ありふれた職業で世界最強

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ありふれた職業で世界最強
ジャンル ファンタジー
小説
著者 白米良
イラスト たかやKi
出版社 オーバーラップ
掲載サイト 小説家になろう
レーベル オーバーラップ文庫
連載期間 2013年11月7日 -
刊行期間 2015年6月24日 -
巻数 既刊8巻(2018年4月時点)
漫画
原作・原案など 白米良(原作)
たかやKi(キャラクター原案)
作画 RoGa
出版社 オーバーラップ
掲載誌 コミックガルド
レーベル ガルドコミックス
発表期間 2016年12月22日 -
巻数 既刊3巻(2018年4月現在)
アニメ
原作 白米良
監督 よしもときんじ
キャラクターデザイン 小島智加
アニメーション制作 アスリード × WHITE FOX
放送局 未定
放送期間 2019年 -
テンプレート - ノート
プロジェクト ライトノベル漫画アニメ
ポータル 文学漫画アニメ

ありふれた職業で世界最強(ありふれたしょくぎょうでせかいさいきょう)は、厨二好き/白米良による日本ライトノベル小説投稿サイト小説家になろう」にて2013年11月7日から連載されている(本編完結済)。2015年からオーバーラップ文庫より刊行中。文庫版のイラストはたかやKiが担当している。2018年7月時点でシリーズ累計は120万部突破した[1]。2017年からは、本編の前史として書き下ろされた外伝『ありふれた職業で世界最強 零』( -ぜろ)も並行して刊行されている。公式の略称は『ありふれた』だが、『あり職』、『ありふれ』と呼ぶ者も少なくない。

オーバーラップのWebコミックサイト「コミックガルド」の中でコミカライズされており、本編(作画:RoGa)、零(作画:神地あたる)に加え、スピンオフ作品『ありふれた日常で世界最強』(作画:森みさき、以下「日常」)が連載されている。

あらすじ

本編

いじめられっ子のオタクである高校生、南雲ハジメはクラスメイトと共に異世界トータスへと召喚される。次々に戦闘向けのチート能力を手に入れたクラスメイトとは裏腹に、ハジメの得た力は「錬成師」という地味な能力だった。異世界でも最弱だったハジメはクラスメイトの悪意によってオルクス大迷宮の奈落の底へと突き落とされてしまう。脱出方法が見つからず、左腕も失い絶望するハジメは「錬成師」のまま最強へと至る道を見つけ、何があっても元の世界に戻ることを決意。そして迷宮の中で封印された吸血鬼の少女、ユエと運命の出会いを果たす。

外伝

本編の遥か昔、負け犬と呼ばれながらもオルクス工房に務める錬成師、オスカー・オルクスのもとに、ミレディ・ライセンという美少女が現れる。ある目的の為に仲間を求めるミレディはオスカーの才能を見抜いて勧誘しようとするがオスカーは断り続ける。そんな矢先、オスカーの家である孤児院が襲撃を受けてしまう。

登場人物

声はドラマCD、テレビアニメ共通[2]

