鈴木歩
鈴木 歩(すずき あゆみ、1983年(昭和58年)9月23日 - )は日本の囲碁女流棋士。東京都出身。岩田一九段門下、日本棋院東京本院所属。女流最強戦優勝2回など。夫は囲碁棋士の林漢傑。
経歴
5歳で岩田囲碁教室に通い囲碁を始める。この頃は水泳、バレエ、英語、ピアノ、公文なども習っていたが次第に囲碁一本に集中し、小学3年の時にアマチュア四段になり、同じ教室の万波佳奈らとともにプロを目指す。1995年に少年少女囲碁大会小学生の部、1996年に中学生の部でそれぞれ東京都大会優勝。また1995年には世界4都市対抗少年少女囲碁大会に東京代表として出場。中学1年の時に日本棋院院生となる。1998年には韓国の権甲龍教室の囲碁合宿に参加。
2001年女流枠で新入段、同年二段。2003年女流最強戦決勝で中澤彩子を破り、入段3年目で棋戦初優勝。翌2004年NHK杯に初出場し、横田茂昭に敗れる。同年、正官庄杯に日本代表として出場。2006年リコー杯プロペア碁選手権戦に、張栩とペアで出場して優勝、翌期は同じペアで準優勝。2007年、四段昇段(勝星対象棋戦通算50勝)、4期ぶりに女流最強戦で優勝、新人王戦ベスト8進出、平成以降女流棋士史上歴代9位となる年間31勝を記録。2008年10月、第1回ワールドマインドスポーツゲームズ囲碁女子団体戦に青木喜久代、小山栄美と日本代表として出場、銅メダルを獲得[1]。
2009年、女流名人戦リーグ入りし、4勝2敗で2位。2010年、賞金ランキングにより五段昇段、LG杯世界棋王戦国際予選では古霊益を破るなど活躍するが本戦出場はならなかった。12月2日に、第36期棋聖戦最終予選進出、女流棋士の棋聖戦最終予選進出は第28期の矢代久美子以来となる。
2010年、6月1日に初めて囲碁が競技種目となった2010年アジア競技大会の日本代表に選出された[2]。結城聡と組んだ「ペア碁」予選では3勝3敗で9位。「女子団体」では台湾代表との3位決定戦(主将戦)で謝依旻と対戦し、盤上では半目勝ちの終局間際に対局時計のボタンを押し損ねるというハプニングで敗れメダルを逃した[3]。
2011年、前述結城聡とのペアでシードされたペア碁選手権戦では準優勝。賞金ランキングにより、六段へ昇段を果たす。第36期棋聖戦では、宮沢吾朗・高原周二を破り、最終予選決勝に進出。しかし3月3日の決勝で天元3期の実績を誇る河野臨に中押し負けを喫し、史上初の女流棋士による挑戦者決定リーグ入りに失敗[4]。河野には過去に竜星戦で敗れた雪辱戦でもあったが、返り討ちとなってしまった。第20期竜星戦優勝決定トーナメント戦入り。
2014年6月9日、長女誕生。
2014年11月22日、夫の林漢傑とのペアで日本棋院90周年記念非公式棋戦「夫婦棋士囲碁トーナメント戦」で優勝[7]。
2015年、棋聖戦の新設された制度で、Cリーグ入り。
昇段履歴
- 2001年 初段、二段
- 2002年9月27日 三段(大手合)
- 2007年4月6日 四段(勝星規定)
- 2010年 五段(賞金ランキング)
- 2011年 六段(賞金ランキング)
- 2016年 七段
タイトル歴
- 女流最強戦 2003、07年
登場回数 4回 獲得合計 2期
他の棋歴
- ワールドマインドスポーツゲームズ 女子団体戦3位(決勝 ○Wei・Chen(オーストラリア)、○唐奕(中国)、○金由美(北朝鮮))
- 女流本因坊戦 挑戦者 2008年
- 女流名人戦 挑戦者 2015年
- リコー杯プロペア碁選手権戦 優勝 2006年(張栩とのペア) 準優勝 2011年(結城聡とのペア)
- 正官庄杯世界女子囲碁最強戦 2005年 0-1(×葉桂)、2009年 0-1(×朴鋕恩)、2010年 0-1(×朴鋕恩)、2011年 0-1(×文度媛)
- 棋聖戦最終予選決勝進出 2011年
- 竜星戦優勝決定トーナメント戦入り 2011年
- 日本棋院90周年記念「夫婦棋士囲碁トーナメント戦」優勝 2014年(林漢傑とのペア)
脚注
- ^ 第1回ワールドマインドスポーツゲームス 囲碁
- ^ 「第16回アジア競技大会」日本代表候補選手内定
- ^ メダル1個、涙と収穫と アジア大会囲碁 asahi.com 2010年12月2日付 2010年12月6日閲覧
- ^ 鈴木歩の思い出の一局
- ^ 週刊碁 2013年6月17日号
- ^ 鈴木歩六段の近況報告(2014年5月)
- ^ 鈴木・林夫婦ペアが優勝!【日本棋院90周年記念 夫婦棋士囲碁トーナメント戦】
参考文献
- 佐野真「この道を行く 鈴木歩女流最強位」(『碁ワールド』2004年2月号)