナルの2020年1月28日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20200128015300/https://r.nikkei.com/article/DGXMZO52660850X21C19A1XA0000 2020年6月18日閲覧。 
  2. ^ a b c d e 三菱造船下関にて建造中の貨客船「さるびあ丸」が竣工、6月25日より就航』(PDF)(プレスリリース)東海汽船、2020年6月5日。オリジナルの2020年6月8日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20200608153952/https://www.tokaikisen.co.jp/wordpress/wp-content/uploads/2020/06/f6cab1897fc55f533e346bf2fa31012a-1.pdf2020年6月18日閲覧 
  3. ^ a b “客船につきものだったアレが消えた3代目「さるびあ丸」を公開 6月25日就航”. 毎日新聞. (2020年6月18日). オリジナルの2020年6月18日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20200618124911/https://mainichi.jp/articles/20200618/k00/00m/040/140000c 2020年6月18日閲覧。 
  4. ^ 東海汽船3代目「さるびあ丸」進水 伊豆諸島そして小笠原へも行ける高性能船とは〈PR〉”. 乗りものニュース. 2021年11月22日閲覧。
  5. ^ “東海汽船、小笠原・父島へのさるびあ丸試験航海を実施 来年以降おがさわら丸の代船に”. TRAICY. (2020年10月14日). オリジナルの2020年10月24日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20201024095008/https://www.traicy.com/posts/20201014185152/ 2020年10月26日閲覧。 
  6. ^ 「さるびあ丸」による東京~父島航路の代船運航について”. 小笠原村 (2021年5月20日). 2021年6月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年6月6日閲覧。
  7. ^ 東京湾夜景航路”. 東海汽船. 2020年8月28日閲覧。
  8. ^ 大島・利島・新島・式根島・神津島行大型客船の一部横浜寄港休止について(2025年3月1日~)”. 東海汽船. 2024年2月4日閲覧。
  9. ^ https://www.tokaikisen.co.jp/news/629474/
  10. ^ 伊豆大島 さるびあ丸 特2等室の3F、4Fの違いについて”. 塩の惑星 (2023年10月11日). 2025年11月26日閲覧。

関連項目

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外部リンク

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