主要人物

南雲 ハジメ(なぐも はじめ)
- 深町寿成
年齢:17歳 / 性別:男 / 天職:錬成師
本作の主人公。自他ともに認めるオタクでクラスや幼馴染たちにも知れ渡っている。
ゲームクリエイターの父と少女漫画家の母の仕事を手伝っている所為で学校ではいつも居眠りをしている。学校のマドンナの香織に親身にされていることからクラスメイトのほとんどからは敵愾心を持たれている。観察眼に優れており、イシュタルの本質を見抜いたり、戦況を冷静に把握して最善の行動をとることが出来る。
クラスメイトと共に異世界トータスに召喚されるが、天職が戦闘に向かない最弱の錬成師だったため周りから「無能」の烙印を押される。オルクス大迷宮での訓練の途中で、現れたベヒモスからクラスメイトたちを守るために錬成師の能力を駆使して単独で抑えていたが、クラスメイトの檜山によって奈落の底へと突き落とされ、そこで爪熊の魔物に襲われて左手を失う。逃げ延びた先で回復効果のある神結晶と神水で生き延びるが、左腕を失ったことによる幻肢痛や尋常じゃない空腹感による苦痛を味わうという理不尽な状況に心身ともに絶望に追い込まれる。しかし、死にたくない、生きて元の世界に帰りたいという思いで人格が歪みながらも再起する。
再起した直後は、生きるために魔物を仕留めてその肉を喰らい、魔物の肉の猛毒による激痛を味わうと、神水で破壊された身体を修復した。幾度も体の破壊と再生が繰り返された結果、筋肉が発達して身長も伸び、髪は白髪になった風貌になる。また、魔物を喰らうことでその魔物の魔力を取り込めるようになる。さらに迷宮内で燃焼石を発見したことがきっかけとなって、大型リボルバー式拳銃『ドンナー』の製作に成功した。
その後、左腕を奪った爪熊と再戦して勝利した後、オルクス大迷宮の探索を開始。五十階層で封印されていたユエと出会う。ユエを解放した後はともに最奥部を目指し、そこで待ち構えていたヒュドラと右目を失うほどの死闘の末倒す。そこで最奥部で解放者のオスカー・オルクスが遺したこの世界の真相を知るが、ハジメはそれを気にすることなく、手に入れた神代魔法の一つ"生成魔法"で左腕の義手と魔眼石で作った右目の義眼を製作して装着(右目を隠すために眼帯もつけている)し、元の世界へ帰る方法を探すべくユエと共に旅立つ。
元来は積極性を見せないものの温厚で優しい性格だったが、奈落に落ちた後は理不尽な状況への絶望と憎悪から精神の均衡が崩れ、一人称が「僕」から「俺」へと変化し、敵と認識した者に対してはたとえクラスメイトでも一片の容赦もなく殲滅する冷徹さと誰に対しても尊大な態度を取る傍若無人な性格となる。地球に帰るためのこと以外は無心を貫く"寂しい生き方"をしていたが、愛子に諭されてからは不器用ながら徐々に優しさを取り戻している。また、仁義を重んじており、ハウリア族との約束を守り通したり、自分の生存を知らせるべく香織を助けに行ったりしている。"特別"な存在のユエや自分に好意を抱くシアたちのことは大切にしており、彼女たちに危害を加えようとする者には容赦なく制裁もしくは威圧で黙らせる。不本意に義理の娘になったミュウには非常に過保護になり、ユエたちから「親バカ」と言われるほど。かつて厨二病をこじらせていたことから、それを黒歴史として触れられるのを非常に嫌がっており、変貌した姿を見て一日寝込んだり、雫に恥ずかしい異名で言葉攻めされて苦しんだりしていた。
ブルックの町で、ユエとシアを手に入れようとする冒険者たちから狙われるようになったが、決闘をする前に瞬殺することから"決闘スマッシャー"の異名が付き、さらに"股間スマッシャー"のユエとのコンビで"スマッシュ・ラヴァーズ"の名が付き、冒険者(男性)たちから恐れられている。ウルの町では、愛子の"豊穣の女神"の異名を大いに利用し、自身は"女神の剣"と名乗った。
錬成師は戦闘能力は無いが、武器や装備品を作れる。最初は鍛冶職らしく鉱物の加工程度しかできなかったが、訓練を重ねた結果、地面を錬成して落とし穴や出っ張りを作り出すことができるようになった。上記のように奈落の中で魔物の肉を喰らったことで魔物の固有能力を取得できるようになる。特に、魔力を直接操作する"魔力操作"によって、詠唱や魔法陣を描くことなく魔法を扱えるようになった(通常は魔物限定の能力)。"魔力操作"・"鉱物鑑定"等を覚えてからは、モンスターの固有能力を纏わせたオリジナル兵器を生み出せるようになり、以降、錬成の力で製造した兵器での戦闘がメインとなる。オルクス大迷宮攻略後は攻略者の証である"生成魔法"でアーティファクト級の魔導具や破壊兵器を作り出せるようになった。
当初のステータスは一般人と変わらない程度だったが、魔物の肉を喰らったことで異常なほどステータスが向上し、オルクス大迷宮から脱出した時はすべてのステータスが一万を超え、レベルが表示されないほどの強さになっていた。
「日常」では錬成能力が変な方向に発揮され、何に使うのかもよくわからないガラクタを錬成して周囲を困惑させることが多い。また「デザインセンスがない」という設定も追加されており、ユエやティオからセーターを作るよう頼まれた際には、出来上がりのあまりのデザインのダサさに二人がドン引きした。
ユエ
声 - 桑原由気
年齢:323歳 / 性別:女 / 天職:神子
本作のメインヒロイン。三百年前に滅んだ吸血鬼族の生き残りで、当時の吸血鬼族の女王。見た目は金髪と紅い瞳を持つ12歳くらいの少女の姿をしている。
オルクス大迷宮の五十階層に封印されていたが、ハジメによって解放される。「ユエ」という名前はハジメに封印から助け出された時に名付けられた。クールな性格で、口数も少ないが、年上の貫禄もあって、ハジメを誘惑する大胆な面もある。
12歳の頃に先祖返りが起きて、"魔力操作"と"自動再生"の固有魔法に目覚め、その影響で少女のまま成長が止まっている。力に目覚めて数年で当時最強の一角となり、17歳で吸血鬼族の王位に就く。しかし、欲に目が眩んだ叔父によって、化け物として周囲に浸透され、大義名分のもと殺されそうになるが"自動再生"によって死ななかった為に封印される事になった。それから三百年後、封印部屋を訪れたハジメによって解放され、共に迷宮を探索し、過去を語り合いながら心を通わせ、相思相愛の仲になっていく。そして迷宮攻略後、共にハジメの故郷の地球に行く為に旅立つ。
ブルックの町で、自分とシアに言い寄って来た冒険者たちの股間を容赦なく潰して"漢女"にしたことで"股間スマッシャー"の異名が付いた。また、密かに日記を付けている。
"自動再生"は首を切り落とされても勝手に再生するほどの回復力を持っており、老化もしないので少女のままの外見を保っている。一瞬で灰にでもされない限りほぼ不死身の肉体ではあるが、"自動再生"は魔力の残量に由来するので魔力が枯渇した状態で受けた攻撃の傷は治らない。魔法に関しては膨大な魔力と全属性の魔法適性を持ち、"魔力操作"によって無詠唱で魔法を発動可能だが、魔法名だけは癖で呟いてしまう。"複合魔法"の技能で魔法をかけ合わせる事もできる。
ちなみに「ユエ」とは中国語で「」を意味し、ハジメが最初に見た際に月のように見えたことから名付けた名前である。
「日常」ではハジメとの間のバカップルっぷりがお約束で、ハジメを讃える「ハジメ賛歌」を執筆しては世間に広めようとしている(一般向けの他、外部には公開していないR-18版もあるらしい)。また自らが貧乳であることをコンプレックスに思っており、シアや香織から貧乳ネタでからかわれると極端な反応をする(怒る、引きこもるなど)。
シア・ハウリア
声 - 高橋未奈美
年齢:16歳 / 性別:女 / 天職:占術師
本作のヒロインの一人。亜人・兎人族の一部族であるハウリアの族長の一人娘。容姿もスタイルも抜群で、良くも悪くも周りから注目されるほど。
本来亜人が持つはずがない魔力を持って生まれ、他の亜人族に知られると処刑されるため一族によって隠されていたが、それがバレて一族を連れてフェアベルゲンから離れたところを帝国軍に見つかり、追われて峡谷に身を潜めていた所をハジメに救われた。
元気いっぱいで明るい性格だが調子に乗りやすく図々しいところがあり、当初はハジメとユエから「残念ウサギ」と呼ばれていた。一族を助けてもらうためにハジメに気に入られようと近づいたが、一族の窮地を救われたことで、恩義以上の好意を抱くようになり、ハジメたちの旅に同行する。当初はハジメから手酷い扱いを受けていたが、それでも何度も立ち上がって一途にハジメを想う姿から、次第にハジメから大切な存在と認識されるようになる。また、自分が寝ている時にハジメがウサミミをモフモフしていることを知って喜んでいた。また、ライセン大迷宮を攻略したことでユエに認められ、妹分として大切な存在に扱われている。一方で、ハジメ以外の男性には基本的に興味を示さず、冷たい視線を向けるか無視している。
ハルツィナ樹海攻略後、ハジメからついにユエと同じ"特別"な存在と認められる。
生まれた時から"魔力操作"と"未来視"の固有魔法を持っており、その影響でハウリア族の特徴である濃紺の髪が、青みがかった白髪になっている。戦闘においては属性魔法の適性は無かったものの、ユエに稽古を付けられたことで、身体強化魔法による卓越した身のこなしとパワーファイトができるようになった。"未来視"は仮定の未来を見るもので、派生技能の"天啓視"で咄嗟に数秒先の未来が分かる事もある。またハジメから大槌型アーティファクト"ドリュッケン"を与えられ、これと身体強化と"未来視"を自在に扱う事で、近接戦では無類の強さを誇るようになった。
「日常」では本来の姿はボディビルダーのような筋肉質の体だが、「見た目が女らしくない」という理由で普段は筋肉が目立たないように気を使っている。
ティオ・クラルス
年齢:563歳 / 性別:女 / 天職:守護者
本作のヒロインの一人。竜人族の姫君。黒の着物を纏った黒髪金眼の巨乳の美女。
異世界からの来訪者を調べるために竜人族の隠れ里から出てきたが、眠っていたところを清水に操られ、竜化して冒険者を襲っていた所をハジメの手で正気に戻される。スタイルも良く容姿端麗で聡明な性格であったが、ハジメとの戦いでパイルバンカーを竜化状態の自身の尻に突っ込まれたせいで、ドMに目覚めてしまう。その後、責任を取ってもらう名目で強引にハジメの旅に同行する。
