矢崎源九郎
矢崎 源九郎(やざき げんくろう、1921年(大正10年)3月26日 - 1967年(昭和42年)2月23日)は、日本の言語学者、北欧文学者、翻訳家。善隣外事専門学校教授、大阪外事専門学校教授、東京教育大学助教授。長男は俳優の矢崎滋。
生涯
山梨県生まれ。静岡県、東京府と移り、成城高等学校を経て、1943年東京帝国大学言語学科卒。専攻はビルマ語。直ちに副手となり、1944年善隣外事専門学校教授、1945年大阪外事専門学校教授。戦後1950年東京教育大学助教授となる。
アンデルセン、イプセンなど北欧の作家の翻訳のほか、イタリアのアミーチスを訳した。1961年世界童話文学全集の翻訳で産経児童出版文化賞大賞、1965年、『アンデルセン童話全集』により再度同賞受賞。
1966年胃がんの手術をし、1967年2月16日教授昇進、その7日後に45歳で死去した。ポール・アザールの『本・子ども・大人』の翻訳は児童文学界に影響を与えた。
著書
- 『王さまとうぐいす』講談社 1955
- 『イタリア語の話』1959(大学書林語学文庫)
- 『これからの日本語』三笠書房 1960
- 『外来語の履歴書』角川新書 1961
- 『話題が豊かになる外来語典』講談社(ミリオン・ブックス)1963
- 『日本の外来語』岩波新書 1964
- 『世界のことわざ 民族の知恵』社会思想社(現代教養文庫)1965
- 『世界の民話』社会思想社(現代教養文庫)1966
- 『外来語小事典』社会思想社(現代教養文庫)1970
共編著
- 『子どもに聞かせる世界の民話』(編)実業之日本社 1964
- 『世界文学入門』(編)三笠書房 1964
- 『愛は永遠に』(編)三笠書房 1965
- 『芸術家の名言』(編著)実業之日本社(実日新書カルチュア)1966
- 『子供に読ませたい本』神宮輝夫共編著 社会思想社(現代教養文庫)1966
翻訳
- 『アンデルセンの童話 1』青峯書房 1947
- フーケー『美しき水の精の物語』アテネ出版社 1949
- S.L.ファーズ『大工の子イエス』神田盾夫共訳、中央公論社 1950
- 『アンデルセン童話選集』全5巻 国民図書刊行会 1949-1951
- アンデルセン『絵のない絵本』新潮文庫 1952
- ヤコブセン『ここに薔薇ありせば』岩波文庫 1953
- イプセン『人形の家』新潮文庫 1953
- 『アンデルセン童話集』全3冊 山室静共訳 新潮文庫 1952-1953
- セルマ・ラーゲルレーヴ『ニールスのふしぎな旅』岩波少年文庫 1953-1954
- 『グリム童話全集 1』河出書房 1954
- イプセン『野鴨』新潮文庫 1954
- コッロディ『ピノッキオ』(のち新潮文庫)フランチェスキーニ『青い森の小人たち』わたくしたちの世界名作童話全集 5(南欧篇) 同和春秋社 1955
- イプセン『民衆の敵』新潮文庫 1956
- ツウィルクメイエル『ゆかいなヤンくん』岩波少年文庫 1956
- 『ジャンニーノのいたずら日記』 ヴァンバ 講談社 1956
- ツウィルクメイエル『ゆかいなインゲルちゃん』講談社 1957
- ポール・アザール『本・子ども・大人』横山正矢共訳 紀伊国屋書店 1957
- エドモンド・デ・アミーチス『クオレ 愛の学校』角川文庫 1957
- クヌート・ハムスン『愛の悲しみ ヴィクトリア』角川文庫 1957
- バルブラ・リング『アンネお嬢さん』秋元書房 1957
- クヴェドナウ『クララ・シューマン物語』実業之日本社 1958
- ウィーダ『フランダースの犬』実業之日本社 1958 のち角川文庫
- デレッダ『まごころ』少年少女世界文学全集 38(南欧・東欧編 1) 講談社 1960
- 『蝶々夫人』イタリア歌劇名作集 角川文庫 1960
- レジナルド・ネッテル『音楽のふるさと 音楽での偉大な瞬間』 同和春秋社 1961
- ビョルンソン『日向が丘の少女』少年少女世界文学全集 37(北欧編)講談社 1961
- 『東南アジア民話』少年少女世界文学全集 42(東洋編)講談社 1961
- 『剛勇グレティル物語』少年少女世界文学全集 3(古代中世編)講談社 1962
- 『アンデルセン自伝』世界ジュニアノンフィクション全集 講談社 1962
- レイフ・ハムレ『青二号-とびだせ』講談社 1964(少年少女新世界文学全集 27(北欧現代編))
- トーベ・ヤンソン『ムーミン谷は大さわぎ』偕成社 1965
- キャスリーン・アーノット『オクスフォード世界の民話と伝説 10(アフリカ編)』講談社 1965
- F.ストリンドベルイ『愛と悲しみと時=ストリンドベルイ』世界の人間像 第17 角川書店 1965
- 『南欧のむかし話』研秀出版 1966
- 『そらとぶおしろ ギリシアむかし話』偕成社 1966
- ウンセット『花嫁の冠』世界の文学 中央公論社 1966
- リンドグレーン『長くつ下のピッピ』世界の名作図書館 講談社 1966
- 『アラビアン・ナイト 東洋古典』講談社 1967
- 『世界恋愛詩集』星野慎一共訳 三笠書房(世界の名詩集)1968
- 『ドイツ・北欧の民話』星野慎一共著 さ・え・ら書房(世界民話の旅)1970
脚注
外部リンク
- 『矢崎 源九郎』 - コトバンク
- 矢崎 源九郎:作家別作品リスト - 青空文庫