路線図

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日本の新幹線の路線図

路線図(ろせんず)とは、鉄道バスの路線を図に表したものである。通常、路線を表すと停留所(鉄道駅)を表す記号化されて表現され(ダイアグラム)、方向距離は図面上では抽象化されており一般の地図とは性格が異なる。ここでは鉄道・路線バスのものについて詳述する。

概要

路線図は路線と路線にある駅の順序を視覚的に伝える性格を持ち、方向や距離などは大まかで地理を正確に表現することが第一目的ではない。

路線図上では駅や停留所は点(円・丸印・長円など)、路線は線で表現される。駅や停留所を表す点は、始発地や乗換地、終点などでは大きな点や二重円などで表現されることも多い。また、路線についても各路線で線色や線種が区別されていることが多く、路線名称については線上またはその近くに直接あるいは引き出し線で付記される。他社路線について若干薄い色で乗換場所を案内しているものもある。

案内する性格であることから、鉄道や路線バスの場合、駅や停留所バスターミナルや、車内に掲出される。事業者や路線によっては、旅客に対し、印刷した図を配布したり、販売されることもある。また、時刻表に併せて掲載されることもある。

地理的な正確性よりも、路線上の駅の相対的な位置や駅同士の接続関係を重視して、図式的に路線・駅・料金ゾーンなどを配置したロンドン地下鉄路線図(チューブ・マップ)は、世界中の地下鉄・鉄道・バス路線図のデザインに影響を与えた。

山手線大阪環状線など循環している路線では円形あるいは楕円形の路線図が用いられることも多い。

鉄道

鉄道路線は航空路線などと異なり、起点から終点までの間にいくつもの駅が存在し、鉄道の発達とともに、路線が網のように広がって複雑化する。路線と駅のみを単純化した線の図を作成・掲示(配布)することにより、旅客などは目的の駅と通る路線・そこまでの経路・乗換地点を把握することが出来るものである。

したがって、駅構内の配線、勾配などは無視され、基本的に1つの路線は1本の線、1つの駅は1つの点(記号)で表現される。駅の点(記号)の横に当該駅名を付する。路線の分岐は駅の点または線の途中から線を枝分かれさせて表現する。

駅と駅の間の距離などの縮尺は無視されることが多く、一部に、地図式の路線図も存在するが、正確な縮尺に基づくものは、案内掲示のものとしては少数派である。

路線を表す線は、事業者・路線・区間などで分けすることがある。図によっては、単線区間を細線、複線区間を太線で表すなどの工夫もある。橋梁トンネルなどは基本的には省かれるが、特徴のある橋梁やトンネル(青函トンネルなど)は記載することがある。

なお、列車(列車種別)の停車駅を線で表したものは「停車駅案内図」などと呼ばれ、狭義の路線図ではないが、路線図から派生したものと見られる。また路線図に、駅の記号を数種類設けたり、1路線であっても種別ごとに2本以上の線を引くなどして、停車駅の違いを表した路線図もある。

地下鉄などで、各路線毎に運行系統が独立している場合、列車が運行する1路線のみ記載した路線図もある。これらは主として駅や車内に掲示される。路線の交差は、駅名のそばに乗り換え路線名を記す事で案内する。

路線バス

路線バスについては、運行系統ごとに把握する意義があることから、1つの運行系統につき1本の線で表現する「系統図」がある。停車駅案内図と系統図は列車あるいは系統ごとに色分けして表現することが基本形となっている。

また地図の道路上に線を引き、路線・停留所を表した路線図もあり、こちらはベースとなっている地図については縮尺が正確である。

出版物

鉄道事業者やバス事業者(それに準ずる機関を含む)が編集・監修または発行する出版物において、路線図を掲載していることがある。最も多いのは列車時刻表の書籍である。

民営鉄道各社が競合する日本においては、自社時刻表において基本的に自社路線のみを記載するか、自社路線を強調して記載していることが多い。地域内全ての鉄道路線を網羅したものは、大概鉄道事業者以外の組織が制作している。

道路の路線図

日本の自動車道事業規則における路線図は同規則5条において縮尺5万分の一以上の平面図とされ、路線の距離、主要構造物(橋、トンネル)、道路、線路との交差位置などの図示が要件としてあげられている。[1]

鉄道路線図

関連項目