目覚めて以降は、ハジメのことを「ご主人様」と呼び、ことあるごとにハジメから手酷い暴言や制裁を受けては恍惚な表情で喜びに浸っている。だが、それはハジメに好意を抱いているからであり、ハジメ以外から罵倒されてもなんとも思わず、むしろ不快感を抱いている。一方で、元来の聡明さと思慮深さ、そして情の厚さによって戦いで仲間たちを守っており、ハジメたちから大切な存在と認識されている。
普段は人間の身体だが"竜化"することで巨大な竜になり、肉体のステータスが大幅に上がる。人間形態でも"竜化"の派生技能"咆哮"による強力なブレスや火・風・雷の属性魔法を操れる。
「日常」によれば、ハジメたちと出会う前は1日の2/3ほどを寝て過ごすニート状態だったらしい。
白崎 香織(しらさき かおり)
年齢:17歳 / 性別:女 / 天職:治癒師
声 - 大西沙織
本作のヒロインの一人。ハジメのクラスメイトの少女。クラスの男子に人気のマドンナ的存在。
中学の頃、当時他校の生徒だったハジメが不良たちに絡まれている赤の他人であるお婆ちゃんとその孫を無様ながら身を挺して守っているのを目撃したのをきっかけで強い興味と恋心を抱き、偶然同じ高校に入学してクラスが一緒になると、何とか親しくなろうとクラスで唯一積極的に構っていた。雫、光輝、龍太郎とは幼い頃からの幼馴染。雫とは親友で、よくハジメのことで相談してもらっている。光輝から好意を向けられているが、幼馴染として大切に思っているも恋愛感情は持っていない。
誰に対しても分け隔てなく優しい性格だが、意外にもこうと決めたら真っ直ぐ突き進む猪突猛進な面があり、暴走することが多い。滅多に怒ることは無いが、怒らせると背後に般若が浮かぶほどの怒りが露わとなる。また、非常に鈍感で、周囲の自分に対する好意やハジメに対する敵意に気付いていない。
「無能」の烙印を押されたハジメを心配し、オルクス大迷宮に入る前日にハジメの部屋を訪れて彼を守ることを約束した。ハジメが奈落に落ちた時は一時錯乱状態に陥るほど酷く悲しんでいたが、彼の生存を信じてオルクス大迷宮で訓練に励みながら彼を探そうとしていた。そして、カトレアとの戦いで、魔物に殺されそうになったところを現れたハジメに助けられ、面影が無いにも関わらず一目で彼と見抜いた。当初はカトレアを躊躇なく殺せるほど変わり果てたハジメに困惑するが、本質的な優しさは変わっていないことに気付き、ハジメの傍らにいたい思いから彼に告白し、そのまま強引に彼に付いて行く。告白して以降は、以前よりも積極的なアプローチをしており暴走が激しくなっている。シアたちとはすぐに仲良くなるが、ユエとは互いに対抗心を抱いており、よくからかわれたりして喧嘩している。
メルジーネ海底遺跡でハジメたちとの実力差を思い知り、足手纏いではないかと思い悩むが、亡霊に憑りつかれた時にハジメから大切な存在とされていると知って立ち直った。亡霊が成仏した後、彼にファーストキスをしている。
王都侵攻では、拘束されている光輝たちのもとに駆けつけるが、恵里の協力者だった檜山に心臓を刺されて死亡してしまうが、ティオの神代魔法により魂魄を保護される。肉体も再生魔法で修復されるが、力の限界を痛感して「人の身を捨ててでもハジメの隣に立ちたい」思いから元の肉体を封印し、ノイントの亡骸に魂魄を定着させた。また、これによって使徒の力を扱えるようになった。
「日常」ではネタキャラ扱いで、「ハジメがホルアドの宿屋に預けていた制服を勝手に持ち出し、時折"元気チャージ"と称して制服の匂いを嗅ぐ」「ハジメの部屋の中の"ムフフな本"の隠し場所を把握しているなど、ストーカー行為を行っていたことを公言している」など、いろいろ問題のある人物設定となっている。
八重樫 雫(やえがし しずく)
年齢:17歳 / 性別:女 / 天職:剣士
ハジメのクラスメイトの少女で香織の親友。
実家は剣術道場(実際の修行内容は忍術に近いが、雫には隠されている)で、剣術の腕は全国でもトップクラスの実力を持つ。長い髪をポニーテールにし、172cmの高身長で身体は引き締まっており、凛とした雰囲気から多くのファン(主に女性)を持つ。中には崇拝が熱烈過ぎて「お姉様」と呼んで過激な行動を起こす"義妹(ソウルシスター)"がいる(地球、トータス問わず)。世話焼きの性格でクラスメイトたちから頼られているが、実際は年相応の繊細さを持ち、可愛い物が好きなど乙女チックな性格。本人は女の子として扱ってほしいと思っており、自分を守ってくれるほど頼もしい男性が好み。
光輝たち幼馴染の中では一番の常識人で、彼らを支えている苦労人。香織や光輝に迷惑を掛けられているハジメを気遣っており、いつも後でこっそり彼に謝りに来ている。ハジメも彼女の苦労を知っており、ハジメとは比較的親しい間柄になっている。香織がハジメに恋している理由も知っており、それを応援していた。香織に付き添ってハジメの趣味を調べる過程である程度のオタク知識を持っており、その知識を使ってハジメを言葉責めで苦しめるなど、ユエたちから「ラスボス」と称されている。
戦いでは光輝と龍太郎とともに前線を担っており、戦況を見ないで行動する光輝とは違い、冷静に戦況を把握して指示を出して行動しているため、光輝よりも勇者らしいと評価されている。武器が刀ではないため、本来の力を発揮できていない。
カトレアとの戦い後、ハジメに香織のことを託し、邪険にするようなら恥ずかしい異名を広めると脅した。また、戦いで武器が破損したため、ハジメから今までのお礼代わりにと彼が作った黒刀を譲り受ける。ちなみに、ハジメからは「ただ硬くてよく切れるだけ」と言われたが、実際は国宝級に匹敵する物で、ウォルペンらの尽力で魔法陣を取り付けた。
王都侵攻後、自分の弱さを痛感し、強くなるために光輝たちとともにハジメの旅に同行する。ハジメが頼れる存在だと認識して以降は彼に気を許しており、ハジメにからかわれることが多くなったり、素の自分を時折見せている。その仲の良さにユエたちからは警戒され、ガハルドからは惚れるなよと釘を刺されている。
カム救出作戦の際、光輝たちとともに帝都で陽動を行っていたが、ハジメの唆しとみんなの後押しでやむなく被ったピンクの仮面のせいで、帝国兵士たちから一番不審者扱いされたことに深く落ち込みトラウマを抱く。
ハルツィナ樹海では、光輝たちの中で唯一迷宮の攻略に成功したが、試練の過程でハジメに対する想いを自覚してしまったことに激しい動揺と葛藤を抱く様になる。
「日常」では香織に対するツッコミ役だが、香織のハジメへの重過ぎる愛には思考放棄する事が度々ある。
畑山 愛子(はたやま あいこ)
年齢:25歳 / 性別:女 / 天職:作農師
ハジメたちの学校の社会科教師。
小柄で十代前半くらいにしか見えないほどの童顔で、生徒たちからは「愛ちゃん」の愛称で慕われているが、本人としては威厳ある教師を目指している模様。
異世界に召喚された後も生徒たちのことを第一に考え、生徒たちを危険な目に遭わせようとしている教会の神官たちに猛抗議している。戦闘には向かないが世界の食糧事情を一変させる程の能力だったため、各農村地や未開拓地を回って農地改善及び開拓の任務に当たっている。後に"豊穣の女神"と呼ばれ、人々から深く崇拝されるようになる。
ハジメが奈落に落ちたと聞いて酷くショックを受けていたが、ウルの町で偶然にもハジメと再会する。生存こそ喜んだものの変わり果てた彼を見て困惑するが、それでも彼を生徒として扱っている。任務を優先してウルの町を見放そうとするハジメに"ハジメの先生としての本気の説教"をし、それまで無心を貫こうとして"寂しい生き方"をしていたハジメの心を動かすきっかけとなった。
ウルの町での戦いでは、ハジメによって"豊穣の女神"の名を利用されるが、それによって味方の士気を大いに高めた。戦後、魔人族に寝返った清水を説得しようとしたが、隙を突かれて毒針で人質にされてしまい、シアによって自分を狙った魔人族の攻撃から守られる。その拍子に毒針が掠って死にそうになるが、ハジメから口移しで神水を飲んで一命取り留める。ハジメに瀕死の清水を助けてもらおうと頼むが、叶わずとどめを刺されたことでハジメに不信感を抱くが、その真意を見抜いて彼の不器用な優しさに安堵する。しかし、すぐに口移しと去り際の言葉を思い出して慌てふためき、先生と生徒の立場に想い悩むようになる。
王都へ帰還後、ハジメを異端者認定しようとする教会や王に抗議したが強行されてしまい、ハジメに教えられた世界の真実を生徒たちに明かそうとした矢先、ノイントに誘拐されて神山に監禁されるが、ハジメに助けられる。その後の神山での戦いで自身の能力でティオを幇助した結果、誤って総本山ごと吹き飛ばしてしまい、間接的とはいえイシュタルら教会関係者を大勢殺してしまった事実に押し潰されてしまいそうになるが、ハジメの言葉で罪を背負う事を誓う。この頃から、ハジメに明確な好意を抱くようになる。
ミュウ
年齢:4歳 / 性別:女
海上の町エリセンに住む海人族の少女。海人族のレミアの娘。
エメラルドグリーンの長い髪と扇状のヒレの形をした耳が特徴で、整った可愛らしい顔立ちをしている。「~なの」という喋り方をする。
人攫いの組織に誘拐され、フューレンの町に運ばれて監禁されていたが、隙を見て逃げたところをハジメたちに保護される。その後、再び捕まって裏オークションに出された所をハジメに救われる。当初、ハジメのことは「お兄ちゃん」と呼んでいたが、そう呼ばれることにむず痒く感じたハジメから別の呼び方を提案。すると、父親がいなかったという理由でハジメを「パパ」と呼び、ハジメは何とかして撤回させようとしたが頑なに譲らず、結局「パパ」に決定した。以後、ハジメのことを父親として懐いている。常に天真爛漫に振舞っているが、レミアがいない寂しさを耐えていた。
ギルドの依頼という形でハジメたちに同行してもらってエリセンへ向かい、無事にレミアと再会する。再会後、ハジメはこれ以上の旅は危険すぎて連れて行けないと判断してメルジーネ海底遺跡を攻略したら別れるつもりだったが、ミュウも別れることを察したのかハジメに甘えて引き留めていた。だが、ついに決意したハジメから別れを切り出されるも、必ず迎えに来てレミアとともにハジメの故郷に連れて行くことを約束し、しばしの別れとなった。
本編では伏せられていたが、誘拐され狭い馬車に押し込まれた中で一緒に移動していた子供たちが次々と亡くなっていく様子を目の当たりにし(ある種の奴隷船状態)、精神的にショックを受けていたことが「日常」で描かれている。

地球組

天之河 光輝(あまのがわ こうき)
年齢:17歳 / 性別:男 / 天職:勇者
ハジメのクラスメイト。容姿端麗、成績優秀、スポーツ万能の完璧超人。地球では雫の剣術道場に在籍しており、腕前は全国クラス。
正義感と善意に溢れており、ルックスとカリスマ性も相まって全校の生徒たちから信頼され、(傍らに香織や雫がいることから少なめだが)月に二回以上告白されるほど女子からモテている。だが、その完璧っぷりのせいで自分が常に正しいと信じて疑わず、それゆえに精神的には子供っぽく自分本位に行動することが多く、周りが諫めても真剣に耳を傾けることがない。正義感が強いゆえに思い込みが激しく、人の善意を無条件で信じてはいいように利用されたり、不都合な事態に直面するとご都合解釈する悪癖がある。
幼馴染の香織、雫、龍太郎のことは大切に思っており、特に香織に好意を抱いており、ずっと自分の傍にいると思い込んでいる。基本的に誰にでも優しいのだが、香織に構ってもらっているハジメにだけは嫌悪感を抱いており、事あるごとに彼に突っ掛かる。香織や雫がフォローしてもすぐに彼に非があるかのように反論し、それに悪気も下心も無いため香織を困惑させ雫に呆れられている。しかも、香織がハジメに好意を抱いていることに気付いておらず、構ってあげているのも「オタクで独りぼっちのハジメが可哀想だから」と思っていた。
トータスに召喚された後は、勇者として世界を救う決心をし、地球組の中で一番優秀なステータスから国家からも期待の的となっているが、その疑わない正義感とカリスマ性をイシュタルたちに都合よく利用されている。訓練でもみんなを引っ張っていたが、正義感が先行して臨機応変に対応出来ておらず、度々メルドや雫に注意されている。また、奈落に落ちたハジメの生存を信じている香織に対し、悪気無く死んだと決めつけていたため彼女を悲しませていた。
カトレアとの戦いでは、メルドを人質に取られたことで一度魔物に敗北するが、"限界突破"でカトレアに重傷を負わせることに成功する。しかし、直前で人を殺すことに躊躇してとどめをさせなかったため返り討ちに遭う。駆け付けたハジメたちに助けられるが、ハジメの強力な魔物たちを一蹴する実力とカトレアを躊躇わず殺せたことに嫉妬し、筋違いな非難をしたためハジメたちに呆れられ、メルドに宥められる。
生還後、香織がハジメに付いて行こうとしたことに愕然とし、香織のハジメへの好意を知ると認めれずご都合解釈が暴走してハジメと決闘をしようとしたが、まともに相手にされないまま一蹴される。香織が去ったことに打ちひしがれるが、雫に「自分の正しさを疑いなさい」と忠告される。この一件で、ハジメに対し強い敵対心を抱く様になる。
王都侵攻では、傀儡兵たちに拘束され、恵里に強引に口付けされた時に毒薬を飲まされる。傀儡兵にされたメルドと戦うも、毒薬と一瞬の躊躇によって致命傷を受けるがハジメの神水によって一命を取り留める。
王都侵攻後、自分たちの弱さを痛感し、神代魔法を手に入れるべくハジメの旅に同行する。だが、ハジメに対する敵対心と価値観の違いで彼と度々意見が衝突している。
坂上 龍太郎(さかがみ りゅうたろう)
年齢:17歳 / 性別:男 / 天職:拳士
光輝の親友で相棒。地球では空手部に所属している。熱血漢のスポーツマンタイプで、豪快な性格だが細かいことを考えずに行動するかなりの脳筋。
学校に来ても寝てばかりでやる気がなさそうなハジメのことを快く思っていなかったが、訓練施設でハジメをいじめる檜山たちを見た時は不快感を見せている。某軍曹のことをリスペクトしており、ハジメがハウリア族に某軍曹式の訓練を施したことを知って彼に親近感が湧く。光輝と同じく、香織がハジメに好意を抱いていることにも気付いていなかった。
王都侵攻後、強くなるためにハジメの旅に同行する。
谷口 鈴(たにぐち すず)
年齢:17歳 / 性別:女 / 天職:結界師
小柄でクラスのムードメーカーの少女。
美女や美少女が好きで、香織らによくセクハラを働いており、心の中に小さなおっさんを飼っていると言われる。恵里とは親友で、よく行動を共にしている。カトレアとの戦いでユエに助けられてから彼女を「お姉様」と呼び慕っている。
王都侵攻で恵里の裏切りに酷くショックを受けるが、もう一度恵里と話し合いたいという思いから、ハジメの旅についていくことを決める。
戦闘ではバリアを張って敵の攻撃を防ぐことでパーティーのサポートを務める。
中村 恵里(なかむら えり)
年齢:17歳 / 性別:女 / 天職:降霊術師
眼鏡をかけたナチュラルボブの黒髪少女。温和で大人しく、地球では図書委員を務めていた。暴走しがちな親友の鈴の抑え役。
だが、それは表向きの顔で、本性は光輝に異常なほどの好意と執着心を抱く利己的かつ残忍な性格。地球の時から光輝を手に入れることを目論んでおり、光輝に近づくべく鈴の親友になった。また、ひそかにハジメを唆して香織とくっつけさせようとも考えていた。普段の一人称は「私」だが、本性を現してからは「僕」になっている。
天職の降霊術は死亡対象の残留思念に作用して死体を操る魔法で、あまり上手く使えないと語っていたが、実際は完璧に扱えるほか、生前の記憶や思考パターンを付加してある程度の受け答えができる"縛魂"を編み出した。
トータス召喚後、檜山がハジメに魔法の火球を放ったことを知って脅迫し、檜山に香織を与えることを条件に彼を言いなりにさせた。その後、ハジメの生存が分かった後は、魔人族と密かに手を結び、大結界の破壊に協力した。さらにノイントの手助けもあり、密かに殺されたメルドら騎士団五百人を"縛魂"で傀儡兵に変えた。
王都侵攻では、光輝たちを言葉巧みに誘導して罠にはめて傀儡兵たちに拘束させ、"縛魂"を披露するために近藤を殺害し、檜山に殺された香織に降霊術を施そうとしたが、駆け付けたハジメによって失敗。メルドや近藤などの傀儡兵たちを襲わせたが、メルドを含む傀儡兵三百人を一瞬で葬られてしまい自身も殺されそうになるがフリードの横やりで助かり、フリードと残りの二百人の傀儡兵とともに撤退する。
撤退後は、魔国ガーランドに身を置き、連れて来た傀儡兵たちに魔物の特性を取り込ませた"屍獣兵"を創り上げている。
遠藤 浩介(えんどう こうすけ)
年齢:17歳 / 性別:男 / 天職:暗殺者
非常に影が薄い少年。永山パーティーの一人。
その影の薄さは家族やクラスメイトはおろか魔物や自動ドア(三回に一回しか開かない)ですら気付かれないほど。ただし心が折れるレベルで落ち込むと、逆に存在感が増す。
オルクス大迷宮で魔人族から襲われた際、持ち前のステルス性能を活かし、メルドら騎士たちの助力を得て迷宮から脱出し、偶然ホルアドのギルドに訪れていたハジメに助けを求めた。
メルドのことを特に慕っており、ノイントに殺される前に彼と最後に会っていた。王都侵攻後は、メルドの死に心が深く傷ついて部屋に引きこもっている。
檜山 大介(ひやま だいすけ)
年齢:17歳 / 性別:男 / 天職:軽戦士
不良グループ(ハジメ命名「小悪党組」)のリーダー格。
香織に好意を抱いているため、彼女に構ってもらっているハジメを疎ましく思っており、地球の頃から中野、斎藤、近藤の三人と共にハジメに絡んでいた。召喚された後も「無能」のハジメを見下し、他の三人と共に特訓と称していじめていた。そして、オルクス大迷宮へ行く前日の夜に香織がハジメの部屋に入ったのを目撃してさらに憎悪を抱くようになる。
オルクス大迷宮で自身の勝手な行動でベヒモスが現れてしまう。囮になっていたハジメを助けるべくクラスメイトたちがベヒモスに一斉に魔法を放っている最中、どさくさに紛れてハジメに魔法の火球を放って奈落に落ちる原因を作る。しかし、その日の夜にそれを恵里に知られて脅迫され、口止めと香織を手に入れるのを条件に言いなりになることを約束される。
カトレアとの戦いでハジメが生きていたことに愕然とし、ハジメに付いて行こうとする香織を必死に止めようとしたが、火球を放ったことをハジメにバレていることを知り、暗に脅されてやむなく諦める。その後、香織を奪われたことに激しく憤り、香織を手に入れるためにそのまま恵里と協力関係になり、密かに騎士たちを殺して傀儡兵にしていた。書籍版では、メルドにも騙し討ちして短剣を刺したが、致命傷に至らず逃げられる。
王都侵攻では、恵里と共謀して傀儡兵たちに拘束されているふりをし、駆け付けた香織を隙を突いて背後から心臓を刺して殺害し、恵里の降霊術で香織を自分の傀儡人形にしようとしたが、ぶち切れたハジメに完膚なきまで叩きのめされてしまい、尚も凄まじい執念でハジメに襲い掛かるも最期は侵攻してきた魔物の群れの中に投げ飛ばされて、全身を貪り食われて死亡した。
中野 信治(なかの しんじ)
年齢:17歳 / 性別:男 / 天職:水術師
小悪党組の一人。
王都侵攻後は、檜山の裏切りと近藤の死によるショックで部屋に引きこもるようになる。
斎藤 良樹(さいとう よしき)
年齢:17歳 / 性別:男 / 天職:風術師
小悪党組の一人。
王都侵攻後は、檜山の裏切りと近藤の死によるショックで部屋に引きこもるようになる。
近藤 礼一(こんどう れいいち)
年齢:17歳 / 性別:男 / 天職:槍術師
小悪党組の一人。粗暴で身勝手な言動が多い。
王都侵攻で、たまたま恵里の近くにいたことで、剣で心臓を刺されて死亡し、恵里に"縛魂"で操られる。ハジメに襲い掛かるも、頭をショットガンで吹き飛ばされた。
永山 重吾(ながやま じゅうご)
年齢:17歳 / 性別:男 / 天職:重格闘家
190cmを超える巨漢で地球では柔道部主将を務める男子。光輝とは別の前線組のパーティーリーダー。
寡黙な常識人だが、おっさん顔のため年齢よりも老けて見られる。
王都侵攻後は、王都を守るために光輝たち以外のクラスメイトたちとともに留まった。
野村 健太郎(のむら けんたろう)
年齢:17歳 / 性別:男 / 天職:土術師
永山パーティーの一人。永山や遠藤とは親友。
同じパーティーの辻に恋心を抱いている。
辻 綾子(つじ あやこ)
年齢:17歳 / 性別:女 / 天職:治癒師
永山パーティーの一人。
香織と同じ治癒師。治癒の腕を香織と比べて、少しコンプレックスがある。
吉野 真央(よしの まお)
年齢:17歳 / 性別:女 / 天職:付与術士
口調と態度に軽さがある少女。永山パーティーの一人。
パーティーにおける縁の下の力持ち。
付与術士は支援系の魔法である付与系統の魔法に天性の才能を持つ。
園部 優花(そのべ ゆうか)
年齢:17歳 / 性別:女 / 天職:投術師
少し勝ち気な性格で栗毛に切れ目が特徴の少女。実家は洋食屋を営んでいる。
愛子にアプローチしてくる騎士たちから愛子を守るために居残り組で結成した愛ちゃん護衛隊のリーダー格。WEB版と書籍版では設定が変更されている。
WEB版ではウルの町で出会うまでハジメと絡みは無かったが、書籍版ではベヒモスと遭遇した際、トラウムソルジャーに襲われそうになったところをハジメに助けられている。その為、ハジメが奈落に落ちたことによる精神的なダメージが居残り組の中でも一際大きく、一時無気力状態になってたが、雫の侍従であるニアの語りに影響され、ハジメの犠牲を無駄にしないために、そして自分を変えたいという思いから愛子の旅に護衛として参加する。
その後ウルの町でハジメと再会し、清水率いる魔物軍団との決戦の前に、ハジメにかつて迷宮内で救ってくれた事への感謝の言葉を述べた。この頃から少しずつハジメの事を異性として意識するようになる。本人はそれを否定しているが、シアのハジメとの恋バナに聞き耳立てたり、リリアーナの惚気話を聞いて不機嫌になったりしていた。
王都侵攻後は、ハジメに付いて行きたかったのだが、自身の実力不足と混乱の真っただ中である王都を守るために留まり、王都の復興に尽力している。ハジメに恩返しが出来ていないことに歯がゆく感じていたが、シモンに相談したことで、地球に帰ったら実家の洋食屋でご馳走させることを決めた。
投術師は投げナイフやダーツなどの投擲技術に天性の才能を示し、その技術は一度に百本のナイフを使ったジャグリングが可能なほど。戦闘時は二本で一式の投擲用ナイフに魔法で炎を纏わせて戦う。このナイフは一本でも手元にあれば、投げたナイフを引き戻すことが出来る性質を持っている。
菅原 妙子(すがわら たえこ)
年齢:17歳 / 性別:女 / 天職:操鞭師
見た目はおっとり系のギャルだが根は真面目な少女。愛ちゃん護衛隊の一人。
操鞭師は鞭を始めとしたロープ状のものを操る技術に天性の才能を示す。
宮崎 奈々(みやざき なな)
ノリが軽い性格の少女。愛ちゃん護衛隊の一人。
スレンダーな身体付きで、スタイルが良いシアなどを羨んでいる。
相川 昇(あいかわ のぼる)
バイク好きの少年。愛ちゃん護衛隊の一人。
よく明人と淳史といることが多い。
仁村 明人(にむら あきと)
愛ちゃん護衛隊の一人。
玉井 淳史(たまい あつし)
年齢:17歳 / 性別:男 / 天職:曲刀師
愛ちゃん護衛隊の一人。自分たちの無力さに自虐的になっている。
ひょんなことからニアに八つ当たりのような態度を取ってしまうが、ニアの本心と優花の決意表明に感化され、愛ちゃん護衛隊に参加することに。
戦闘では二本の曲刀を操る。
清水 幸利(しみず ゆきとし)
年齢:17歳 / 性別:男 / 天職:闇術師
大人しく控えめの性格の少年。
ハジメと同じオタクなのだが、ハジメの現状を見てみんなに隠している。日頃から最低限の受け答えしかせず親しい友達もいない。中学の頃はいじめにより引きこもりになってゲームや漫画などに没頭し、両親には心配され兄弟からは煩わしく思われていたため、家族内での居場所がほとんどなかった。そのため、内心では他者を扱き下ろす陰湿な性格になっていた。
当初は異世界に来たことに喜び、主人公のように活躍することを夢見ていたが、光輝の存在とハジメが奈落に落ちたことで挫折し、部屋に引きこもる様になる。その後、洗脳の闇術に魅入られて夜な夜な王都外に出て魔物に洗脳の実験をし、より強い魔物を洗脳すべく愛ちゃん護衛隊に加わってウルの町に到着すると抜け出して北の山脈へ向かった。そこで魔人族のレイスと出会い自分の特別さを示す為に寝返り、眠っていたティオを洗脳で操り、愛子を殺すために魔物の大軍を率いてウルの町を攻めるが、ハジメたちの手で殲滅されて拘束される。愛子の説得を受けるが隙を突いて毒針で彼女を人質にとるも、レイスに見限られて愛子を狙った攻撃を受けて瀕死となる。ハジメに「お前は敵か?」問われてそれを否定して改心することを約束して助けを請うたが、嘘だと見抜かれてとどめを刺されて死亡した。地球組、最初の死亡者。

ハイリヒ王国

王族

エリヒド・S・B・ハイリヒ
ハイリヒ王国国王。
召喚された地球組を手厚く迎え、彼らの意思をなるべく尊重していた。だが、のちにノイントに魅了されてエヒト信仰に傾倒するようになり、愛子の訴えを無視してハジメへの異端者認定を強行したり、それに抗議したリリアーナに対して敵を見るような目線を向けるなどの変心を見せた。王都侵攻で傀儡兵に殺される。
ルルアリア・S・B・ハイリヒ
ハイリヒ王国王妃。
王都侵攻では生き残り、王都復興の陣頭指揮を執っている。
リリアーナ・S・B・ハイリヒ
年齢:14歳 / 性別:女
ハイリヒ王国王女。金髪碧眼の美少女。
王女であるが堅苦しさは感じさせず、明るく気さくな性格なので国民や地球組にも慕われている。香織や雫とは親友の間柄。愛称はリリィ。
結界を張ったり光の縄で相手を拘束するなどの魔法を扱うことが出来る。
物語中盤で王宮内の不穏な空気を感じ取り、王たちの変心と愛子が攫われる現場を目撃したことでアンカジ公国に助力を求めるべく単身旅に出る。ユンケル商会の隊商に便乗中、賊に襲われていたところをハジメ一行に救われる。だが、ハジメからは自分のことをすっかり忘れられており、その後もハジメからぞんざいな扱いを受けては「私、王女なのに……」と嘆いていた。
王都侵攻後、王国を再建するためにヘルシャー帝国に赴き、援助を得るために身を犠牲にして皇太子のバイアスと婚約パーティーを執り行うことになる。しかし、パーティーの直前にバイアスに犯されそうになるが、ハジメの"アラクネ"によって事なきを得る。その際、助けを求めて応えてくれたハジメに好意を抱き、パーティーでは帝国への意趣返しに漆黒のドレスを身に纏い、ハジメとダンスを踊って助けてくれたことに感謝した。その後、バイアスは処刑されて、帝国も奴隷解放による国力低下のせいで婚約は白紙となる。ガハルドがフェアベルゲンで宣誓してハジメのゲートでぞんざいに帝城に送られた後、自身もヘリーナと近衛騎士たちとともにゲートでぞんざいに王都に帰される。
ランデル・S・B・ハイリヒ
年齢:10歳 / 性別:男
ハイリヒ王国王子。金髪碧眼の美少年。
地球組と初めて対面した際、その中にいた香織に一目ぼれして好意を抱き、彼女に積極的なアプローチをしていた。香織の想い人であるハジメを敵視していたが、香織本人からは男扱いされていないことを知り、失恋した。
姉であるリリアーナがハジメに惚れた事で、更に殺意(笑)を抱くようになる。

騎士団

メルド・ロギンス
ハイリヒ王国騎士団団長。地球組の教育係。豪放磊落な性格で、地球組の面々とすぐに打ち解けた。
実戦経験も豊富で、純粋な剣技だけなら光輝や雫にも勝るほどの実力を持つ。オルクス大迷宮では、騎士団員たちとともに地球組の訓練を兼ねた迷宮攻略を目指していた。地球組と接するうちに情を抱き、彼らに人を殺させることを躊躇っていた。「無能」扱いだったハジメが錬成師の能力を駆使した戦い方に関心を抱き、彼が奈落に落ちてしまったことを悔いていた。
カトレアとの戦いで致命傷を負い人質にされ、自爆用の魔道具“最後の忠誠”で道連れにしようとしたが、カトレアの魔物に魔力を奪われ失敗する。カトレアの死亡後、生きていたハジメから神水を与えられて一命を取り留め、助けれなかったハジメと人を殺す訓練をさせなかった光輝たちに土下座して謝罪した。
帰還後、王宮内の不穏な空気を察してホセとともに調査をしていたが、ホセとの密会を終えて戻る途中に偶然遠藤と出会った後、裏切った檜山の罠に掛かって傀儡兵にされたホセたちに襲われ、さらに檜山に騙し討ちされて短剣で刺される。何とか逃走を図るが、ノイントに立ち塞がれて自身の死を悟ると、心の中でハジメに後を託してノイントに殺されてしまう。その後、恵里によって傀儡兵にされてしまい、王都侵攻で光輝の前に立ち塞がって彼に致命傷を与えるが、ハジメのメツェライを受けて遺体は肉塊となってしまった。書籍版では、葬られる直前に自我がわずかに甦ってハジメにとどめを刺すように頼んだ。
ハジメからは短かい付き合いだったがその人柄と実力から「死んだのが一番惜しい人」と評価されていた。
ホセ・ランカイド
ハイリヒ王国騎士団副団長。
細めの体格で、技巧を活かした剣術を扱う。
メルドとともに王宮内の異変を調査していたが、メルドと調査報告で密会して別れた後、檜山に殺されて傀儡兵にされる。
アラン・ソミス
騎士団の一員。
オルクス大迷宮でカトレアが放った魔物と戦ったが敗れて死亡した。
クゼリー・レイル
リリアーナの付きの元近衛騎士である女性。
真面目で苦労性な性格。
王都侵攻後、メルドの後釜として新騎士団団長に就任する。部下の"義妹(ソウルシスター)"の元近衛騎士に頭を悩ましている。
ニート・コモルド
騎士団の三番隊隊長。
王都侵攻後、ホセの後釜として新騎士団副団長に就任する。

王都

ヘリーナ
リリアーナの専属侍女。
リリアーナとは幼少の頃からの間柄で、心を許せる友人のような存在。
ハジメに思慕の念を抱いており、自分の主になってもらいたいと思い、リリアーナとくっつけさせようとしている。
ニア
ハイリヒ王国に仕える侍女。
雫に付く事になり、互いに信頼し合うようになる。居残り組の雫たちを特別視する声に反論して、彼女もまた一人の女の子である事を諭す。
王都侵攻では、すでに殺されて傀儡兵にされており、油断していた雫を背後から短剣で刺して負傷させて取り押さえるが、リリアーナの魔法で吹き飛ばされたうえ、そのまま光の縄で拘束される。
ウォルペン・スターク
ハイリヒ王国直属の筆頭錬成師。
雫がメンテナンスに出した黒刀に驚愕し、本来の仕事をほっぽりだして他の錬成師たち総出で三日三晩掛けて魔法陣を取り付けることに成功した。
王都侵攻後、大結界のアーティファクトを修復出来るというハジメに胡乱な眼差しを向けていたが、実際にやってのけたことでハジメに驚嘆し、しかも黒刀の製作者であることを知ると、他の錬成師たちとともに弟子入りを懇願するようになる。
バルス・ラプタ
冒険者ギルドのギルドマスター。筋肉質で覇気を纏った老人。
アベル
金ランク冒険者。二つ名は『閃刃』。金髪のイケメンだがキザな性格(ハジメ曰く「光輝の劣化版」)。
ギルド本部で4人の美女を侍らせながらハジメに難癖をつけていたところ、その場に居合わせたマリアベルを化け物呼ばわりしてお仕置きを受けてしまい、さらにハジメへの暴言に怒ったユエによって重力球で股間を潰された。
金ランクのクセに実力がさほどなく、ロクな方法で金になっていないことが示唆されている。

ブルックの町

キャサリン
冒険者ギルド・ブルック支部の受付嬢を務める恰幅の良い中年女性。
自身が手掛けたガイドブックのような詳細な地図を冒険者に無料配布している。
かつては王都のギルド本部でギルドマスターの秘書長で、ギルド運営の教育係も務めており、現在の各町の支部長の半数以上は彼女の教え子である。そのため、支部長たちは頭が上がらず、手紙一つで動かすことが出来るほどの影響力を持つ。
ソーナ・マサカ
『マサカの宿』の看板娘。15歳ぐらいの元気な少女。
宿泊に訪れたハジメたちの関係に興味津々で、彼等の情事を覗き見ようと凄まじいまでの行動力と執念を見せるが、ハジメに返り討ちに遭い、女将さんである母親から制裁を受けている。
クリスタベル
キャサリンお墨付きの冒険者向け服屋の店主。身長が二メートル強のオネエ系大男(通称漢女)。
強烈に濃い容姿をしている為、ユエが「人間?」と呟いたところ、ユエが涙目になり、シアが粗相をするほどの猛烈な怒りを見せた。普段は温厚なオネエで、服屋としての見立ての腕は高い。ハジメとユエに性別を変えられた男たちが次々と彼に雇われれ、立派な漢女店員として更生されている。元金ランクの冒険者で、異次元の強さを持つ。
マリアベル
ユエに力づくで言い寄り、股間を潰された元男。
クリスタベルに拾われ、二号店の店長を任されるほど大成する。王都のギルド本部でハジメたちと再会し、金ランク冒険者のアベルをサバ折りにするほどの実力を見せた。

湖畔の町ウル

フォス・セルオ
ウルの町にある宿『水妖精の宿』のオーナー。白髪交じりの髪をオールバックにした、穏やかな印象の男性。
様々な客を見てきた経験から、悩み事を抱えている者に的確なアドバイスを送れる。ハジメの事で乱心しかけていた愛子の気を落ち着かせ、彼女の中で答えを導き出させた。

宿場町ホルアド

ロア・バワビス
冒険者ギルド・ホルアド支部の支部長。60歳くらいの左目に傷の入った男性。
イルワからの頼みで訪れたハジメたちに、勇者の救出を依頼した。

海上の町エリセン

レミア
年齢:24歳 / 性別:女
ミュウの母親である海人族の女性。ティオと同じくらいのスタイルの良さを持つおっとり系の美人で、五年前に夫を亡くした未亡人。
ミュウを攫った男たちに深手を負わされ、歩く事も泳ぐ事も出来ない体になっていたが、香織の治療で元の健康な体に戻った。ミュウを助けてくれたハジメに対して感謝しており、ミュウが彼を父親のように懐いているため、しれっと妻として振舞っており、ハジメを「旦那様」「あなた」と呼んでいる。当然、ユエたちから嫉妬と怒りの眼差しを受けるが、未亡人の余裕で軽く受け流している。
ハジメたちがメルジーネ海底遺跡を攻略した後、ミュウとの別れに悩むハジメに対し、真剣に悩んでくれることに感謝しつつ、別れを決意させるべく背中を押した。
原作8巻時点で挿絵には登場しておらず、先に「日常」にてデザインがお披露目された。
サルゼ
エリセンのハイリヒ王国駐在部隊の隊長。職務に忠実な性格。
潜水艇のアーティファクトでエリセンに現れたハジメたちを警戒し、高圧的な態度でハジメたちを尋問していた。その際運悪く何度も海に落とされて激高したが、ハジメたちの正体と訪れた訳を知ると一転して敬意を払った態度となり、後で詳しい話を聞くことを約束した。

その他

モットー・ユンケル
ユンケル商会の商人。
フューレンへ向かう隊商の護衛を依頼した時にハジメたちと対面し、彼のアーティファクトとシアに商品価値を見出して何度も交渉をしたが、思わず脅迫めいた忠告をしたことで殺されそうになったため諦めた。欲を出し過ぎたことを反省するが、その後も普通にハジメと会話し自身の商会を勧めるなど、かなり胆が据わっており、ハジメからは生粋の商人と称された。
アンカジ公国へ稼ぎに向かおうとした際、身分を隠していたリリアーナから同乗をお願いされ、彼女の正体を見抜きつつも危急の事態と把握して"信頼"を対価に無償で同乗させた。途中で賊に襲われるが偶然居合わせたハジメたちに救われる。

ヘルシャー帝国

ガハルド・D・ヘルシャー
ヘルシャー帝国皇帝。
短く切り上げた銀髪に鋭い碧眼、スマートだが極限に鍛えられ肉体を持つ偉丈夫。年齢は50歳を迎える手前なのだが、30歳後半にも見えるほどの若々しい風貌を持つ。皇帝らしくない豪放磊落な性格だが、実力至上主義の帝国に違わぬ相当の実力を持つ。強い者に強欲で、たとえ兎人族でも手元に置きたいほど。
ベヒモスを倒した“神の使徒”たちに興味を抱き、帝国の使者の護衛の一人に変装してハイリヒ王国に訪れ、光輝と腕試しして彼を圧倒する。この腕試しで光輝の精神的な未熟さを見抜き、「自分の理想で周りを殺すタイプ」「なまじ実力とカリスマがあるからタチが悪い」と酷評し興味を失せた。一方で、早朝訓練をしていた雫を一目見て気に入り、愛人(側室、正妃でも構わない)にしようとアプローチをかけている。
帝国に訪れたハジメと初めて対面した時、彼の規格外な強さと保有する強力なアーティファクトの脅威を見抜き興味を示す。一方で、雫と仲が良さそうな様子を見て、手を出すなよと釘を刺す。婚約パーティーで襲撃して来たハウリア族から最後まで戦っていたが、毒によって身体の自由を奪われたことで敗北する。カムから降伏を要求されて頑なに拒むが、バイアスや側近たちが容赦なく処刑され、無関係な国民の施設の爆破も辞さない過激さによってやむなく降伏し、“誓約の首輪”を付けられる。すぐに殺気立つ部下たちを宥め、帝都中の奴隷の亜人たちを解放し、フェアベルゲンに訪れて長老たちに宣誓をした後、ハジメにゲートでぞんざいに帝城に送り返された。フェアベルゲンに向かう際に搭乗した飛空艇“フェルニル”を気に入り、ハジメに譲る様に交渉したが相手にされなかった。
バイアス・D・ヘルシャー
ヘルシャー帝国皇太子。26歳。
正妃ではなく側室の子だが、決闘による実力で皇太子の座を掴んだ。粗暴で女癖も悪く、弱者を甚振る下劣な性格。実力で皇太子になっただけであるため、ガハルドから親としての愛情を受けていない。
リリアーナの婚約者でもあり、婚約パーティー前にリリアーナの控室に押し入って彼女を犯そうとしたが、ハジメの"アラクネ"によって阻止される。パーティーで襲撃して来たハウリア族に拘束され、ガハルドが降伏を拒んだために首を刎ねられて死亡する。
トレイシー・D・ヘルシャー
ヘルシャー帝国皇女。
名前だけの登場であるが、ガハルド曰く「戦闘狂」とのこと。
Web版ではアフターストーリーで本格的に登場している。
グリッド・ハーフ
帝国軍第三連隊隊長。
かつてフェアベルゲンから逃げて来たハウリア族を襲い、シアの多くの家族を殺し連れ去った。
帝城に訪れたハジメたちを入口で出迎えた時にシアを発見し、彼女に帰ってこない部下について罵りながら尋問して連行しようとしたが、ハジメの物言いにやり込められて失敗した。
書籍版では、ハウリア族の襲撃で部隊を率いてガハルドのもとに駆けつけようとしたが立ち塞がったシアに部下は全滅し、自身はシアによって空の彼方まで吹き飛ばされた。
ネディル
帝国警邏隊第四隊の元牢番。ハジメとユエに城内の構造情報を喋らすために壮絶な拷問を受ける。

フェアベルゲン

アルフレリック・ハイピスト
フェアベルゲン長老衆の一人で、亜人族の中でも地位の高い森人族(エルフ)の長老。
“解放者”の口伝のことを知っており、迷宮に挑む資格があるハジメをハウリア族とともにフェアベルゲンに招き入れることを許した。ハウリア族の処刑を主張するゼル達に対し、ハジメと敵対することを避けるために掟を逆手に取った屁理屈で言い包め、ハウリア族をハジメの一族として扱うことを宣言した。
アルテナ・ハイピスト
アルフレリックの孫娘の森人族の少女。シアと同じ16歳。
地面に届くほどの長い金髪を持ち、聡明で美しい美貌と心優しい性格から同族から慕われていたが、特別扱いされているせいで対等な関係の親友がおらず、それに憧れを抱いていた。見かけによらず挑発的な下着を着けている。
魔人族にフェアベルゲンを侵攻された後、奴隷を求めて侵攻して来た帝国軍に捕まってしまったが、ハウリア族とハジメたちによって助けられる。その恩からハジメに好意を抱き、世話を焼こうとするが相手にされていない。シアからは敵視されてハジメに構おうとしては制裁を受けているが、本当はシアと仲良くなりたいと思っており、お願いしてシアと親友となる。
ティオがハジメに踏まれているのを見てドMの気が芽生え始め、後にシアにプロレス技を掛けられたことで完全にドMに目覚めてしまい、親友になって以降「私“で”遊んでほしい」とシアに迫って彼女を戦慄させている。
ゼル
長老衆の一人で、虎人族の長老。
長老衆の中でもハジメに敵対的で、再びフェアベルゲンに来たハウリア族の処刑を主張したが、アルフレリックの詭弁に言いくるめられる。
魔人族の侵攻後、重傷の亜人族たちを治療し破壊された森を再生させてくれた香織を深く崇拝するようになる。
マオ
長老衆の一人で、翼人族の長老。長老衆の中で唯一の女性。
『月刊 フェアベルゲン』の編集長でもあり、魔人族の侵攻後に再発行した『月刊 フェアベルゲン』でシアたちにしたインタビューをもとに、虚実織り交ぜた記事を書いた。
ルア
長老衆の一人で、狐人族の長老。
糸目が特徴。アルフレリックについでハジメを資格者として認める。
グゼ
長老衆の一人で、土人族(ドワーフ)の長老。
ジンとは仲が良かったため、ジンを再起不能にしたハジメに悪態を吐いていた。
ジン・バントン
長老衆の一人で、熊人族の長老。
ハジメと忌み子であるシアを招き入れたアルフレリックに憤りを見せ、実力を試すという名目でハジメに襲いかかるが、返り討ちに遭い再起不能になってしまった。
レギン・バントン
熊人族のジンの右腕的存在。
ジンが再起不能にされたことに激怒し、長老たちの忠告を無視して若い衆をつれて報復に出たが、ハジメに鍛えられたハウリア族に返り討ちに遭う。それ以来、ハウリア族に強いトラウマを抱くようになる。
魔人族のフェアベルゲン侵攻では、恥を承知でハウリア族の元を訪れて救援を求めた。
ギル
虎人族の第二警備隊隊長。
ゴート
狼人族の族長で、フェアベルゲンの戦士団団長。
長老たちの信頼も厚く亜人族の軍の象徴的存在だったが、魔人族の侵攻で戦死する。

ハウリア族

カム・ハウリア
兎人族の部族・ハウリアの族長で、シアの父親。
温厚な性格だったが、一族のあまりの臆病さにキレたハジメから某映画の軍曹式の訓練を受けたことにより、シアを除く一族全員が大胆不敵で敵を殺すことに躊躇わない戦闘狂になる。自分たちを強くしてくれたハジメを深く心酔し、「ボス」と呼んで慕っている。
さらに自分を「深淵蠢動の闇狩鬼カームバンティス・エルファライト・ローデリア・ハウリア」と自称するようになる。
魔人族のフェアベルゲン侵攻では、大迷宮に行かせるのを阻止するためにレギンの要請を引き受けて魔人族を殲滅した。その後、侵攻して来た帝国軍から攫われた他の兎人族を助けるために帝都で暗躍し、途中罠に嵌って捕らわれてしまったが、逆に帝国兵に罵詈雑言を浴びせながら尋問を指導して困惑させていた。
救出後、ガハルドを倒すためにハジメの助力を得て一族を率いて帝城に潜入し、見張りの帝国兵を全て無力化した後、パーティー会場を襲撃してガハルドを倒して降伏を勝ち取った。その後、奴隷の亜人たちをフェアベルゲンに届けた後、長老たちからハウリア族のフェアベルゲンの立ち入りの許可と長老の一人として迎えられることになるがそれを拒否し、代わりにハウリア族だけでフェアベルゲンと同等の権力を持つ同盟種族を提案されてそれを受け入れ、ついでに大樹近辺と南部を縄張りにした。
パル・ハウリア
花も踏めず虫も殺せない優しい性格の10歳の兎人族の少年。だが、ハジメの訓練を受けて好戦的な性格になる。
以後、自分を「必滅のバルドフェルド」と自称するようになり、過去の自分を軟弱な黒歴史と思うようになる。結果、彼を感染源としてハウリア族に厨二病が蔓延る事になる。
射撃武器による遠距離攻撃を得意としており、その腕はハウリア族一の狙撃手と言えるほど。クロスボウを得物としている。
ネア・ハウリア
パルの友達の10歳の兎人族の少女。ハジメの訓練によって「外殺のネアシュタットルム」の二つ名を名乗るようになる。
ラナ・ハウリア
兎人族のお姉さん。二つ名は「疾影のラナインフェリナ」
ハウリア族の中でも気配遮断の腕が高い。
ミナ・ハウリア
兎人族の女性。二つ名は「空裂のミナステリア」
ヤオ・ハウリア
兎人族の男性。二つ名は「幻武のヤオゼリアス」
ヨル・ハウリア
兎人族の男性。二つ名は「這斬のヨルガンダル」
リキ・ハウリア
兎人族の男性。二つ名は「霧雨のリキッドブレイク」
イオ・ハウリア
兎人族の男性。二つ名は「雷刃のイオルニクス」
モナ・ハウリア
シアの母親にしてカムの妻。故人。優しくて聡明な性格。
臆病で争いことが苦手なハウリア族とは違い、敵から大事な家族を守れるような英雄に憧れていた。自分が化物ではないかと思い悩んでいた子供時代のシアに「人とは違う事が出来て羨ましい」と励ました。
病弱だったためにシアが10歳になる前に他界。

中立商業都市フューレン

イルワ・チャング
冒険者ギルド・フューレン支部の支部長。金髪をオールバックにした、目つきが鋭い三十代後半ぐらいの男性。キャサリンの元教え子。
ハジメたちに行方不明となったウィルの捜索を依頼したが、対価としてハジメの無茶振りな要求を呑む羽目になった。ウィル救出後は、ハジメたちに金ランク冒険者の称号を与え、何かあった時の為のハジメ一行の後ろ盾となることを約束した。
ドット・クロウ
冒険者ギルド・フューレン支部の秘書長。名前の通りに苦労人。
ウィル・クデタ
クデタ伯爵家の三男。20歳ぐらいの青年で、育ちの良さを感じさせる端正な顔立ちをしている。
冒険者に憧れており、家出同然に実家を飛び出した。イルワの勧めで高ランク冒険者と共に『北の山岳地帯』の調査に赴いたが、清水によって操られた竜化状態のティオに襲われ、自分以外のパーティーメンバーが全滅し、一人生き延びて洞窟に身を隠していた。ハジメに救出された後は、襲撃されたウルの町を救うようハジメを説得したり、清水の件でハジメと愛子にわだかまりが残るのではないかと心配したりと、正義感は強いが他人の事ばかり考えるお人よしな面を見せている。その為女性陣からは「いい人」という男にとっては微妙な評価を受ける。マザコンであり、若い頃の母の写真が入ったロケットを常に持ち歩いている。
グレイル・クデタ
クデタ伯爵家当主。ウィルの父親で、イルワの友人。
筋の通った人物でウィルを救出したハジメに礼を述べ、何かあったら力になる事を約束した。
サリア・クデタ
クデタ伯爵家当主夫人。ウィルの母親で、グレイルの妻。ウィルからは「ママ」と呼ばれている。
リシー
フューレンの町の案内人を務める女性。
ハジメに宿の情報を提供するが、ハジメに降りかかった厄介事に巻き込まれる。
プーム・ミン
ミン男爵家の御曹司。肥満体で脂ぎった豚顔の醜悪な男。
ハジメたちが冒険者ギルドに訪れた時に、ユエとシアに目を付けて金で奪おうとしたが、ハジメの凄絶な殺気に怯え、用心棒のレガニドに襲わせるがシアに一蹴されてしまい、最後はハジメに顔面を踏まれて重傷を負う。
レガニド
プームの用心棒で冒険者ランクが“黒”の凄腕の巨漢の冒険者。“暴風”の異名を持ち、金払いが良ければ誰にでも付くことから“金好き”の異名も持つ。
プームの要請を受けてハジメを半殺しにしてユエたちを攫おうとしたが、シアの圧倒的な実力の前に歯が立たず、「割り合わなさすぎる」と心の中でぼやいて敗れる。
ハンセン
裏の世界では三本の指に入るほどの巨大犯罪組織“フリートホーフ”の首領。フューレンに本拠地を構えている。
部下がハジメたちに保護されたミュウを攫い、シアを要求したことでハジメの逆鱗に触れてしまい、関連組織を次々と潰され、自身も本拠地でシアとティオに襲撃され、命乞いをするも当然許されず、シアに止めを刺されて死亡した。
フリートホーフはハジメたちによって半日で壊滅させられた。
リーマン
水棲系の魔物である人面魚。リーマンは種族名。妻子持ちで人情味にあふれた性格で、熟年男性のように達観している。『念話』の固有魔法を持っているため意思疎通が出来る。
地下水脈を泳いでいた所をハジメたちがライセン大迷宮から排出された時に地上に打ち上げられ、『念話』で近くの人間に助けを求めた結果、フューレンの水族館に連れて来られた。シアとデート中のハジメと意気投合し、「リーさん」「ハー坊」と呼び合う仲になり、ハジメがトータスで初めてできた友人となる。ハジメの計らいで水族館から脱出した後、海に帰った。その後、メルジーネ海底遺跡から脱出した直後に悪食の魔物から襲われていたハジメたちの前に現れ、海の生物を操る能力で彼等に助力した。

アンカジ公国

ランズィ・フォウワード・ゼンゲン
アンカジ公国領主。
アンカジのオアシスに含まれる毒素を感染源とする病に罹っていたが、ハジメたちにオアシスと国民の窮状を救われる。アンカジの異変解決後、自身も聖教教会の信徒でありながら、ハジメを異端者扱いした教会相手に啖呵を切ってみせた。
ビィズ・フォウワード・ゼンゲン
ランズィの息子。20代半ばぐらいの青年。
ランズィ同様オアシスの毒に侵されており、グリューエン大砂漠で行き倒れていたところをハジメたちに救出された。
アイリー・フォウワード・ゼンゲン
ランズィの娘。14歳の少女。
亜人差別の意識に捉われておらず、ミュウを見た瞬間、お気に入りに。ハジメたちが迷宮攻略に出ている間は構い倒していた。

聖教教会

イシュタル・ランゴバルド
エヒト教を信仰する聖教教会の教皇。
神の意思を最優先にする狂信者。トータスに召喚されたハジメたちを最初に迎えた。光輝のカリスマ性に目を付けて彼に都合の言い情報を与えて地球組を操りやすいようにしていた。
神の意思により教会や国に従わないハジメの異端者認定を強行した。ノイントがハジメと戦っている時に、司祭たちとともに状態異常の魔法である“覇堕の聖歌”でノイントを援護していたが、愛子の援護を受けたティオのブレスによって教会ごと吹き飛ばされて死亡した。
シモン・リベラール
聖教教会の司祭。白髪に翡翠の瞳に浅黒い肌をした76歳の老人。
茶目っ気と悪戯っ気と逃亡癖があるが狂信的な一面は皆無。高齢にも関わらずフットワークがとても軽い。
元は総本山の司教だったが、十年前に教会の亜人差別に異論を唱えた事で辺境に飛ばされていた。しかし総本山が崩壊した事で、リリアーナによって新教皇に推挙され、就任する。王都に訪れた時にハジメのことで思い悩む優花と愛子の相談に乗る。
正式な名前は「シモン・L・G・リベラール」で、Lはリブ、Gはグリューエンと読む事から、ナイズ・グリューエンの子孫と思われる。
シビル・リベラール
シモンの孫娘。金髪に翡翠の瞳を持つ褐色肌の美女。18歳。
聖職者を目指している身で、基本的に穏やかな性格なのだが、自由奔放過ぎる祖父のシモンには厳しい。
正式な名前は「シビル・L・G・リベラール」
フォルビン
聖教教会の司祭。
アンカジ公国に赴任していることに不満を抱いており、総本山に復帰することを目論んでいる。アンカジでハジメを異端者として処刑しようとしたが、ランズィとアンカジ国民の怒りを買い、石を投げつけられながら神殿騎士達と共に引き返して行った。

神殿騎士

デビット・ザーラー
神殿騎士専属護衛隊隊長。
愛子の護衛任務に就いている内に、他の騎士たちと共に愛子に惚れてしまう。聖教教会への信仰心が強く、亜人に対する差別意識も強い。
ウルの町でハジメたちと出会った時、シアを罵り敵対行動をとったためハジメのドンナーのゴム弾を受けて気絶する。
ウルの町の戦いの後、姿を消した愛子に疑問を感じ、他の騎士たちとともに教会の上層部に何度も抗議し、独自に捜索などを行ったことから総本山への出入りを禁止された。だが、それによって神山の戦いに巻き込まれずに済む。総本山が吹き飛んだのが愛子に所為であることを知ってショックを受けるが、最後は愛子への想いが勝って彼女の側に付いた。
チェイス・ドミノ
神殿騎士専属護衛隊副隊長。
敬語口調で話す。ウルの町ではハジメの使用する銃火器を提供してもらおうと話を持ち掛けるが、ハジメの威圧に圧倒され、引き下がる。
ジョシュア・オキーズ
近衛騎士の一人。
ジェイド・ハット
近衛騎士の一人。

魔国ガーランド

フリード・バグアー
魔人族の国、魔国ガーランドの将軍。赤髪と浅黒い肌が特徴の魔人族の男性。
魔人族が崇める神の敬虔な信者でもあり、神代魔法を二つ保有している。相棒に「ウラノス」という白い竜を使役している。
グリューエン火山で"空間魔法"による奇襲で極光のブレスを放ちハジメに重傷を与えるが、クロスビットの自爆攻撃とティオの竜巻で吹き飛ばされる。王都侵攻ではユエと交戦するが、ハジメを傷つけられたことによるユエの怒りが凄まじく、ウラノス共々大打撃を受ける。さらにハジメの"ヒュベリオン"によって十万もの魔物が一瞬で全滅したのを目の当たりにして、やむなく撤退する。
その後、度重なる作戦の失敗と大打撃に潔く処罰を受けようとしたが、魔王からエーアストら神の使徒五百体とともに新たな使命を与えられる。
魔人族の動向が活発化したのは、フリードが変成魔法によって強力な魔物を作り始めた事が原因である。
カトレア
ガーランドの特殊部隊所属の赤髪の魔人族の女性。ライダースーツのようなピッタリとした黒一色の服を身に纏っている。ミハイルとは恋人の間柄。
フリードの命を受けてオルクス大迷宮に侵入し、“神の使徒”である光輝たちの調査・勧誘を並行に行いながら迷宮の攻略を目論んでいた。フリードから与えられた神代魔法の魔物たちを率いて九十階層で光輝たちを待ち伏せし、光輝たちを勧誘するも拒否されたため襲い掛かる。光輝たちや救援に来たメルドたちを圧倒して窮地に追い込むも、駆け付けたハジメたちによって一瞬にして魔物たちが全滅されて形勢逆転され、最期はハジメに額を撃ち抜かれ死亡した。
ミハイル
カトレアの恋人の魔人族の男性。殺されたカトレアの敵討ちに燃えていた。
王都侵攻で、立ち塞がったシアと交戦するが、彼女の圧倒的な実力の前になすすべなく戦死する。
レイス
特殊部隊所属の魔人族の男性。オールバックの髪型をしている。水属性魔法の使い手。
愛子殺害のためにウルの町へ向かい、清水と接触し彼を唆して寝返らせて大量の魔物をウルの町に襲わせた。清水に人質に取られた愛子を清水ごと攻撃したが、シアによって失敗。ハジメの反撃を受けて命からがら撤退するも、片腕を失う重傷を負い、戦線離脱を余儀なくされた。
ローゲン
特殊部隊所属の魔人族。
アンカジ公国を壊滅させるために、オアシスに魔物を放って汚染させるが、ハジメたちによって魔物はやられてオアシスも浄化される。任務失敗のため、そのまま魔国ガーランドに帰還した。
ダヴァロス
ガーランドの部隊長。
ハルティナ樹海攻略の為、フェアベルゲンに侵攻していたが、ハウリア族に襲撃され、カムの手で首を刎ねられ死亡した。
セレッカ
ダヴァロス部隊副官。
ハルティナ樹海攻略の為、フェアベルゲンに侵攻していたが、ハウリア族に襲撃され、毒を受けて死亡した。
ディヴォフ
ガーランドの部隊長。
ヘルシャー帝国に侵攻し、ガハルドの殺害を目論むが失敗し戦死する。
魔王
ガーランド国王。金髪に紅い眼をした男。

竜人族

アドゥル・クラルス
竜人族の長で、ティオの祖父。
ハルガ・クラルス
ティオの父親で元竜人族の王。
500年以上前に起きた人間族との戦争で戦死した。死ぬ前にティオに、"本当の敵"の存在を教えた。
オルナ・クラルス
ティオの母親にしてハルガの妻。
500年前の戦争でハルガと共に戦死した。
ヴェンリ
ティオの傍付きの女性。

解放者

オスカー・オルクス
年齢:18歳(『零』当時) / 性別:男 / 天職:錬成師
七大迷宮の一つ・オルクス大迷宮の主。"生成魔法"の担い手。
外伝『零』の主人公。オルクス工房に務める錬成師の青年。細い黒縁の眼鏡をかけて黒い長髪を結んでいる。
ミレディ・ライセン
七大迷宮の一つ・ライセン大迷宮の主。"重力魔法"の担い手。解放者の中で唯一、"魂魄魔法"によって魂をゴーレムに移す事で生き長らえている。
外伝『零』のヒロイン。神に反逆する組織『解放者』のリーダーを務める少女。金髪のポニーテールの美少女だがとてつもなくウザい性格をしている。
ナイズ・グリューエン
七大迷宮の一つ・グリューエン大火山の主。"空間魔法"の担い手。
メイル・メルジーネ
七大迷宮の一つ・メルジーネ海底遺跡の主。"再生魔法"の担い手。海人族の女性。
ラウス・バーン
七大迷宮の一つ・神山の主。"魂魄魔法"の担い手。
リューティリス・ハルツィナ
七大迷宮の一つ・ハルツィナ樹海の主。"昇華魔法"の担い手。森人族の女性。
ヴァンドゥル・シュネー
七大迷宮の一つ・氷雪洞窟の主。"変成魔法"の担い手。

真の神の使徒

トータスで数千年にわたって裏で暗躍している黒幕の一翼。エヒト神によって創造された存在であり、”分解”や全属性への適正、無限に供給される魔力、単独での飛行能力といった規格外な能力に加え、ハジメに匹敵するステータスを持つ。

ノイント
真の“神の使徒”の一人。銀髪碧眼の神秘的な雰囲気の美女だが、能面のように無感情で機械的な瞳をしている。戦闘の時はワルキューレのようなドレス甲冑を身に纏う。
強大な力を持ったハジメこと『イレギュラー』に脅威を感じた“神”の命を受けて、修道女としてハイリヒ王国の王宮内に潜伏し、魅了の力で王族や貴族たちを操り、メルドを殺害し愛子を誘拐した。神山に現れたハジメを排除すべく死闘を繰り広げるも、最後には心臓をパイルバンカーで撃ち抜かれて命を落とす。
死後、身体を香織の魂魄を定着させるための器として使用された。
エーアスト
真の“神の使徒”の一人。姿形はノイントと同一。
“神”の命令によって、神の使徒五百体と共に魔国ガーランドに顕現する。

エヒト
トータスの創世神。イシュタル曰く、ハジメたちを召喚するように神託を下したとのこと。
オスカーの遺言によれば、長きにわたりトータスの人類を駒としたゲームを行っており、現在も続けている。

用語

トータス
ハジメたち地球組が召喚された異世界の名称。人間族、魔人族、亜人族の三種族が住む世界。人間族と魔人族は何百年も戦争を続けており、最近では魔人族が凶悪な魔物を使役しはじめた。
その劣勢を覆して魔人族を打倒するため、人間族の国、ハイリヒ王国が勇者を求めてハジメたちを召喚した。
アーティファクト
現在のトータスでは再現できない強力な能力を持った魔法道具。
神やその眷属達が地上にいた神代に創られたと言われている。ハジメたちの能力を表示するステータスプレートもその一つ。
天職
非常に稀有な「才能」。関連した能力である「技能」と連動しており、その天職の領分では無類の才能を発揮する。
戦闘系天職と非戦系天職に分類され、戦闘系の天職はものによっては万人に一人の割合でしか発現しない。非戦系の天職の割合は百人に一人から十人に一人までなど様々である。
七大迷宮
トータスにおける七つの危険地帯。どの迷宮も強力な魔物や狡猾な罠が施されており、攻略は非常に困難だが、攻略に成功すれば神代魔法が手に入る。また、それぞれの迷宮には攻略のコンセプトがあり、それを満たさなければ攻略は認められず神代魔法は手に入らない。
オルクス大迷宮
ハジメたちが最初に訪れた地下大迷宮。全百階層からなるといわれており、下に進むにつれて魔物は強くなっている。実力を測りやすいことと、良質な魔石が手に入ることから、冒険者や傭兵、新兵の訓練の場として人気が高く、大迷宮の近くには宿場町ホルアドがある。だが、実際は百階層の奥にもう一つの百階層があり、それこそが真のオルクス大迷宮である。
コンセプトは『強力な数多の魔物との豊富な戦闘を経て経験を積むこと』。
入手できるのは生成魔法。
ライセン大迷宮
ライセン大峡谷にある大迷宮。ミレディの性格が反映したかのような狡猾な罠が数多く施されており、さらにミレディのウザ過ぎるメッセージも用意されている。また、一定時間が経過すると内部の構造が変化してしまうため、マッピングは意味を成さない。大峡谷では魔力が分散してしまうため、魔法を使うことが出来ない。
コンセプトは『魔法が使えない状況下で、あらゆる攻撃への対応力を磨くこと』。
入手できるのは重力魔法。
グリューエン大火山
アンカジ公国の近くにある火山。成層火山のような円錐状ではなく、溶岩円頂丘のように平べったい形をしている。火山の灼熱によるうだるような暑さと強力な魔物がいる過酷な場所。数百年程は噴火が確認されていなかったが、フリードが「要石」を破壊したことで活発化した。
コンセプトは『過酷な状況下における集中力の阻害と奇襲への対応を磨くこと』。
入手できるのは空間魔法。
メルジーネ海底遺跡
海上町エリセンの近くの海底にある大迷宮。過去に神によって引き起こされた狂気や悲劇の幻覚よる精神的な罠が多く施されている。さらには亡霊や悪食といわれる神代の巨大な魔物が巣食っている。
グリューエン大火山で入手できるペンダントが、位置を示す鍵となる。
コンセプトは『狂った神がもたらすものの悲惨さを知ること』。
入手できるのは再生魔法。
神山
聖教教会の総本山がある標高八千メートル以上を誇る山。ハジメたちが立ち入る前に愛子の幇助を受けたティオのブレスによって吹き飛ばしてしまったため詳細は不明だが、聖教教会を吹き飛ばしたことで攻略が認められる結果となった。
コンセプトは『神に靡かない確固たる意志を有すること』。
入手できるのは魂魄魔法。
ハルツィナ樹海
フェアベルゲンの大樹ウーア・アルトの内部にある大迷宮。
コンセプトは『仲間との絆と誘惑に打ち勝つ強さを磨くこと』。
オルクス大迷宮(指輪)、ライセン大迷宮(指輪)、グリューエン大火山(ペンダント)、メルジーネ海底遺跡(コイン)の攻略の証と再生魔法を持っていることが必須条件であり、それら全てが揃わないと内部に入ることが出来ない。
入手できるのは昇華魔法。
氷雪洞窟
魔国ガーランドの近郊にある【シュネー雪原】に存在する洞窟。
入手できるのは変成魔法。
フリードが攻略し、変成魔法を入手した。

書籍情報

小説(メインシリーズ)

  1. ありふれた職業で世界最強 1(2015年6月24日)ISBN 978-4-86554-055-0
  2. ありふれた職業で世界最強 2(2015年11月21日)ISBN 978-4-86554-073-4
  3. ありふれた職業で世界最強 3(2016年2月24日)ISBN 978-4-86554-093-2
  4. ありふれた職業で世界最強 4(2016年7月27日)ISBN 978-4-86554-143-4
  5. ありふれた職業で世界最強 5(2016年11月21日)ISBN 978-4-86554-178-6
  6. ありふれた職業で世界最強 6(2017年5月25日)ISBN 978-4-86554-219-6
  7. ありふれた職業で世界最強 7(2017年12月25日)ISBN 978-4-86554-265-3
    • ありふれた職業で世界最強 7 ドラマCD付き特装版(2017年12月25日)ISBN 978-4-86554-266-0
  8. ありふれた職業で世界最強 8(2018年4月25日)ISBN 978-4-86554-308-7

小説(外伝)

  1. ありふれた職業で世界最強 零 1(2017年12月28日)ISBN 978-4-86554-267-7
  2. ありふれた職業で世界最強 零 2(2018年07月28日)ISBN 978-4-86554-373-5

漫画

  1. ありふれた職業で世界最強 1(2016年12月25日)ISBN 978-4-86554-183-0
  2. ありふれた職業で世界最強 2(2017年9月25日)ISBN 978-4-86554-261-5
  3. ありふれた職業で世界最強 3(2018年4月25日)ISBN 978-4-86554-343-8

漫画(外伝)

  1. ありふれた職業で世界最強 零 1(2018年7月25日)ISBN 978-4-86554-381-0

漫画(スピンオフ)

  1. ありふれた日常で世界最強 1(2018年4月25日)ISBN 978-4-86554-342-1

テレビアニメ

2018年4月より放送が予定されていた[2]が、制作上の都合により放送時期を2019年に延期することが発表された[3]。放送延期に伴い、スタッフや制作会社も変更されている[4]

スタッフ

出典

  1. ^ オーバーラップ文庫刊『ありふれた職業で世界最強』がシリーズ累計50万部を突破 最新6巻もいよいよ発売”. ラノベニュースオンライン (2017年5月23日). 2018年2月4日閲覧。
  2. ^ a b “「ありふれた職業で世界最強」TVアニメ化!異世界召喚された男子のファンタジー”. コミックナタリー (株式会社ナターシャ). (2017年12月2日). http://natalie.mu/comic/news/259249 2017年12月2日閲覧。 
  3. ^ “4月アニメ「ありふれた職業で世界最強」が放送延期に”. コミックナタリー (株式会社ナターシャ). (2018年1月15日). https://natalie.mu/comic/news/265289 2018年1月15日閲覧。 
  4. ^ a b c d e f “「ありふれた職業で世界最強」新ビジュアル公開、スタッフ情報も明らかに”. コミックナタリー (株式会社ナターシャ). (2018年4月29日). https://natalie.mu/comic/news/280209 2018年4月29日閲覧。 

外部リンク